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リヴァー〜ジョニ・ミッチェルへのオマージュ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
『リヴァー〜ジョニ・ミッチェルへのオマージュ』
ハービー・ハンコックスタジオ・アルバム
リリース
録音 ニューヨーク アバター・スタジオハリウッド オーシャン・ウェイ・レコーディング[1]
ジャンル ジャズ
時間
レーベル ヴァーヴ・レコード
プロデュース ハービー・ハンコック、ラリー・クライン
専門評論家によるレビュー
チャート最高順位
  • 5位(アメリカ[2]
  • 20位(カナダ[2]
  • 38位(イタリア[3]
  • 51位(日本[4]
  • 54位(ドイツ[5]
  • 57位(スペイン[6]
  • 61位(スイス[7]
  • 67位(オーストリア[8]
  • 70位(フランス[9]
  • 76位(オランダ[10]
  • 86位(ベルギー・フランデレン地域[11]
  • ハービー・ハンコック アルバム 年表
    ポシビリティーズ
    (2005年)
    リヴァー〜ジョニ・ミッチェルへのオマージュ
    (2007年)
    イマジン・プロジェクト
    (2010年)
    テンプレートを表示

    リヴァー〜ジョニ・ミッチェルへのオマージュ』(原題:River: The Joni Letters)は、アメリカ合衆国ジャズ・ミュージシャン、ハービー・ハンコック2007年ヴァーヴ・レコードから発表したスタジオ・アルバム

    背景

    [編集]

    ハンコックとしては9年ぶりのアコースティック・ジャズ・アルバムに当たる[12]。収録曲の大部分はジョニ・ミッチェルのカヴァーだが、デューク・エリントンの「ソリチュード」、ウェイン・ショーターマイルス・デイヴィスに提供した「ネフェルティティ」といった、ミッチェルが作曲に関与していない曲も含まれている[13]。「ティー・リーフの予言」のカヴァーには、ミッチェルがボーカルで本人参加しており、さらにノラ・ジョーンズティナ・ターナーコリーヌ・ベイリー・レイルシアーナ・ソウザ英語版レナード・コーエンもゲスト・ボーカリストに起用された[13]。ハンコック自身は本作の方向性に関して「彼女(ミッチェル)の歌詞は多くの場合、特定の場所、はたまた特定の登場人物の出来事を丹念に描写している。私たちはそれについて議論して、歌詞の題材をほとんど視覚的に表現してみようというアイディアに落ち着いた。強いて言えば、映画的なアプローチで、サウンドトラックを作るような感じさ」と語っている[14]

    本作に参加したミュージシャンのうちハンコックとウェイン・ショーターは、ミッチェルのアルバム『ミンガス』(1979年)にゲスト参加している[15]。また、本作では長年にわたりミッチェルと共同作業を行ってきたラリー・クラインが共同プロデューサーに起用された[16]

    レコーディングは主にアバター・スタジオオーシャン・ウェイ・スタジオで行われたが、ティナ・ターナーのボーカルはスイスチューリッヒ、コリーヌ・ベイリー・レイのボーカルはイングランドヨークシャーで別録りされた[1]

    反響

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    アメリカの総合アルバム・チャートBillboard 200では5位に達し、キャリア初の全米トップ10アルバムとなった[2]。また、『ビルボード』のコンテンポラリー・ジャズ・アルバム・チャートでは1位を獲得した[2]

    日本のオリコンチャートでは15週トップ300入りし、2008年2月25日に最高51位を記録した[4]

    評価

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    第50回グラミー賞では、本作が最優秀アルバム賞と最優秀コンテンポラリー・ジャズ・アルバム賞を受賞し、収録曲「青春の光と影」は最優秀ジャズ・インストゥルメンタル・ソロ賞にノミネートされた[17]。なお、ジャズのアルバムがグラミー賞最優秀アルバム賞を受賞するのは、スタン・ゲッツジョアン・ジルベルトのコラボレーション・アルバム『ゲッツ/ジルベルト』以来43年ぶりであった[18]

    ジョン・ケルマンはAll About Jazzにおいて5点満点中4.5点を付け「ジョニ・ミッチェルが現在に至るまで有しているジャズ的な気質を、さらなる優れた解釈で強化してみせた見事なディスク」と評している[13]。Thom Jurekはオールミュージックにおいて5点満点中4点を付け「ジャズ・ファンにとっては、彼(ハンコック)およびショーターの素晴らしき新章で、新たな聴き方が楽しめる。ポップ・ファンおよびミッチェルのファンにとっては、別世界に突入し素晴らしい経験をする静かなる第一歩となり得る」と評している[16]。また、ジョン・L・ウォルターズは2007年10月4日付の『ガーディアン』紙のレビューで5点満点中3点を付け「強力なボーカル・パフォーマンスが即興演奏と互角にせめぎ合っている曲が聴き所で、例えば"Edith and the Kingpin"におけるティナ・ターナーの荘厳な声、ミッチェル自身による"Tea Leaf Prophecy"、"The Jungle Line"におけるレナード・コーエンの風変りだが輝かしい歌が、ハンコックによる天下一品のアコースティック・ピアノを従えている様が挙げられる」と評している[19]

    収録曲

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    特記なき楽曲はジョニ・ミッチェル作。

    1. コート・アンド・スパーク - "Court and Spark" - 7:36
    2. イーディスと親玉 - "Edith and the Kingpin" - 6:33
    3. 青春の光と影 - "Both Sides, Now" - 7:39
    4. リヴァー - "River" - 5:26
    5. スウィート・バード - "Sweet Bird" - 8:17
    6. ティー・リーフの予言 - "Tea Leaf Prophecy" (Joni Mitchell, Larry Klein) - 6:35
      • フィーチャリング:ジョニ・ミッチェル
    7. ソリチュード - "Solitude" (Eddie DeLange, Duke Ellington, Irving Mills) - 5:44
    8. アメリア - "Amelia" - 7:28
    9. ネフェルティティ - "Nefertiti" (Wayne Shorter) - 7:31
    10. ジャングル・ライン - "The Jungle Line" - 5:01

    日本盤ボーナス・トラック

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    1. ア・ケイス・オブ・ユー - "A Case of You" - 7:51

    2017年エクスパンド・エディション盤ボーナス・ディスク

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    これら4曲はアルバム本編とは別のセッションで、ベースはデイヴ・ホランドに代わりラリー・クラインが担当して、ディーン・パークス(ギター)とパウリーニョ・ダ・コスタ(パーカッション)も参加している[20]

    1. "A Case of You" - 7:42
    2. "All I Want" - 4:13
    3. "Harlem in Havana" - 8:15
    4. "I Had a King" - 8:34

    参加ミュージシャン

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    ゲスト・ボーカリストに関しては上記「収録曲」参照。

    脚注

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    1. ^ a b Herbie Hancock - River: The Joni Letters (2007, CD) | Discogs
    2. ^ a b c d Herbie Hancock - Awards”. AllMusic. 2016年1月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年1月23日閲覧。
    3. ^ italiancharts.com - Herbie Hancock - River - The Joni Letters
    4. ^ a b リヴァー〜ジョニ・ミッチェルへのオマージュ - ハービー・ハンコック”. オリコン. 2021年2月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年4月23日閲覧。
    5. ^ Offizielle Deutsche Charts
    6. ^ spanishcharts.com - Herbie Hancock - River - The Joni Letters
    7. ^ Herbie Hancock - River - The Joni Letters - hitparade.ch
    8. ^ Herbie Hancock - River - The Joni Letters - austriancharts.at
    9. ^ lescharts.com - Herbie Hancock - River - The Joni Letters
    10. ^ Herbie Hancock - River - The Joni Letters - dutchcharts.nl
    11. ^ ultratop.be - Herbie Hancock - River - The Joni Letters
    12. ^ 日本初回盤CD (UCCV-1100)帯
    13. ^ a b c Kelman, John (2007年10月11日). “Herbie Hancock: River: The Joni Letters”. All About Jazz. 2021年1月23日閲覧。
    14. ^ Herbie Hancock Talks Math, Music and Mastering the Tech Toolbox”. Wired. Condé Nast (2007年10月2日). 2021年1月23日閲覧。
    15. ^ Planer, Lindsay. “Mingus - Joni Mitchell”. AllMusic. 2021年1月23日閲覧。
    16. ^ a b Jurek, Thom. “River: The Joni Letters - Herbie Hancock”. AllMusic. 2021年1月23日閲覧。
    17. ^ Herbie Hancock - Artist”. GRAMMY.com. Recording Academy. 2021年1月23日閲覧。
    18. ^ Herbie Hancock Wins Album Of The Year at Grammy Awards”. DownBeat. Maher Publications (2008年2月11日). 2021年1月23日閲覧。
    19. ^ Walters, John L (2007年10月5日). “Herbie Hancock, River: The Joni Letters”. The Guardian. Guardian News and Media. 2021年1月23日閲覧。
    20. ^ Herbie Hancock - River: The Joni Letters (2017, CD) | Discogs

    外部リンク

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