オリジナル・デラニー&ボニー
『オリジナル・デラニー&ボニー』 | ||||
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デラニー&ボニー の スタジオ・アルバム | ||||
リリース | ||||
録音 | カリフォルニア州ロサンゼルス エレクトラ・スタジオ | |||
ジャンル | ロック、スワンプ・ロック | |||
時間 | ||||
レーベル | エレクトラ・レコード | |||
プロデュース | デラニー・ブラムレット | |||
専門評論家によるレビュー | ||||
チャート最高順位 | ||||
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デラニー&ボニー アルバム 年表 | ||||
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『オリジナル・デラニー&ボニー』(原題:The Original Delaney & Bonnie)は、アメリカ合衆国の夫婦デュオ、デラニー&ボニーが1969年にエレクトラ・レコードから発表したスタジオ・アルバム。録音は次作『ホーム』より後だが、リリース順としては本作がファースト・アルバムに当たる[3][4]。
背景
[編集]デラニー&ボニーはスタックス・レコードでのレコーディング後、ボビー・ウィットロックらを迎えてデラニー&ボニー&フレンズとしての活動を始め、カリフォルニア州サンフェルナンド・バレーを拠点としたライヴ活動を経てエレクトラ・レコードと契約[5]。なお、本作のリリース前の音源を聴いたジョージ・ハリスンは、エレクトラとの契約を知らずにデラニー&ボニーをアップル・レコードに勧誘し、本作をアップルから「SAPCOR 7」というカタログ番号で発売しようとするが、エレクトラからのクレームによって未発売に終わった[6]。現存する本作のアップル盤LPは、同レーベルのイギリス盤LPの中でも最もレアなレコードとして知られ、3400ドル以上の値が付いたこともある[6]。
「闘いが終わる時」はドクター・ジョンが提供した曲である[7]。「老人」と「団結しよう」は、1968年8月にスタックス・レコードで録音された曲の再演で、『ホーム』のリマスターCDには、これら2曲の初期ヴァージョンがボーナス・トラックとして収録された。また、「団結しよう」と「ゲットー」は、本作に先駆けてザ・ステイプル・シンガーズのアルバム『Soul Folk in Action』(1968年)でカヴァーされた[8]。
「団結しよう」は本作に先行して1969年4月にシングルとしてリリースされ、5月には「闘いが終わる時」もシングル・カットされたが[1]、いずれもチャート入りしていない[2]。
本作のジャケットには「The Original Delaney & Bonnie」に加えて「Accept No Substitute」という記載もあり、後者が本作のタイトルとみなされる場合もある[9]。また、オリジナルLPのレーベルには「The Original Delaney & Bonnie & Friends」と記載され[10]、『ビルボード』1969年5月24日号の広告でも同様のタイトルで紹介された[11]。
反響・評価
[編集]アメリカのBillboard 200では175位を記録[2]。
ロバート・クリストガウは、1969年6月22日付の『ニューヨーク・タイムズ』紙に掲載されたソウルミュージックのデュエット・アルバムの特集記事「Wholly and Solely About Soul」において「『オリジナル・デラニー&ボニー』にストリングスを追加したアレンジャーは、シンガー達が白人だと信じられなかったそうである。しかし、これは白人のアルバムであり、優れた作品だ」と評している[12]。また、ロニー・D・ランクフォードJr.はオールミュージックにおいて5点満点中3.5点を付け「翌年に発表される『いとしのレイラ』(デレク&ザ・ドミノスのアルバム)と同様の、ソウルとロックンロールの融合が収録されている」と評している[13]。
収録曲
[編集]- 団結しよう "Get Ourselves Together" (Bonnie Bramlett, Carl Radle) – 2:27
- いつの日か "Someday" (B. Bramlett, Doug Gilmore, Jerry Allison) – 3:29
- ゲットー "Ghetto" (B. Bramlett, Homer Banks, Bettye Crutcher) – 4:55
- 闘いが終わる時 "When the Battle Is Over" (Mac Rebennack, Jessie Hill) – 3:35
- 老人 "Dirty Old Man" (Delaney Bramlett, Mac Davis) – 2:32
- もっと愛し続けて "Love Me a Little Longer" (B. Bramlett) – 2:57
- 堪忍袋の緒が切れた "I Can't Take It Much Longer" (D. Bramlett, Joey Cooper) – 3:09
- ドゥ・ライト・ウーマン "Do Right Woman, Do Right Man" (Chips Moman, Dan Penn) – 5:24
- 十字架の兵士 "Soldiers of the Cross" (Traditional) – 3:11
- 愛の贈りもの "Gift of Love" (D. Bramlett, M. Davis) – 2:54
参加ミュージシャン
[編集]- デラニー・ブラムレット - ボーカル、ギター
- ボニー・ブラムレット - ボーカル
- レオン・ラッセル - ギター、ピアノ
- ジェリー・マギー - ギター
- ボビー・ウィットロック - オルガン、バッキング・ボーカル
- カール・レイドル - ベース
- ジム・ケルトナー - ドラムス
- ボビー・キーズ - サクソフォーン
- ジム・プライス - トランペット、トロンボーン
- リタ・クーリッジ - バッキング・ボーカル
- ジミー・ハスケル - ストリングス・アレンジ(on #3, #8)
脚注・出典
[編集]- ^ a b アメリカ盤CD『The Best of Delaney & Bonnie』(Rhino Records, R2 70777)英文ブックレット内トラック・リスト
- ^ a b c Delaney & Bonnie - Awards | AllMusic
- ^ Robert Christgau: CG: Delaney & Bonnie - 2015年2月3日閲覧
- ^ 日本盤CD『オリジナル・デラニー&ボニー』(WPCR-15008)ライナーノーツ(増渕英紀、2013年4月)
- ^ 『The Best of Delaney & Bonnie』英文ライナーノーツ(Joe Tortelli)
- ^ a b The Beatles manage a Market Watch countdown hat trick - goldminemag.com - article by Susan Sliwicki - 2015年2月3日閲覧
- ^ When the Battle Is Over - Delaney & Bonnie | AllMusic - Song Review by Matthew Greenwald
- ^ Soul Folk in Action - The Staple Singers | AllMusic
- ^ 例:allmusic、デラニー・ブラムレット公式サイト
- ^ Delaney & Bonnie - Accept No Substitute (Vinyl, LP) at Discogs - 「More Images」をクリックすれば確認できる
- ^ 『Billboard』1969年5月24日号p.61。Google Books参照
- ^ Robert Christgau: Wholly and Solely About Soul - 2015年2月3日閲覧
- ^ Accept No Substitute - Delaney & Bonnie | AllMusic - Review by Ronnie D. Lankford, Jr.