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クヒオ大佐

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
クヒオ大佐
監督 吉田大八
脚本 香川まさひと
吉田大八
原作 吉田和正
『結婚詐欺師 クヒオ大佐』
製作 柿本秀二
春名慶
吉田博昭
松崎澄夫
永田勝治
山崎浩一
石橋健司
豊島雅郎
出演者 堺雅人
松雪泰子
満島ひかり
中村優子
新井浩文
児嶋一哉
安藤サクラ
内野聖陽
音楽 近藤達郎
主題歌 クレイジーケンバンド
VIVA女性
撮影 阿藤正一
編集 岡田久美
製作会社 『クヒオ大佐』製作委員会
配給 ショウゲート
公開 日本の旗 2009年10月10日
上映時間 112分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
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クヒオ大佐』(クヒオたいさ)は、2009年10月に公開された堺雅人主演の日本映画。第50回日本映画監督協会新人賞最終候補作品。

1970年代から90年代にかけて、「アメリカ空軍パイロットカメハメハ大王エリザベス女王の親類」と名乗り結婚話を交際女性に持ちかけ、約1億円を騙し取った実在の結婚詐欺師で自称を「ジョナサン・エリザベス・クヒオ大佐」と名乗った日本人[1]を描く。原作は吉田和正の『結婚詐欺師 クヒオ大佐』(新風舎文庫、また映画公開に合わせ幻冬舎アウトロー文庫から大幅改訂された『クヒオ大佐』が発売)。

ストーリー

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1990年代初頭、クヒオ(堺雅人)は、自分はアメリカ軍特殊部隊のパイロットで、エリザベス女王とも血縁関係にあたるなどと吹聴し、次々と女性たちをだましていた。だが、実際のクヒオは純粋な日本人で、華麗な経歴もすべて自ら作り出したものだった。弁当店を営むしのぶ(松雪泰子)もクヒオの立派な軍服姿にころりとだまされ、懸命に尽くす。

キャスト

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米軍パイロットであると詐称している結婚詐欺師。作中では本名は出ない。
クヒオ大佐に騙されている弁当屋社長。クヒオに貢ぐために会社の金に手を付けて、社員の給料遅配を招き追い詰められていく。
博物館勤務。クヒオ大佐のターゲットとなり、一線を越えてしまう。しかし、バスで乗り合わせた軍服姿の男を追っていき真相に気付く。
クヒオ大佐のターゲットの一人となった銀座の女。しかし、クヒオ大佐以上に食えない存在で、逆にクヒオ大佐から独立資金を出させようとする。
しのぶの弟。クヒオ大佐の結婚詐欺に気付き、クヒオがこれまでに貢がせた金を逆に脅し取ろうとする。
春の元彼。同じ博物館に勤務している。別れた後も未練があるが相手にされていない。
春の同僚。実は高橋のことが好きで、春がそれに気付いていながら高橋と付き合っていたものと恨みに思っている。

スタッフ

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実在のクヒオ大佐

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主人公のモデルとなった「クヒオ大佐」を名乗る男性は、第二次世界大戦中に北海道網走市に生まれ、中学校卒業後に地元の職業訓練学校へ入学。 卒業後上京した日本人で、元自衛官である[1]

顔立ちが白人に似ていたこともあり(鼻が高いのは整形手術によるものとも言われる)、いつからか髪を金髪に脱色し軍服のレプリカを身にまとい、片言の日本語を使う偽軍人を装うようになった(劇中では主演の堺雅人は特殊メイクで鼻が高くなっているが、髪は脱色していない)。

1970年代から20年以上に渡って詐欺行為を働いており、最後に逮捕されたのは1999年であった[2]

その「ニセ」プロフィールは次の通り。

  1. 名前:ジョナサン・エリザベス・クヒオ
  2. 職業:アメリカ空軍特殊部隊パイロット
  3. 国籍:アメリカ合衆国日本国籍も所持する、いわゆる「二重国籍」)
  4. 出身地:ハワイ
  5. 両親
    • 父:カメハメハ大王の末裔
    • 母:エリザベス女王の双子の妹(映画では女王の妹の夫のいとこ)
  6. 履歴

そしてターゲットとなる女性には、米軍士官のIDカード(偽造)を見せてこう持ちかけたという。

その一方で、次のような矛盾点も見られたという。

  • 「アメリカから発行されたという公文書」を見せるが、すべて日本語で書かれていた。
  • ジェット機に乗っている写真なども見せてくるが、ぼやけているのと写真が古すぎてはっきりとしない。
  • 突然ポケベルが鳴り出し、無線機のようなもので片言の英語でやり取りを始める。
  • 37歳と言い張るが、それ以上に老けこんでいた。

こうしてクヒオは女性を巧みに口説き、結婚費用を騙し取った後に「また最前線に赴かなくてはいけなくなった。仮に私が戦死してもキミには軍から莫大な額の功労金が支給される」と言い残して姿を消し、相手はここでようやく詐欺だったと気づく。

しかし「クヒオ大佐」は結局逮捕され、その手口などはワイドショーなどで報じられた。刑期を終え出所した後もやはり同様の手口で女性から結婚費用を騙し取るなどし、その被害総額は約1億円と言われている。[要出典]

漫画家の青木雄二も実際には日本人であることも含め、生前の複数の著書の中で言及している。[要出典]

なおコメディアンの大神クヒオ(後に東京名物大神本舗五百年に改名)の芸名は彼をモデルに師匠のビートたけしが命名している。

また三池崇史監督の映画作品『カタクリ家の幸福』では、忌野清志郎が演じる彼をモデルとしたニセ軍人「リチャード佐川」が登場している。

TBSテレビ『爆報! THE フライデー』が2016年5月13日放送回で、同一人物と思われる男性が今でも都内に出没していると報じた。結婚詐欺のほか、お笑いトリオななめ45°の土谷隼人も2012年ごろに「アメリカの大使館で運転手をやらないか?」ともちかけられたという。番組では本人と思われる男性に接触(顔はモザイク処理)したが「関係ない」と言うばかりで話を聞くことはできなかった。

関連商品

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DVD
書籍

脚注

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外部リンク

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