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クロアチア料理

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

クロアチア料理(クロアチアりょうり、クロアチア語: Hrvatska kuhinja)は多様であり[1]クロアチアの各地域は独自の料理の伝統があるため、各地域の料理として知られている。その起源は古代に遡る。大陸部と沿岸部では、食材の選択と調理法の相違が顕著である。大陸部の料理は初期のスラブ民族および近年の隣国の料理 - ハンガリーおよびトルコでの、調理時のラード、および黒コショウパプリカ、およびニンニクの使用 - により特徴づけられる。沿岸部はギリシャおよびローマ英語版、ならびに近年の地中海料理、特にイタリア(特にベネチア)に影響を受けている[2]。沿岸部の料理は、オリーブ・オイル、およびローズマリーセージローリエオレガノマジョラムシナモンクローブナツメグ、およびレモンやオレンジの皮などのハーブと香辛料を使う。農家の料理の伝統は複数の基本食材(穀物、乳製品、肉、魚、野菜、ナッツ)と調理法(シチュー、グリル、ロースト、焼き)各種の創意に基づいており、一方中流階級市民の料理はより複雑な手順であり、ハーブや香辛料を選択して使用する。シャルキュトリはクロアチア全地域での伝統の一部である。旧ユーゴスラビアの他の国の食品とレシピもまた、クロアチアで人気である。

クロアチア料理は、いくつかの地域の料理(イストラダルマチアドゥブロヴニクリカ英語版ゴルスキ・コタル英語版ザゴリェ英語版メジムリェポドラヴィナ英語版スラヴォニア)に分けられ、それぞれすべてが地域独自の料理の伝統と特徴を持つが、クロアチアの他の地域でよく知られているわけではない。

調理法

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名物料理の調理法は次の通り:

  • s roštilja:グリルする。
  • s ražnja:串を打ってローストする。
  • pečeno:ローストする。
  • prženo :揚げる。
  • pod pekom :石焼きオーブンに金属で覆って調理する。金属の上に熱した炭を置くことで、肉が肉汁の中でじっくりと火が通るようにする。pod pekom の名物料理の食材は羊肉、仔牛肉、タコである。
  • na lešo:ブロスや水で煮る。(羊肉、牛肉、魚)

肉とジビエ

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Meso z tiblice:クロアチア北部、メジムリェ郡の木製樽「tiblitsa」の豚肉。

クロアチアの肉料理は次の通り:

魚介類

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ダルマチアのロブスター

クロアチアの魚介類料理は次の通り:

  • イカ:クロアチア語:lignje、イタリア語:calamari。グリル、フライ、詰め物またはシチューの具で調理され、ポレンタを添えて供される。
  • タコサラダ:クロアチア語:salata od hobotnice。タコは赤ワインのブルデットクロアチア語版の具、またはpod pekomで焼く。
  • コウイカのリゾット:クロアチア語:Crni rižot、イタリア語:Risotto nero[9]
  • ツナ
  • アカザエビ:クロアチア語:škampi、イタリア語:scampi[10]
  • ムール貝:クロアチア語:dagnje[11]
  • 塩蔵コイ:輸入品であるが、クリスマス・イヴまたは聖金曜日に人気である。具材に使う料理はbakalar na bijeloドゥブロヴニク、ダルマチア、およびイストラ、オリーブ・オイルとニンニクで調理、ジャガイモはあることも無いこともある)、またはトマトのシチューでジャガイモと煮るbakalar na crvenoである。
  • 煮込み:クロアチア語:brodetまたはbrudet英語版(ドゥブロヴニクおよびダルマチア)、イタリア語:brodetto。おすすめの数種類の魚(カサゴ類、ヨーロッパアナゴ、アンコウ、メルルーサ)で作る[12]
  • クラム
  • シースパイダーサラダ
  • ナマズまたはコイのパン粉をまぶしたフライ
  • na gradeleサーディンや他の魚のグリル
  • slana riba:塩蔵のアンチョビまたはサーディン。オードブルとして、または軽い夕食でpovrće na lešoやサラダなどを添えて供される[9]
  • BuzaraまたはBuzzara:ニンニク、オリーブ・オイル、パセリおよび白ワインでの貝のソテー。
  • シギノハシガイ英語版:伝統料理の1つであったが、20世紀に生態系保護のために採取が禁止された。

煮込み

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グヤーシュはクロアチア全国各地で非常に人気である

野菜と少量の肉またはソーセージの煮込み(varivo or čušpajz)は、健康的な伝統的食事として認識されている。サワークリーム(クロアチア北部)またはオリーブ・オイル(沿岸部)を、料理を供する直前に加える。煮込みの肉料理は、狩猟と牧羊の伝統の後に、野外で調理されることも多い。ダルマチア都市部の料理では、シナモンおよびクローブ、乾燥プラム、乾燥イチジク、リンゴおよび他の果物を肉の煮込みに加えることが多い。

  • グヤーシュ:クロアチア語:gulaš
  • Grah:豆の煮込み。ザワークラウトを加えてgrah sa zeljem またはカブの酢漬けの細切りを加えてgrah s kiselom repomとすることが多い[13]
  • Varivo od mahuna:サヤインゲンの煮込み。
  • Riblji paprikašfiš-paprikašともいう。スラヴォニアの辛い魚の煮込み、ハンガリーのハラースレーも参照[13]
  • riblja čorba:スラヴォニアの魚のスープ (en
  • ブルデットクロアチア語版:クロアチア語:BrudetまたはBrodet。魚の煮込み。
  • 鶏肉の煮込み
  • ウサギのグヤーシュ
  • Ričetjačmikorzoともいう。
  • ヨタ:クロアチア語:Jota。イストラの煮込み。
  • Pašta fažol:小さなパスタ入りの豆の煮込み。
  • Game ČobanacTocană
  • Venison goulashとプルーン
  • Perpetual stew
  • ワインのグヤーシュ
  • ザワークラウトの煮込み
  • Zelena menestra:伝統的なキャベツと肉の料理。ドゥブロヴニク周辺地域。
  • パシュティツァダ英語版;クロアチア語;Pašticada、ダルマチアのプルーンと乾燥イチジクと牛肉の煮込み[9][14]
  • Tripiceまたはfilekiトライプの煮込み。

パスタ

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パスタはクロアチア料理、特にダルマチア地域で最も人気の食品の1つである。Manistra na pome(トマトソースのパスタ)が定番である。他にもキノコのクリームソース、挽肉ソースや他の多くの人気のソースがある。生パスタ(rezancikrpice)をスープまたは煮込みに加えて、またはカッテージチーズ、キャベツ、さらにクルミやケシの実で調理する。ジャガイモの生地も人気で、njoki(ニョッキ)だけでなく、プラムやチーズのダンプリングの材料にも使う。これを茹でて、パン粉とバターをまぶして素早く揚げる。

  • ジュガンツィ英語版:スラヴォニアおよびクロアチア北部のトウモロコシ粉の料理であり、イストラおよびダルマチアではpalentapuraポレンタ)という。
  • ニョッキパシュティツァダ英語版グヤーシュと共に供されることが多い。
  • Fuži:イストラで典型的なパスタ。
  • Needle macaroni
  • シュトゥルクリ:ザゴリェ、ザグレブ地域の具を詰めたペイストリーで、焼いてまたは茹でて調理する[9][4]
  • Krpice sa zeljem:キャベツの煮物のパスタ[4]
  • Šporki makaruli:シナモン風味の肉入りソースの伝統的パスタ、ドゥブロヴニクおよび周辺地域。

スープ

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スープはクロアチアの食事に欠かせず、日曜日の家族の食事または特別な日の食事にはつきものである。最も人気のスープは出汁をとり、パスタまたはセモリナのダンプリングを加えるものである。メインコースとデザートが控えるため、具は通常軽めである。しかしながら、クリームやルーのスープも人気で、伝統的スープは地方により多様である。ダルマチアで最も愛されるものは、魚のぶつ切り、ニンジンおよびコメが具の魚のスープである。

  • Maneštra[15]
  • 仔牛肉燻製のスープ
  • 牛肉ブイヨンとヴェルミチェッリ
  • キノコのスープ、特にヤマドリタケ
  • ディルのスープ
  • Zagorska juha:ポルチーニ、ベーコン、甘トウガラシ
  • Prežgana juha
  • チキンスープ

付け合わせ

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  • Sataraš:薄切りにした夏野菜の煮込み。
  • ムリンツィ英語版:クロアチア北部で典型的な焼いたフラットブレッド、コーカサス地方のフラットブレッドと類似。
  • Đuveč:焼いた夏野菜、ラタトゥイユと類似。
  • Šalša od pomidora:トマトのサルサ。
  • Restani krumpir:タマネギと共に揚げて調理したジャガイモ。
  • Blitva s krumpirom:オリーブ・オイルとニンニクで調理したフダンソウとジャガイモ。
  • Povrće na lešo:オリーブ・オイル、塩、好みによりニンニクで味付けする茹で野菜。フダンソウ、ケール、キャベツ、サヤインゲン、ジャガイモ、カリフラワー、ニンジン、ソラマメ、ズッキーニおよび他の野菜の付け合わせの人気の調理法。ゆで卵共に、肉または野菜の料理に対する軽い付け合わせである。

その他

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イストラの白トリュフ
肉詰めピーマンPunjena paprika
クロアチアの肉詰めピーマン、Punjena Paprika

ソーセージとハム

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チーズ

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škripavacチーズ

甘くないパイおよびペイストリー

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総菜パンのポガチャ英語版

Viška pogačaは、ヴィス島の、塩蔵サーディンの具入りフォカッチャである。Soparnikは、ダルマチアのフダンソウが具のパイである[14]

  • pitaブレク
  • ポガチャ英語版Pogača):農家のパン[14]
  • Povitica
  • Bučnica:夏カボチャとカッテージチーズのパイ、塩味または甘い味付け。
  • シュトゥルクリ:カッテージチーズ、サワーで作り、卵を材料に、塩味または甘い味付けで、茹でてまたは焼いて作る。
  • Zlevanka:コーンミールを焼いて作る簡素なペイストリーで、様々なフィリング(チーズ、サワークリーム、サクランボ、プラムジャム、クルミ、ヌテラなど)入り。
  • Varaždinski klipići

菓子とデザート

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Savijača、またはリンゴのŠtrudla
Nut Rollの一種、Orehnjača
クロアチアでPalačinkeと呼ばれるクレープ

ケーキ

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メジムルスカ・ギバニツァ英語版

飲料

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ワイン

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クロアチアには2か所の主要なワイン産地;Kontinetalna(大陸部)およびPrimorska(島々を含む沿岸部)がある。それぞれの地域は小地域に分けられ、更に小さなvinogorje(「ワインの丘」の意味)および地区に分けられる。これら全体でクロアチアには300以上の独自ワイン生産地域がある。クロアチアの一部では、赤または白ワインは水をほぼ同量混ぜて消費することがある[18]

[要出典]

デザートワイン

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白ワイン

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赤ワイン

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ビール

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クロアチアのビール、ヴェレビツコ・ピヴォ英語版

輸入ビール(ハイネケンツボルグゲッサー英語版ステラ・アルトワ英語版、など)が非常に豊富であることを別にすると、クロアチアには自家製および地域醸造ビールがある。スプリトの醸造所はドイツの醸造元からライセンスを受けてバイエルンKaltenbergを生産する。

リキュールとスピリッツ

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マラスキーノの瓶。
  • マラスキーノ[21][12]
  • ラキヤ:クロアチアのスピリッツ。通常の原料は:Lozovača/Loza(ブドウ)(イタリア語:グラッパ)、Travarica(ハーブ入りLoza)、Slivovitz(プラム)、Kruškovac(ナシ)、Drenovac(サクランボ)である。
  • Pelinkovac
  • Orahovac:クルミのリキュール。
  • Medovina蜂蜜酒
  • GvircMedovinaと同様に蜂蜜酒で、アルコール度数が高い。

コーヒー

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クロアチアではコーヒーをよく飲むが(年間に平均5kg)、これは以前にオーストリア=ハンガリー帝国の一部であったからのみならず、過去にオスマン帝国から伝承したためでもある。ウィーンと同様の伝統的なコーヒー店が、クロアチア各地に存在する。

ミネラルウォーター

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水資源については、クロアチアはヨーロッパで上位に位置する。水の品質について、クロアチアの水は世界から評価される。大規模産業が少ないため、重大な水質汚染は起きていない。

  • Jamnica[22]:2003年にパリのアクア・エクスポで最優秀ミネラルウォーターを受賞した。
  • Lipički studenac
  • JanaJamnica社の製品で、最優秀フレーバーミネラルウォーター(Eauscar 2004)を受賞した。

ジュースとシロップ

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脚注

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  1. ^ "料理とワイン”. 2017年11月26日閲覧。 「クロアチアの郷土料理」
  2. ^ "料理とワイン”. 2017年11月26日閲覧。 「ご当地グルメ」
  3. ^ a b c "クロアチア中央部”. 2017年11月26日閲覧。
  4. ^ a b c d e "ザグレブ市”. 2017年11月26日閲覧。
  5. ^ a b c d e "Croatia feeds”. 2017年11月26日閲覧。
  6. ^ Bizarre Foods with Andrew Zimmern - Croatia's Dalmatian Coast (youtube) (video) (English). TravelChannelShows. 7 October 2015. 該当時間: 42:34.
  7. ^ Bizarre Foods - Croatia - Dalmatian Coast.
  8. ^ Croatia's Dalmatian Coast: Roasted Rodents & Stone Soup”. Travel Channel. 2017年11月24日閲覧。
  9. ^ a b c d e f g お試しグルメ”. 2017年11月26日閲覧。 「10グルメ!」
  10. ^ a b "クヴァルネル”. 2017年11月26日閲覧。
  11. ^ a b "ダルマチア‐ドゥブロヴニク”. 2017年11月26日閲覧。
  12. ^ a b c "ダルマチア‐ザダル”. 2017年11月26日閲覧。
  13. ^ a b c d e f "スラヴォニア”. 2017年11月26日閲覧。
  14. ^ a b c d e "ダルマチア‐スプリット”. 2017年11月26日閲覧。
  15. ^ a b c d "イストゥラ”. 2017年11月26日閲覧。
  16. ^ お試しグルメ”. 2017年11月26日閲覧。
  17. ^ a b "リカ‐カルロヴァツ”. 2017年11月26日閲覧。
  18. ^ "ワールド酒フロント-ハンガリー: ゲミシュトとベヴァンダ"”. 月刊 酒文化 (2010年9月). 2017年11月26日閲覧。
  19. ^ Karlovacko”. 2017年11月26日閲覧。
  20. ^ "Ožujsko”. 2017年11月26日閲覧。
  21. ^ Maraska”. Maraska.hr. 2012年6月20日閲覧。
  22. ^ Naslovnica - Jamnica”. 2017年11月26日閲覧。
  23. ^ Badel 1862”. Badel1862.hr (2012年2月14日). 2010年2月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年6月20日閲覧。
  24. ^ "Juicy”. 2017年11月26日閲覧。
  25. ^ - Maraska”. 2017年11月26日閲覧。
  26. ^ Cedevita | Home”. Cedevita.hr. 2015年11月13日閲覧。

参考文献

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  • "Hrvatska za stolom - mirisi i okusi Hrvatske", Ivanka Biluš et al., Zagreb:Alfa, Koprivnica: Podravka, 1996, 192 p., illustrated in color, (Biblioteka Anima Croatarum, 2) ISBN 953-168-104-X
  • "Hrvatska vina" (Croatian wines), Fazinić Nevenko, Milat Vinko, illustrated, 159 p., 1994, ISBN 953-173-061-X
  • "Nova hrvatska kuhinja" (New Croatian cuisine), Davor Butković, Ana Ugarković, Profil international, Zagreb, 2005, 272 p., ISBN 953-12-0164-1
  • Callec, Christian (2003), written at The Netherlands, Wine: A Comprehensive Look at the World's Best Wine, New York: Random House (2002発行), ISBN 0-517-22165-9 .

関連項目

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