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クロムネヤマガメ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
クロムネヤマガメ
クロムネヤマガメ Rhinoclemmys melanosterna
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 爬虫綱 Reptilia
: カメ目 Testudines
亜目 : 潜頸亜目 Cryptodira
上科 : リクガメ上科 Testudinoidea
: イシガメ科 Geoemydidae
: アメリカヤマガメ属 Rhinoclemmys
: クロムネヤマガメ R. melanosterna
学名
Rhinoclemmys melanosterna
(Gray, 1861)
和名
クロムネヤマガメ
英名
Colombian wood turtle

クロムネヤマガメRhinoclemmys melanosterna)は、爬虫綱カメ目イシガメ科アメリカヤマガメ属に分類されるカメ。

分布

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エクアドル北西部、コロンビア西部、パナマ東部[1]

模式標本の産地(模式産地)はコロンビアで、コロンビアに分布することも共に英名の由来になっている[1]

形態

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最大甲長29センチメートル[1]。オスよりもメスの方が大型になり、オスは最大甲長25センチメートル[1]背甲はややドーム状に盛り上がる[1]。背甲の色彩は黒や暗褐色で、斑紋が入らない[1]。左右の肛甲板の間にはごく浅い切れ込みが入る[1]腹甲の色彩は黒や暗褐色で、外縁や甲板の継ぎ目(シーム)は淡黄色や淡黄褐色[1]。種小名melanosternaは「黒い胸」の意で、腹甲の色彩に由来し和名と同義[1]

頭部はやや小型か中型[1]。吻端はやや突出し、上顎の先端は浅く凹む[1]虹彩は淡黄色や白[1]。頭部の色彩は黒や暗褐色で、吻端から眼や鼓膜の内側、側頭部にかけて1本の淡緑色や黄色、橙色、赤の筋模様が入る[1]。大型個体では側頭部の筋模様が消失することもある[1]。下顎や喉、頸部側面や腹面の色彩は黄色で、喉、頸部側面には黒い斑点や虫食い状の斑紋が入る[1]。指趾の間には水掻きが発達する[1]。四肢の色彩は暗灰色や暗褐色で、黄色や橙色の斑点が入る[1]

卵は長径4.8-7.1センチメートル、短径2.8-3.8センチメートル[1]。孵化直後の幼体は甲長3.9-5.9センチメートル[1]。幼体は肋甲板に淡黄褐色や淡黄色の斑点が入る個体もいるが、成長に伴い消失する[1]。眼後部から後方に向かう筋模様の下に2-3本の筋模様が入るが、成長に伴い複雑な模様になる個体が多い[1]

分類

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アシポチヤマガメの亜種やシノニムとされていたが、分布が重複しないこと、色彩や斑紋に差異があること、中間型の個体がいないこと、分子系統学的解析などから独立種とする説が有力である[1]。核DNAとミトコンドリアDNAの分子系統学的解析から属内ではアシポチヤマガメカンムリヤマガメハナトガリヤマガメハラスジヤマガメミゾヤマガメ単系統群を形成すると推定されている[1]

生態

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サバンナや熱帯モンスーン林、熱帯雨林内を流れる河川、塩性も含めた湿原河口三角州潟湖、水路などに生息する[1]。昼行性[1]

食性は植物食傾向の強い雑食で、果実などを食べる[1]

繁殖形態は卵生。少なくともコロンビアの個体群は周年繁殖し、特に6-8月と11月に繁殖することが多い[1]。1回に1-2個の卵を数回に分けて産む[1]。産卵時には穴を掘らないが、産み終えた卵には落ち葉や腐葉土を薄くかける[1]。卵は85-141日で孵化し、雨季にあたる9-11月に地表に現れることが多い[1]

人間との関係

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生息地では食用や薬用にされたり、民芸品の材料とされることもある[1]

ペットとして飼育されることもあり、日本にも輸入されている。生息地では野生のカメの輸出が厳しく制限されているため、国際的にも流通量は非常に少ない[1]。アクアテラリウムで飼育される[1]。飼育下でも果実を好むが昆虫や肉も食べ、植物質の多いリクガメ用の配合飼料、動物質の多い水棲ガメ用の配合飼料にも餌付く[1]

参考文献

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac ad ae af ag ah 安川雄一郎 「アメリカヤマガメ属の分類と自然史2」『クリーパー』第64号、クリーパー社、2012年、50-53頁。
  • 海老沼剛 『爬虫・両生類ビジュアルガイド 水棲ガメ1 アメリカ大陸のミズガメ』、誠文堂新光社2005年、53頁。
  • 千石正一監修 長坂拓也編 『爬虫類・両生類800種図鑑 第3版』、ピーシーズ、2002年、206頁。

関連項目

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