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ザットル・ビー・ザ・デイ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
バディ・ホリー > ザットル・ビー・ザ・デイ
クオリーメン > ザットル・ビー・ザ・デイ
ビートルズ > 曲名リスト > ザットル・ビー・ザ・デイ
リンダ・ロンシュタット > ザットル・ビー・ザ・デイ
「ザットル・ビー・ザ・デイ」
ザ・クリケッツ英語版シングル
初出アルバム『ザ・チャーピング・クリケッツ
B面 アイム・ルッキン・フォー・サムワン・トゥー・ラヴ
リリース
規格 7インチシングル
録音
ジャンル ロック[2]
時間
レーベル
作詞・作曲
プロデュース ノーマン・ペティ[3]
ゴールドディスク
後述を参照
チャート最高順位
後述を参照
ザ・クリケッツ英語版 シングル 年表
  • ザットル・ビー・ザ・デイ
  • (1957年)
ザ・チャーピング・クリケッツ 収録曲
テル・ミー・ハウ
(A-6)
ザットル・ビー・ザ・デイ
(B-1)
アイム・ルッキン・フォー・サムワン・トゥー・ラヴ
(B-2)
テンプレートを表示

ザットル・ビー・ザ・デイ」(That'll Be the Day)は、ジェリー・アリソン英語版バディ・ホリーによって書かれた楽曲。1956年にバディ・ホリー&ザ・スリー・チューンズによって初めて録音され、1957年にホリーの新しいバンドであるザ・クリケッツ英語版によって録音された。作曲者のクレジットには、プロデューサーであるノーマン・ペティの名も含まれているが、実際には作曲に携わっていない[4]

複数のアーティストによってカバーされており、中でもリヴァプールのスキッフル・バンドであるクオリーメン(後のビートルズ)にとっては初めて録音した楽曲の1つとなった[5]

ザ・クリケッツによるシングル盤は、1969年にアメリカレコード協会からゴールド認定を受け、1998年にグラミーの殿堂入りを果たした。2005年にアメリカ議会図書館によって「文化的、歴史的、もしくは芸術的に重要」と見なされ、全米録音資料登録簿に登録された。

背景・リリース

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「ザットル・ビー・ザ・デイ」
バディ・ホリー&ザ・スリー・チューンズシングル
初出アルバム『ザットル・ビー・ザ・デイ英語版
B面 ロックだ!! オリ・ヴィー
リリース
規格 7インチシングル
録音
  • 1956年7月22日
  • ブラッドリーズ・バーン
ジャンル ロカビリー[6]
レーベル デッカ・レコード
作詞・作曲
  • ジェリー・アリソン
  • バディ・ホリー
  • ノーマン・ペティ
プロデュース オウエン・ブラッドリー
バディ・ホリー シングル 年表
  • ザットル・ビー・ザ・デイ
  • (1957年)
ザットル・ビー・ザ・デイ英語版 収録曲
ガール・オン・マイ・マインド
(A-6)
ザットル・ビー・ザ・デイ
(B-1)
ラヴ・ミー英語版
(B-2)
テンプレートを表示

「ザットル・ビー・ザ・デイ」は、1956年に公開された映画『捜索者』でのジョン・ウェインのセリフ「that'll be the day」に触発されて書かれた楽曲[7]。映画を見たホリーは、ソニー・カーティス英語版ジェリー・アリソン英語版とともにバンドを結成し、作曲を行なった[6]

1956年7月22日にデッカ・レコードオウエン・ブラッドリーのプロデュースのもと、ブラッドリーズ・バーンで「ザットル・ビー・ザ・デイ」のレコーディングを行なった[6]。レコーディングでは、カーティスがリードギター、ドン・ゲスがベース、アリソンがドラムを演奏した[8]。しかし、レーベルの幹部は、録音された演奏に感銘を受けなかったことや、ホリーをカントリー&ウエスタン路線で売り込むことを決めたことを理由に、本作の発売を許可しなかった[9]。ザ・クリケッツによるシングル盤のヒットを経て[6]、1957年9月2日にデッカ・レコードからシングル盤が発売され[1]、B面には「ロックだ!! オリー・ヴィー」(Rock Around with Ollie Vee)が収録された[10]

ザ・クリケッツによる演奏

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前述のレコーディング・セッションの関係で生じる法的な問題を避けるため、ホリーは結成したバンドに新たな名前を付ける必要があった[11][3]。ザ・クリケッツは、1957年2月25日に「ザットル・ビー・ザ・デイ」のレコーディングを行なった[12]。レコーディングは、ニューメキシコ州にあるノーマン・ペティ・レコーディング・スタジオで行なわれ[13][11]、プロデュースはペティが手がけた[14]。レコーディングに際して、キーが原曲のDからAに変更されている[6]

ザ・クリケッツによるシングル盤は、1957年5月27日にブランスウィック・レコード英語版から発売され、B面には「アイム・ルッキン・フォー・サムワン・トゥ・ラヴ」(I'm Looking for Someone to Love)が収録された[1]。「ザットル・ビー・ザ・デイ」は、1957年11月27日に発売されたアルバム『ザ・チャーピング・クリケッツ』にも収録されている[15]

受容(ザ・クリケッツ版)

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ザ・クリケッツによる「ザットル・ビー・ザ・デイ」は、『ビルボード』誌のR&Bチャートで最高位2位[16]を獲得。全英シングルチャートでは3週連続で第1位を獲得した[17][18]。1969年にアメリカレコード協会からゴールド認定を受けた[19]

1998年にグラミーの殿堂入りを果たした[20]ローリング・ストーンの選ぶオールタイム・グレイテスト・ソング500(2004年版)の第39位にランクインした[21]。2005年にアメリカ議会図書館によって「文化的、歴史的、もしくは芸術的に重要」と見なされ、国家保存録音登録制度に登録された[22]

チャートと認定(ザ・クリケッツ版)

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チャート成績(ザ・クリケッツ版)

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チャート (1957年) 最高位
UK シングルス (OCC)[17] 1
US Rhythm & Blues Records (Billboard)[16]
2
チャート (2012年) 最高位
フランス (SNEP)[23] 130

認定(ザ・クリケッツ版)

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国/地域 認定 認定/売上数
アメリカ合衆国 (RIAA)[19] Gold 1,000,000^

* 認定のみに基づく売上数
^ 認定のみに基づく出荷枚数

クオリーメンによるカバー

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「ザットル・ビー・ザ・デイ」
クオリーメンシングル
初出アルバム『ザ・ビートルズ・アンソロジー1
B面 イン・スパイト・オブ・オール・ザ・デインジャー
リリース
規格 アセテート盤
録音
時間
作詞・作曲
  • ジェリー・アリソン
  • バディ・ホリー
  • ノーマン・ペティ
プロデュース パーシー・フィリップス
ザ・ビートルズ・アンソロジー1 収録曲
スピーチ:ジョン・レノン
(DISC1-2)
ザットル・ビー・ザ・デイ
(DISC1-3)
イン・スパイト・オブ・オール・ザ・デインジャー
(DISC1-4)
テンプレートを表示

1958年、クオリーメン(後のビートルズ)はリヴァプールにあるフィリップス・サウンド・レコーディング・サービス英語版で「ザットル・ビー・ザ・デイ」と「イン・スパイト・オブ・オール・ザ・デインジャー[24]のレコーディングを行なった[25]。本作は、クオリーメンが初めて録音した楽曲の1つ[5]で、リード・ボーカルはジョン・レノンが務めた[26]。フィリップス・サウンド・レコ-ディン・サービスでのレコーディングについて、マッカートニーは「ジョンは僕らのレパートリーの1つ『ザットル・ビー・ザ・デイ』を演奏し、ジョージはオープニングのギターを弾いて、僕はジョンとハーモニーを歌った」と回想している[27][26]。同日に録音された2曲は、パーシー・フィリップスの支援を受けて、78回転シングルにカットされた[26]

クオリーメンによる「ザットル・ビー・ザ・デイ」は、「イン・スパイト・オブ・オール・ザ・デインジャー」とともに、長らく一般には未発表のままとなっていたが、1995年に発売された『ザ・ビートルズ・アンソロジー1』で初収録となった[28][29]

クレジット

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※出典[26]

リンダ・ロンシュタットによるカバー

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「ザットル・ビー・ザ・デイ」
リンダ・ロンシュタットシングル
初出アルバム『風にさらわれた恋
B面 もう一度だけ
リリース
規格 7インチシングル
ジャンル
時間
レーベル アサイラム・レコード
作詞・作曲
  • ジェリー・アリソン
  • バディ・ホリー
  • ノーマン・ペティ
プロデュース ピーター・アッシャー
チャート最高順位
後述を参照
リンダ・ロンシュタット シングル 年表
  • ザットル・ビー・ザ・デイ
  • (1976年)
風にさらわれた恋 収録曲
彼にお願い
(A-3)
ザットル・ビー・ザ・デイ
(A-4)
ロ・シエント・ミ・ビーダ
(A-5)
テンプレートを表示

リンダ・ロンシュタットは、1976年8月に発売したアルバム『風にさらわれた恋』で、「ザットル・ビー・ザ・デイ」をカバー。プロデュースはピーター・アッシャーが手がけた[31]。シングル・カットもされており、B面には「もう一度だけ」(Try Me Again)が収録された[32]

ロンシュタットによるカバー・バージョンは、カナダの『RPM』誌のチャートで最高位2位[33]、アメリカの『ビルボード』誌のHot 100チャートで最高位11位[34]を獲得した。ロンシュタットによるカバー・バージョンは、同年に発売されたコンピレーション・アルバム『グレイテスト・ヒッツ[35]や、2011年に発売されたホリーのトリビュート・アルバム『リッスン・トゥ・ミー:バディ・ホリー[36]にも収録されている。

チャート成績(リンダ・ロンシュタット版)

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週間チャート(リンダ・ロンシュタット版)

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チャート (1976年) 最高位
Canada Adult Contemporary (RPM)[37]
14
Canada Country Tracks (RPM)[38]
17
Canada Top Singles (RPM)[33]
2
US Adult Contemporary (Billboard)[39]
16
US Billboard Hot 100[34]
11
US Hot Country Songs (Billboard)[40]
27

年間チャート(ザ・クリケッツ版)

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チャート (1976年) 最高位
Canada Top Singles (RPM)[41]
35
US (Joel Whitburn's Pop Annual)[42]
93
チャート (1976年) 最高位
Canada Top Singles (RPM)[43]
187

脚注

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出典

[編集]
  1. ^ a b c d Amburn 2014, p. 616.
  2. ^ Saxena, Shalini, ed (2014). Top 101 Musicians. New York, U.S.: Rosen Publishing Group. p. 70. ISBN 1-6227-5121-3. "Holly and his musical group, the Crickets, recorded such rock classics as "That'll Be the Day,"..." 
  3. ^ a b Norman Pettyへのインタビュー - ポップ・クロニクルズ(1969年)
  4. ^ Real Buddy Holly Story (VHS). Buddy Holly. Kultur Video. 1988.
  5. ^ a b Womack 2014b, p. 28.
  6. ^ a b c d e Dahl, Bill. That'll Be the Day - Buddy Holly | Song Info - オールミュージック. 2022年2月23日閲覧。
  7. ^ Womack 2014a, p. 896.
  8. ^ Whitburn 2012, p. 302.
  9. ^ Sullivan 2013, p. 469.
  10. ^ Neely, Tim, ed (2004). Goldmine Records & Prices: A Concise Digest with Over 30,000 Listings. Iola, Wisconsin: Krause Publications. p. 263 
  11. ^ a b Buddy Holly: Greatest Hits (Liner notes). Buddy Holly. MCA Records. 1995.
  12. ^ Dregni 2011, p. 102.
  13. ^ Baker 2015, p. 283.
  14. ^ Warren, Bill Friskics; Cantwell, David (2003). Heartaches by the Number: Country Music's 500 Greatest Singles. Vanberbilt University Press. p. 166. ISBN 0-8265-1423-5 
  15. ^ Amburn 2014, p. 624.
  16. ^ a b Whitburn 2004, p. 259.
  17. ^ a b "Official Singles Chart Top 100". UK Singles Chart. 2022年2月25日閲覧。
  18. ^ Rice, Jo (1982). The Guinness Book of 500 Number One Hits. Enfield, Middlesex: Guinness Superlatives. p. 33. ISBN 0-85112-250-7 
  19. ^ a b "American single certifications – Buddy Holly & The Crickets – That'll Be The Day". Recording Industry Association of America. 2022年2月25日閲覧
  20. ^ The Grammys”. GRAMMY.com. Recording Academy. 2022年2月25日閲覧。
  21. ^ 39. Buddy Holly and the Crickets, 'That'll Be the Day' - 500 Greatest Songs of All Time”. Rolling Stone (2003年12月11日). 2022年2月25日閲覧。
  22. ^ Complete National Recording Registry Listing  ”. loc.gov . Library of Congress. 2022年2月25日閲覧。
  23. ^ "Lescharts.com – Buddy Holly And The Crickets – That'll Be The Day" (in French). Les classement single. 2022年2月25日閲覧。
  24. ^ Lewisohn 1988, pp. 6–7.
  25. ^ Millward, Steve (2012). Changing Times: Music and Politics in 1964. Kibworth Harcourt: Troubador Publishing Limited. p. 2. ISBN 1-7808-8344-7 
  26. ^ a b c d Womack 2014a, p. 897.
  27. ^ Lewisohn 1998, p. 7.
  28. ^ MacDonald 2005, p. 45.
  29. ^ Lewisohn 2013, p. 821n50.
  30. ^ a b Carlin, Richard (2014). Country Music: A Biographical Dictionary. Oxford: Taylor & Francis. p. 352. ISBN 1-1353-6104-5. "Each featured songs in a pop-rock and country vein, including her hit covers of Buddy Holly's "That'll Be the Day"..." 
  31. ^ Ronstadt 2014, p. 207.
  32. ^ Neely, Tim (2000). Goldmine Standard Catalog of American Records: 1950-1975. Wisconsin, USA: Krause Publications. p. 961. ISBN 0-8734-1934-0 
  33. ^ a b Top RPM Singles: Issue 3751”. RPM. Library and Archives Canada. 2022年2月25日閲覧。
  34. ^ a b The Hot 100”. Billboard. 2022年2月25日閲覧。
  35. ^ Ronstadt 2014, p. 217.
  36. ^ (V.A.)「リッスン・トゥ・ミー:バディ・ホリー」”. Billboard JAPAN. 阪神コンテンツリンク. 2022年2月25日閲覧。
  37. ^ Top RPM Adult Contemporary: Issue 3665”. RPM. Library and Archives Canada. 2022年2月25日閲覧。
  38. ^ Top RPM Country Tracks: Issue 7723”. RPM. Library and Archives Canada. 2022年2月25日閲覧。
  39. ^ Linda Ronstadt Chart History (Adult Contemporary)”. Billboard. 2022年2月25日閲覧。
  40. ^ Linda Ronstadt Chart History (Hot Country Songs)”. Billboard. 2022年2月25日閲覧。
  41. ^ Top 200 singles of '76”. RPM. Library and Archives Canada. 2022年2月25日閲覧。
  42. ^ Whitburn, Joel (1999). Pop Annual. Menomonee Falls, Wisconsin: Record Research. ISBN 0-89820-142-X 
  43. ^ Top 200 singles of '77”. RPM. Library and Archives Canada. 2022年2月25日閲覧。

参考文献

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外部リンク

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