シダー・ウォルトン
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シダー・ウォルトン Cedar Walton | |
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シダー・ウォルトン(2001年) | |
基本情報 | |
出生名 | Cedar Anthony Walton Jr. |
生誕 | 1934年1月17日 |
出身地 | アメリカ合衆国 テキサス州ダラス |
死没 | 2013年8月19日(79歳没) |
ジャンル | ジャズ、ハード・バップ |
職業 | ミュージシャン、作曲家 |
担当楽器 | ピアノ |
シダー・ウォルトン(Cedar Walton、1934年1月17日 - 2013年8月19日)は、アメリカ合衆国テキサス州ダラス出身のモダンジャズのピアノ奏者、作曲家。
大学卒業後、1955年頃にニューヨークへ出た彼は、2年間軍隊で過ごした後にケニー・ドーハムのバンドに加わり活動を始めた。以後、アート・ファーマー・ベニー・ゴルソンのジャズテットやジジ・グライス、ルー・ドナルドソンらのグループに参加。また、ジョン・コルトレーンの『ジャイアント・ステップス』の録音に参加した。
1961年には、ピアニスト、アレンジャーとしてアート・ブレイキーのジャズ・メッセンジャーズへ加入。3年間籍を置きウェイン・ショーター、フレディ・ハバード、カーティス・フラーらと活動をともにした。作曲家としても非凡な才能を持ちジャズ・メッセンジャーズ時代には「Ugetsu」など日本にちなんだ曲も作っている。
1964年にジャズ・メッセンジャーズを脱退後は様々なミュージシャンと演奏を行っており、サム・ジョーンズ、ビリー・ヒギンスらと来日もしている。日本のミュージシャンでは渡辺貞夫、笠井紀美子、山本剛や鈴木勲らと共演した。
2013年8月、ニューヨークの自宅で病死[1]。
強く弾いても音の美しさが崩れない、「鈴の音」と形容されるピアノタッチが彼の特色。
ディスコグラフィ
[編集]リーダー・アルバム
[編集]- 『シダー!』 - Cedar! (1967年、Prestige) ※初のリーダー・アルバム。トランペットにケニー・ドーハム、テナー・サックスにジュニア・クックを配したクインテット編成
- 『スペクトラム』 - Spectrum (1968年、Prestige)
- The Electric Boogaloo Song (1969年、Prestige)
- 『ソウル・サイクル』 - Soul Cycle (1970年、Prestige)
- 『ブレークスルー!』 - Breakthrough! (1972年、Cobblestone) ※ハンク・モブレー(テナー・サックス)とチャールズ・デイヴィス(バリトンとソプラノ・サックス)という2サックスをフロントに据えたクインテット演奏。プロデューサーはプレスティッジ時代と同じドン・シュリッテン。アントニオ・カルロス・ジョビンのボサノヴァや、『ある愛の詩』のテーマが「流行りもの」として取り上げられている。本作がハンク・モブレーのラスト・レコーディングとなった
- 『メビウス』 - Mobius (1975年、RCA)
- 『ザ・ペンタゴン』 - The Pentagon (1976年、East Wind) ※ザ・ペンタゴン名義
- 『ビヨンド・メビウス』 - Beyond Mobius (1976年、RCA)
- 『アニメーション』 - Animation (1978年、Columbia)
- Soundscapes (1980年、Columbia)
- 『マエストロ』 - The Maestro (1981年、Muse) ※with アビー・リンカーン
- Piano Solos (1981年、Clean Cuts)
- 『ハート・アンド・ソウル』 - Heart & Soul (1981年、Timeless) ※with ロン・カーター
- 『シダー・ウォルトン〜ロン・カーター〜ジャック・ディジョネット』 - The All American Trio (1984年、Baystate) ※with ロン・カーター、ジャック・ディジョネット
- 『シダー・ウォルトン』 - Cedar Walton (1986年、Timeless)
- Bluesville Time (1986年、Criss Cross)
- Blues for Myself (1986年、Red)
- 『シダー・ウォルトン・プレイズ・フィーチャリング・ロン・カーター&ビリー・ヒギンズ』 - Cedar Walton Plays (1987年、Delos)
- 『スタンダード・アルバム』 - Standards (1988年、California Breeze) ※ザ・ヴィップ・トリオ名義
- 『スタンダード・アルバムVol.2』 - Standards Vol 2 (1988年、California Breeze) ※ザ・ヴィップ・トリオ名義
- Duo (1991年、Red) ※with デヴィッド・ウィリアムス
- As Long as There's Music (1993年、Muse)
- Manhattan Afternoon (1994年、Criss Cross)
- Composer (1996年、Astor Place)
- Roots (1997年、Astor Place)
- 『マンハッタン・アフター・アワーズ』 - Manhattan After Hours (1999年、Twinz)
- The Promise Land (2001年、HighNote)
- Latin Tinge (2002年、HighNote)
- Underground Memoirs (2005年、HighNote)
- 『ミッドナイト・ワルツ』 - Midnight Waltz (2005年、Venus)
- One Flight Down (2006年、HighNote)
- Seasoned Wood (2008年、HighNote)
- Voices Deep Within (2009年、HighNote)
- Cedar Chest (2010年、HighNote)
- 『ソング・オブ・デライラ』 - Song of Delilah (2011年、Venus)
- The Bouncer (2011年、HighNote)
ライブ・アルバム
[編集]- 『ナイト・アット・ブーマーズ vol.1』 - A Night at Boomers, Vol. 1 (1973年、Muse) ※ヴィレッジのジャズ・クラブ「ブーマーズ」で実況録音されたライブ盤。クリフォード・ジョーダン参加。「流行りもの」はバート・バカラックの「ジス・ガイ」1曲だけに抑えられている。演奏されているのはウォルトンのオリジナルが1曲(「ホーリー・ランド」)、ジョーダンのオリジナルが1曲、あとはすべてスタンダード曲(「セント・トーマス」「ネイマ」「ブルー・モンク」「ステラ・バイ・スターライト」)
- 『ナイト・アット・ブーマーズ vol.2』 - A Night at Boomers, Vol. 2 (1973年、Muse)
- 『ピット・イン』 - Pit Inn (1975年、East Wind)
- Firm Roots (1976年、Muse)
- 『ファースト・セット』 - First Set (1978年、SteepleChase) ※テナーの新星ボブ・バーグを加えたカルテット編成によるコペンハーゲンのモンマルトルでのライブ録音
- 『セカンド・セット』 - Second Set (1979年、SteepleChase)
- 『サード・セット』 - Third Set (1983年、SteepleChase)
- Cedar's Blues (1985年、Red)
- The Trio 1 (1986年、Red)
- The Trio 2 (1986年、Red)
- The Trio 3 (1986年、Red)
- Among Friends (1989年、Theresa) ※1982年録音
- 『マイ・ファニー・バレンタイン』 - My Funny Valentine (1991年、Sweet Basil) ※スイート・ベイジル・トリオ名義
- 『スウィート・ロレイン』 - Cedar Walton at Maybeck (1992年、Concord Jazz)
- 『アット・グッディ・クラブ』 - At Good Day Club (1993年、TDK) ※1989年録音
- 『アート・ブレイキー・レガシー』 - The Art Blakey Legacy (1993年、Sweet Basil)
- 『ライヴ・アット・スイート・ベイジル / バンビーノ』 - Plays the Music of Art Blakey - Bambino (1998年、Evidence)
- Reliving The Moment – Live At The Keystone Korner (2014年、HighNote) ※1977年-1978年録音
- Charmed Circle (2017年、HighNote) ※1979年録音
- 『ファンジー・ママ』 - Fungii Mama (2022年、Solid) ※1985年-1986年録音
イースタン・リベリオン
[編集]- 『イースタン・リベリオン』 - Eastern Rebellion (1976年、Timeless) ※with ジョージ・コールマン、サム・ジョーンズ、ビリー・ヒギンス
- 『イースタン・リベリオン 2』 - Eastern Rebellion 2 (1977年、Timeless) ※with ボブ・バーグ、サム・ジョーンズ、ビリー・ヒギンス
- 『イースタン・リベリオン 3』 - Eastern Rebellion 3 (1980年、Timeless) ※with カーティス・フラー、ボブ・バーグ、サム・ジョーンズ、ビリー・ヒギンス
- 『イースタン・リベリオン 4』 - Eastern Rebellion 4 (1984年、Timeless) ※with カーティス・フラー、ボブ・バーグ、アルフレード・チョコラーテ・アルメンテロス、デヴィッド・ウィリアムス、ビリー・ヒギンス
- 『モザイク〜トリビュート・トゥ・アート・ブレイキー』 - Mosaic (1992年、MusicMasters) ※with ラルフ・ムーア、デヴィッド・ウィリアムス、ビリー・ヒギンス
- Simple Pleasure (1993年、MusicMasters) ※with ラルフ・ムーア、デヴィッド・ウィリアムス、ビリー・ヒギンス
- Just One of Those... Nights at the Village Vanguard (1994年、Jazz Heritage) ※with ラルフ・ムーア、デヴィッド・ウィリアムス、ビリー・ヒギンス
- 『イースタン・リベリオン 5〜ライヴ・イン・ブレーメン1976』 - Eastern Rebellion 5 Live (2021年、Timeless)
ザ・タイムレス・オールスターズ
[編集]- 『イッツ・タイムレス』 - It's Timeless (1982年、Timeless)
- 『タイムレス・ハート』 - Timeless Heart (1983年、Timeless)
- 『エッセンス』 - Essence (1986年、Delos)
- Time for the Timeless All Stars (1991年、Early Bird)
- In a New York Minute (1999年、Milestone) ※with イアン・ショウ
脚注
[編集]参考文献
[編集]- 村上春樹「シダー・ウォルトン 強靭な文体を持ったマイナー・ポエト」『意味がなければスイングはない』文藝春秋 2005年 ISBN 978-4163676005