ジル・チャーチル
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ジル・チャーチル | |
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誕生 |
1943年1月11日 アメリカ合衆国・カンザスシティ |
死没 |
2023年7月12日 (80歳没) アメリカ合衆国・カンザスシティ |
職業 | 推理作家 |
ジャンル | コージー・ミステリ |
ウィキポータル 文学 |
ジル・チャーチル(Jill Churchill、1943年1月11日 - 2023年7月12日)は、アメリカ合衆国の推理作家。カンザス州在住。本名はジャニス・ヤング・ブルックス(Janice Young Brooks)。本名でも歴史小説やノンフィクションを上梓している。
受賞
[編集]著作リスト
[編集]主婦探偵ジェーン・シリーズ (Jane Jeffry Mysteries)
[編集]日本語訳は、創元推理文庫から出版されている。『ゴミと罰』から『飛ぶのがフライ』までは浅羽莢子が翻訳している。『カオスの商人』以降は新谷寿美香が翻訳している。
交通事故で夫を亡くした専業主婦のジェーン・ジェフリイが3人の子育てに翻弄される様子と、隣人で親友のシェリィと共に、近隣で発生した殺人事件に巻き込まれ、犯人を推理し探索する様子を描くコージー・ミステリ。なお、『ゴミと罰』の訳者後書きでは、「ドメスティック・ミステリ」と紹介している。
タイトル(原題は無論のこと、一部を除いて邦題も)が著名な作品のパロディとなっているのも特徴。
# | 邦題 (パロディ元) |
原題 (パロディ元原題) |
刊行年 |
刊行年月 |
訳者 | 出版社 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | ゴミと罰 (ドストエフスキー 『罪と罰』) |
Grime and Punishment (Crime and Punishment) |
1989年 | 1991年8月 | 浅羽莢子 | 東京創元社〈創元推理文庫〉 |
2 | 毛糸よさらば (ヘミングウェイ 『武器よさらば』) |
A Farewell to Yarns (A Farewell to Arms) |
1991年 | 1992年12月 | ||
3 | 死の拙文 (アイラ・レヴィン 『死の接吻』) |
A Quiche Before Dying (A Kiss Before Dying) |
1993年 | 1995年12月 | ||
4 | クラスの動物園 (テネシー・ウィリアムズ 『ガラスの動物園』) |
The Class Menagerie (The Glass Menagerie) |
1994年 | 1996年4月 | ||
5 | 忘れじの包丁 (『SOSタイタニック 忘れえぬ夜』) |
A Knife to Remember (A Night to Remember) |
1994年 | 1997年2月 | ||
6 | 地上より賭場に (『地上より永遠に』) |
From Here to Paternity (From Here to Eternity) |
1995年 | 1997年9月 | ||
7 | 豚たちの沈黙 (トマス・ハリス 『羊たちの沈黙』) |
Silence of the Hams (The Silence of the Lambs) |
1996年 | 1999年6月 | ||
8 | エンドウと平和 (トルストイ 『戦争と平和』) |
War and Peas (War and Peace) |
1996年 | 2001年11月 | ||
9 | 飛ぶのがフライ (エリカ・ジョング 『飛ぶのが怖い』) |
Fear of Frying (Fear of Flying) |
1997年 | 2007年1月 | ||
10 | カオスの商人 (シェイクスピア 『ヴェニスの商人』) |
The Merchant of Menace (The Merchant of Venice) |
1998年 | 2009年5月 | 新谷寿美香 | |
11 | 眺めのいいヘマ (フォースター 『眺めのいい部屋』) |
A Groom with a View (A Room with a View) |
1999年 | 2011年3月 | ||
12 | 枯れ騒ぎ (シェイクスピア 『空騒ぎ』) |
Mulch Ado About Nothing (Much Ado About Nothing) |
2000年 | 2012年7月 | ||
13 | 八方破れの家 (ナサニエル・ホーソーン 『七破風の館』) |
The House of Seven Mabels (The House of the Seven Gables) |
2002年 | 2013年9月 | ||
14 | 大会を知らず (リチャード・クワイン 『媚薬』) |
Bell, Book, and Scandal (Bell, Book and Candle) |
2003年 | 2014年9月 | ||
15 | (シェイクスピア 『夏の夜の夢』) |
A Midsummer Night's Scream (A Midsummer Night's Dream) |
2004年 | |||
16 | (アン・タイラー 『偶然の旅行者』) |
Accidental Florist (The Accidental Tourist) |
2007年 |
舞台を日本に翻案したテレビシリーズ『ご近所探偵・五月野さつき』が作成されている。
グレイス&フェイヴァー・シリーズ (Grace and Favor Mysteries)
[編集]日本語訳は、創元推理文庫から。戸田早紀翻訳。
1930年代の世界大恐慌で全財産を失ったリリーとロバートのブルースター兄妹は、会ったことも無いホレイショー大伯父の莫大な遺産を相続するため、遺言に従ってヴォールブルグの町で暮らすことになる。その屋敷の名前が「グレイス&フェイヴァー・コテージ」。屋敷はとりあえず相続したものの、遺産がもらえるのは10年後。当面の生活費すら無いため、貧乏兄妹は生活費を稼ぐべく奔走する。……が、なぜか殺人事件に巻き込まれてしまう[1]。
こちらのシリーズはスタンダードナンバーをそのままタイトルに用いている。
- 『風の向くまま』 ISBN 978-4-488-27509-9、2002 (Anything Goes, 1999)
- 『夜の静寂に』 ISBN 978-4-488-27510-5、2004 (In the Still of the Night, 2000)
- 『闇を見つめて』 ISBN 978-4-488-27511-2、2006 (Someone to Watch over Me, 2001)
- 『愛は売るもの』 ISBN 978-4-488-27513-6、2007 (Love for Sale, 2003)
- 『君を想いて』 ISBN 978-4-488-27515-0、2010 (It Had to Be You, 2004)
- 『今をたよりに』 ISBN 978-4-488-27517-4、2011 (Who's Sorry Now?, 2005)
- (Smoke Gets in Your Eyes, 2013)
ジャニス・ヤング・ブルックス名義の著書
[編集]- Seventrees (1981年)
- Still the Mighty Waters (1983年)
- Glory (1985年)
- The Circling Years (1986年)
- Crown Sable (1987年)
- Cinnamon Wharf (1988年)
- The Herron Heritage (1992年)
- Guests of the Emperor (1990年)
脚注
[編集]- ^ Elizabeth Blakesley Lindsay (2007). Great Women Mystery Writers. Greenwood Publishing Group. pp. 39–. ISBN 978-0-313-33428-3