スティーブ・ブラス

スティーブ・ブラス
*Steve Blass*
	ブラス（2009年）
基本情報
国籍	アメリカ合衆国
出身地	コネチカット州キャナーン（英語版）
生年月日	1942年4月18日（82歳）
身長; 体重	6' 0" ＝約182.9 cm; 165 lb ＝約74.8 kg
選手情報
投球・打席	右投右打
ポジション	投手
プロ入り	1960年アマチュアFA
初出場	1964年5月10日
最終出場	1974年4月17日
経歴（括弧内はプロチーム在籍年度）
	ピッツバーグ・パイレーツ (1964,1966 - 1974);
	この表について

スティーブン・ロバート・ブラス （Stephen Robert Blass, 1942年 4月18日 - ）は、アメリカ合衆国・コネチカット州キャナーン（英語版）出身の元プロ野球選手（投手）。右投右打。現役時代はパイレーツのエースとして活躍したが、晩年はイップスに悩まされた（後述）。

経歴

パイレーツ時代

1960年にアマチュアFAでピッツバーグ・パイレーツに入団。1964年にメジャーデビューを果たし、同年は先発・中継ぎの双方で24試合に登板した。

1965年はメジャー昇格を果たせず傘下マイナーチームでプレイしていたが、翌1966年にメジャー再昇格。同年からは主に先発ローテーションの一角を担うようになる。1968年からは5年続けて2桁勝利を挙げ、1968年には18勝6敗で最多勝率（.750）のタイトルを獲得し、1971年はリーグ最多の5完封を記録した。翌年の1972年は先発として自己最多の19勝を挙げ、同年のオールスターゲームにも選出されたほか、ナショナル・リーグのサイ・ヤング賞候補にも選ばれた（結果は同年のサイ・ヤング賞を受賞したスティーブ・カールトンに次ぐ2位）。

パイレーツ一筋のフランチャイズプレーヤーであり、開幕投手も3度（1969,70,73年）務め、パイレーツが世界一に輝いた1971年のワールドシリーズにおいても2度（第3戦、第7戦）先発して2試合とも1失点完投勝利を収め、ワールドシリーズのMVP候補にもなる（同僚のロベルト・クレメンテが最終的に受賞）など、名実ともにパイレーツのエースであった。

突然のイップスと現役引退

しかし、1973年になるとブラスは突然の制球難に見舞われる。同年は1年間メジャーに帯同したものの23試合に登板して3勝9敗、防御率9.85と大不振に陥り、特に88.2回を投げて96与四死球と極度の制球難に陥った^[1]。1974年になると制球難はより悪化し、メジャーでは1試合にロングリリーフで登板したのみで5回を投げて与四球7、シーズンのほとんどを過ごした傘下AAA級チャールストン（英語版）では17試合に先発するも2勝8敗で防御率11.51、61イニングを投げて119与四死球という散々な成績に終わり、同年に現役を引退した。引退後、ブラスの現役時の苦難はスポーツライターだったロジャー・エンジェル（英語版）によってエッセイとして記録され、雑誌ザ・ニューヨーカーに掲載された。

その後、同様の症状に見舞われた投手がブラスの名前から「スティーブ・ブラス病」という名称で呼ばれるようになった。後に「イップス」と呼ばれる症状である。

ブラス自身のイップスの原因については様々な推測がなされ、一説としてはチームメイトであったロベルト・クレメンテが1972年の年末に乗機したニカラグア行きのチャーター機が墜落する航空事故に巻き込まれ墜落死したことによる悲しみが原因ではないかともされたが、これは後にCBSのインタビューによって否定されている^[2]。

詳細情報

年度別投手成績

年度	球団	登板	先発	完投	完封	無四球	勝利	敗戦	セ丨ブ	勝率	打者	投球回	被安打	被本塁打	与四球	敬遠	与死球	奪三振	暴投	ボ丨ク	失点	自責点	防御率	W H I P
1964	PIT	24	13	3	1		5	8	0	.385	458	104.2	107	9	45	5	1	67	10	0	52	47	4.04	1.45
1966		34	25	1	0		11	7	0	.611	662	155.2	173	12	46	1	2	76	9	0	80	67	3.87	1.41
1967		32	16	2	0		6	8	0	.429	541	126.2	126	12	47	7	2	72	3	0	65	50	3.55	1.37
1968		33	31	12	7		18	6	0	.750	885	220.1	191	13	57	5	4	132	7	0	64	52	2.12	1.13
1969		38	32	9	0		16	10	2	.615	907	210.0	207	21	86	3	6	147	5	2	119	104	4.46	1.40
1970		31	31	6	1		10	12	0	.455	824	196.2	187	14	73	8	5	120	2	1	92	77	3.52	1.32
1971		33	33	12	5		15	8	0	.652	996	240.0	226	16	68	8	2	136	4	0	81	76	2.85	1.23
1972		33	32	11	2		19	8	0	.704	1024	249.2	227	18	84	8	4	117	6	1	80	69	2.49	1.25
1973		23	18	1	0		3	9	0	.250	455	88.2	109	11	84	4	12	27	9	0	98	97	9.85	2.18
1974		1	0	0	0	0	0	0	0		28	5.0	5	2	7	0	0	2	1	0	8	5	9.00	2.40
MLB:10年		282	231	57	16		103	76	2	.575	6780	1597.1	1558	128	597	49	38	896	56	4	739	644	3.63	1.35

記録

開幕投手 : 3回（1969年 - 1970年、1973年）
MLBオールスターゲーム選出 : 1回（1972年）

背番号

23 （1964年）
28 （1966年 - 1974年）

脚注

^ 与四球84は前年と同じ値だったが、前年はこの2倍以上にあたる249.2回を投げていた。
^ Pirates’ Steve Blass Discusses His Book KDKA-TV(2013年3月9日)、2019年7月23日。

外部リンク

選手の通算成績と情報 MLB、ESPN、Baseball-Reference、Fangraphs、The Baseball Cube、Baseball-Reference (Register)

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[1] 与四球84は前年と同じ値だったが、前年はこの2倍以上にあたる249.2回を投げていた。

[2] Pirates’ Steve Blass Discusses His Book KDKA-TV(2013年3月9日)、2019年7月23日。

[1]

[2]

表話編歴ピッツバーグ・パイレーツ開幕投手
1880年代	82 ジャック・リーリー 83 デニー・ドリスコル 84 ジョン・フォックス 85 エド・モリス 86 エド・モリス 87 パッド・ガルヴィン 88 エド・モリス 89 パッド・ガルヴィン
1890年代	90 ピート・ダニエルズ 91 パッド・ガルヴィン 92 マーク・ボールドウィン 93 フランク・キレン 94 フランク・キレン 95 フランク・キレン 96 ピンク・ホーリー 97 フランク・キレン 98 フランク・キレン 99 ジェシー・タンヒル
1900年代	00 サム・リーバー 01 サム・リーバー 02 ディーコン・フィリップ 03 ディーコン・フィリップ 04 ディーコン・フィリップ 05 パッシー・フラエティ 06 ビック・ウィリス 07 ディーコン・フィリップ 08 ハウイー・カムニッツ 09 ハウイー・カムニッツ
1910年代	10 ハウイー・カムニッツ 11 ベーブ・アダムズ 12 ハウイー・カムニッツ 13 ベーブ・アダムズ 14 ベーブ・アダムズ 15 ジョージ・マッキラン 16 アーブ・カントルヒナー 17 エルマー・ジェイコブス 18 ウィルバー・クーパー 19 ウィルバー・クーパー
1920年代	ベーブ・アダムズ 21 ベーブ・アダムズ 22 ウィルバー・クーパー 23 ジョニー・ヘネガン 24 ジョニー・ヘネガン 25 エミル・エド 26 ビック・オルドリッジ 27 レイ・クレマー 28 レイ・クレマー 29 バーリー・グライムス
1930年代	30 レイ・クレマー 31 ラリー・フレンチ 32 ラリー・フレンチ 33 ビル・スウィフト 34 ヘイニー・マイネ 35 ウェイト・ホイト 36 サイ・ブラントン 37 サイ・ブラントン 38 サイ・ブラントン 39 サイ・ブラントン
1940年代	40 ボブ・クリンガー 41 ボブ・クリンガー 42 マックス・ブッチャー 43 リップ・シューエル 44 プリーチャー・ロー 45 フリッツ・オスターミューラー 46 フリッツ・オスターミューラー 47 リップ・シューエル 48 ハル・グレッグ 49 リップ・シューエル
1950年代	50 ボブ・チェインズ 51 クリフ・チェンバーズ 52 ムリー・ディックソン 53 ムリー・ディックソン 54 ボブ・フレンド 55 マックス・サーコント 56 ボブ・フレンド 57 ボブ・フレンド 58 ボブ・フレンド 59 ロン・クライン
1960年代	60 ボブ・フレンド 61 ボブ・フレンド 62 ボブ・フレンド 63 ジム・バニング 64 ボブ・ヴィール 65 ボブ・ヴィール 66 ボブ・ヴィール 67 ボブ・ヴィール 68 ジム・バニング 69 スティーブ・ブラス
1970年代	70 スティーブ・ブラス 71 ドック・エリス 72 ドック・エリス 73 スティーブ・ブラス 74 ジェリー・ロイス 75 ドック・エリス 76 ドク・メディッチ 77 ジェリー・ロイス 78 ジョン・キャンデラリア 79 バート・ブライレブン
1980年代	80 バート・ブライレブン 81 ジム・ビビー 82 リック・ローデン 83 ジョン・キャンデラリア 84 リック・ローデン 85 リック・ローデン 86 リック・ラッシェル 87 ボブ・パターソン 88 マイク・ダン 89 ボブ・ウォーク
1990年代	90 ダグ・ドレイベック 91 ダグ・ドレイベック 92 ダグ・ドレイベック 93 ティム・ウェイクフィールド 94 ゼイン・スミス 95 ジョン・リーバー 96 ポール・ワグナー 97 ジョン・リーバー 98 フランシスコ・コードバ 99 フランシスコ・コードバ
2000年代	00 ジェイソン・シュミット 01 トッド・リッチー 02 ロン・ビローン 03 クリス・ベンソン 04 キップ・ウェルズ 05 オリバー・ペレス 06 オリバー・ペレス 07 ザック・デューク 08 イアン・スネル 09 ポール・マホーム
2010年代	10 ザック・デューク 11 ケビン・コレイア 12 エリック・ベダード 13 A.J.バーネット 14 フランシスコ・リリアーノ 15 フランシスコ・リリアーノ 16 フランシスコ・リリアーノ 17 ゲリット・コール 18 イバン・ノバ 19 ジェイムソン・タイヨン
2020年代	20 ジョー・マスグローブ 21 チャド・クール 22 JT・ブルベイカー 23 ミッチ・ケラー

経歴

パイレーツ時代

突然のイップスと現役引退

詳細情報

年度別投手成績

年度別投手成績

記録

背番号

脚注

関連項目

外部リンク