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タトラT6

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

タトラT6は、かつてチェコスロバキア(現:チェコ)のプラハに存在したČKDタトラが製造した路面電車車両タトラカー)。1970年代に展開されたタトラT5を基に改良を実施した、電機子チョッパ制御装置を用いる形式である。導入都市や車体設計、台車間距離の違いによって以下の4種類が設計され、従来のタトラカー(タトラT3タトラT4タトラKT4)の後継車両として各都市に導入が行われた[1][2][3][4][5]

T6B5

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タトラT6B5
T-3M
基本情報
製造所 ČKDタトラタトラ=ユークイネコン・トラム
製造年 ČKDタトラ製
1983年(試作車)
1985年 - 1996年(量産車)
タトラ=ユーク製
1994年 - 2003年
イネコン・トラム製
2003年
製造数 T6B5SU 1,014両
T-3M(タトラ=ユーク製) 39両
T-3M(イネコン・トラム製) 10両
T6B5B 37両
T6B5K 129両
運用開始 1985年
主要諸元
編成 単車(ボギー車・片運転台)
軌間 1,000 mm1,009 mm1,435 mm1,524 mm
電気方式 直流600 V
架空電車線方式
最高速度 65.0 km/h
車両定員 着席40人
最大168人
車両重量 18.4 t
全長 16,400 mm
全幅 2,500 mm
車体幅 2,500 mm
車体高 3,145 mm
動力伝達方式 直角カルダン駆動方式
主電動機出力 45 kw
出力 180 kw
制御方式 サイリスタチョッパ制御
備考 主要数値は[1][6]に基づく。
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概要

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主にソビエト連邦(ソ連)の路面電車路線向けに設計された車種で、同国および崩壊後の諸国ではT-3M(Т-3М)とも呼ばれる。サイリスタチョッパ制御方式を用いた制御装置を含めた主要機器や片運転台の車体構造はT6A2やT6A5と同型だが、車幅が2.5 mと広く、全長も16.4 mと大型である[1][7][8]

形式

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T6A2

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T6A2 + T6A2 + B6A2
ベルリン市電1990年撮影)

主に東ドイツの路面電車路線向けに設計された車種。他国よりも狭い車両限界に合わせて車幅が2,180 mmに抑えられたのが特徴である。電動車のT6A2に加えて、東ドイツには付随車であるB6A2も導入された[1][11][12]

T6A5

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T6A5(プラハ市電

T6B5を基に、チェコスロバキアの路面電車へ向けて製造された車種。導入都市の線路条件に合わせて車幅は2,500 mmとなっている。新造車のT6A5に加え、タトラT3の台車や一部機器を流用したT6A5.3の試作も行われた[2]

T6C5

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T6C5(シュトラウスベルク鉄道

T6A5を基に、終端にループ線が存在しない路線でも走行可能な両運転台車両として設計された車種。試作車1両のみが製造され、当初はアメリカニューオーリンズで試運転も兼ねた営業運転に用いられたが、2020年現在はドイツシュトラウスベルク鉄道に在籍する[2][13]

脚注

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注釈

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出典

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  1. ^ a b c d e f g Ryszard Piech (2008年3月18日). “Tramwaje Tatry na przestrzeni dziejów (2) od KT8 do T6” (ポーランド語). InfoTram. 2020年1月24日閲覧。
  2. ^ a b c Ryszard Piech (2008年3月18日). “Tramwaje Tatry na przestrzeni dziejów (3) od KT8 do upadku” (ポーランド語). InfoTram. 2020年1月24日閲覧。
  3. ^ (チェコ語) Připomenutí prototypu tramvaje T5A5. Československý dopravák. (2017-3-21). http://www.cs-dopravak.cz/zpravy/2017/2/23/pipomenut-prototypu-tramvaje-t5a5 2020年1月26日閲覧。. 
  4. ^ Szeitl László (2007). TÁTRA T5C5 VILLAMOS JÁRMŰISMERET (PDF) (Report). Budapesti Közlekedési Zrt. p. 27. 2017年10月15日時点のオリジナル (PDF)よりアーカイブ。2020年1月26日閲覧
  5. ^ 大賀寿郎『路面電車発達史 ―世界を制覇したPCCカーとタトラカー』戎光祥出版〈戎光祥レイルウェイ・リブレット 1〉、2016年3月1日、101頁。ISBN 978-4-86403-196-7 
  6. ^ a b ГКП «Днепропетровский электротранспорт»” (ロシア語). Татра-Юг (2015年8月19日). 2020年1月26日閲覧。
  7. ^ В Киеве ввели в эксплуатацию чешские трамваи «Tatra T6A5» из Праги” (ロシア語). Пассажирский транспорт (2019年7月10日). 2020年1月26日閲覧。
  8. ^ Резино-Технические издeлия трамвайных вагонов Т-3,Т-3М и КТМ”. ООО «Электро-Урал». 2018-◎-×閲覧。
  9. ^ В Николаеве заработают новые трамваи” (ロシア語). Бизнес-новости Николаева (2006年9月8日). 2018年1月26日閲覧。
  10. ^ やまだトシヒデ「第6章 路面電車の世界」『ポケット図解 韓国の電車と地下鉄をとことん楽しむ本』秀和システム、2012年8月31日、235頁。ISBN 978-4798034881 
  11. ^ Die aktuellen Fahrzeuge der Straßenbahn”. BVG. 2020年1月26日閲覧。
  12. ^ TRAMVAJE T6A2 A B6A2 V NĚMECKÉM ROSTOCK”. Československý Dopravák (2015年12月4日). 2020年1月26日閲覧。
  13. ^ Fuhrpark”. Strausberger Eisenbahn GmBH (2015年9月). 2020年1月26日閲覧。