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ダイアナ・クラール

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ダイアナ・クラール
Diana Krall
ポルトガル・オエイラス公演 (2008年7月)
基本情報
出生名 ダイアナ・ジーン・クラール
生誕 (1964-11-16) 1964年11月16日(60歳)
出身地 カナダの旗 カナダ
ブリティッシュコロンビア州ナナイモ
学歴 バークリー音楽大学
ジャンル ジャズ
ボサノヴァ
ポップ・ミュージック
職業 ジャズシンガーピアニスト
担当楽器 ピアノボーカル
公式サイト 公式ウェブサイト

ダイアナ・クラール(本名:ダイアナ・ジーン・クラール (Diana Jean Krall), 1964年11月16日 - )は、カナダ出身の女性ジャズピアニスト歌手。クラールの実際の発音はクロールに近い[1]

1990年代以降に最も成功したジャズ歌手の一人で、1999年から5度のグラミー賞を獲得した。夫はミュージシャン エルヴィス・コステロ

生い立ち

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カナダ・トロント公演 (2007年9月)

ダイアナ・クラールはカナダのナナイモブリティッシュコロンビア州)に住む音楽一家に生まれ、4歳でピアノを習い始める。幼い頃に家族と一緒にバンクーバーに転居、高校の小さなジャズバンドで活動を始めた。15歳の時、ナナイモのレストランでピアノ演奏を始める。

1981年、17歳になってからはバンクーバー・インターナショナル・ジャズ・フェスティバルの奨学金を得て、ボストンにあるバークリー音楽大学に入学、卒業した。 バークリー音楽学院では、当時同級生に小曽根真がいた。

ナナイモでクラールの演奏を聞き興味を持った著名なベース演奏者、レイ・ブラウンと出会いロサンゼルスに行かないかと誘われる。それを承諾したクラールはロサンゼルスへと旅立ち、ピアニストのジミー・ロウレスと出会い、歌い始めた。ロサンゼルスでは、さまざまなミュージシャンからの影響を受けるとともに、プロデューサーとの出会いも経験することになる。

1990年にはニューヨークへ転居している。

2003年12月イギリス生まれのミュージシャン、エルヴィス・コステロと結婚[2]2006年12月には最初の子供(双子の男の子)を出産した。

経歴

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USA.シャーロッツビル公演 (2010年11月)

1993年には、ジョン・クレイトンジェフ・ハミルトンとともに録音し、初めてのアルバム『ステッピング・アウト(Stepping Out)』を発表。このアルバムはプロデューサーであるトミー・リピューマに注目された。

1995年には、彼のプロデュースでセカンドアルバム『オンリー・トラスト・ユア・ハート(Only Trust Your Heart)』を出した。

1996年、サードアルバム『オール・フォー・ユー〜ナット・キング・コール・トリオに捧ぐ(All for You: A Dedication to the Nat King Cole Trio)』(1996年発表)はグラミー賞にノミネートされ、また70週間もの間、ビルボードのジャズ・チャートに上がっていた。

1997年、クラール、ラッセル・マローンギター)、クリスチャン・マクブライドベース)のトリオで出した『ラヴ・シーンズ(Love Scenes)』(1997年発表)も同時にヒットした。

1999年、『ホエン・アイ・ルック・イン・ユア・アイズ(When I Look In Your Eyes)』(1999年)ではジョニー・マンデルによるオーケストラ・アレンジのバックもあり、再度グラミー賞にノミネートされ、クラールはその年の最優秀ジャズミュージシャンとして表彰された。

2000年8月にクラールはトニー・ベネットと共に計20都市のジョイントツアーをした。

2001年、『ザ・ルック・オブ・ラヴ(The Look of Love)』(2001年)でもバンド・ミックスのコンセプトが続き、プラチナ・ディスクとなりビルボードでも上位10位に達した。カナダのアルバムチャートでは1位となり、カナダではクワドループル(4倍)プラチナ・ディスクとなった。このアルバムのタイトル曲は1960年代末に人気を博した映画カジノ・ロワイヤル」のダスティ・スプリングフィールドセルジオ・メンデスの作品のカバーで、アダルト・コンテンポラリー・チャートで22位に達した。

2001年9月にクラールはワールドツアーを開始した。フランスパリオランピア劇場でのライブは彼女の初めてのライブアルバム『ライヴ・イン・パリ』としてリリースされた。このライブはビルボード・ジャズ部門でトップ20に入り、カナダではトップ5の座を飾った。これにより彼女は二つ目のグラミー賞(最優秀ジャズボーカル)とジュノー賞を受賞した。このアルバムはビリー・ジョエルの「素顔のままで(Just the Way You Are)」のカバー(アメリカのスムーズ・ジャズラジオ局でヒットした)とジョニ・ミッチェルの「ア・ケイス・オブ・ユー(A Case of You)」のカバーが含まれている。

夫エルヴィス・コステロと (2009年3月)

2003年エルヴィス・コステロと結婚以来、夫と共に作詞・作曲家としても活動する。2004年4月に発表したアルバム『ザ・ガール・イン・ジ・アザー・ルーム(The Girl in the Other Room)』は、まもなく全英アルバムチャートのトップ5に入り、オーストラリアのランキングではトップ40にも入った。

トム・ウェイツの1987年のアルバム『フランクス・ワイルド・イヤーズ』からのカバー「テンプテーション(Temptation)」は世界ジャズチャート(米独仏日中のチャートからなる)で1位となった。

2007年5月末より、クラールはレクサスの宣伝キャンペーンに起用され、「Dream a Little Dream of Me」を大御所ピアニストのハンク・ジョーンズのピアノにあわせ歌うこととなった。

2009年の映画「パブリック・エネミーズ」にクラブのシンガーとして出演。

2011年ポール・マッカートニーのアルバム『キス・オン・ザ・ボトム』(発表は2012年)のレコーディングに参加して、ピアノとリズム・アレンジを担当した[3]

2015年、トップの音楽プロデューサーデイヴィッド・フォスター プロデュースによるアルバム『Wallflower』をリリース[4]

日本公演

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  • 1998年6月7日 東京簡易保険ホール Jazz Elite3 
10月5日 東京国際フォーラムホールC、7日 大阪厚生年金会館芸術ホール、8日 名古屋市民会館中ホール、10日 オーチャードホール、12日 東京国際フォーラムホール
3月21日 名古屋市民会館中ホール、22日 大阪サンケイホール、24日,25日 オーチャードホール
2月24日、25日 昭和女子大学人見記念講堂、27日 東京芸術劇場、29日 グランキューブ大阪
11月5日、6日、7日 オーチャードホール、9日 金沢本多の森ホール、11日 広島上野学園ホール、13日 大阪フェスティバルホール

ディスコグラフィ

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アルバム

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タイトル アルバム詳細 チャート最高位 認定
CAN
[5]
AUS
[6]
AUT
[7]
FRA
[8]
GER
[9]
NOR
[10]
NZ
[11]
SWI
[12]
UK
[13]
US
[14]
1993 Stepping Out
  • CAN: ゴールド[15]
1995 Only Trust Your Heart
  • 発売日: 1995年2月14日
  • レーベル: GRP
  • フォーマット: CD, digital download
1996 All for You:
A Dedication to the Nat King Cole Trio
  • 発売日: 1996年3月12日
  • レーベル: Impulse!, GRP
  • フォーマット: CD, LP, cassette, digital download
  • 全米売上: 50万枚[16]
1997 Love Scenes
  • 発売日: 1997年8月26日
  • レーベル: Impulse!
  • フォーマット: SACD, CD, LP, cassette, digital download
  • 全米売上: 100万枚[16]
47 35 45 152 109
  • CAN: 2× プラチナ[15]
  • US: プラチナ[16]
1999 『ホエン・アイ・ルック・イン・ユア・アイズ』
- When I Look in Your Eyes
  • 発売日: 1999年6月8日
  • レーベル: Verve
  • フォーマット: SACD, CD, LP, cassette, digital download
  • 全米売上: 100万枚[16]
12 17 28 72 56
2001 『ザ・ルック・オブ・ラヴ』
- The Look of Love
  • 発売日: 2001年9月18日
  • レーベル: Verve
  • フォーマット: SACD, CD, LP, cassette, digital download
  • 全米売上: 160万枚[19]
1 7 15 5 15 15 6 29 23 9
  • CAN: 7× プラチナ[15]
  • AUS: プラチナ[20]
  • AUT: ゴールド[21]
  • FRA: プラチナ[22]
  • NZ: プラチナ[23]
  • SWI: ゴールド[24]
  • UK: ゴールド[18]
  • US: プラチナ[16]
2004 ザ・ガール・イン・ジ・アザー・ルーム
- The Girl in the Other Room
  • 発売日: 2004年4月27日
  • レーベル: Verve
  • フォーマット: SACD, CD, LP, digital download
  • 全米売上: 50万枚[16]
1 21 3 2 7 2 5 7 4 4
  • CAN: 2× プラチナ[15]
  • AUS: ゴールド[25]
  • AUT: ゴールド[21]
  • GER: ゴールド[26]
  • NZ: プラチナ[27]
  • SWI: ゴールド[24]
  • UK: ゴールド[18]
  • US: ゴールド[16]
2005 Christmas Songs
  • 発売日: 2005年11月1日
  • レーベル: Verve
  • フォーマット: CD, LP, digital download
  • 全米売上: 50万枚[16]
2 27 52 34 16 28 155 17
  • CAN: 2× プラチナ[15]
  • US: ゴールド[16]
2006 From This Moment On
  • 発売日: 2006年11月19日
  • レーベル: Verve
  • フォーマット: CD, LP, digital download
1 28 15 6 16 17 17 15 29 7
  • CAN: 2× プラチナ[15]
2009 Quiet Nights
  • 発売日: 2009年3月31日
  • レーベル: Verve
  • フォーマット: CD, LP, digital download
  • 全米売上: 10.4万枚[28]
2 14 3 3 7 2 2 10 11 3
  • AUS: ゴールド[29]
  • AUT: ゴールド[21]
  • FRA: ゴールド[17]
  • NZ: ゴールド[30]
2012 Glad Rag Doll
  • 発売日: 2012年10月2日
  • レーベル: Verve
  • フォーマット: CD, LP, digital download
  • 全米売上: 19.1万枚[31]
2 44 8 3 17 21 19 13 21 6
  • CAN: ゴールド[15]
  • FRA: ゴールド[17]
2015 Wallflower
  • 発売日: 2015年2月3日
  • レーベル: Verve
  • フォーマット: SACD, CD, LP, digital download
  • 全米売上: 4.4万枚[32]
2 7 5 4 9 4 9 5 19 10
  • CAN: プラチナ[15]
2017 Turn Up the Quiet
  • 発売日: 2017年5月5日
  • レーベル: Verve
  • フォーマット: CD, LP, digital download
8 37 5 10 16 15 19 10 32 18
"—"は未発売またはチャート圏外を意味する。

ライブ・アルバム

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タイトル アルバム詳細 チャート最高位 認定
CAN
[5]
AUS
[6]
AUT
[7]
FRA
[8]
GER
[9]
NOR
[10]
NZ
[11]
SWI
[12]
UK
[13]
US
[14]
2002 Live in Paris
  • 発売日: 2002年10月1日
  • レーベル: Verve
  • フォーマット: CD, LP, digital download
3 41 19 23 53 5 6 30 30 18
  • CAN: 2× プラチナ[15]
  • AUS: ゴールド[33]
  • UK: シルバー[18]
  • US: ゴールド[16]

コンピレーション・アルバム

[編集]
タイトル アルバム詳細 チャート最高位 認定
CAN
[5]
AUS
[6]
AUT
[7]
FRA
[8]
GER
[9]
NOR
[10]
NZ
[11]
SWI
[12]
UK
[13]
US
[14]
2007 The Very Best of Diana Krall
  • 発売日: 2007年9月18日
  • レーベル: Verve
  • フォーマット: CD, LP, digital download
6 40 36 52 6 17 25 35 19
  • CAN: プラチナ[15]
"—"は未発売またはチャート圏外を意味する。

EPs (ミニアルバム)

[編集]
  • ハブ・ユアセルフ・ア・メリー・リトル・クリスマス - Have Yourself a Merry Little Christmas (1998)

映像作品

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  • ライヴ・イン・パリ - Live in Paris (2002)
  • ライヴ・アット・ザ・モントリオール・ジャズ・フェスティヴァル - Live at the Montreal Jazz Festival (2004)
  • ライヴ・イン・リオ - Live in Rio (2009)

脚注

[編集]
  1. ^ RIGHT PRONUNCIATION
  2. ^ エルヴィス・コステロとダイアナ・クラール、結婚! - BARKS
  3. ^ Kisses on the Bottom - Paul McCartney : Credits : AllMusic
  4. ^ ダイアナ・クラール、新作『ウォールフラワー』の魅力を解き明かす独占インタビュー - BARKS
  5. ^ a b c Peak chart positions for albums in Canada:
  6. ^ a b c Discography Diana Krall”. australian-charts.com. Hung Medien. March 5, 2016閲覧。
  7. ^ a b c Discographie Diana Krall” (German). austriancharts.at. Hung Medien. March 5, 2016閲覧。
  8. ^ a b c Discographie Diana Krall” (French). lescharts.com. Hung Medien. March 5, 2016閲覧。
  9. ^ a b c Discographie von Diana Krall” (German). Offizielle Deutsche Charts. GfK Entertainment. March 5, 2016閲覧。
  10. ^ a b c Discography Diana Krall”. norwegiancharts.com. Hung Medien. March 5, 2016閲覧。
  11. ^ a b c Discography Diana Krall”. charts.org.nz. Hung Medien. March 5, 2016閲覧。
  12. ^ a b c Diana Krall” (select "Charts" tab). swisscharts.com. Hung Medien. March 5, 2016閲覧。
  13. ^ a b c Peak chart positions in the United Kingdom:
    • All except Love Scenes and Christmas Songs: Diana Krall”. Official Charts Company. March 5, 2016閲覧。
    • Love Scenes and Christmas Songs: Chart Log UK: Alex K – Kyuss”. Zobbel. March 5, 2016閲覧。
  14. ^ a b c Diana Krall – Chart history: Billboard 200”. Billboard. March 5, 2016閲覧。
  15. ^ a b c d e f g h i j k l "Canadian certifications – Diana Krall". Music Canada. 2016年3月4日閲覧
  16. ^ a b c d e f g h i j k l "American certifications – Diana Krall". Recording Industry Association of America. 2016年3月4日閲覧
  17. ^ a b c Les Certifications” (French). Syndicat National de l'Édition Phonographique. March 5, 2016閲覧。
  18. ^ a b c d "British certifications – Diana Krall". British Phonographic Industry. 2016年3月4日閲覧 Type Diana Krall in the "Search BPI Awards" field and then press Enter.
  19. ^ Holden, Stephen (September 18, 2006). “Krall: A big-band sound, and twins too – Arts & Leisure – International Herald Tribune”. The New York Times. April 3, 2016閲覧。
  20. ^ ARIA Charts – Accreditations – 2002 Albums”. Australian Recording Industry Association. June 13, 2007時点のオリジナルよりアーカイブ。March 5, 2016閲覧。
  21. ^ a b c "Austrian certifications – Diana Krall" (German). IFPI Austria. 2016年3月5日閲覧 Enter Diana Krall in the field Interpret. Click Suchen
  22. ^ Certifications Albums Platine – année 2006” (French). Syndicat National de l'Édition Phonographique (May 18, 2006). October 13, 2013時点のオリジナルよりアーカイブ。March 5, 2016閲覧。
  23. ^ New Zealand album certifications”. Recorded Music NZ (July 14, 2002). March 5, 2016閲覧。[リンク切れ]
  24. ^ a b "The Official Swiss Charts and Music Community: Awards (Diana Krall)". IFPI Switzerland. Hung Medien. 2016年3月5日閲覧
  25. ^ ARIA Charts – Accreditations – 2004 Albums”. Australian Recording Industry Association. August 7, 2008時点のオリジナルよりアーカイブ。March 5, 2016閲覧。
  26. ^ "Gold-/Platin-Datenbank (Diana Krall)" (German). Bundesverband Musikindustrie. 2016年3月5日閲覧
  27. ^ New Zealand album certifications”. Recorded Music NZ (May 2, 2005). March 5, 2016閲覧。[リンク切れ]
  28. ^ Caulfield, Keith (April 8, 2009). “Keith Urban Soars To No. 1 On Billboard 200”. Billboard. Prometheus Global Media. February 16, 2013閲覧。
  29. ^ ARIA Charts – Accreditations – 2004 Albums”. Australian Recording Industry Association. 2012年1月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年9月26日閲覧。
  30. ^ Latest Gold / Platinum Albums”. RadioScope New Zealand. August 12, 2011時点のオリジナルよりアーカイブ。March 5, 2016閲覧。
  31. ^ White, Emily (February 13, 2015). “Bob Dylan Debuts at No. 1 on Top Rock Albums”. Billboard. http://www.billboard.com/articles/columns/chart-beat/6472850/bob-dylan-number-one 
  32. ^ Caulfield, Keith (February 11, 2013). “Taylor Swift's '1989' Spends 11th Week at No. 1 on Billboard 200 Chart”. Billboard. February 28, 2015閲覧。
  33. ^ ARIA Charts – Accreditations – 2003 Albums”. Australian Recording Industry Association. 2012年1月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年3月5日閲覧。

外部リンク

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