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ダッジ・ネオン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

ネオンNeon )は、アメリカ合衆国の自動車メーカーであるクライスラー(現:ステランティス N.V.)が製造し、クライスラー、ダッジプリムスの3ブランドで販売していた乗用車である。

コンセプトカー(1991年)

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「ネオン」の名称は、1991年にダッジブランドのコンセプトカーとして登場したのが初出である。このモデルは1994年発売の初代モデルに多少似ているが、スライド式のスーサイドドアを備えていた。

このコンセプトカーは、クライスラーが1987年アメリカン・モーターズ(AMC)を買収したことで入社したデザイナーによって設計された。

初代(1994年 - 1999年)

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ダッジ・ネオン(初代)
クライスラー・ネオン(初代)
プリムス・ネオン(初代)
概要
製造国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国ベルビディア
メキシコの旗 メキシコトルーカ
販売期間 1994年 - 1999年(生産終了)
ボディ
ボディタイプ 4ドアセダン
2ドアクーペ
駆動方式 前輪駆動
パワートレイン
エンジン 1.8L SOHC 16バルブ
2.0L SOHC 16バルブ
2.0L DOHC 16バルブ
変速機 5速MT
3速AT
車両寸法
ホイールベース 2,640 mm
全長 4,364 mm
全幅 1,707 mm
全高 1,341-1,392 mm
車両重量 1,051-1,136 kg
その他
総生産台数 910,000 台
系譜
先代 ダッジ・コルト
ダッジ・シャドー
プリムス・コルト
プリムス・サンダンス
プリムス・レーザー
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1994年1月に北米国際オートショー(NAIAS)で発表され、同月よりアメリカカナダでセダンの販売を開始[1]。同年中にクーペも追加された。北米ではダッジおよびプリムスブランドで販売されたが、欧州やアジア市場ではクライスラーブランドで発売された。通常、販売チャネルが異なると同一車種でも名称が変わることが多いが、本車の場合は企画段階で各ブランド共通の車名が用いられることが予め決められていた珍しい事例である。

当時の北米市場を席巻していた日本製韓国製の小型車に対抗して企画された。安価なこれらのライバルに対抗するため、車体については徹底したコスト削減が図られており、アメリカ本国ではベースモデル(エアコンなしのMT車)が8,975ドルという低価格で登場した[2]。当時の日本のマスメディアからは、ゼネラルモーターズ(GM)のサターンとともに「日本車キラー」と呼ばれていた[3][4]が、廉価車として割り切って足回りトランクルーム内側の塗装を省略し[注釈 1]方向指示器ワイパーのレバーは中抜き式、後席のパワーウィンドウも設定がないなど、極端なコストダウンが行われている。

スタイリング上の特徴は、当時クライスラーが推し進めていた長いホイールベースと、ボンネットを短く見せる前進させたAピラーとの組み合わせによる「キャビンフォワードパッケージ」で、さらに、異形丸型2灯式ヘッドランプを採用した親しみのあるフロントマスクとし、広告展開では正面を向いて "Hi." と陽気にアピールしていた。

日本では1996年6月、4ドアセダンがクライスラーブランドから発売された[5]。グレードは廉価版の「SE」(本体価格129万9,000円[6])、中間グレードの「LE」、装備を充実させた最上級の「LX」が輸入され、同年12月までに994台が販売された[7]。正規輸入されたのはすべて右ハンドルで、大半が3速AT車だったが、ごく少数5速MT車も販売された。また、右ハンドル仕様はイギリスオーストラリアへも輸出された。

2代目(1999年 - 2005年)

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ダッジ・ネオン(2代目)
クライスラー・ネオン(2代目)
プリムス・ネオン(2代目)
概要
製造国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国(ベルビディア)
販売期間 1999年 - 2005年(生産終了)
ボディ
ボディタイプ 4ドアセダン
駆動方式 前輪駆動
パワートレイン
エンジン 直列4気筒 1.6L SOHC 16バルブ
直列4気筒 2.0L SOHC 16バルブ
直列4気筒 2.4L DOHC 16バルブターボ
変速機 5速MT
3速/4速AT
車両寸法
ホイールベース 2,670 mm
全長 4,430 mm
全幅 1,711 mm
全高 1,421 mm
車両重量 1,164-1,300 kg
系譜
後継 ダッジ・キャリバー
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1999年8月2000年モデルとして2代目ネオンが発表された。ボディはセダンのみでクーペは廃止された。

ダイムラー(現:メルセデス・ベンツ・グループ)とクライスラーの合併により、メルセデス・ベンツの評価基準が取り入れられた結果、ボディやサスペンションの剛性が大幅に向上し、ハンドリングや操縦安定性が大きく改善された。同時に質感やNVH(騒音・振動・ゴツゴツ感)評価も向上したが、まだ同クラスの日本車には及ばなかった。

アメリカでは2.4 L 直列4気筒DOHC16バルブインタークーラーターボエンジンを搭載したホットモデルの「ネオンSRT-4」が発売され、ベースモデルのヒットともあいまって日本車が独占していたスポーツコンパクト市場に参入した。

日本では、1999年9月4日に右ハンドル仕様で発売された。グレードは本革シートなどの豪華装備を装着した「LX」のみで、車両価格は215万円(消費税抜)と大幅に値上げされた[8]。また、トランスミッションは3速ATのみとされた。

2000年3月4日には「LX」と同額のカーナビとカーオーディオを標準装備した期間限定車「CD/ナビゲーションパッケージ」を、同年4月末日まで発売した[9]

プリムス・ネオンはブランド廃止に伴い、発売からわずか1年後の2001年をもって販売終了となった。それ以外のモデルは2005年までに生産を終了し、5ドアクロスオーバーSUVキャリバーが後継となった。

3代目(2016年 - 2021年)

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ダッジ・ネオン(3代目)
概要
販売期間 2016年 - 2021年(生産終了)
ボディ
ボディタイプ セダン
駆動方式 前輪駆動
パワートレイン
エンジン 1.6L 直列4気筒
最高出力 81 kW(110 hp)/5,500 rpm
最大トルク 152 Nm/4,500 rpm
変速機 6速AT
車両寸法
ホイールベース 2,638 mm
全長 4,532 mm
全幅 1,792 mm
全高 1,497 mm
車両重量 1,280 kg
系譜
先代 ダッジ・ダート(5代目)
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トルコブルサで製造されるフィアット・ティーポ(セダン)のダッジブランド版として、2017年モデルよりメキシコ市場でネオンの名称が復活した。2016年に生産が打ち切られた5代目ダートの後継も担う。

2021年には販売が終了した。

販売台数

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アメリカ カナダ トータル
1994 178,960 N/A 178,960
1995 240,189 N/A 240,189
1996 245,303 N/A 245,303
1997 208,652 N/A 208,652
1998[10] 196,497 N/A 196,497
1999 183,797 N/A 183,797
2000 163.332 N/A 163.332
2001 137,353 N/A 137,353
2002 126,118 N/A 126,118
2003 120,101 N/A 120,101
2004 113,476 14,876 128,352
2005 113,332 15,064 128,396
2006 17,239 1,847 19,086
総売上 2,076,136

参考文献

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Flammang, James M./Kowalke, Ron: Standard Catalog of American Cars 1976–1999. Krause Publications, Iola 1999. ISBN 0-87341-755-0

脚注

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注釈

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  1. ^ サスペンションアームは無塗装だが、トランク内部は電着塗装の下塗りのみ施されている。

出典

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関連項目

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外部リンク

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