デービッド・ワインランド
デービッド・ワインランド | |
---|---|
デービッド・ワインランド(2013) | |
生誕 |
デービッド・ワインランド 1944年2月24日 アメリカ合衆国、ウィスコンシン州ミルウォーキー |
国籍 | アメリカ合衆国 |
研究分野 | 物理学 |
研究機関 |
アメリカ国立標準技術研究所 コロラド大学ボルダー校 |
出身校 |
カリフォルニア大学バークレー校 ハーバード大学 ワシントン大学 |
博士課程 指導教員 | ノーマン・ラムゼー |
主な受賞歴 |
アメリカ国家科学賞 (2007年) ベンジャミン・フランクリン・メダル(2010年) ノーベル物理学賞(2012年) |
プロジェクト:人物伝 |
|
デービッド・ジェフリー・ワインランド(英: David Jeffrey Wineland、1944年2月24日[1] - )は、アメリカ合衆国の物理学者。アメリカ国立標準技術研究所 (NIST) の物理計測研究所に所属する。
彼の業績は光学の発展、特に四重極イオントラップ(高周波イオントラップ)におけるイオンのレーザー冷却、および捕捉したイオンを量子コンピュータへと応用させる研究で知られる[2]。彼は2012年にノーベル物理学賞をセルジュ・アロシュと共同受賞した[3]。授賞理由は「個々の量子系の計測と操作を可能にした画期的な手法の開発」とされた[4]。
経歴
[編集]ウィスコンシン州ミルウォーキー出身。彼はカリフォルニア州サクラメントの Encina High School を1961年に卒業した[5]。カリフォルニア大学バークレー校で1965年に学士号を取り、ハーバード大学のノーマン・ラムゼーの下で研究し1970年に博士号を取得した。彼の博士論文は "The Atomic Deuterium Maser"(原子的重水素マイクロウェーブ増幅器)というものだった。博士号取得後はワシントン大学のハンス・デーメルトのグループに入り、電子トラップとイオントラップを研究した。1975年に国立標準局(現在のアメリカ国立標準技術研究所)に入り、ion storage group(イオントラップによるイオン研究をテーマにした研究チーム[6])を作った。ワインランドはコロラド大学ボルダー校の物理学部にも籍を置いている。
ワインランドはアメリカ物理学会、アメリカ光学会のフェローであり、1992年に米国科学アカデミー会員に選ばれた。2012年にノーベル物理学賞をフランスの物理学者セルジュ・アロシュと共同受賞した。授賞理由は「個々の量子系の計測と操作を可能にした画期的な手法の開発」とされた[4]。
家族
[編集]ワインランドは、妻のドナ・クィンビ=ワインランドとの間に息子2人をもうけている[7]。
受賞歴
[編集]- 1990年 - Davisson-Germer Prize in Atomic or Surface Physic (en)
- 1990年 - William F. Meggers Award(アメリカ光学会)
- 1996年 - レーザー科学アインシュタイン賞 (Society of Optical and Quantum Electronics)
- 1998年 - Rabi Award (IEEE Ultrasonics, Ferroelectrics, and Frequency Control Society (en))[8]
- 2001年 - アーサー・L・ショーロー賞[9]
- 2004年 - フレデリック・アイヴズメダル
- 2007年 - アメリカ国家科学賞[10]
- 2009年 - Herbert Walther Award(アメリカ光学会)[11]
- 2010年 - ベンジャミン・フランクリン・メダル(物理学) - イグナシオ・シラク、ペーター・ツォラーと共同受賞
- 2012年 - ノーベル物理学賞 - セルジュ・アロシュと共同受賞[4]
- 2020年 - IRIメダル
脚注
[編集]- ^ “David Wineland” (英語). Array of Contemporary American Physicists. 2013年1月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年1月13日閲覧。
- ^ 古田彩 (2012年10月10日). “ノーベル物理学賞 量子力学の基礎実験の最高峰 光子/イオンの状態を操り、測る”. 日経サイエンス. 2013年1月13日閲覧。
- ^ “ノーベル物理学賞に米仏2氏 量子物理学の発展に貢献”. 朝日新聞デジタル. (2012年10月9日) 2020年2月27日閲覧。
- ^ a b c “Press release – Particle control in a quantum world”. Royal Swedish Academy of Sciences. 2013年1月12日閲覧。
- ^ “Class of 1961 Graduation List” (英語). Encina High School Alumni. 2013年1月13日閲覧。
- ^ “Ion Storage Group” (英語). National Institute of Standards and Technology. 2013年1月13日閲覧。
- ^ “David J. Wineland PhD” (英語). Bonfils-Stanton Foundation. 2013年1月13日閲覧。
- ^ “Rabi Award”. IEEE Ultrasonics, Ferroelectrics, and Frequency Control Society. 2011年9月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年1月13日閲覧。
- ^ “Arthur L. Schawlow Prize in Laser Science”. American Physical Society. 2013年1月13日閲覧。
- ^ “NIST Physicist David J. Wineland Awarded 2007 National Medal of Science (NIST press release)”. NIST (2008年8月25日). 2013年1月13日閲覧。
- ^ “Herbert Walther Award”. Optical Society. 2013年1月13日閲覧。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- David J. Wineland Facts Nobel Foundation
- 20世紀アメリカ合衆国の物理学者
- 21世紀アメリカ合衆国の物理学者
- アメリカ合衆国の量子情報科学者
- アメリカ合衆国の光物理学者
- アメリカ合衆国のノーベル賞受賞者
- ノーベル物理学賞受賞者
- アメリカ国家科学賞受賞者
- ベンジャミン・フランクリン・メダル (フランクリン協会) 受賞者
- 米国科学アカデミー会員
- アメリカ芸術科学アカデミー会員
- アメリカ物理学会フェロー
- アメリカ光学会フェロー
- オレゴン大学の教員
- コロラド大学ボルダー校の教員
- ワシントン大学の教員
- アメリカ国立標準技術研究所の人物
- ハーバード大学出身の人物
- カリフォルニア大学バークレー校出身の人物
- ミルウォーキー出身の人物
- 1944年生
- 存命人物
- アーサー・L・ショーロー賞の受賞者