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ロイ・グラウバー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
Roy Glauber
ロイ・グラウバー
ロイ・グラウバー(2005年のノーベル賞授賞式にて)
生誕 Roy Jay Glauber
(1925-09-01) 1925年9月1日
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国ニューヨーク州ニューヨーク
死没 2018年12月26日(2018-12-26)(93歳没)
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国マサチューセッツ州ニュートン
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
研究分野 理論物理学
研究機関
教育 ハーバード大学 (AB, PhD)
博士論文 The relativistic theory of meson fields (1949)
博士課程
指導教員
ジュリアン・シュウィンガー[1]
博士課程
指導学生
主な業績 量子光学
コヒーレンス
光検出英語版
コヒーレント状態
グラウバー・ダイナミクス英語版
主な受賞歴
配偶者
Cynthia Rich b.1933
(結婚 1960年、離婚 1975年)
子供 2人
公式サイト
www.physics.harvard.edu/people/facpages/glauber
プロジェクト:人物伝
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ノーベル賞受賞者ノーベル賞
受賞年:2005年
受賞部門:ノーベル物理学賞
受賞理由:光学コヒーレンスの量子論への貢献

ロイ・ジェイ・グラウバー(Roy Jay Glauber、1925年9月1日 - 2018年12月26日[4][5])は、アメリカ合衆国理論物理学者である。ハーバード大学教授、アリゾナ大学非常勤講師を務めた。「光のコヒーレンスの量子理論への貢献」により、2005年ノーベル物理学賞を受賞した。

若年期と教育

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グラウバーは1925年にニューヨークアシュケナジムユダヤ人の家庭に生まれた[6]

ブロンクス科学高校の第一期生であり、1941年に卒業後、ハーバード大学に進学した。大学在学中、18歳でロスアラモス国立研究所の最年少科学者の一人としてマンハッタン計画に参加した。グラウバーは、原子爆弾の臨界質量の計算に従事した。ロスアラモス研究所で2年間過ごした後、ハーバード大学に戻り、1946年に学士号(AB)を取得、1949年にジュリアン・シュウィンガーの指導のもとで博士号(PhD)を取得した[7]

研究

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1963年の論文において、グラウバーは光検出英語版のモデルを構築し、レーザーの光(コヒーレント状態を参照)や電球の光(黒体を参照)など、様々な種類のの基本的な特性を説明した。グラウバーの理論は量子光学の分野で広く使われている[8][9]統計物理学の分野では、1963年に発表された論文において、イジング模型の確率的ダイナミクスを初めて定義し調査したことから、一次相転移のダイナミクスの研究の先駆者となった[10]。また、カウンシル・フォー・ア・リバブル・ワールド英語版の研究部門であるCenter for Arms Control and Non-Proliferationの諮問委員会の委員も務めた[11]

グラウバーの最近の研究は、光と物質の量子電気力学的相互作用など量子光学の多くの分野の問題を扱っていた。また、ハドロン衝突の解析や、高エネルギー反応で生成される粒子の統計的相関関係など、高エネルギー衝突理論の研究も続けていた。

賞と栄誉

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グラウバーは以下の賞や栄誉を受けている。

イグノーベル賞

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ハーバード大学で開かれるイグノーベル賞の授与式では、受賞者に対して観客が紙飛行機を投げるのが慣習となっているが、グラウバーは長年に渡り、それを掃除するための「モップ係」を務めていた。なお、2005年は、本物のノーベル賞の授賞式に出席していたため、イグノーベル賞の授賞式は欠席した。なおグラウバーがイグノーベル賞を受賞したことはない。

私生活

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グラウバーはマサチューセッツ州アーリントンに住んでいた。

1967年のサバティカルの期間に欧州原子核研究機構(CERN)の客員研究員をしていた[14]

1960年にシンシア・リッチ(Cynthia Rich)と結婚したが、1975年に離婚した。2人の間には息子のジェフリー(Jeffrey)と娘のヴァレリー(Valerie)がおり、5人の孫がいた。

2018年12月26日、マサチューセッツ州ニュートンで死去した。遺体はニューヨーク州ヴァルハラ英語版ケンシコ墓地に埋葬された[15][16][17]

脚注

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  1. ^ ロイ・グラウバー - Mathematics Genealogy Project
  2. ^ Knight, Peter; Milburn, Gerard J. (2015). “Daniel Frank Walls FRSNZ. 13 September 1942 — 12 May 1999”. Biographical Memoirs of Fellows of the Royal Society (Royal Society publishing) 61: 531–540. doi:10.1098/rsbm.2014.0019. ISSN 0080-4606. 
  3. ^ a b Fellows of the Royal Society”. London: Royal Society. 2015年3月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年9月23日閲覧。
  4. ^ “R・グラウバー氏が死去 ノーベル賞の米物理学者”. 日本経済新聞. (2019年1月9日). https://www.nikkei.com/article/DGXMZO39802410Z00C19A1000000/ 2020年2月28日閲覧。 
  5. ^ Roy J. Glauber, 1925-2018 (英語). The Optical Society. (2018年12月26日). https://www.osa.org/en-us/about_osa/newsroom/obituaries/roy_j_glauber/ 2018年12月29日閲覧。 
  6. ^ Debus, Allen G. (6 January 1968). “World Who's who in Science: A Biographical Dictionary of Notable Scientists from Antiquity to the Present”. Marquis-Who's Who. 2021年9月23日閲覧。
  7. ^ Glauber, Roy Jay (1949). The relativistic theory of meson fields (PhD thesis). Harvard University. Bibcode:1949PhDT.........7G. OCLC 76985581
  8. ^ Glauber, Roy (2009). “An interview with Nobel laureate Roy Glauber, Physics 2005”. Journal of Visualized Experiments (28): 1535. doi:10.3791/1535. ISSN 1940-087X. PMC 3149897. PMID 19561567. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3149897/. 
  9. ^ R. J. Glauber, Quantum Theory of Optical Coherence. Selected Papers and Lectures, Wiley-VCH, Weinheim 2007. (A collection of reprints of Glauber's most important papers from 1963 to 1999, selected by the author.)
  10. ^ Glauber, R.J. (1963). “Time‐dependent statistics of the Ising model”. Journal of Mathematical Physics 4 (2): 294–307. Bibcode1963JMP.....4..294G. doi:10.1063/1.1703954. 
  11. ^ Board”. Center for Arms Control and Non-Proliferation. Center for Arms Control and Non-Proliferatio. 22 September 2016閲覧。
  12. ^ Franklin Laureate Database - Albert A. Michelson Medal Laureates”. Franklin Institute. April 6, 2012時点のオリジナルよりアーカイブ。June 16, 2011閲覧。
  13. ^ Nota informativa acto de entrega de la medalla de Oro del CSIC al profesor Roy J. Glauber”. 2008年5月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2008年4月23日閲覧。
  14. ^ Glauber, Roy J.. “Roy J. Glauber - Biographical”. The Nobel Prize. 2019年7月12日閲覧。
  15. ^ McClain, Dylan (January 8, 2019). “Roy J. Glauber, 93, Dies; Nobel Laureate Explored Behavior of Light”. The New York Times. オリジナルのJanuary 8, 2019時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20190108234755/https://www.nytimes.com/2019/01/08/obituaries/roy-j-glauber-dead.html September 12, 2019閲覧。 
  16. ^ In Memoriam: Roy J. Glauber, 1925-2018”. 28 December 2018閲覧。
  17. ^ Weil, Martin (December 30, 2018). “Roy Glauber, Nobel-winning physicist who applied quantum mechanics to optics, dies at 93”. The Washington Post. https://www.washingtonpost.com/local/obituaries/roy-glauber-nobel-winning-physicist-who-applied-quantum-mechanics-to-optics-dies-at-93/2018/12/30/b7e4e05e-0b24-11e9-a3f0-71c95106d96a_story.html September 12, 2019閲覧。 

外部リンク

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