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ハルパゴフィツム属

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ハルパゴフィツム属
Harpagophytum sp.
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : キク類 asterids
階級なし : シソ類 lamiids
: シソ目 Lamiales
: ゴマ科 Pedaliaceae
: ハルパゴフィツム属 Harpagophytum
学名
Harpagophytum DC. ex Meisn.1840[1]
タイプ種
Harpagophytum procumbens [1]
英名
Devil's claw
Harpagophytum procumbens

ハルパゴフィツム属Harpagophytum、ハルパゴフィタム属とも)はゴマ科多年生植物

概要

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南アフリカ、東アフリカに生育するゴマ科の多年草。紫か赤のラッパ型の花を付け、実には堅い2本の爪状の棘を持つ。その実が堅い2本の爪状の棘を持つその形状からデビルズクロウ(悪魔のかぎ爪)という俗名がついた。本属の他、ツノゴマ属セイヨウイラクサも同じデビルズクロウの名で呼ぶことがある。

民間薬と研究

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デビルズクロウの塊茎の民族的な植物の使用は、アフリカ南部で始まった[3]。このハルパゴフィツム属のタイプ種であるH. Procumbensライオンゴロシ)はボツワナの花の紋章の1つで、さまざまな痛みの状態の治療に役立つと考えられている[4]。この植物やその抽出物であるハルパゴシド英語版などは、抗炎症性のハーブ薬または栄養補助食品として民間療法及び植物療法で使用されている[5] [6]。その有効性と生物学的な利用可能性について認められた臨床的証拠はないが、腰痛変形性関節症の治療に対する限定的な効果が認められた[6]。 臨床研究のコクランレビューでは、デビルズクロウはプラセボよりも腰痛を軽減するようにも思われるが、そのエビデンスは中程度の効果であると指摘されている[7]

副作用

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副作用抗炎症薬との薬物相互作用が発生する可能性があり、妊娠心血管疾患などのさまざまな状態には注意が必要である[6]。デビルズクロウは下痢を引き起こし、チクロピジンワルファリンの作用を妨げる可能性がある[6]

出典

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  1. ^ a b Harpagophytum Tropicos
  2. ^ E. C. Stuart Baker (1864–1944; 鳥類学者) もしくはジョン・ギルバート・ベイカー (1834–1920; 植物学者)
  3. ^ Mncwangi, N.; Chen, W.; Vermaak, I.; Viljoen, A.M.; Gericke, N. (2012). “Devil's Claw - a review of the ethnobotany, phytochemistry and biological activity of Harpagophytum procumbens”. J Ethnopharmacol 143 (3): 755–71. doi:10.1016/j.jep.2012.08.013. PMID 22940241. 
  4. ^ Pelontle, Kedirebofe (13 May 2014). “Department unveils national symbols”. DailyNews. Botswana Press Agency (BOPA). http://www.dailynews.gov.bw/news-details.php?nid=11294 12 July 2016閲覧。 
  5. ^ Harpagoside”. PubChem, US National Library of Medicine (2016年). 13 July 2016閲覧。
  6. ^ a b c d Devil's claw”. MedlinePlus, US National Library of Medicine, National Institute of Medicine (2015年). 29 April 2015閲覧。
  7. ^ Gagnier, J. J.; Oltean, H.; Van Tulder, M. W.; Berman, B. M.; Bombardier, C; Robbins, C. B. (2016). “Herbal Medicine for Low Back Pain: A Cochrane Review”. Spine 41 (2): 116–33. doi:10.1097/BRS.0000000000001310. PMID 26630428.