パイレーツ・メタル
パイレーツ・メタル | |
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様式的起源 |
スピードメタル パワーメタル フォークメタル スラッシュメタル |
文化的起源 |
1980年代後半のドイツ 2000年代中頃のイギリス アメリカ合衆国 |
使用楽器 |
エレクトリック・ギター ベース ドラム キーボード 民族楽器 |
関連項目 | |
パイレーツ・メタル(Pirate Metal)は、ヘヴィメタルのサブジャンルのひとつ[1][2][3]。
概要[編集]
音楽の中に海賊伝説の要素が入っていることが特徴であるが、ステージパフォーマンスの中に取り入れられていることもある。歌詞には海賊用語が使われることが多い[1]。スラッシュメタル[4]、スピードメタル[1]、フォークメタル[5] などのさまざまな音楽ジャンルが、シーシャンティなどの伝統的な響きの歌と組み合わされることもある[1]。コンサーティーナのような民族楽器が取り入れられたり、シンセサイザーでエミュレートされることもある[6]。ライヴでは、バンドメンバーが当時の衣装に身を包むことも多いが、観客の中には同じような服装で参加する人もいる[7]。パイレーツメタルは、音楽メディアから一つの音楽シーンとして扱われることもある[7]。
歴史と著名なバンド[編集]
パイレーツ・メタルの最初期の例として、1987年にドイツのヘヴィメタルバンド、ランニング・ワイルドがリリースした三枚目のアルバム『Under Jolly Roger』があげられる[1]。ランニング・ワイルドのリードヴォーカル兼ギタリストであるRolf Kasparekによれば、海賊をテーマにしようと最初から決めていたわけではなかったという[8][9]。むしろ、このテーマはアルバムのタイトルソングから出て来たものだった[10]。結局、タイトルに合わせてアルバムのアートワークは変更され、ライヴのセットや衣装もデザインされた。ファーストアルバム『Gates to Purgatory』では、悪魔を象徴的な人物として利用していたことで誤解を招いたため、海賊をテーマにした歌詞もバンドの政治的メッセージを伝える手段にもなった[9][11]。Kasparekは海賊に関する本を読み始め、「すべてが非常に興味深い」ということに気がついた後[9]、そのモチーフを自分たちの音楽性に取り入れた。4thアルバム『Port Royal』のリハーサルでは、このテーマがさらに拡張され[10]、彼らのトレードマークであるスタイルが完成することとなる[9]。
Kasparekは、歴史上の海賊により関心を寄せていたが[10]、パイレーツ・メタルシーンは、やがて、小説やハリウッド映画が作り出した[11]、あるいは描き出した不正確な海賊表現から大きな影響を受けることとなる[1]。
2006年、二年間の活動休止期間を経て、Christpher BowesとGavin Harperは自分たちのバンド、Battleheartの活動を再開した。Napalm Recordsは彼らとの契約を結んだが、同時にバンド名の変更を要求した。BowesとHarperはあっさりとこれに合意し、Alestormへとバンド名を変えた[12][13][14]。
Swashbuckleもパイレーツ・メタルとされることの多いバンドで、海賊のイメージを使ったり、ユーモラスなステージパフォーマンスをすることで知られる[15][1][16][17]。
The Dead Crew of Oddwoodはサンディエゴを中心に活動するバンドで、海賊のイメージを用いながら、アコースティックなフォークメタルを展開している[18]。
脚注[編集]
- ^ a b c d e f g Myers, Ben (2009年8月3日). “Scene and heard: Pirate metal”. guardian.co.uk (Guardian Media Group). オリジナルの2011年5月14日時点におけるアーカイブ。 2011年5月14日閲覧. "Pirate metal: This speed metal subgenre..."
- ^ Gotrich, Lars (2009年9月18日). “Alestorm: Play Metal Like A Pirate Day”. NPR. オリジナルの2011年5月18日時点におけるアーカイブ。 2011年5月16日閲覧. "Genre: Pirate Metal"
- ^ “They are the pirate kings”. The Sydney Morning Herald (Fairfax Media). (2011年5月15日). オリジナルの2011年5月19日時点におけるアーカイブ。 2011年5月19日閲覧. "... an obscure genre called pirate metal."
- ^ Bowar, Chad (2009年8月7日). “Swashbuckle Interview: A Conversation With Vocalist/Bassist Admiral Nobeard”. About.com. 2011年5月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年5月15日閲覧。
- ^ Bowar, Chad. “Alestorm - Captain Morgan's Revenge Review”. About.com. 2011年5月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年5月15日閲覧。
- ^ Lane, Jordan. “Verbal Deception: Yo ho ho and a pitcher of Molson”. BeatRoute Magazine. オリジナルの18 May 2011時点におけるアーカイブ。 2011年5月15日閲覧。.
- ^ a b Holmes, Mark (2009年4月29日). “Interview with Dani Evans (Alestorm) – Part 1/2”. Metal-Discovery.com. 2011年5月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年5月15日閲覧。
- ^ Rademacher, Brian (2005年4月10日). “Interview: Rolf Kasparek (Running Wild)”. Rock Eyez.com. 2011年5月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年5月14日閲覧。
- ^ a b c d Fust, Martin (1996年2月). “Martin Fust Interviews Rolf Kasparek”. Running-Wild.net. 2011年5月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年5月14日閲覧。
- ^ a b c Frederick, Carl (1996年5月). “Carl Frederick Interviews Rolf Kasparek”. Running-Wild.net. 2011年5月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年5月14日閲覧。
- ^ a b Kurth, Dane (1989年5月). “Dane Kurth Interviews Rolf Kasparek”. Running-Wild.net. 2011年5月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年5月14日閲覧。
- ^ Klein, Lewis. “Interview with Alestorm's Chris Bowes”. Metal Mayhem UK. 2011年5月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年5月15日閲覧。
- ^ Cornwell, Tim (2011年5月6日). “Arts Diary: Model built to scales as fish swim their way into the Royal Scottish Academy”. The Scotsman. オリジナルの2011年5月14日時点におけるアーカイブ。 2011年5月14日閲覧。
- ^ True, Chris. “Alestorm Biography”. Allmusic. 2011年5月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年5月15日閲覧。
- ^ “SWASHBUCKLE Nuclear Blast”. Nuclear Blast Records. 2010年1月23日閲覧。
- ^ Yuan, Henry (17 November 2009). “Pagan Metal Roundup: Swashbuckle”. Guitar World (Future US, Inc.). オリジナルの14 May 2011時点におけるアーカイブ。 2011年5月14日閲覧。.
- ^ “Swashbuckle, Augury Sign With Nuclear Blast After Winning MySpace Band Contest”. Blabbermouth.net (2009年1月27日). 2011年5月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年5月15日閲覧。
- ^ Barnes, Tom (2019年4月18日). “The Definitive Oral History of Pirate Metal”. Thrillist. 2019年5月15日閲覧。