ブルワリー
ブルワリー(ブルーワリー、ブリュワリーとも、英語: brewery)あるいはビール醸造所(ビールじょうぞうしょ)とは、ビールなどを醸造する場所をいう[1]。醸造用途に限らず、販売および酒場を兼ねる場合も同様に呼称される[1]。英語圏では日本酒の醸造所、酒造場もブルワリーと呼ばれる。ワイン醸造所についてはワイナリーを参照。
ブルーパブ
[編集]ブルワリーに併設されている醸造されたビールをできたてで提供するパブやレストランのことを示す。
ブルーパブ(en:brewpub)は、アメリカでは1990年代に流行しはじめた[2]。
アメリカ
[編集]マイクロブルワリー
[編集]1960年代のアメリカでは、マイクロブルワリーの廃業や巨大ブルワリーからの買収が行われていた[3]。その中でフリッツ・メイタッグがアンカー・ブルーイング・カンパニーの経営を立て直し、1980年には大きく発展することになる[3]。このアンカー・ブルーイング・カンパニーの成功により、1980年代には地ビールブームが訪れた[3][4]。
日本
[編集]日本では酒税の徴収等の都合から、長らく大規模な醸造所 (ビール工場) しか事実上は認められておらず、大手4メーカーとオリオンビールの醸造所しか存在し得なかった。しかし、規制緩和の流れから、1994年4月に年間最低製造数量が2000klから60klに緩和された[注釈 1]。そのため、いわゆる地ビールを醸造する数多くのマイクロブルワリー(en:microbrewery)が誕生することとなった。
日本の地ビールは、当初から価格や流通など事情があり、大手ビールメーカーとの販売競争相手とはなり得なかった。結果的に、日本では極端に大規模なブルワリーと、極端に小規模なブルワリーが存在する二極構造が特徴づけられることとなった。
日本の大手のビール工場
[編集]日本のほとんどの大手ビールメーカーの工場では見学コースが整備されている。見学の最後にはできたてのビールの試飲が可能であることが多い。また、できたての自社製品ビールが味わえるレストラン(ビール園)を併設している工場も多い。
北海道
[編集]東北・関東
[編集]- アサヒビールニッカシードル弘前工場:青森県弘前市大字栄町2-1-1(北緯40度36分57.5秒 東経140度27分53秒 / 北緯40.615972度 東経140.46472度)
- サッポロビール仙台工場 宮城県名取市
- アサヒビール福島工場 福島県本宮市
- アサヒビール茨城工場 茨城県守谷市
- キリンビール取手工場 茨城県取手市
- キリンビール栃木工場 栃木県高根沢町
- サントリー〈天然水のビール工場〉 群馬・利根川ブルワリー 群馬県千代田町
- サッポロビール千葉工場 千葉県船橋市
- サントリー 〈天然水のビール工場〉 東京・武蔵野ブルワリー 東京都府中市
- アサヒビール神奈川工場 神奈川県南足柄市
- キリンビール横浜工場 神奈川県横浜市鶴見区
東海・北陸
[編集]関西
[編集]- キリンビール滋賀工場 滋賀県多賀町
- サントリー〈天然水のビール工場〉京都ブルワリー 京都府長岡京市
- アサヒビール吹田工場 大阪府吹田市
- KPOキリンプラザ大阪 大阪府大阪市(2007年10月31日閉館)
- アサヒビール西宮工場 兵庫県西宮市
中国・四国
[編集]九州・沖縄
[編集]- アサヒビール博多工場 福岡県福岡市博多区
- キリンビール福岡工場 福岡県朝倉市
- サントリー 〈天然水のビール工場〉 熊本・阿蘇ブルワリー[注釈 2] 熊本県嘉島町
- サッポロビール新九州工場 大分県日田市
- オリオンビール名護工場 沖縄県名護市
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b デジタル大辞泉. “ブリュワリー(brewery)”. コトバンク. 2017年3月8日閲覧。
- ^ 穂積忠彦、水沢渓 著「第三部 地ビール誕生まで」、水沢渓 編『地ビール讃歌 生きているビール酵母を飲む』(第1版)健友館、1998年7月20日、41頁。ISBN 4-7737-0391-1。
- ^ a b c “ビール業界ベンチャーの成功と世界の地ビールブーム”. アサヒビール株式会社 (初出年不明). 2011年1月24日閲覧。
- ^ ジョシュ・ハイアット "地ビール男爵に乾杯!", ニューズウィーク日本版, 2010年07月09日.