ピアノソナタ第1番 (シマノフスキ)
ピアノソナタ第1番 | |
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カロル・シマノフスキのピアノソナタ | |
初版の表紙 | |
調 | ハ短調 |
時代 | 後期ロマン派 |
様式 | ピアノソナタ |
形式 | ピアノ独奏 |
作曲期間 | 1903年 - 1904年12月 |
献呈 | スタニスワフ・イグナツィ・ヴィトキェーヴィチ |
出版 | 1910年 |
出版者 | ピヴァルスキ商会 |
演奏時間 | 約27分 |
楽章数 | 4 |
初演 | |
日付 | 1907年4月19日 |
会場 | ポーランド ワルシャワ |
演者 | ターラ・ネイガウス |
ピアノソナタ第1番 ハ短調 作品8 は、カロル・シマノフスキが1904年に作曲したピアノソナタ。
概要
[編集]シマノフスキの初期の作品の一つである。作曲当時、シマノフスキは1901年から1904年にかけて在籍していたワルシャワ音楽院でジグムント・ノスコフスキの個人教授を受けていた[1][2]。最初の3楽章は、《9つの前奏曲 作品1》よりも以前から着手していた。第4楽章は当初はロンドだったが、1904年にフーガに変更した[3]。
1907年4月19日に行われた若きポーランドの第2回コンサートで初演された。演者はターラ・ネイガウス[注 1][2]。
また、1910年にはリヴィウで行われたショパン生誕100周年記念コンクールに応募し、第1位を獲得した[1]。ただ、1909年12月にシマノフスキはベルリンの音楽新聞社「楽界信号」が主催する作曲コンクールで自身の《前奏曲とフーガ 嬰ハ短調》が第2位に入賞しており、すでに成功を収めていた[2]。しかしどちらの成功も、シマノフスキには意外なことだった[4]。コンクールの後、クラクフのピヴァルスキ商会[注 2]より初版が出版された[5]。
背景
[編集]当時シマノフスキはポーランド南部の山岳地方の町ザコパネに滞在しており、そこで後に親友となるルービンシュタインとヴィトキェーヴィチに出会う[1]。1904年12月に完成させ、この曲をヴィトケェーヴィチに献呈した[1][3]。
1910年のコンクールの応募の際には、かなりの手直しを行っている[3]。また、シマノフスキの遠い親戚であるイヴァシュキェヴィッチによれば、1917年から1918年にかけて、演奏上の困難さを考慮し一部改作したという[3]。
当時ノスコフスキのもとでシマノフスキとともに学び、若きポーランドの主要な共同創設者であったルドミル・ルジツキは1904年に次のように回想している[1]。
ショパンの後期作品である《ピアノソナタ第3番 ロ短調 作品58》と《チェロソナタ ト短調 作品65》に強く影響を受けている部分も見てとれる[6]。
曲の構成
[編集]ソナタ形式のアレグロで始まり、アダージョ、メヌエット、トリオと続き、フーガ的なフィナーレを迎えるという、伝統的な4楽章形式を踏襲した作品である[4]。第1楽章の主題を他の楽章で繰り返し再現させることで、後期ロマン派の循環形式的な工夫が凝らされている[3]。
第1楽章
[編集]主題、以降部ともに4小節構造を墨守するため、やや単調な印象を与える[7]。
第2主題は、メノ・モッソ、アモローソ。第2楽章の主題と関連している[7]。
第2楽章
[編集]冒頭の主題は第1楽章の第2主題に由来する[7]。
第3楽章
[編集]映像外部リンク | |
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ピアノソナタ第1番 第3楽章 - ラファウ・ブレハッチによる演奏動画(2012年) |
コモド(気楽に)と指示されているように、麗らかな曲である[3]。
ロ長調のトリオは第1楽章の第2主題と関連している[7]。ピアニストの森安芳樹は、和声に見られるマックス・レーガーの影響を指摘している[7]。
第4楽章
[編集]序奏と3声の二重フーガ。ハ短調。序奏は21小節間にわたって続く[8]。
フーガの主題は、第1楽章の主題に由来している[8]。
フーガ主題を基に曲は高揚し、壮麗に幕を閉じる[3]。
主な録音
[編集]- ダニエル・グラハム(ミュージカル・ヘリテージ・ソサエティ、1975年[9])
- ペーター・シュマルフス(Thorofon、1978年[9])
- アンジュジェイ・ステファンスキ(Wifon、1978年 - 1981年[9])
- マーティン・ロスコー(ナクソス、2000年[10])
- ラファウ・ブレハッチ(ドイツ・グラモフォン、2012年[6])
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]参考文献
[編集]書籍
[編集]- 日本シマノフスキ協会 編『シマノフスキ 人と作品』春秋社、1991年5月20日。ISBN 9784393931097。
- 森安芳樹; 田村進『シマノフスキ全集1』春秋社〈世界音楽全集 ピアノ篇〉、1992年7月20日。ISBN 9784393910627。
オンラインの情報源
[編集]- “Piano Sonata in C minor op. 8 (1903-1904)”. ワルシャワ大学. 2013年10月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年4月13日閲覧。
- “About this Recording - SZYMANOWSKI: Piano Works, Vol. 3”. NAXOS. 2022年4月13日閲覧。
- Distler, Jed. “PIANO WORKS VOL. 3”. ClassicsToday. 2022年4月13日閲覧。
- Iwanicka-NIjakowska, Anna (2007年9月). “Rafał Blechacz Performs Karol Szymanowski's Sonata in C minor, op. 8 - Video”. Clture.pl. 2022年4月13日閲覧。