ファントリド
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ファントリド Phantolide[1] | |
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別称 5-アセチル-1,1,2,3,3,6-ヘキサメチル インダン | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 15323-35-0 |
特性 | |
化学式 | C17H24O |
モル質量 | 244.37 g mol−1 |
外観 | 白色の結晶 |
匂い | ムスク香 |
融点 |
35-40℃ |
沸点 |
102-113℃(26.7Pa) |
有機溶媒への溶解度 | アルコール、油類に可溶 |
危険性 | |
半数致死量 LD50 | 1.7g/Kg(ラット、経口) |
関連する物質 | |
関連する多環状ムスク | トナリド ガラクソリド |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
ファントリド(英: Phantolide)は、化学式C17H24Oで表される、多環状合成ムスクの一つである。1900年代前半から研究が行われ[1]、ニトロ基を持たない初の合成ムスクとして製品化された[2]。ファントリドの名称は、Polack's Frutal社の商標である[1]。
用途
[編集]大環状ムスクと同様の、動物臭を思わせる強い香りと保留性を持ち、アルカリや光に安定する特徴から、石鹸や化粧品向けの比較的低価格の香料として使用される[2]。ヨノンやサンダルウッドの香りとの調和が良好である。通常は立体異性体の混合物の結晶として市販されるが、ペースト状の製品もある[1]。光毒性を示すため、日光に当たる皮膚に使用する際は5%以下での調合が望ましい[2]。
合成
[編集]p-シメンと、硫酸を触媒として2-メチル-2-ブタノール、または酢酸と硫酸を触媒として2-メチル-2-ブテンのいずれかからメチルインダンを得て、これを塩化アセチルでアセチル化することにより合成される。
脚注
[編集]参考文献
[編集]- 湖上国雄『香料の物質工学 -製造・分析技術とその利用』地人書館、1995年、132頁。ISBN 4-8052-0491-5。
- 印藤元一『合成香料 化学と商品知識』化学工業日報社、2005年、411-412頁。ISBN 4-87326-460-X。