ISMレースウェイ
所在地 | 7602 S Avondale Boulevard, Avondale, Arizona 85323, United States |
---|---|
収容人数 | 67,000 |
所有者 | International Speedway Corporation |
主なイベント | NASCARカップ・シリーズ インディカー・シリーズ |
"D"-shaped Tri-Oval | |
路面 | アスファルト |
コース長 | 1 mi (1.6 km) |
コーナー数 | 4 |
バンク数 | Turns 1 and 2 – 11° Turns 3 and 4 – 9° Backstretch – 9° Frontstretch – 3° |
レコードタイム | 194.908 mph (エリオ・カストロネベス, チーム・ペンスキー, 2017, インディカー・シリーズ) |
Road Course | |
路面 | アスファルト |
コース長 | 1.51 mi (2.43 km) |
コーナー数 | 13 |
フェニックス・インターナショナル・レースウェイ (Phoenix International Raceway) はアメリカ合衆国・アリゾナ州エイボンデールにあるオーバルトラック。1周1マイル(1,600m)。観客席数は7万6800席。通称は砂漠の中にある1マイルトラックということでdesert mile。砂漠の中といっても近くの空港から30~40分ほどであり、交通の便では便利なトラックである。
1964年竣工という非常に古いトラック。NASCARの三大シリーズ(NASCARカップ・シリーズ、エクスフィニティ・シリーズ、キャンピング・ワールド・トラック・シリーズ共に3月と11月の2回開催である。
トラックの特徴
[編集]- オーバルコース寸法
長さ | バンク角 | |
---|---|---|
フロントストレッチ | 1179フィート(359.4m) | 3° |
バックストレッチ | 1551フィート(472.7m) | 9° |
ターン1,ターン2 | - | 11° |
ターン3,ターン4 | - | 9° |
全長:1マイル(1609.3m) | 路面:アスファルト |
1マイルのトライオーバルではあるが、カーブがフロントストレッチ側でなく、バックストレッチ側に有るのが大きな特徴。このカーブはドッグレッグとも呼ばれる。
1、2ターンが11度。3、4ターンが9度という非常にバンクの浅いトラックである。その性格としてはマーティンズビルに似たトラックで、きっちりコース幅を使い切れるインライン有利であり、アウトラインからの追い抜きは難しい。しかしながらコーナーの曲率もマーティンズビル並みに小さいという事は無く、ストレート長も確保されてはいる。ここではバンクを降りてもペナルティはとられないため、バックストレッチ側ではショートカットしてオーバーテイクすることも可能である。
トラックの老朽化が進んでおり、サーフェイスには無数のひび割れも確認出来るような状況であったが2011年シーズン終了後に改修された。それでもタイヤの消耗は非常に厳しく、2タイヤチェンジはギャンブルと言わざるを得ない。ギャンブルを成功させるための鍵となるコーション回数は最少2回~最多12回と波があり、しかも統計的には後半になればなるほど出にくいトラックなので、難しいトラックである。
タイヤ、ブレーキディスク、そしてドライバーにかかる負担が大きいこのトラックでは、総走行距離がマイルではなくキロメートル単位で設定されており、春と秋のレースは共に500km、312周で競われる。
2008年秋開催時には5台による壮絶な燃費走行合戦、2009年春開催時には残り20周でのコーション時全車が4タイヤチェンジなど戦略的な面での勝負になることも多い。コーションが少ないレースでは、最終周目前に燃料切れで優勝争いから離脱するドライバーも見られる。
2017年1月30日、総工費1億7800万ドルの改修プロジェクトを実施すると発表した[1]。 主な改修内容は、
- グランドスタンドの移設
- フロントストレッチとバックストレッチを入れ替え
- コントロールラインは現在のターン1とドッグレックの間に移動
等となる。
2017年9月26日、通信会社のISMコネクトとの間でネーミングライツ契約を締結したと発表[2]。これにより、トラックの名称が2018年から2020年1月までの間、「ISMレースウェイ」となった。
NASCARカップ・シリーズ
[編集]記録
[編集]最多勝 | 9 | ケヴィン・ハーヴィック |
最多トップ5 | 15 | ケヴィン・ハーヴィック ジミー・ジョンソン |
最多トップ10 | 24 | ジェフ・ゴードン |
最多出走 | 34 | ジェフ・ゴードン マーク・マーティン |
最多ポール | 4 | ライアン・ニューマン |
最多ラップ | 10477 | マーク・マーティン |
最多ラップリード | 1522 | ケヴィン・ハーヴィック |
アベレージスタート* | 5.8 | カイル・ラーソン |
アベレージフィニッシュ* | 5.2 | アラン・クルウィッキ |
* 出走回数5回以上に限定。
勝者
[編集]シーズン | 開催日 | ドライバー | マニュファクチャラー | ラップリード | 平均速度 | コーション | リードチェンジ | 2位との差 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1988年 | 11月6日 | アラン・クルウィッキ | フォード | 41 / 312 | 90.457 mph (145.576 km/h) | 6回 (53ラップ) | 15回 | 18.500 sec |
1989年 | 11月5日 | ビル・エリオット | フォード | 50 / 312 | 105.683 mph (170.080 km/h) | 5回 (24ラップ) | 17回 | 0.470 sec |
1990年 | 11月4日 | デイル・アーンハート | シボレー | 262 / 312 | 96.786 mph (155.762 km/h) | 9回 (48ラップ) | 1回 | 0.530 sec |
1991年 | 11月3日 | デイビー・アリソン | フォード | 162 / 312 | 95.746 mph (154.088 km/h) | 10回 (55ラップ) | 18回 | 11.440 sec |
1992年 | 11月1日 | デイビー・アリソン(2) | フォード | 30 / 312 | 103.885 mph (167.187 km/h) | 7回 (34ラップ) | 8回 | 3.190 sec |
1993年 | 10月31日 | マーク・マーティン | フォード | 212 / 312 | 100.375 mph (161.538 km/h) | 9回 (45ラップ) | 20回 | 0.190 sec |
1994年 | 10月30日 | テリー・ラボンテ | シボレー | 112 / 312 | 107.463 mph (172.945 km/h) | 4回 (27ラップ) | 13回 | 3.090 sec |
1995年 | 10月29日 | リッキー・ラッド | フォード | 63 / 312 | 102.128 mph (164.359 km/h) | 8回 (39ラップ) | 11回 | 0.530 sec |
1996年 | 10月27日 | ボビー・ハミルトン | ポンティアック | 40 / 312 | 109.709 mph (176.560 km/h) | 5回 (25ラップ) | 19回 | 1.230 sec |
1997年 | 11月2日 | デイル・ジャレット | フォード | 73 / 312 | 110.824 mph (178.354 km/h) | 4回 (23ラップ) | 13回 | 2.105 sec |
1998年 | 10月25日 | ラスティ・ウォレス | フォード | 196 / 257* | 100.375 mph (161.538 km/h) | 4回 (25ラップ) | 8回 | ※コーション中に終了 |
1999年 | 11月7日 | トニー・スチュワート | ポンティアック | 150 / 312 | 118.132 mph (190.115 km/h) | 2回 (10ラップ) | 12回 | 2.081 sec |
2000年 | 11月5日 | ジェフ・バートン | フォード | 105 / 312 | 105.041 mph (169.047 km/h) | 6回 (39ラップ) | 23回 | 0.854 sec |
2001年 | 10月28日 | ジェフ・バートン(2) | フォード | 102 / 312 | 102.613 mph (165.140 km/h) | 7回 (45ラップ) | 15回 | 2.645 sec |
2002年 | 11月10日 | マット・ケンゼス | フォード | 55 / 312 | 113.857 mph (183.235 km/h) | 4回 (18ラップ) | 14回 | 1.344 sec |
2003年 | 11月2日 | デイル・アーンハート・ジュニア | シボレー | 87 / 312 | 93.984 mph (151.253 km/h) | 10回 (66ラップ) | 10回 | 0.735 sec |
2004年 | 11月7日 | デイル・アーンハート・ジュニア(2) | シボレー | 118 / 315** | 94.848 mph (152.643 km/h) | 11回 (63ラップ) | 10回 | 1.431 sec |
2005年 | 4月23日 | カート・ブッシュ | フォード | 219 / 312 | 102.707 mph (165.291 km/h) | 9回 (43ラップ) | 16回 | 2.315 sec |
2005年 | 11月13日 | カイル・ブッシュ | シボレー | 63 / 312 | 102.641 mph (165.185 km/h) | 9回 (44ラップ) | 10回 | 0.609 sec |
2006年 | 4月22日 | ケヴィン・ハーヴィック | シボレー | 10 / 312 | 107.063 mph (172.301 km/h) | 7回 (29ラップ) | 20回 | 2.774 sec |
2006年 | 11月13日 | ケヴィン・ハーヴィック(2) | シボレー | 252 / 312 | 96.131 mph (154.708 km/h) | 10回 (58ラップ) | 12回 | 0.250 sec |
2007年 | 4月21日 | ジェフ・ゴードン | シボレー | 53 / 312 | 107.71 mph (173.342 km/h) | 6回 (34ラップ) | 12回 | 0.697 sec |
2007年 | 11月11日 | ジミー・ジョンソン | シボレー | 55 / 312 | 102.989 mph (165.745 km/h) | 10回 (42ラップ) | 10回 | 0.870 sec |
2008年 | 4月12日 | ジミー・ジョンソン(2) | シボレー | 120 / 312 | 103.292 mph (166.232 km/h) | 8回 (42ラップ) | 10回 | 7.002 sec |
2008年 | 11月9日 | ジミー・ジョンソン(3) | シボレー | 217 / 313** | 104.725 mph (168.539 km/h) | 10回 (55ラップ) | 9回 | 0.295 sec |
2009年 | 4月18日 | マーク・マーティン(2) | シボレー | 157 / 312 | 108.042 mph (173.877 km/h) | 6回 (29ラップ) | 14回 | 0.734 sec |
2009年 | 11月15日 | ジミー・ジョンソン(4) | シボレー | 238 / 312 | 110.486 mph (177.810 km/h) | 4回 (23ラップ) | 9回 | 1.033 sec |
2010年 | 4月10日 | ライアン・ニューマン | シボレー | 4 / 378**a | 99.732 mph (160.503 km/h) | 9回 (59ラップ) | 20回 | 0.130 sec |
2010年 | 11月14日 | カール・エドワーズ | フォード | 93 / 312 | 110.758 mph (178.248 km/h) | 5回 (25ラップ) | 13回 | 4.770 sec |
2011年 | 2月27日 | ジェフ・ゴードン(2) | シボレー | 138 / 312 | 102.961 mph (165.700 km/h) | 8回 (43ラップ) | 28回 | 1.137 sec |
2011年 | 11月13日 | ケイシー・ケイン | トヨタ | 14 / 312 | 112.918 mph (181.724 km/h) | 8回 (30ラップ) | 14回 | 0.802 sec |
2012年 | 3月4日 | デニー・ハムリン | トヨタ | 61 / 312 | 110.085 mph (177.165 km/h) | 7回 (37ラップ) | 25回 | 7.315 sec |
2012年 | 11月11日 | ケヴィン・ハーヴィック(3) | シボレー | 15 / 319** | 111.182 mph (178.930 km/h) | 8回 (38ラップ) | 11回 | 0.580 sec |
2013年 | 3月3日 | カール・エドワーズ(2) | フォード | 122 / 316** | 105.187 mph (169.282 km/h) | 8回 (43ラップ) | 12回 | 1.024 sec |
2013年 | 11月10日 | ケヴィン・ハーヴィック(4) | シボレー | 70 / 312 | 105.733 mph (170.161 km/h) | 8回 (49ラップ) | 23回 | 1.796 sec |
2014年 | 3月2日 | ケヴィン・ハーヴィック(5) | シボレー | 224 / 312 | 109.229 mph (175.787 km/h) | 8回 (38ラップ) | 14回 | 0.489 sec |
2014年 | 11月9日 | ケヴィン・ハーヴィック(6) | シボレー | 264 / 312 | 99.991 mph (160.920 km/h) | 12回 (58ラップ) | 8回 | 1.636 sec |
2015年 | 3月15日 | ケヴィン・ハーヴィック(7) | シボレー | 224 / 312 | 105.753 mph (170.193 km/h) | 10回 (53ラップ) | 8回 | 1.153 sec |
2015年 | 11月15日 | デイル・アーンハート・ジュニア(3) | シボレー | 22 / 219* | 106.512 mph (171.414 km/h) | 2回 (29ラップ) | 8回 | ※コーション中に終了 |
2016年 | 3月13日 | ケヴィン・ハーヴィック(8) | シボレー | 139 / 313** | 113.212 mph (182.197 km/h) | 5回 (30ラップ) | 7回 | 0.010 sec |
2016年 | 11月13日 | ジョーイ・ロガーノ | フォード | 58 / 324** | 102.866 mph (165.547 km/h) | 9回 (53ラップ) | 8回 | 0.587 sec |
2017年 | 3月19日 | ライアン・ニューマン(2) | シボレー | 6 / 314** | 104.271 mph (167.808 km/h) | 8回 (45ラップ) | 15回 | 0.312 sec |
2017年 | 11月12日 | マット・ケンゼス(2) | トヨタ | 62 / 312 | 105.534 mph (169.841 km/h) | 7回 (41ラップ) | 9回 | 1.207 sec |
2018年 | 3月11日 | ケヴィン・ハーヴィック(9) | フォード | 38 / 312 | 108.073 mph (173.927 km/h) | 6回 (36ラップ) | 15回 | 0.774 sec |
- (*) 降雨のため短縮
- (**) グリーン・ホワイト・チェッカーまたはNASCARオーバータイムにより延長
- (a) 2010年4月のレースは距離を600km、規定周回数を375周としたが、グリーン・ホワイト・チェッカー適用となり、総周回数は378周でレース終了。
トラックレコード
[編集]イベント | 開催日 | ドライバー | タイム | 速度/平均速度 |
---|---|---|---|---|
NASCARカップ・シリーズ | ||||
予選 | 2015年11月13日 | ジミー・ジョンソン | 25.147 | 146.308 mph (235.460 km/h) |
決勝 | 1999年11月7日 | トニー・スチュワート | 2:38:28 | 118.132 mph (190.115 km/h) |
NASCAR エクスフィニティ・シリーズ | ||||
予選 | 2015年11月14日 | カイル・ブッシュ | 25.992 | 141.933 mph (228.419 km/h) |
決勝 | 2000年11月4日 | ジェフ・バートン | 1:44:13 | 115.145 mph (185.308 km/h) |
NASCAR キャンピング・ワールド・トラック・シリーズ | ||||
予選 | 2015年11月13日 | エリック・ジョーンズ | 26.179 | 137.515 mph (221.309 km/h) |
決勝 | 2002年11月7日 | ケヴィン・ハーヴィック | 1:24:26 | 108.104 mph (173.977 km/h) |
ベライゾン インディカー・シリーズ | ||||
予選(2ラップ) | 2017年4月28日 | エリオ・カストロネベス | 37.7538 | 194.908 mph (313.674 km/h) |
決勝 | 2005年3月19日 | サム・ホーニッシュ・ジュニア | 1:30:24 | 137.753 mph (221.692 km/h) |
脚注
[編集]- ^ “PHOENIX RACEWAY UNVEILS DETAILS FOR $178 MILLION MODERNIZATION PROJECT”. ISM Raceway (2017年1月30日). 2018年5月29日閲覧。
- ^ “PHOENIX RACEWAY SIGNS ISM CONNECT AS NAMING RIGHTS PARTNER”. ISM Raceway (2017年9月26日). 2018年5月29日閲覧。