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フォー・ミー・アンド・マイ・ギャル (映画)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
フォー・ミー・アンド・マイ・ギャル
For Me and My Gal
フォー・ミー・アンド・マイ・ギャル
監督 バスビー・バークレー
原案 ハワード・エメット・ロジャース
製作 アーサー・フリード
出演者 ジュディ・ガーランド
ジーン・ケリー
ジョージ・マーフィ
音楽 ロジャー・イーデンス
ジョージー・ストール
撮影 ウィリアム・ダニエルズ
編集 ベン・ルイス
製作会社 メトロ・ゴールドウィン・メイヤー
配給 ロウズ Inc.
公開
  • 1942年10月21日 (1942-10-21) (ニューヨーク)
上映時間 104分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
製作費 $841,000[1]
興行収入 $4.4 million[1]
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フォー・ミー・アンド・マイ・ギャル』(For Me and My Gal) は、1942年アメリカ合衆国ミュージカル映画

バスビー・バークレーが監督を務め、ジュディ・ガーランドジーン・ケリージョージ・マーフィが主演し、マルタ・エゲルト、ベン・ブルーが助演した。ケリーにとって本作がデビュー作となった。

第一次世界大戦中、ヴォードヴィル俳優のハリー・パルマーが自身とジョー・ヘイデンについて執筆した草稿を基に、リチャード・シャーマン、フレッド・F・フィンクルホフ、シド・シルバースが脚本を執筆した。メトロ・ゴールドウィン・メイヤーアーサー・フリードのチームがプロデュースした。

ストーリー

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ヴォードヴィル全盛期、アメリカは第一次世界大戦に参戦間近となる。ヴォードヴィリアンのジョー・ヘイデン(ジュディ・ガーランド)およびハリー・パーマー(ジーン・ケリー)はブロードウェイにあるパレス・シアターでの公演、そして終演後の結婚を約束する。

公演数週間前、ハリーは召集令状を受け取る。出征を遅らせるため、ハリーは故意に手を怪我する。同日、ジョーは医学生の兄弟が戦死したことを知る。

ハリーが意図的に怪我をしたことを知ったジョーはハリーを拒絶し公演を降板する。ハリーは上演を諦めて入隊しようとするが、手が不自由となったため入隊することができない。ハリーはYMCAに参加し、前線隊への慰問に出掛ける。

ハリーと仲間は危険地帯に入り、救護隊が砲撃されるのを未然に防ぐ。ハリーは敵の潜伏部隊の砲台の機関銃を破壊している最中に負傷し、その勇気を称えられる。

戦後、パレス・シアターで祝勝会が行なわれる。ジョーが「ジョニーが凱旋するとき」を歌っていると、観客の中にハリーがいることに気付く。ジョーはハリーのもとに駆け寄り再会し、過去に2人が初めて共演した「フォー・ミー・アンド・マイ・ギャル (曲)英語版」を共に歌う。

キャスト

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  • ジョー・ヘイデン:ジュディ・ガーランド
  • ハリー・パーマー:ジーン・ケリー
  • ジミー・K・メトカフ:ジョージ・マーフィ
  • イヴ・ミナード(歌手):マルタ・エゲルト
  • シド・シムズ(ジミーの相棒):ベン・ブルー
  • ウエアリング氏(パレス・シアターの支配人):スティーブン・マクナリー
  • ニューヨーク・パレスのドアマン:ロバート・ホマンズ (クレジット無し)
  • リリー・ダンカン:ルシル・ノーマン (クレジット無し)
  • ジム:エドワード・ペイル・シニア (クレジット無し)
  • ダニー・ヘイデン(ジョーの兄弟):リチャード・クワイン (クレジット無し)
  • フランス人医師:アディソン・リチャーズ (クレジット無し)
  • エディ・ミルトン(劇場エージェント):キーナン・ウィン (クレジット無し)

楽曲

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バスビー・バークレーの監督作品であるが、本作ではバークレーの特色である大規模なミュージカル・シーンがない。ボビー・コノリー振付によるヴォードヴィル・シーンが多い[2]

制作

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ミッキー・ルーニーと共に子役として活動してきたジュディ・ガーランドは19歳になり、本作で初めて成人女性を演じた[4]。オリジナルの脚本ではハリー・パーマーの役は、ガーランド演じる歌手と、ドラマチックな役柄のダンサーと、女性2人と関わるはずであった。当時MGMのアドバイザーでガーランドの演技指導者であったステラ・アドラーはプロデューサーのアーサー・フリードに、2つの役を合わせてガーランドに演じさせることを提案した。またアドラーはジーン・ケリーが主演することも提案した[5]

当時29歳であったケリーはブロードウェイ・ミュージカルの『Pal Joey』で主演し、『Best Foot Forward』を振り付けるなど舞台で活躍していた[6]。プロデューサーのデヴィッド・O・セルズニックはケリーと映画1本出演の契約をし、撮影終了後にケリーはブロードウェイに戻る予定であった。しかしセルズニックはケリーを配役しないまま1年が過ぎた。アーサー・フリードが本作『フォー・ミー・アンド・マイ・ギャル』にケリーを出演させてよいか尋ね、セルズニックは契約を譲渡した。MGMのフリードの上司から反対されたが、ケリーは役を得た[5][7]。当初ジョージ・マーフィがハリー・パーマー役を演じる予定であったが、ケリーが出演するにあたり、ケリーがハリー・パーマー役、マーフィがジミー・メトカフを演じることとなった。

ジーン・ケリーとジュディ・ガーランドはうまくいっていた。ガーランドはケリーがハリー役となったことを好ましく思っており、ケリーの舞台演技を映画での演技に合わせようとするのを手伝っていた。さらにガーランドは監督バスビー・バークレーと不仲であり、ケリーを自分の側に引き入れた。ケリーとガーランドは他に『踊る海賊』(1948年)、『サマー・ストック (映画)英語版』(1950年)で共に主演した[8]

またドイツで30本以上の映画に出演していたハンガリーの歌手マルタ・エゲルトのアメリカ映画デビューとなった。しかしエゲルトはアメリカでは2本しか出演することはなかった[9]

1942年4月3日から5月23日、カリフォルニア州カルヴァー・シティにあるMGMのスタジオで制作され、6月に追加シーンが撮影された。予算は$803,000と見積もられている。制作中のタイトルは『Me and My Gal』および『The Big Time』が使用されていた。

プレビュー上映の際、観客はエンディングに満足しなかった。観客はジョー(ガーランド)がハリー(ケリー)ではなくジミー(マーフィ)と結ばれることを望んでいた。ルイス・B・メイヤーは3週間で、ケリーの役柄をより誠実に、マーフィの出番を少なく制作し直すよう命じた[5]

公開

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1942年10月21日、ニューヨークでプレミア上映され、11月26日、ロサンゼルスで公開された。アメリカおよびカナダで$2,894,000、その他で$1,477,000の計$4,371,000の興行収入があり、この年最もヒットした作品の1つとなり[5][10]、MGMは$2,098,000の利益を上げた[1]

1988年8月、アメリカ国内でMGM/UAホームビデオよりVHSがリリースされ、2004年4月6日、ワーナー・ホームビデオよりDVDがリリースされた。

受賞歴

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ロジャー・イーデンス(編曲)、ジョージー・ストール(音楽監督)がアカデミー作曲賞にノミネートされた[11]。ジーン・ケリーはナショナル・ボード・オブ・レビューから男優賞を受賞した[11][12]

アメリカン・フィルム・インスティチュートより、2004年に「For Me and My Gal」がアメリカ映画主題歌ベスト100にノミネートされ[13]、2006年にミュージカル映画ベストにノミネートされた[14]

脚注

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出典

  1. ^ a b c The Eddie Mannix Ledger, Los Angeles: Margaret Herrick Library, Center for Motion Picture Study .
  2. ^ Hirschhorn, Clive (1991). The Hollywood Musical (2nd ed.). New York: Portland House. p. 211. ISBN 0-517-06035-3 
  3. ^ TCM Music
  4. ^ All Movie Review
  5. ^ a b c d Frank Miller "For Me and My Gal" TCM article
  6. ^ IBDB Gene Kelly
  7. ^ IMDb Biography for Gene Kelly
  8. ^ Garland and Kelly both also appeared in 1946's Ziegfeld Follies, but not together.
  9. ^ IMDb Martha Eggerth
  10. ^ "101 Pix Gross in Millions" Variety 6 Jan 1943 p 58
  11. ^ a b For Me and My Gal - Awards at IMDb
  12. ^ All Movie Awards
  13. ^ AFI's 100 Years...100 Songs Nominees”. 2016年8月13日閲覧。
  14. ^ AFI's Greatest Movie Musicals Nominees”. 2016年8月13日閲覧。

外部リンク

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