フモトスミレ
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フモトスミレ | |||||||||||||||||||||
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分類(APG III) | |||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||
Viola sieboldii Maxim.[1] | |||||||||||||||||||||
シノニム | |||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||
フモトスミレ | |||||||||||||||||||||
品種 | |||||||||||||||||||||
フモトスミレ(麓菫、学名:Viola sieboldii Maxim.[1])は、スミレ科スミレ属に分類される小形の多年草の1種[5][2]。学名の種小名(sieboldii)は、ドイツ人のシーボルトに由来する。学名のシノニムの種小名(pumilio)は、「こびと」を意味する[3]。和名は、山の麓などに生育することが多いことに由来する[3][5]。
特徴
[編集]地下茎は短い[5]。無茎性のスミレで、高さ4-6 cm[3]。葉は長さ1-3 cmで卵形または広卵形、基部は心形[5]、低い鋸歯がある[2]。表面には普通毛があり、しばしば葉脈に沿って白斑があり[2][5]フイリフモトスミレと呼ばれることがある[4]。裏面は紫色を帯びる[2][5]。葉柄は2-5 cmと長い[2][3]。花は白色で直径7-10 mmと小さく、上弁は反り返る[5]。側弁にはふつう毛があり、まれに無毛[2]。唇弁の基部に短い毛がある[5]。唇弁は他の弁より短く、幅が狭く、紫色の条が入る[2]。距は2-3 mm[5]。花柄は高さ4-7 cm[2]。萼片は広披針形萼。花期は4-5月[2][5]。
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葉の裏面は紫色を帯びる
分布と生育環境
[編集]日本の固有種。本州(岩手県以西)、四国、九州に分布する[5]。太平洋側の北限は岩手県奥州市、日本海側の北限は山形県酒田市[6]。
温帯から暖帯のやせた低山地[2]のやや乾いた林や日当たりのよい丘陵地の草地などに生育する[3][5]。
分類
[編集]同じミヤマスミレ亜節に分類されるシハイスミレに形態が似る[7]。
- フイリバスミレ(スミレ×フイリフモトスミレ) V. x doii Taken.[8]
- コマガタケスミレ(スミレ×フモトスミレ) Viola x doii Taken. nothof. kisokomana E.Hama et Nackej.[9]
- スルガキクバスミレ(エイザンスミレ×フモトスミレ) Viola x eizasieboldii Sugim. ex T.Shimizu[10]
種の保全状況評価
[編集]日本では以下の都道府県で、レッドリストの指定を受けている。静岡県の奥大井県立自然公園の特別地域などで、採取等を規制する植物の指定を受けている[11]。
- 絶滅危惧IA類(CR) - 山形県[12]
- 絶滅危惧II類(VU) - 宮城県[13]
- Cランク - 岩手県[14]
- 準絶滅危惧種 - 京都府[15]
- 一般保護生物(D) - 千葉県[16]
- 分布特性上重要な種 - 鹿児島県
脚注
[編集]- ^ a b 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “フモトスミレ”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2018年4月18日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k 佐竹 (1982)、248頁
- ^ a b c d e f 牧野 (1982)、347頁
- ^ a b 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “フイリフモトスミレ”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2018年4月18日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l 林 (2009)、342頁
- ^ “酒田市のため池群における希少野生生物保全調査報告書” (PDF). 山形県. p. 3. 2018年4月22日閲覧。
- ^ 藤原正人, 笠原恵「スミレ属の葉緑体DNA を用いた分子系統解析に関する研究」『兵庫教育大学と大学院同窓会との共同研究論文集』第6巻、兵庫教育大学都道府県連携推進本部、2015年、3頁、hdl:10132/17072、2018年4月22日閲覧。
- ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “フイリバスミレ”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2018年4月22日閲覧。
- ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “コマガタケスミレ”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2018年4月22日閲覧。
- ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “スルガキクバスミレ”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2018年4月22日閲覧。
- ^ 『奥大井県立自然公園特別地域で捕獲や採取等を規制する動植物』(PDF)(レポート)静岡県、2頁 。2018年4月22日閲覧。
- ^ 『山形県第2次レッドリスト(植物編)について(2013年度改訂版)』(レポート)山形県、4頁 。2018年4月22日閲覧。
- ^ 『宮城県レッドデータブック2016について』(レポート)宮城県、2016年5月13日、6頁 。2018年4月22日閲覧。
- ^ “いわてレッドデータブック 岩手の希少な野生生物web版、「フモトスミレ」”. 岩手県. 2018年4月22日閲覧。[リンク切れ]
- ^ “京都府レッドデータブック2015、「フモトスミレ」”. 京都府. 2018年4月22日閲覧。
- ^ “千葉県レッドリスト−植物・菌類編(2017年改訂版)”. 千葉県. p. 20. 2018年4月22日閲覧。
参考文献
[編集]- 佐竹義輔、大井次三郎、北村四郎、亘理俊次、冨成忠夫 編『日本の野生植物 草本II離弁花類』平凡社、1982年3月17日。ISBN 458253502X。
- 林弥栄『日本の野草』山と溪谷社〈山溪カラー名鑑〉、2009年10月。ISBN 9784635090421。
- 牧野富太郎、本田正次『原色牧野植物大図鑑』北隆館、1982年7月。ASIN B000J6X3ZE。 NCID BN00811290。全国書誌番号:85032603 。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- フモトスミレの標本(福島県安達郡 で1991年5月に採集) 島根大学生物資源学部デジタル標本館
- Viola sieboldii Maxim. (The Plant List)
- Viola sieboldii (Encyclopedia of Life)