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フモトスミレ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
フモトスミレ
花をつけたフモトスミレ、鈴鹿山脈の三国岳(岐阜県大垣市)にて、2018年4月14日撮影
フモトスミレ、鈴鹿山脈岐阜県大垣市)、2018年4月
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 Eudicots
: キントラノオ目 Malpighiales
: スミレ科 Violaceae
: スミレ属 Viola
: フモトスミレ V. sieboldii
学名
Viola sieboldii Maxim.[1]
シノニム

Viola pumilio W.Becker[2][3]

和名
フモトスミレ
品種

フモトスミレ(麓菫、学名Viola sieboldii Maxim.[1])は、スミレ科スミレ属分類される小形の多年草の1[5][2]。学名の種小名(sieboldii)は、ドイツ人シーボルトに由来する。学名のシノニムの種小名(pumilio)は、「こびと」を意味する[3]和名は、の麓などに生育することが多いことに由来する[3][5]

特徴

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地下茎は短い[5]。無性のスミレで、高さ4-6 cm[3]は長さ1-3 cmで卵形または広卵形、基部は心形[5]、低い鋸歯がある[2]。表面には普通毛があり、しばしば葉脈に沿って白斑があり[2][5]フイリフモトスミレと呼ばれることがある[4]。裏面は紫色を帯びる[2][5]葉柄は2-5 cmと長い[2][3]は白色で直径7-10 mmと小さく、上弁は反り返る[5]。側弁にはふつう毛があり、まれに無毛[2]唇弁の基部に短い毛がある[5]。唇弁は他の弁より短く、幅が狭く、紫色の条が入る[2]は2-3 mm[5]花柄は高さ4-7 cm[2]片は広披針形萼。花期は4-5月[2][5]

分布と生育環境

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山地上の下に生育するフモトスミレ

日本固有種本州岩手県以西)、四国九州に分布する[5]太平洋側の北限は岩手県奥州市日本海側の北限は山形県酒田市[6]

温帯から暖帯のやせた低山地[2]のやや乾いたや日当たりのよい丘陵地の草地などに生育する[3][5]

分類

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同じミヤマスミレ亜節に分類されるシハイスミレに形態が似る[7]

以下の同との雑種が知られている。

  • フイリバスミレ(スミレ×フイリフモトスミレ) V. x doii Taken.[8]
  • コマガタケスミレ(スミレ×フモトスミレ) Viola x doii Taken. nothof. kisokomana E.Hama et Nackej.[9]
  • スルガキクバスミレ(エイザンスミレ×フモトスミレ) Viola x eizasieboldii Sugim. ex T.Shimizu[10]

種の保全状況評価

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日本では以下の都道府県で、レッドリストの指定を受けている。静岡県奥大井県立自然公園の特別地域などで、採取等を規制する植物の指定を受けている[11]

脚注

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  1. ^ a b 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “フモトスミレ”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2018年4月18日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i j k 佐竹 (1982)、248頁
  3. ^ a b c d e f 牧野 (1982)、347頁
  4. ^ a b 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “フイリフモトスミレ”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2018年4月18日閲覧。
  5. ^ a b c d e f g h i j k l 林 (2009)、342頁
  6. ^ 酒田市のため池群における希少野生生物保全調査報告書” (PDF). 山形県. p. 3. 2018年4月22日閲覧。
  7. ^ 藤原正人, 笠原恵「スミレ属の葉緑体DNA を用いた分子系統解析に関する研究」『兵庫教育大学と大学院同窓会との共同研究論文集』第6巻、兵庫教育大学都道府県連携推進本部、2015年、3頁、hdl:10132/170722018年4月22日閲覧 
  8. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “フイリバスミレ”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2018年4月22日閲覧。
  9. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “コマガタケスミレ”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2018年4月22日閲覧。
  10. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “スルガキクバスミレ”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2018年4月22日閲覧。
  11. ^ 奥大井県立自然公園特別地域で捕獲や採取等を規制する動植物』(PDF)(レポート)静岡県、2頁https://www.pref.shizuoka.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/017/646/okuooidoushokubutu.pdf2018年4月22日閲覧 
  12. ^ 山形県第2次レッドリスト(植物編)について(2013年度改訂版)』(レポート)山形県、4頁https://www.pref.yamagata.jp/050011/kurashi/shizen/seibutsu/yamagata_red_list2013/yamagata_red_list2013.html2018年4月22日閲覧 
  13. ^ 宮城県レッドデータブック2016について』(レポート)宮城県、2016年5月13日、6頁https://www.pref.miyagi.jp/soshiki/sizenhogo/red-book2016.html2018年4月22日閲覧 
  14. ^ いわてレッドデータブック 岩手の希少な野生生物web版、「フモトスミレ」”. 岩手県. 2018年4月22日閲覧。[リンク切れ]
  15. ^ 京都府レッドデータブック2015、「フモトスミレ」”. 京都府. 2018年4月22日閲覧。
  16. ^ 千葉県レッドリスト−植物・菌類編(2017年改訂版)”. 千葉県. p. 20. 2018年4月22日閲覧。

参考文献

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関連項目

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外部リンク

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