コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

ブルース・チェン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ブルース・チェン
Bruce Chen
カンザスシティ・ロイヤルズでの現役時代
(2009年7月27日)
基本情報
国籍 パナマの旗 パナマ
出身地 パナマ県パナマ市
生年月日 (1977-06-19) 1977年6月19日(47歳)
身長
体重
6' 2" =約188 cm
210 lb =約95.3 kg
選手情報
投球・打席 左投左打
ポジション 投手
プロ入り 1993年 アマチュアFA
初出場 1998年9月7日
最終出場 2015年5月2日
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)
国際大会
代表チーム パナマの旗 パナマ
中華人民共和国の旗 中国
WBC 2006年2009年2017年

ブルース・カストロ・チェン(Bruce Kastulo Chen, 1977年6月19日 - )は、パナマ共和国パナマ県パナマ市出身の元プロ野球選手投手)。左投左打。

経歴

[編集]

プロ入りとブレーブス時代

[編集]

1993年7月2日アトランタ・ブレーブスと契約。

1994年、傘下のルーキー級ガルフ・コーストリーグ・ブレーブスでプロデビュー。9試合に登板し、1勝4敗1セーブ・防御率3.80だった。

1995年はルーキー級ダンビル・ブレーブスで14試合に登板し、4勝4敗・防御率3.97だった。

1996年はA-級ユージーン・エメラルズで11試合に登板し、4勝1敗・防御率2.27だった。

1997年はA級メイコン・ブレーブスで28試合に登板し、12勝7敗・防御率3.51だった。

1998年はAA級グリーンビル・ブレーブスとAAA級リッチモンド・ブレーブスでプレー。AA級グリーンビルでは24試合に登板し、13勝7敗・防御率3.29だった。9月7日のニューヨーク・メッツ戦で先発起用されメジャーデビュー。3回を投げ、6安打(2本塁打)4失点2四球と結果を残せず降板。勝ち負けは付かなかった。9月12日のフロリダ・マーリンズ戦では6.1回を6安打2失点7奪三振に抑え、メジャー初勝利を挙げた。この年は4試合に登板し、2勝0敗・防御率3.98だった。

1999年はAAA級リッチモンドで開幕を迎え、5月にメジャーへ昇格。8月7日のサンフランシスコ・ジャイアンツ戦からリリーフへ転向した。16試合に登板し、2勝2敗・防御率5.47だった。

2000年はリリーフに専念し、22試合に登板。4勝0敗・防御率2.50だった。

フィリーズ時代

[編集]

2000年7月12日にアンディ・アシュビーとのトレードでジミー・オスティングと共にフィラデルフィア・フィリーズへ移籍。移籍後は先発に復帰し、15試合に登板。3勝4敗・防御率3.63だった。

2001年は開幕ロースター入りし、16試合に登板。4勝5敗・防御率5.00と数字を残せず、7月6日にAA級レディング・フィリーズへ降格した。

メッツ時代

[編集]

2001年7月27日に、デニス・クックおよびターク・ウェンデルとのトレードで、アダム・ウォーカーと共にメッツへ移籍。移籍後は11試合に登板し、3勝2敗・防御率4.68だった。

2002年は開幕ロースター入りし、リリーフとして1試合に登板した。

エクスポズ時代

[編集]

2002年4月5日にフィル・セイベルおよびマット・ワトソンスコット・ストリックランドとのトレードで、後日発表選手とともにモントリオール・エクスポズへ移籍(後日発表選手は、ソール・リベラディッキー・ゴンザレスルイス・フィゲロア)。移籍後は15試合に登板(先発は5度の登板)し、2勝3敗・防御率6.99だった。

レッズ時代

[編集]

2002年6月14日にジム・ブラウワーとのトレードでシンシナティ・レッズへ移籍[1]。39試合に登板し、0勝2敗・防御率4.31だった。

2003年3月10日に放出された。

アストロズ時代

[編集]

2003年3月14日にヒューストン・アストロズとマイナー契約を結んだ[2]。開幕ロースター入りして11試合に登板し、0勝0敗・防御率6.00だった。5月3日DFAとなった[3]

レッドソックス時代

[編集]

2003年5月7日にウェイバー公示を経てボストン・レッドソックスへ移籍した[4]5月9日にメジャーへ昇格したが、5試合に登板し、0勝1敗・防御率5.11と結果を残せず、6月1日にDFAとなり[5]、6月5日にAAA級ポータケット・レッドソックスへ降格した。オフの10月3日にFAとなった。

ブルージェイズ傘下時代

[編集]

2003年11月26日にトロント・ブルージェイズとマイナー契約を結んだ[6]

2004年はAAA級シラキュース・チーフスで開幕を迎え、3試合に登板し、0勝1敗・防御率8.71だった。

オリオールズ時代

[編集]

2004年5月1日に金銭トレードでボルチモア・オリオールズへ移籍。移籍後はAAA級オタワ・リンクスでプレーし、8月25日にメジャー契約を結んだ[7]。昇格後は8試合に登板し、2勝1敗、防御率3.02だった。

2005年は開幕ロースター入りし[8]、34試合に登板。新たにチェンジアップを習得し、投球に幅が広がったこともあって、メジャー8年目で自身初の二桁勝利、また自己最多となる13勝をマーク。自身2度目の完投勝利を挙げ、197.1投球回と133奪三振も自己最多と飛躍の年となった。

2006年1月17日にオリオールズと1年契約に合意[9]。開幕前の3月に開催された第1回WBCパナマ代表に選出された[10]

シーズンでは、エリック・ベダードロドリゴ・ロペスらと共に、開幕から先発投手としてプレーした。しかし、制球難に陥り、6月頭に先発ローテーションを外され、中継ぎとしてプレーすることとなった。オフの10月31日にFAとなった。

レンジャーズ時代

[編集]

2007年2月6日にテキサス・レンジャーズとマイナー契約んだ[11]。4月1日にメジャー契約を結んだ[12]。昇格後は5試合に登板したが、防御率7.20と乱調。4月21日にDFAとなり[13]、4月28日にAAA級オクラホマ・レッドホークスに降格した。降格後はAAA級オクラホマで4試合に登板し、1勝1敗・防御率5.62だった。オフの10月15日にFAとなった。また、この年にトミー・ジョン手術を受け[14]、その影響で2008年はどの球団にも所属せず、リハビリに充てていた。

ロイヤルズ時代

[編集]

2009年3月に第2回WBCパナマ代表に選出され[15]、2大会連続2度目の選出を果たした。同大会では、初戦のプエルトリコ戦に先発するも4回2失点で負け投手となった。

シーズンでは3月1日にカンザスシティ・ロイヤルズとマイナー契約を結んだ[16]。AAA級オマハ・ロイヤルズで開幕を迎え、6月26日にロイヤルズとメジャー契約を結んだ[17]。昇格後は17試合に登板し、1勝6敗、防御率5.78だった。オフの11月6日にFAとなったが、12月11日にマイナー契約で再契約した[18]

2010年はAAA級オマハで開幕を迎えた。4月23日にロイヤルズとメジャー契約を結んだ。この年は4年ぶりの二桁勝利となる12勝(7敗)を挙げ、防御率4.17だった。オフの11月5日にFAとなった。

2011年1月15日にロイヤルズと1年契約で再契約した。開幕ロースター入りした。5月10日に腰の故障で15日間の故障者リスト入りし、6月24日に復帰。約1ヶ月間離脱していたが、25試合に登板し、2年連続の二桁勝利となる12勝(8敗)を挙げ、防御率は3.77だった。オフの10月30日にFAとなったが、11月23日に総額900万ドル(出来高を含めると最大で総額1100万ドル)の2年契約でロイヤルズと再契約した[19]

2012年開幕投手を務め、34試合に登板(34試合の先発登板はリーグトップ)。11勝14敗・防御率5.07と前年に比べ成績は悪かったが、3年連続の二桁勝利を挙げた。

2013年はシーズン開幕前の3月に開催された第3回WBC中国代表に参加することを目指したが、祖父母が中国出身である証明書を揃えることができなかったため、参加資格を満たせず不参加となった。レギュラーシーズンの開幕は中継ぎとして迎え、7月12日のクリーブランド・インディアンス戦から先発に復帰。34試合に登板し、9勝4敗・防御率3.27だった。オフの10月31日にFAとなった。

2014年2月1日にロイヤルズと325万ドルの1年契約(2015年のオプション付き)[20]で再契約した[21]。開幕ロースター入りし、4試合に登板したが、5月2日に椎間板ヘルニアで15日間の故障者リスト入りした[22]。9月5日に放出された[23]。この年のレギュラーシーズンでは、7試合の先発登板を含む計13試合に登板したが、2勝4敗・防御率7.45で負け越しと振るわなかった。

インディアンス時代

[編集]

2015年2月16日にインディアンスとマイナー契約を結ぶ事で合意した[24]。開幕を傘下のAAA級コロンバス・クリッパーズで迎えた。5月9日にメジャー昇格[25]。だが、2試合に先発して防御率12.79と振るわず、16日にDFAとなり、18日に現役引退を表明した。

現役引退後

[編集]

現役引退後はインディアンスの育成部門に携わっている[26]

2016年12月に第4回WBC中国代表に参加するため、投球練習を再開[26]

2017年3月4日に行われたオリックス・バファローズとの代表強化試合で引退後初の実戦での登板を果たした。WBC本戦では1次リーグキューバ戦に先発登板し、2回2/3を無失点で抑えた。このキューバ戦では紐履を履いて登板し、話題となった[27]

詳細情報

[編集]

年度別投手成績

[編集]




















































W
H
I
P
1998 ATL 4 4 0 0 0 2 0 0 -- 1.000 91 20.1 23 3 9 1 1 17 0 0 9 9 3.98 1.57
1999 16 7 0 0 0 2 2 0 1 .500 214 51.0 38 11 27 3 2 45 0 0 32 31 5.47 1.27
2000 22 0 0 0 0 4 0 0 0 1.000 176 39.2 35 4 19 2 1 32 0 1 15 11 2.50 1.36
PHI 15 15 0 0 0 3 4 0 0 .429 383 94.1 81 14 27 2 1 80 4 0 39 38 3.63 1.14
'00計 37 15 0 0 0 7 4 0 0 .636 559 134.0 116 18 46 4 2 112 4 1 54 49 3.29 1.21
2001 16 16 0 0 0 4 5 0 0 .444 381 86.1 90 19 31 4 1 79 2 0 53 48 5.00 1.40
NYM 11 11 0 0 0 3 2 0 0 .600 253 59.2 56 10 28 0 0 47 3 0 37 31 4.68 1.41
'01計 27 27 0 0 0 7 7 0 0 .500 634 146.0 146 29 59 4 1 126 5 0 90 79 4.87 1.40
2002 1 0 0 0 0 0 0 0 0 ---- 3 0.2 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0.00 1.50
MON 15 5 0 0 0 2 3 0 0 .400 179 37.1 47 9 23 3 1 43 3 0 29 29 6.99 1.88
CIN 39 1 0 0 0 0 2 0 4 .000 178 39.2 37 7 20 2 1 37 1 0 24 19 4.31 1.44
'02計 55 6 0 0 0 2 5 0 4 .286 360 77.2 85 16 43 5 2 80 4 0 53 48 5.56 1.65
2003 HOU 11 0 0 0 0 0 0 0 1 ---- 60 12.0 14 2 8 1 2 8 0 0 8 8 6.00 1.83
BOS 5 2 0 0 0 0 1 0 0 .000 50 12.1 12 4 2 0 0 12 0 0 8 7 5.11 1.14
'03計 16 2 0 0 0 0 1 0 1 ---- 110 24.1 26 6 10 1 2 20 0 0 16 15 5.55 1.48
2004 BAL 8 7 1 0 1 2 1 0 0 .667 196 47.2 39 7 16 0 0 32 0 0 19 16 3.02 1.15
2005 34 32 1 0 0 13 10 0 0 .565 832 197.1 187 33 63 0 9 133 2 1 94 84 3.83 1.27
2006 40 12 0 0 0 0 7 0 1 .000 453 98.2 137 28 35 3 0 70 1 0 81 76 6.93 1.74
2007 TEX 5 0 0 0 0 0 0 0 0 ---- 46 10.0 11 3 6 1 0 7 0 0 11 8 7.20 1.70
2009 KC 17 9 0 0 0 1 6 0 0 .143 279 62.1 74 12 25 3 4 45 4 0 42 40 5.78 1.59
2010 33 23 1 1 0 12 7 1 0 .632 608 140.1 136 17 57 4 3 98 3 0 68 65 4.17 1.38
2011 25 25 1 0 0 12 8 0 0 .600 654 155.0 152 18 50 2 7 97 2 0 71 65 3.77 1.30
2012 34 34 0 0 0 11 14 0 0 .440 827 191.2 215 33 47 3 8 140 5 0 114 108 5.07 1.37
2013 34 15 0 0 0 9 4 0 2 .692 498 121.0 107 13 36 4 3 78 0 1 46 44 3.27 1.18
2014 13 7 0 0 0 2 4 0 0 .333 223 48.1 69 7 16 1 1 36 0 0 40 40 7.45 1.76
2015 CLE 2 2 0 0 0 0 1 0 0 .000 35 6.1 17 2 0 1 0 4 0 0 9 9 12.79 2.84
MLB:17年 400 227 4 1 1 82 81 1 *9 .503 6619 1532.0 1578 257 546 40 45 1140 30 3 849 786 4.62 1.39
  • 各年度の太字はリーグ最高
  • 「-」は記録なし
  • 通算成績の「*数字」は不明年度がある事を示す

背番号

[編集]
  • 48(1998年 - 2000年途中)
  • 39(2000年途中 - 2001年途中)
  • 32(2001年途中 - 2002年途中)
  • 52(2002年途中 - 同年終了、2003年途中 - 同年終了、2009年 - 2015年、2017年)
  • 31(2003年 - 同年途中)
  • 64(2004年)
  • 27(2005年 - 2006年)
  • 46(2007年)

代表歴

[編集]
パナマ代表
中国代表

脚注

[編集]
  1. ^ "Reds acquire Chen from Expos" (Press release). MLB.com (Cincinnati Reds). 14 June 2002. 2014年5月3日閲覧
  2. ^ "Astros sign lefthander Chen" (Press release). MLB.com (Cincinnati Reds). 14 March 2003. 2014年5月3日閲覧
  3. ^ "Lefthander Bland joins Astros" (Press release). MLB.com (Houston Astros). 3 May 2003. 2014年5月3日閲覧
  4. ^ "Red Sox claim LHP Bruce Chen off waivers from the Houston Astros" (Press release). MLB.com (Boston Red Sox). 7 May 2003. 2014年5月3日閲覧
  5. ^ Tom Singer (2003年6月1日). “Notes: Kim ready for Boston”. MLB.com. 2014年5月3日閲覧。
  6. ^ "Blue Jays sign Bruce Chen" (Press release). MLB.com (Toronto Blue Jays). 26 November 2003. 2014年5月3日閲覧
  7. ^ Gary Washburn (2004年8月25日). “Notes: Raines Jr., Leon recalled”. MLB.com. 2014年5月3日閲覧。
  8. ^ "Orioles set 25-man roster" (Press release). MLB.com (Baltimore Orioles). 2 April 2005. 2014年5月3日閲覧
  9. ^ "Orioles agree to terms with four players" (Press release). MLB.com (Baltimore Orioles). 17 January 2006. 2014年5月3日閲覧
  10. ^ 2006 Tournament Roster[リンク切れ] The official site of World Baseball Classic (英語) 2016年3月2日閲覧 [リンク切れ]
  11. ^ "Texas Rangers sign LHP Bruce Chen to Minor League contract" (Press release). MLB.com (Texas Rangers). 6 February 2007. 2014年5月3日閲覧
  12. ^ "Texas Rangers announce 2007 Opening Day roster" (Press release). MLB.com (Texas Rangers). 1 April 2007. 2014年5月3日閲覧
  13. ^ "Texas Rangers purchase contract of Willie Eyre" (Press release). MLB.com (Texas Rangers). 21 April 2007. 2014年5月3日閲覧
  14. ^ 「カンザスシティ・ロイヤルズ WBCに投げた2人が思わぬ形で交差」『月刊スラッガー』2009年9月号 日本スポーツ企画出版社 69頁
  15. ^ 2009 Tournament Roster[リンク切れ] The official site of World Baseball Classic (英語) 2016年3月2日閲覧 [リンク切れ]
  16. ^ Dick Kaegel (2009年3月1日). “Royals secure another veteran arm”. MLB.com. 2014年5月3日閲覧。
  17. ^ Wayne Staats (2009年6月26日). “Farnsworth lands on disabled list”. MLB.com. 2014年5月3日閲覧。
  18. ^ "Royals agree to terms with six players on minor league deals" (Press release). MLB.com (Kansas City Royals). 11 December 2009. 2014年5月3日閲覧
  19. ^ Dick Kaegel (2011年11月23日). “Royals, Chen agree to two-year contract”. MLB.com. 2011年11月30日閲覧。
  20. ^ Dick Kaegel (2014年1月30日). “Chen, Royals working toward one-year contract”. MLB.com. 2014年1月31日閲覧。
  21. ^ "Royals sign veteran left-handed pitcher Bruce Chen" (Press release). MLB.com (Kansas City Royals). 1 February 2014. 2014年2月1日閲覧
  22. ^ Dick Kaegel (2014年5月2日). “Chen scratched from start, lands on DL”. MLB.com. 2014年5月3日閲覧。
  23. ^ “Veteran pitcher Bruce Chen released by Royals”. Associated Press. ESPN.com. (2014年9月5日). http://sports.espn.go.com/espn/wire?section=mlb&id=11472796 2014年9月11日閲覧。 
  24. ^ Chen ready for a new chapter in his career with the Indians MLB.com Jordan Bastian 英語 (2015年2月19日) 2015年3月20日閲覧
  25. ^ Indians promote LHP Bruce Chen; designate RHP Anthony Swarzak for assignment”. 2015年5月9日閲覧。
  26. ^ a b 強化試合は連敗も 警戒すべき“中国版イチロー”と“三刀流””. 日刊ゲンダイDIGITAL (2017年3月9日). 2017年3月25日閲覧。
  27. ^ 中国の“スリッポン左腕”が日本戦登板も!? 米国衝撃「引退後に履くべき靴」”. Full-Count (March 19, 2017). February 12, 2022閲覧。

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]