プレイ・ザ・ブルース (バディ・ガイ&ジュニア・ウェルズのアルバム)
『プレイ・ザ・ブルース』 | ||||
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バディ・ガイ&ジュニア・ウェルズ の スタジオ・アルバム | ||||
リリース | ||||
録音 |
1970年10月 フロリダ州マイアミ クライテリア・スタジオ[1] 1972年4月 マサチューセッツ州ボストン インターメディア・スタジオ(#7, #10)[1] オーバー・ダビング(#1, #7):1972年4月 ニューヨーク アトランティック・レコーディング・スタジオ[1] | |||
ジャンル | ブルース、シカゴ・ブルース | |||
時間 | ||||
レーベル | アトコ・レコード | |||
プロデュース |
エリック・クラプトン、アーメット・アーティガン、トム・ダウド マイケル・カスクーナ(#7, #10) | |||
専門評論家によるレビュー | ||||
バディ・ガイ アルバム 年表 | ||||
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『プレイ・ザ・ブルース』(Play the Blues)は、アメリカ合衆国のブルース・ミュージシャン、バディ・ガイとジュニア・ウェルズが連名で1972年に発表したスタジオ・アルバム。
背景
[編集]ガイとウェルズが1970年にローリング・ストーンズのヨーロッパ・ツアーのオープニングアクトを務めていた頃、エリック・クラプトンがアトランティック・レコード社長アーメット・アーティガンにガイを推薦したことから、本作の録音が始まった[2]。ローリング・ストーンズのツアー終了後、ガイとウェルズはクラプトンと共にレコーディングに入り、クラプトンはアーティガン、トム・ダウドと共同でプロデュースにも携わった[1]。当時クラプトンはヘロイン依存の問題を抱えており、ガイは「後々エリックは俺に、このレコードを作ったことは殆ど記憶にないって言っていたよ。当時の彼は四六時中ハイになっていた」と語っている[2]。なお、クラプトンは後にガイの『Damn Right, I’ve Got the Blues』(1991年)、『Skin Deep』(2008年)といったアルバムにもゲスト参加している[3]。
1970年の録音は一旦棚上げとなるが、1972年にガイとJ・ガイルズ・バンドにより録音された2曲が追加されて、本作が完成した[2][4]。なお、1972年のセッションはウェルズ不在で行われ、マイケル・カスクーナがプロデュースした[1]。
評価
[編集]Bill Dahlはオールミュージックにおいて5点満点中3.5点を付け「このアルバムの制作過程に問題があったことを考えれば、とても素晴らしい結果に至った」と評している[4]。また、ロバート・クリストガウは「ウェルズがブルー・ロックで制作したR&B寄りのアルバムが証明しているように、ブルースの聴衆を広げようという試みは、どんな方法であれ概ね失敗に終わるが、少なくともこのアルバムは音楽的に成功しており、ウェルズがヴァンガードやデルマークに残してきた作品と同様リラックスして、熱烈で、そして正統派の内容だ」と評している[5]。
2013年には、Ted Drozdowskiによって「エリック・クラプトンのサイドマンとしての録音ベスト10」の一つに選出された[3]。
収録曲
[編集]- ア・マン・オブ・メニー・ワーズ - "A Man of Many Words" (Buddy Guy) - 4:02
- マイ・ベイビー・シー・レフト・ミー - "My Baby She Left Me (She Left Me a Mule to Ride)" (Sonny Boy Williamson I) - 3:11
- カム・オン・イン・ディス・ハウス/ハヴ・マーシー・ベイビー - "Come on in This House / Have Mercy Baby" (Junior Wells) - 4:23
- T-ボーン・シャッフル - "T-Bone Shuffle" (T-Bone Walker) - 4:19
- ア・プア・マンズ・プリー - "A Poor Man's Plea" (J. Wells) - 3:13
- メッシン・ウィズ・ザ・キッド - "Messin' with the Kid" (Mel London) - 2:15
- ディス・オールド・フール - "This Old Fool" (B. Guy) - 3:10
- アイ・ドント・ノウ - "I Don't Know" (Willie Mabon) - 4:30
- バッド・バッド・ウィスキー - "Bad Bad Whiskey" (Thomas Davis) - 4:15
- ハニードリッパー - "Honeydripper" (Joe Liggins) - 3:50
参加ミュージシャン
[編集]1970年10月、マイアミ
[編集]- バディ・ガイ - ボーカル、ギター
- ジュニア・ウェルズ - ボーカル、ハーモニカ
- エリック・クラプトン - ギター、スライドギター
- A.C.リード - サクソフォーン
- ドクター・ジョン - ピアノ(on #1, #4, #6)
- マイク・アトリー - ピアノ、ハモンドオルガン(on #2, #3, #5, #8, #9)
- カール・レイドル - ベース(on #1)
- リロイ・スチュワート - ベース(on #2, #3, #4, #5, #6, #8, #9)
- ジム・ゴードン - ドラムス(on #1)
- ルーズベルト・ショウ - ドラムス(on #2, #3, #4, #5, #6, #8, #9)
1972年4月、ボストン
[編集]- バディ・ガイ - ボーカル、ギター
- J・ガイルズ - リズムギター
- マジック・ディック - ハーモニカ
- セス・ジャストマン - ピアノ
- ダニー・クレイン - ベース
- スティーヴン・ジョー・ブラッド - ドラムス
- ジューク・ジョイント・ジミー - フット・タッピング
脚注
[編集]- ^ a b c d e LP裏ジャケット記載のクレジットに準拠。
- ^ a b c Perna, Alan Di (2008年12月9日). “Buddy Guy: A Man and His Blues - Page 3”. Guitar World. NewBay Media. 2015年12月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年11月14日閲覧。
- ^ a b Drozdowski, Ted (2013年3月27日). “10 Best Eric Clapton's Sideman Recordings”. Gibson. 2018年12月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年11月14日閲覧。
- ^ a b Dahl, Bill. “Play the Blues - Buddy Guy, Junior Wells”. AllMusic. 2015年12月30日閲覧。
- ^ Christgau, Robert. “CG: Buddy Guy & Junior Wells”. 2015年12月30日閲覧。