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ホッピン・ジョン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ホッピン・ジョン
別名 カロライナ・ピー・アンド・ライス
発祥地 アメリカ南部
地域 サウスカロライナ州及びノースカロライナ州
主な材料 黒目豆、刻んだタマネギ、薄く切ったベーコン
派生料理 従来のベーコンの代用品としてハムホック、ブタの背脂、カントリーソーセージ 、また、豚肉の代わりにスモークターキー
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ホッピン・ジョン (英語: Hoppin' John) は、カロライナ・ピー・アンド・ライス (英語: Carolina peas and rice) とも呼ばれ、アメリカ南部で食べられているの料理である。サウスカロライナ・ローカントリーの伝統料理に由来する。新年を祝う際に食されることがある。

材料と食べ方

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ササゲ(主に黒目豆、シーアイランドではシーアイランドレッドピー、アメリカ南東部ではアイロンアンドクレイピーズ)と、刻んだタマネギ、薄く切ったベーコンを使い、塩で味付けをして作る[1] 。ベーコンの代わりにハムホック、ブタの背脂、カントリーソーセージ、スモークターキーなどを使うレシピもある。また、ピーマン香辛料を使うレシピもある。黒目豆よりも小さい莢豌豆は、サウスカロライナ・ローカントリージョージア州の沿岸部で使われ、その他の地域では黒目豆が主流である。

アメリカ南部では、元旦にホッピン・ジョンを食べると、幸運に満ちた繁栄の年になると考えられている[2][3]。ササゲなどの豆類は1セント硬貨や小銭の象徴で、鍋に硬貨を入れたり、夕食用のボウルの下に入れておいたりすることもある[4]。この料理と一緒に出されるコラードの葉、カラシナの葉、カブラナの葉、フダンソウケールキャベツなどの葉物野菜は、アメリカのドル紙幣と似た緑色をしていることから、さらに豊かさを増す縁起の良いものだと考えられている[5]。また、もう一つの伝統的な食べ物であるコーンブレッドも金の色をしていることから、富を表すために出されることがある。元旦の翌日に残った「ホッピン・ジョン」は「スキッピン・ジェニー」と呼ばれ、さらに倹約していることを示すとともに、新年のさらなる繁栄を願って食される[6]

語源

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ホッピン・ジョン - 黒目豆と米

オックスフォード英語辞典の中で最初の料理への言及はフレデリック・ロー・オルムステッドが記した19世紀の旅行記『沿岸の奴隷国家への旅』(A Journey in the Seaboard Slave States、1861年)である[7]。しかし、1847年に出版されたサラ・ラトリッジが書いた『カロライナの主婦』(The Carolina Housewife) にある「ホッピン・ジョン」のレシピも最古の文献として引用されている[8][9] 。さらに古い文献は『南部の夫人の記憶』 (Recollections of a Southern Matron) があり、早ければ1838年に「ホッピン・ジョン」(注釈では「ベーコンとライス」と定義されている)について言及している[10][11] 。名前の由来は不明だが、ハイチ・クレオール語黒目豆を意味するpois pigeons (発音: [pwapiˈʒɔ̃])、つまり英語で"pigeon peas"といわれるものを指す単語がなまったものが一つの可能性として挙げられる[12]

歴史

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ホッピン・ジョンはもともと南部全体に広がる前はサウスカロライナ・ローカントリーの食べ物だった。奴隷にされてアメリカ大陸へ渡航する最中に西アフリカ人が最低限の食料としていた米と豆の混合物から発展したかもしれないと考えられている[13]。西アフリカの類似している料理[9]、特にセネガルの料理であるthiebou niebeにまでさかのぼることができる[14]

アメリカでは、新年が幸運、富、ロマンスで満ちたものになるようにするために食事の際にそれぞれの人が皿に3粒の豆を残すという伝統がある。また、一皿に盛られた豆の数を数えることで、食事が来たるべき年にもたらしてくれる運勢(または財産)の大きさを予測することができるという伝統もある。サペロ島のホッグハンモックという地域では、黒目豆の代わりにギーチーレッドピーが使われている。シーアイランドレッドピーはギーチーレッドピーに似ている[15]

アメリカ人シェフのショーン・ブロックは、伝統的なホッピン・ジョンは一度絶滅したと思われていたカロライナ・ゴールド・ライスとシーアイランドレッドピーを使って作られたと主張している。彼は農家と協力してこの品種を再導入した。2017年の時点で、いくつかの米生産者がカロライナ・ゴールド・ライスを売り出している[16]

脚注

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  1. ^ Hoppin John What's cooking America.Another name for it is Stew Peas
  2. ^ "On New Year's Day, it gets the full Southern treatment, which usually means Hoppin' John – a traditional Soul Food fixin' consisting of F peas cooked with ham hocks and spices, served over rice. In the South, eating field-peas on New Year's is thought to bring prosperity" Celebrate New Year's with Field- peas by Rachel Ellner 31 December 2008 Nashua Telegraph
  3. ^ Chesman, Andrea (1998). 366 Delicious Ways to Cook Rice, Beans, and Grains. New York: Plume. p. 51. ISBN 978-0-452-27654-3. https://books.google.com/books?id=k5psVbxGQkIC&q=Hoppin%27+John&pg=PA51 
  4. ^ "'Eat poor on New Year's and eat fat the rest of the year,' echoed the refrain...A shiny dime is often thrown into the Hoppin' John cooking pot and the person getting the dime in their bowl is due an extra portion of good luck." Field Peas: New Year's good-luck foods by Mick Vann 26 December 2008 Food section Austin Chronicle
  5. ^ "Collard greens (or kale, chard, mustard, or turnip greens) symbolize money in the South" Beyond Field - Peas: New Year's good-luck foods by Mick Vann 26 December 2008 Food section Austin Chronicle
  6. ^ "On the day after New Year's Day, leftover "Hoppin' John" becomes "Skippin' Jenny" and eating it demonstrates powerful frugality, bringing one even better chances of prosperity." Beyond Black-Eyed Peas: New Year's good-luck foods by Mick Vann 26 December 2008 Food section Austin Chronicle
  7. ^ Olmsted, Frederick Law『A Journey in the Seaboard Slave States』Mason Brothers、New York、1861年、506頁。LCCN 19-12177https://books.google.com/books?id=koMIAAAAQAAJ&pg=PA5063 January 2013閲覧 
  8. ^ Sarah, Rutledge (1979). “Hopping John”. The Carolina Housewife. Columbia: University of South Carolina Press. p. 83. ISBN 0872493830. https://books.google.com/books?id=LHsO_WjgEyMC&pg=PA83 3 January 2013閲覧。 
  9. ^ a b Twitty, Michael W. (2011). “Hoppin' John”. In Katz-Hyman, Martha B.; Rice, Kym S.. World of a slave. Santa Barbara, California: Greenwood. pp. 280–281. ISBN 9780313349447. https://books.google.com/books?id=iU8GyhJ1veEC&pg=PA280 3 January 2013閲覧。 
  10. ^ Gilman, Caroline Howard (1838). Recollections of a Southern Matron. New York: Harper & Brothers. p. 124. LCCN 06-44035. https://books.google.com/books?id=QQQZAAAAYAAJ&pg=PA124 3 January 2013閲覧。 
  11. ^ Thornton, Richard H (1912). “Hopping John”. An American Glossary. 1. Philadelphia: J.B. Lippincott company. p. 449. LCCN 30-25356. https://books.google.com/books?id=yY0VAAAAYAAJ&pg=PA449 3 January 2013閲覧。 
  12. ^ Carman, Tim (2011年12月27日). “A New Year’s tradition, born from slavery” (英語). Washington Post. ISSN 0190-8286. https://www.washingtonpost.com/lifestyle/food/a-new-years-tradition-born-from-slavery/2011/12/21/gIQA63UfKP_story.html 2021年11月22日閲覧。 
  13. ^ Opie, Frederick Douglass (2008). Hog & Hominy: Soul Food from Africa to America. New York: Columbia University Press. pp. 96–97. ISBN 9780231517973. https://books.google.com/books?id=UMIlaqxv01sC&pg=PT96 3 January 2013閲覧。 
  14. ^ Twitty, Michael W. (2012). “The Transnational Dish of the Motherland: The African Roots of Rice and Beans”. In Wilk, Richard; Barbosa, Livia. Rice and Beans: A Unique Dish in a Hundred Places. London: Berg. p. 30. ISBN 9781847889041. https://books.google.com/books?id=-YmUjqQN3HkC&pg=PA30 3 January 2013閲覧。 
  15. ^ The pea that could; Geechee red peas from Sapelo Island offer new hope for a community by John T. Edge January 2014 Southern Living page 62
  16. ^ Charlie Rose Interview, Episode 129, Season 20

外部リンク

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