ボーン・アルティメイタム
ボーン・アルティメイタム | |
---|---|
The Bourne Ultimatum | |
監督 | ポール・グリーングラス |
脚本 |
トニー・ギルロイ スコット・Z・バーンズ ジョージ・ノルフィ |
原案 | トニー・ギルロイ |
原作 |
ロバート・ラドラム 『最後の暗殺者』 |
製作 |
パトリック・クロウリー フランク・マーシャル ポール・L・サンドバーグ |
製作総指揮 |
ダグ・リーマン ジェフリー・M・ワイナー ヘンリー・モリソン |
出演者 | マット・デイモン |
音楽 | ジョン・パウエル |
主題歌 | モービー「Extreme Ways ~Bourne's Ultimatum~」 |
撮影 | オリヴァー・ウッド |
編集 | クリストファー・ラウズ |
製作会社 |
ケネディ/マーシャル ラドラム・エンターテインメント |
配給 |
ユニバーサル映画 東宝東和 |
公開 |
2007年8月3日 2007年11月10日 |
上映時間 | 115分 |
製作国 |
アメリカ合衆国 ドイツ フランス スペイン[1] |
言語 |
英語 フランス語 アラビア語 ロシア語 スペイン語 |
製作費 | $110,000,000[2] |
興行収入 |
$442,824,138[2] 16.5億円[3] |
前作 | ボーン・スプレマシー |
次作 | ボーン・レガシー |
『ボーン・アルティメイタム』(The Bourne Ultimatum)は、2007年のアメリカ合衆国のサスペンス・アクション映画。記憶を失った暗殺者ジェイソン・ボーン(Jason Bourne)を主人公とした『ボーン』シリーズの3作目であり、『ボーン・スプレマシー』の続編。監督は前作に引き続きポール・グリーングラス、出演はマット・デイモン、ジョアン・アレンなど。原題はロバート・ラドラムの『最後の暗殺者』の原題と同じであるが、ストーリーはまったく異なり映画オリジナルである。CIAの秘密作戦を世間に知らせようとする内部関係者を巡って、過去の記憶を取り戻そうとするボーンとCIAが争う。なお、題名のアルティメイタムとは最後通牒のこと。
北アメリカでは2007年7月25日にプレミア上映されたのち、8月3日に3660館で公開され、週末興行成績で初登場1位になった。日本では同年11月10日に日劇1ほかで公開された。全世界で4億4410万ドルを売り上げ、デイモンが主演した作品の中で当時最高の興行収入を記録した。批評家からも絶賛され、シリーズ最高傑作と評された。ナショナル・ボード・オブ・レビューでは 2007年のトップ10作品に選ばれ、第80回アカデミー賞では、編集賞、録音賞、音響効果賞を受賞した。
あらすじ
[編集]アメリカ合衆国の秘密プロジェクトとして、CIAが主宰した人間兵器作成計画「トレッド・ストーン作戦」の第1号として世へ送り出されたジェイソン・ボーンは、ある任務をきっかけに記憶を喪失してしまい、図らずも所属元のCIAから追われる。ボーンは記憶を取り戻す旅を続けながら、CIAと戦い、現場責任者であったコンクリンを追い詰めて恫喝して去る。しかし総責任者のアボットはコンクリンを暗殺、全ての責任を彼へ被せ「トレッド・ストーン作戦」を中止した。そして新たなプランとして「ブラックブライアー作戦」を開始する。しかし、イギリスの新聞記者サイモン・ロスが闇に葬られたはずの「トレッドストーン作戦」の存在を嗅ぎつけ内容を世間に暴露しようとする。ボーンは新聞記事を見てロスへ接触したが、ロスはCIAのスナイパーに射殺されてしまう。ボーンがロスの死の直前に聞いたのは「トレッド・ストーン作戦」の発展版「ブラック・ブライヤー(黒い荊棘)作戦」が進行中という情報だった。ロスへ接触した為、存在をCIAに察知されてしまったボーンは、またしてもCIAに命を狙われながら、自分を追う者の正体と自分が誰であるかを捜し求めて、再び動き始める。
登場人物
[編集]- ジェイソン・ボーン
- 演 - マット・デイモン
- CIAが主宰した人間兵器作成計画「トレッド・ストーン作戦」の第1号。今でもCIAに追われている。サイモンの遺した手帳からも調査を始める。
- ニッキー・パーソンズ
- 演 - ジュリア・スタイルズ
- CIA職員。一時期ボーンと行動を共にしていた。
- パメラ・ランディ
- 演 - ジョアン・アレン
- CIAのエージェント。かつてボーンの動向を追っていた。今回もボーン追跡に加わるがボーンにはそれなりの理解がある。
- ノア・ヴォーゼン
- 演 - デヴィッド・ストラザーン
- CIA対テロ極秘調査局員。作戦の存在が外部に漏れることを恐れ、情報を特定されてしまった問題の収束に動き出す。
- エズラ・クレイマー
- 演 - スコット・グレン
- CIA長官。未だにボーンを危険視している。事件の責任を問われ、更迭される。
- アルバート・ハーシュ
- 演 - アルバート・フィニー
- 博士。「トレッドストーン作戦」の関係者の一人。ボーン誕生となった張本人でもある。
- サイモン・ロス
- 演 - パディ・コンシダイン
- ガーディアン紙の記者。ニールから新たな作戦についての情報を仕入れ、このことを世間に公表しようとする。
- ニール・ダニエルズ
- 演 - コリン・スティントン
- CIAのマドリッド支局長。サイモンに情報を話す。ディシュに爆殺される。
- ウィリス
- 演 - コーリイ・ジョンソン
- ヴォーゼンの部下。
- トム・クローニン
- 演 - トム・ギャロップ
- ランディの部下。
- バズ
- 演 - エドガー・ラミレス
- ヴォーゼンの仲間。暗殺を命じられる。
- マーティン・クルーツ
- 演 - ダニエル・ブリュール
- マリーの兄。ボーンが妹の敵討ちをしたことを知り、更なる陰謀を暴くことをする意思を見届ける。
- ワード・アボット
- 演 - ブライアン・コックス
- 自白の録音音声。
- ディシュ
- 演 - ジョーイ・アンサー
- 暗殺者。ヴォーゼンにより送り込まれる。
キャスト
[編集]役名 | 俳優 | 日本語吹替 | |
---|---|---|---|
ソフト版 | フジテレビ版 | ||
ジェイソン・ボーン | マット・デイモン | 平田広明 | 三木眞一郎 |
ニッキー・パーソンズ | ジュリア・スタイルズ | 沢海陽子 | 百々麻子 |
パメラ・ランディ | ジョアン・アレン | 小山茉美 | 山像かおり |
ノア・ヴォーゼン | デヴィッド・ストラザーン | 小川真司 | 大塚芳忠 |
エズラ・クレイマーCIA長官 | スコット・グレン | 伊藤和晃 | 小林清志 |
アルバート・ハーシュ博士 | アルバート・フィニー | 大塚周夫 | 石田太郎 |
サイモン・ロス | パディ・コンシダイン | 田中完 | 横堀悦夫 |
ニール・ダニエルズ | コリン・スティントン | 岩崎ひろし | |
ウィリス(ヴォーゼンの部下) | コーリイ・ジョンソン | 楠大典 | |
トム・クローニン(ランディの部下) | トム・ギャロップ | 古澤徹 | 相沢まさき |
バズ | エドガー・ラミレス | 伊丸岡篤 | 竹田雅則 |
マーティン・クルーツ(マリーの兄) | ダニエル・ブリュール | 前野智昭 | 咲野俊介 |
ワード・アボット(自白の録音音声) | ブライアン・コックス | 糸博 | 富田耕生 |
日本語版その他出演 | 志村知幸 西前忠久 髙階俊嗣 白熊寛嗣 櫛田泰道 久嶋志帆 東條加那子 |
谷昌樹 赤城進 魚建 風間秀郎 堀川仁 加納千秋 小幡あけみ 斉藤次郎 広田みのる 丸山壮史 永木貴依子 小林美奈 藤本教子 榊原奈緒子 | |
日本語版制作スタッフ | |||
演出 | 神尾千春 | 高橋剛 | |
翻訳 | 平田勝茂 | 栗原とみ子 | |
調整 | 菊池悟史 | 栗林秀年 | |
効果 | 渡辺基 | ||
プロデューサー | 中島良明 小林裕幸(フジテレビ) | ||
制作 | ACクリエイト | ニュージャパンフィルム | |
初回放送 | 2009年10月30日 『土曜プレミアム』 21:00-23:10 |
スタッフ
[編集]- 監督:ポール・グリーングラス
- 製作:フランク・マーシャル、パトリック・クローリー、ポール・L・サンドバーグ
- 製作総指揮:ジェフリー・M・ワイナー、ヘンリー・モリソン、ダグ・リーマン
- 原作:ロバート・ラドラム
- 原案:トニー・ギルロイ
- 脚本:トニー・ギルロイ、スコット・Z・バーンズ、ジョージ・ノルフィ
- 撮影:オリヴァー・ウッド
- プロダクションデザイン:ピーター・ウェナム
- 衣装デザイン:シェイ・カンリフ
- 編集:クリストファー・ラウズ
- 音楽:ジョン・パウエル
- スタントコーディネーター:ジェフ・イマダ
評価
[編集]レビュー・アグリゲーターのRotten Tomatoesでは268件のレビューで支持率は92%、平均点は8.00/10となった[4]。Metacriticでは38件のレビューを基に加重平均値が85/100となった[5]。
主な受賞
[編集]- アカデミー賞:編集賞、録音賞、音響効果賞
- 英国アカデミー賞:編集賞、音響賞
- 全米映画俳優組合賞:スタント・アンサンブル賞
- ラスベガス映画批評家協会賞:編集賞
- ロンドン映画批評家協会賞:英国監督賞
- 英国エンパイア映画賞:作品賞
- ゴールデン・トマト・アウォーズ:アクション作品部門1位
続編
[編集]主演のマット・デイモンは、2007年に訪れたカンヌ国際映画祭にて「『ボーン』シリーズは3作目でラスト」とコメントしていたが、その後、続編の製作が決定した[6]。シリーズ4作目となる『ボーン・レガシー』では、グリーングラス監督の降板に伴い主演のマット・デイモンも出演しないことが決まっている。
原作小説
[編集]この映画シリーズは、ロバート・ラドラムによる長編小説『暗殺者』(The Bourne Identity、1980年)、『殺戮のオデッセイ』(The Bourne Supremacy、1986年)、『最後の暗殺者』(The Bourne Ultimatum、1990年)のボーン3部作を原作としている。
なお、ロバート・ラドラムの死後、エリック・ヴァン・ラストベーダーによって、続編『ボーン・レガシー』(2004年)、『ボーン・ビトレイヤル』(2007年)、『ボーン・サンクション』(2007年)が書かれている。
備考
[編集]- この作品よりユニバーサル映画作品の日本での配給元が東宝東和に変更され、DVDの発売・販売権も本作以降ジェネオンエンタテインメント(現:NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン)に移行された。
脚注
[編集]- ^ “The Bourne Ultimatum”. IMDb. 2024年1月29日閲覧。
- ^ a b “The Bourne Ultimatum (2007)” (英語). Box Office Mojo. 2010年2月6日閲覧。
- ^ 2007年興行収入10億円以上番組 (PDF) - 日本映画製作者連盟
- ^ "The Bourne Ultimatum". Rotten Tomatoes (英語). Fandango Media. 2023年1月24日閲覧。
- ^ "The Bourne Ultimatum" (英語). Metacritic. Red Ventures. 2023年1月24日閲覧。
- ^ シネマ・トゥディ (2008年10月20日). “『ボーン・アイデンティティー』シリーズ4作目の脚本家決定”. 2009年6月2日閲覧。
外部リンク
[編集]- ボーンシリーズ
- 2007年の映画
- アメリカ合衆国の続編映画
- ロンドンを舞台とした映画作品
- ニューヨーク市を舞台とした映画作品
- パリを舞台とした映画作品
- スペインを舞台とした映画作品
- モスクワを舞台とした映画作品
- モロッコを舞台とした映画作品
- クイーンズを舞台とした映画作品
- ニュージャージー州で製作された映画作品
- ニューヨーク市で製作された映画作品
- パリで製作された映画作品
- ベルリンで製作された映画作品
- マドリードで製作された映画作品
- モロッコで製作された映画作品
- ロンドンで製作された映画作品
- パインウッド・スタジオで製作された映画作品
- ポール・グリーングラスの監督映画
- ジョン・パウエルの作曲映画
- ユニバーサル・ピクチャーズの作品
- バーベルスベルク・スタジオの作品
- 健忘を題材とした映画作品
- 復讐を題材とした映画
- アカデミー賞受賞作
- 英国アカデミー賞受賞作