ポップオーバー
ポップオーバー | |
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種類 | ロールパン |
発祥地 | アメリカ合衆国 |
主な材料 | バッター生地 (鶏卵, 小麦粉) |
ポップオーバー(英語: popover)は、鶏卵を含む小麦粉の生地で作られるロールパンの一種。ヨークシャー・プディングと似ており、一般的にはマフィン用の型、ココット、あるいは専用のポップオーバー用の型で焼かれる。
ポップオーバーは菓子(例えば果物とホイップクリームでトッピングしたりバターとジャムを塗り朝食やアフタヌーンティーに提供したりされる)として、あるいはビスケットやイギリスのスコーンと同様に昼食や夕食の食事としても提供されうる。
日本においても2014年ごろから提供される店が増えてきており、一時はブームになりつつあった[1][2]。
名称
[編集]ポップオーバー(popover)という名前は、焼いている最中に膨らんだ生地が飛び出し(pop)、容器に覆いかぶさる(over)ことに由来する。またの名前をラップランダー(Laplander)ともいうが[3]、これはサーミ人(ラップランド人)を指す古い言葉である。
歴史
[編集]ポップオーバーは、相当の進化を遂げている[4]ものの、17世紀からイングランドで作られてきたヨークシャー・プディングや類似のバター・プディングのアメリカバージョンであるといえる[5]。
知られている中で最も古いポップオーバーに関する言及は、1850年のE. E. スチュアートの手紙の中にある[6]。 ポップオーバーのレシピが掲載された最初の料理本は、1876年に発売されたM.H.ヘンダーソンの「プラクティカル・クッキング」(Practical Cooking)である[7]。料理本以外で初めてポップオーバーに言及した書籍は1892年に発行されたA.A.ヘイズのJesuit's Ringである。
エヴァン・ジョーンズによるアメリカの料理 (1974)は以下のように述べている。「メイン州から来たポートランドの入植者たちは、ヨークシャー州のプディングを、ローストビーフ、時にはローストポークの肉汁で滑りを良くしたカスタード・カップの中のバターを使うことでアメリカナイズした。別のアレンジではニンニクを使用し、しばしばハーブも用いる。この料理は、それぞれのパリパリした肉の風味のペイストリーが膨らむことから、ポートランド・ポップオーバー・プディングと呼ばれている。」。
他のアメリカのポップオーバーのバリエーションには、小麦粉をカボチャのピューレに置き換え、オールスパイスやナツメグなどのスパイスを加えたものがある。しかし今日のアメリカのポップオーバーの大半は、肉やハーブで味付けされない生地そのもののシンプルなものである。
オグデン・ナッシュは歴史的出来事の順序をこのようにひっくり返している。
Let's call Yorkshire pudding
A fortunate blunder:
It's a sort of popover
That turned and popped under.
脚註
[編集]- ^ 外はサクッ、中はもちっ! 新食感デザート「ポップオーバー」日経BP
- ^ ニューヨークなどで話題の「ポップオーバー」 特徴的な形のパンを紹介ライブドアニュース
- ^ Prescott, Augusta S (1889). Journal cook book
- ^ Beard, James (1996-10-01). James Beard's American Cookery. ISBN 9780883659588
- ^ McGee, Harold (2004-11-16). On Food and Cooking: The Science and lore of the Kitchen. p. 551. ISBN 9780684800011
- ^ オックスフォード英語辞典
- ^ Henderson, Mary F. (1876). Practical Cooking and Dinner Giving 2009年10月11日閲覧。