ミルセノール
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ミルセノール Myrcenol | |
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2-Methyl-6-methylideneoct-7-en-2-ol | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 543-39-5 |
PubChem | 10975 |
ChemSpider | 10510 |
UNII | X4XS5MYJ20 |
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特性 | |
化学式 | C10H18O |
モル質量 | 154.25 g mol−1 |
外観 | 無色の液体 |
密度 | 0.85 g/cm3 |
危険性 | |
引火点 | 89℃(クリーブランド開放式)[1] |
半数致死量 LD50 | 5.3mg/kg(ラット、経口)[1] |
関連する物質 | |
関連する異性体 | C10H18Oを参照 |
関連物質 | ミルセン ジヒドロミルセノール |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
ミルセノール(英: Myrcenol)は、化学式C10H18Oで表されるテルペンの一種である。ホップ油に含まれ、ビールの香りの構成に寄与する。
性質
[編集]フローラル、ライム様の香りを持つ無色の液体で、安定性は高くなく重合して粘度を増す傾向がある。天然にはホップの精油に含まれる[1]。GABAA受容体応答の亢進作用がみられ、同様の作用を持つビール香気成分のリナロールやゲラニオールとともにリラックス効果や、エタノールの持つストレス緩和効果を増強するとの研究がある[2][3]。キクイムシに対してはフェロモンの作用を持つ[4]。
合成
[編集]ミルセンを酢酸一硫酸で酢酸エステルとしたのちに加水分解する方法、ミルセンを塩素化したのちに加水分解する方法、ミルセンをスルホン付加体としジエン構造を保護したのちに加水する方法などがある。比較的新しい方法としてミルセンからゲラニルジエチルアミンを作り、これを加水することにより効率よく製造することができる[1]。
用途
[編集]フローラル・シトラス系の調合香料に使われるほか、ジヒドロミルセノールやリラールの合成原料としても重要である。市販品はα‐テルピネオールを含有するものが多く、フタル酸ジメチルで希釈されている製品もある[1]。
出典
[編集]- ^ a b c d e (合成香料編集委員会 2016, pp. 79–80)
- ^ 蛸井潔「ビールをはじめとする酒類の香り研究について」(PDF)『日本醸造協会誌』第110巻第7号、日本醸造協会、2015年7月、479-488頁、ISSN 09147314、2021年8月8日閲覧。
- ^ 好田裕史. “ビール香気成分のストレス緩和作用” (PDF). 酒類総合研究所. 2021年8月8日閲覧。
- ^ E-Myrcenol in Ips duplicatus: An aggregation pheromone component new for bark beetles. Byers, J.A., Schlyter, F., Birgersson, G., & Francke, W. 1990 Experientia 46:1209-1211.
参考文献
[編集]- 合成香料編集委員会『合成香料 化学と商品知識(増補新版)』化学工業日報社、2016年。ISBN 978-4-87326-677-0。