ヨーロッパツーリングカー選手権
ヨーロッパツーリングカー選手権(Europe Touring Car Championship)は、欧州各国をラウンドして行われた、ツーリングカーレースのシリーズ名称。1963年から1988年まで行われたセミ耐久レースを「ETC」、2000年から2004年まで行われたスプリントレースを「ETCC」と称するのが一般的である。
概要
[編集]1963年にヨーロッパツーリングカップとしてスタートし、翌年からヨーロッパツーリングカー選手権となった。参加できる車両は量産市販車ベースの車両が中心で、シリーズには「ツーリスト・トロフィー」(シルバーストン)、「スパ・フランコルシャン24時間」などの伝統あるイベントも含まれた。一時期停滞したが、1982年に国際自動車連盟(FIA)のグループA規定を導入してから隆盛を迎え、BMW・635CSi、ジャガー・XJ-S、ローバー・ヴィテス、ボルボ・240ターボ、トヨタ・カローラGTクーペ[1]などが活躍した。1986年には「FIAツーリングカー選手権」(TCC)と改称し、翌1987年からは、フォーミュラ1、スポーツプロトタイプ、ラリーに次ぐ4番目の世界選手権、世界ツーリングカー選手権(WTC)に発展した。しかしWTCはわずか1年で崩壊し、翌1988年には元の欧州選手権(ETC)に戻ることとなる。そしてそのETCも1988年一杯で終焉を迎える。
ETC崩壊後、欧州のツーリングカーレースは各国独自に行われるようになり、レース形式もセミ耐久からスプリント主流となる。グループAに代わるFIAクラス2規定(スーパーツーリング/グループST、2.0 L NA 4ドア車両)はイギリスを中心に一時かなりの隆盛を迎えるが、その後衰退。
2000年にイタリアとドイツの国内選手権が統合し、新たにスーパーツーリングとスーパープロダクションによる「ヨーロッパスーパーツーリングカーカップ」をスタートさせる。12年ぶりの欧州選手権の復活だが、かつてのセミ耐久レースと区別するためETCCと称される。2001年にこれは「ヨーロッパスーパーツーリングカー選手権」へと改名される。
このETCCが2002年にスーパー2000規定に切り替えて「ヨーロッパツーリングカー選手権」に改名し、2005年にこれをベースに発展させ、19年ぶりに世界ツーリングカー選手権(WTCC)が復活することとなる。
その後欧州のシリーズも格下げされつつも「ヨーロッパツーリングカーカップ」として、2017年までスーパー2000とスーパー1600を用いるカテゴリとして存続した。現在はTCRヨーロッパに引き継がれている。
歴代チャンピオン
[編集]- ETCC
年 | ドライバーズ | マニュファクチャラーズ | 選手権名称 |
---|---|---|---|
2000年 | ファブリツィオ・ジョヴァナルディ(チームノルダウト) | (無し) | European Super Touring Cup |
2001年 | ファブリツィオ・ジョヴァナルディ(チームノルダウト) | (無し)[2] | FIA European Super Tourring Championship |
2002年 | ファブリツィオ・ジョヴァナルディ(N・テクノロジー) | アルファロメオ | FIA Europe Touring Car Championship |
2003年 | ガブリエル・タルキーニ(N・テクノロジー) | BMW | FIA Europe Touring Car Championship |
2004年 | アンディ・プリオール(BMWチーム・UK) | BMW | FIA Europe Touring Car Championship |
脚注
[編集]- ^ 英国ツーリングカー選手権を勝ったハチロク! カローラクーペが30年ぶりに復活の激走! - グーネット(2017.08.10 UP)2018年10月18日閲覧
- ^ 2000年と2001年について、マニュファクチャラーズタイトルは設けられなかったが、チームタイトルはアルファ・ロメオワークスのチームノルダウト(Team Nordauto)が獲得した