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ライアン・デンプスター

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ライアン・デンプスター
Ryan Dempster
ボストン・レッドソックスでの現役時代
(2013年6月14日)
基本情報
国籍 カナダの旗 カナダ
出身地 ブリティッシュコロンビア州シーシェルト
生年月日 (1977-05-03) 1977年5月3日(47歳)
身長
体重
6' 2" =約188 cm
215 lb =約97.5 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 投手
プロ入り 1995年 ドラフト3巡目でテキサス・レンジャーズから指名
初出場 1998年5月23日
最終出場 2013年9月29日
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)
国際大会
代表チーム カナダの旗 カナダ
WBC 2017年

ライアン・スコット・デンプスターRyan Scott Dempster , 1977年5月3日 - )は、カナダ連邦ブリティッシュコロンビア州シーシェルト出身の元プロ野球選手投手)。右投右打。現在はMLBシカゴ・カブスの野球編成部門社長補佐を務めている。

ウェイド・デービスと並んで、カブスの26試合連続セーブ成功の球団記録を持つ[1]

経歴

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プロ入りとレンジャーズ傘下時代

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1995年MLBドラフト3巡目(全体66位)でテキサス・レンジャーズから指名を受けプロ入り。

マーリンズ時代

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1996年8月8日にリック・ヘリングとのトレードジョン・バーケットとともにフロリダ・マーリンズへ移籍した[2]

1998年5月23日にメジャーデビューを果たした。

2000年は、5月7日のニューヨーク・メッツ戦では6回にマイク・ピアッツァに二塁打1本のみでメジャー完封勝利を達成[3]オールスターゲームに初選出を果たし、シーズントータルで14勝、防御率3.66、209三振でチーム投球三冠を達成し[4]ケビン・ブラウン1997年に記録した205三振の球団記録を更新した[5]

レッズ時代

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2002年7月11日にフアン・エンカーナシオンウィルトン・ゲレーロライアン・スネアとの1対3のトレードでシンシナティ・レッズへ移籍した。[2]

2003年8月に右肘を故障したためトミー・ジョン手術をし、11月に放出された[2]

カブス時代

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2004年1月21日にシカゴ・カブスと契約[2]

2005年は開幕前にクローザー起用が決まっていたが、マーク・プライアーが開幕を故障者リストで迎えたため先発投手として投げることになった[6]5月9日からは不調のラトロイ・ホーキンスに代わりクローザーとして起用され、先発登板時の防御率は5.35だったのがクローザーでは防御率1.85で、35回のセーブ機会で33セーブを記録した。この活躍が認められ、2008年までの3年1550万ドルで契約が延長された[7]

2006年は序盤は快調だったものの、33回のセーブ機会に対し24セーブしか記録できなかった。カブス移籍後の4年間で計87セーブを挙げた。

2008年からは先発投手へ再転向した。開幕から7月8日まで、1977年リック・ラッシェル以来となるホーム球場の10連勝を記録し[8]、自己最多の17勝を記録。オールスターゲームにも8年ぶりに選出を果たした。オフに3年契約を満了しFAとなったデンプスターに対しては、ニューヨーク・ヤンキースなど複数の球団が獲得に動くと思われていたが、11月18日、カブスと4年総額5200万ドルで契約延長した[9]

レンジャース時代

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2012年7月31日にカイル・ヘンドリックスクリスチャン・ビヤヌエバとのトレードで、古巣のレンジャーズへ移籍した[10]。シーズン終了後にFAとなった。

レッドソックス時代

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2012年12月19日に2年2650万ドルの契約でボストン・レッドソックスに移籍した[11]

2013年には初めてワールドシリーズ優勝を経験する。

2014年2月16日に2014年シーズンは首の故障や家庭の事情を理由にプレーしないことが発表された[12][13]2月22日に制限リスト入りした[14]10月8日に現役引退を表明した。

現役引退後

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2014年12月6日に古巣のシカゴ・カブスの野球編成部門社長補佐に就任した[15]

2017年2月8日に第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)カナダ代表に選出された[16]

人物

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普段は温厚で人柄が良く、カブス時代には名アナウンサーのハリー・ケリーの物真似を披露するなどムードメーカーの一面を持つ。また、チャリティ活動にも熱心で、2006年と2008年にはロベルト・クレメンテ賞の候補にノミネートされた。その一方で人一倍正義感が強く、2013年8月18日のニューヨーク・ヤンキース戦で、メジャーリーグベースボールのドーピング問題の渦中にあったアレックス・ロドリゲスに薬物使用に対する私的な激憤からか、故意に150kmの速球をぶつけ、両チーム入り乱れての乱闘に発展させた事がある(この際、ヤンキース監督のジョー・ジラルディ退場処分となった)[17]。8月20日、MLBから5試合の出場停止と罰金の処分が下された[18]

詳細情報

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年度別投手成績

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W
H
I
P
1998 FLA 14 11 0 0 0 1 5 0 0 .167 272 54.2 72 6 38 1 9 35 5 0 47 43 7.08 2.01
1999 25 25 0 0 0 7 8 0 0 .467 666 147.0 146 21 93 2 6 126 8 0 77 77 4.71 1.63
2000 33 33 2 1 0 14 10 0 0 .583 974 226.1 210 30 97 7 5 209 4 0 102 92 3.66 1.36
2001 34 34 2 1 0 15 12 0 0 .556 954 211.1 218 21 112 5 10 171 5 0 123 116 4.94 1.56
2002 18 18 3 0 0 5 8 0 0 .385 521 120.1 126 12 55 1 7 87 0 0 66 64 4.79 1.50
CIN 15 15 1 0 0 5 5 0 0 .500 394 88.2 102 16 38 1 3 66 2 0 61 61 6.19 1.58
'02計 33 33 4 0 0 10 13 0 0 .435 915 209.0 228 28 93 2 10 153 2 0 127 125 5.38 1.54
2003 22 20 0 0 0 3 7 0 0 .300 545 115.2 134 14 70 4 5 84 3 0 89 84 6.54 1.76
2004 CHC 23 0 0 0 0 1 1 2 3 .500 93 20.2 16 1 13 0 2 18 1 0 9 9 3.92 1.40
2005 63 6 0 0 0 5 3 33 0 .625 401 92.0 83 4 49 7 4 89 4 0 35 32 3.13 1.43
2006 74 0 0 0 0 1 9 24 2 .100 342 75.0 77 5 36 3 3 67 6 0 47 40 4.80 1.51
2007 66 0 0 0 0 2 7 28 0 .222 282 66.2 59 8 30 4 1 55 2 1 36 35 4.73 1.34
2008 33 33 1 0 0 17 6 0 0 .739 856 206.2 174 14 76 1 7 187 5 0 75 68 2.96 1.21
2009 31 31 1 1 0 11 9 0 0 .550 842 200.0 196 22 65 4 6 172 11 0 94 81 3.65 1.31
2010 34 34 1 0 0 15 12 0 0 .556 918 215.1 198 25 86 4 10 208 6 0 110 92 3.85 1.32
2011 34 34 0 0 0 10 14 0 0 .417 191 202.1 211 23 82 2 5 191 7 0 111 108 4.80 1.45
2012 16 16 0 0 0 5 5 0 0 .500 417 104.0 81 9 27 0 1 83 0 1 28 26 2.25 1.04
TEX 12 12 0 0 0 7 3 0 0 .700 300 69.0 74 10 25 0 1 70 2 0 43 39 5.09 1.43
'12計 28 28 0 0 0 12 8 0 0 .600 717 173.0 155 19 52 0 2 153 2 1 71 65 3.38 1.20
2013 BOS 32 29 0 0 0 8 9 0 0 .471 157 171.1 170 26 79 1 6 157 9 1 97 87 4.57 1.45
MLB:16年 579 351 11 3 0 132 133 87 5 .498 10412 2387.0 2347 267 1071 47 91 2075 80 3 1250 1154 4.35 1.43
  • 各年度の太字はリーグ最高

年度別守備成績

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投手(P)












記録

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背番号

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  • 50(1998年)
  • 46(1999年 - 2002年途中、2004年 - 2013年)
  • 34(2002年途中 - 2003年)

代表歴

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脚注

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  1. ^ Happ leads bats behind Quintana to edge Jays MLB.com (英語) (2017年8月20日) 2017年8月21日閲覧
  2. ^ a b c d Ryan Dempster Transactions” (英語). Baseball-Reference.com. 2008年12月15日閲覧。
  3. ^ May 7, 2000 New York Mets at Florida Marlins Play by Play and Box Score” (英語). Baseball-Reference.com. 2008年12月15日閲覧。
  4. ^ 2000 Florida Marlins Statistics and Roster” (英語). Baseball-Reference.com. 2008年12月15日閲覧。
  5. ^ Florida Marlins Pitching Leaders” (英語). Baseball-Reference.com. 2008年12月15日閲覧。
  6. ^ 友成那智村上雅則『メジャーリーグ・完全データ選手名鑑2006』廣済堂出版、2006年、347頁。ISBN 978-4-331-51146-6 
  7. ^ Associated Press (2005年10月1日). “Cubs give Dempster three-year, $15.5M extension” (英語). ESPN.com. 2008年12月15日閲覧。
  8. ^ CHICAGO (AP). “Dempster wins first 10 of 2008 at home as Cubs beat up Reds” (英語). ESPN.com. 2008年12月15日閲覧。
  9. ^ Zaccardi, Nick (2008年11月18日). “Cubs, Dempster agree to four-year deal Base contract of $52 million keeps All-Star where he wants to be” (英語). MLB.com. 2008年12月15日閲覧。
  10. ^ Texas Rangers land Chicago Cubs' Ryan Dempster ESPN
  11. ^ Ryan Dempster says he signed with Boston Red Sox to win ESPN Boston
  12. ^ Ian Browne (February 16, 2014). “Red Sox rotation deep even without Dempster”. MLB.com. February 17, 2014閲覧。
  13. ^ Ian Browne (February 16, 2014). “Dempster won't pitch for Red Sox in 2014”. MLB.com Phillies Press Release. February 17, 2014閲覧。
  14. ^ Red Sox sign left-handed pitcher Chris Capuano to one-year contract”. MLB.com Red Sox Press Release (February 22, 2014). February 23, 2014閲覧。
  15. ^ [m.cubs.mlb.com/news/article/103271188/former-pitcher-ryan-dempster-retires-with-cubs-joins-front-office-as-assistant Dempster retires with Cubs, joins front office]
  16. ^ Canada roster announced for 2017 World Baseball Classic Baseball Canada (英語) (2017年2月8日) 2017年3月16日閲覧
  17. ^ A・ロッドに球速150キロの死球、激怒のジラルディ監督が退場AFP通信、2013年8月19日記事。
  18. ^ Aロッドに故意死球…デンプスターに出場停止処分スポーツニッポン、2013年8月21日記事。

関連項目

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外部リンク

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