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リビア連絡調整グループ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

リビア連絡調整グループ(リビアれんらくちょうせいグループ、Libya Contact Group)は、2011年リビア内戦が発生したことを受け、同年3月29日イギリスロンドンにて開催されたリビアに関する国際会議にて設立された包括的組織である[1]。これはリビアに対し国際的に協調して対処すること、またリビアと国際社会を結ぶ窓口を確保することなどを目的としている[2]

日本の外務省では英語表記をほぼそのままカタカナ表記にしたリビア・コンタクト・グループ会合と呼称しており[2]、日本のメディアでは連絡調整グループ[3][4]のほかリビア連絡グループ[5]コンタクトグループ[6]とも呼ばれている。

会合の記録

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第1回目の協議は4月13日カタールドーハで開催され、主催の同国とイギリスなど21カ国と6つの国際組織のほか、リビア国民評議会マフムード・ジブリール執行委員会委員長(暫定首相)も参加した。議長声明においてリビア国民に対する支持を打ち出し、カッザーフィー政権(以下、カダフィ政権)による国民への暴力を即時停止するよう要求。また、リビア国民評議会をリビアを代表する対話者と位置づけ、人道的支援を約束。カダフィ政権の正統性は失われたとした。一方で反政府勢力に対する軍事支援に関しては意見が分かれ合意に至らなかった[4]

第2回目会合は5月5日イタリアローマで開催され、改めてカダフィ政権による国民への暴力を即時に停止し、また退陣するよう要求。リビア国民評議会の作成したロードマップを評価した[7]

第3回目会合は6月9日アブダビで開催され、国際的な意思統一の必要性が指摘されたほか、アフリカ連合に役割を期待する意見もあがった[8]。第4回目会合は7月15日トルコイスタンブールで開催され、議長声明においてリビア国民評議会を「リビアにおける正統な統治当局として取り扱う」と規定[9]

第5回目の会合は第66回国際連合総会にあわせて9月アメリカニューヨークで開催される予定であるが[9]8月20日以降の反カダフィ勢力による首都トリポリへの攻勢が予想を上回る速度で展開し、首都がほぼ陥落状態になったことを受け、8月22日フランスパリで臨時会合を8月下旬に開催するよう提案[5]。結局は8月25日にイスタンブールにて会合が行われ、復興支援についての話し合いが持たれた[10]ほか、カダフィに対して投降するよう呼びかけられた[11]

第6回目にして最後の会合はニコラ・サルコジが主導し、カダフィが政権を奪取してから42周年となる9月1日フランスパリで開催された。これまでの連絡調整グループの枠組みをさらに拡大させた会合リビア・フレンズ会合(the Friends of Libya)(新生リビア支援国際会議)である[12][13]。この中でアメリカなどは更に多くの国々、国際機関によるリビア国民評議会の政府承認を求めたが、アフリカ諸国の動きが決して芳しくないなどが指摘された[14]。9月20日にはアメリカのニューヨークで潘基文国際連合事務総長が主催するリビア・ハイレベル会合が行われた[15]

参加国・組織

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出席国とオブザーバーは以下のとおり。

国家

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国際組織・地域組織

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国家、国際組織・地域組織の出典は外務省による概要と評価のページにおける記載による。参考文献の節も参照されたい。

関連項目

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参考文献

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  • リビア - 外務省によるリビアに関する各ページ
  1. ^ “外相級会合でカダフィ後にらみ協議 連絡グループ設置へ”. 産経新聞. (2011年3月29日). http://sankei.jp.msn.com/world/news/110329/erp11032923240014-n1.htm 2011年8月22日閲覧。 [リンク切れ]
  2. ^ a b 第1回リビア・コンタクト・グループ”. 外務省. 2011年8月22日閲覧。
  3. ^ “「日本はカダフィ側と断絶を」 リビア反体制派首脳語る”. 朝日新聞. (2011年7月17日). http://www.asahi.com/international/update/0717/TKY201107160723.html 2011年8月22日閲覧。 
  4. ^ a b “ドーハで連絡グループ会合 反体制派への武器供与で溝露呈”. 産経新聞. (2011年4月14日). http://sankei.jp.msn.com/world/news/110414/amr11041400250000-n1.htm 2011年8月22日閲覧。 
  5. ^ a b “リビア連絡グループ臨時会合開催、仏が提案”. 読売新聞. (2011年8月22日). http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20110822-OYT1T00966.htm 2011年8月22日閲覧。 
  6. ^ “リビア:反体制派、民主化急ぐ「カダフィ氏時代終わる」”. 毎日新聞. (2011年8月22日). http://mainichi.jp/select/world/news/20110823k0000m030102000c.html 2011年8月22日閲覧。 
  7. ^ 第2回リビア・コンタクト・グループ”. 外務省. 2011年8月22日閲覧。
  8. ^ 第3回リビア・コンタクト・グループ”. 外務省. 2011年8月22日閲覧。
  9. ^ a b 第4回リビア・コンタクト・グループ”. 外務省. 2011年8月22日閲覧。
  10. ^ “国連安保理、リビア資産15億ドルの凍結解除を承認 人道支援へ”. CNN.co.jp (CNN). (2011年8月26日) 
  11. ^ “リビア、反カダフィ派が首都に拠点 新体制構築急ぐ”. 日本経済新聞. (2011年8月26日). http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C9381959FE0E4E2E3E08DE0E4E2EAE0E2E3E39F9FE2E2E2E2 2011年8月26日閲覧。 
  12. ^ “リビア反体制派「8カ月以内に大統領選と議会選」”. 朝日新聞. (2011年8月26日). http://www.asahi.com/international/update/0825/TKY201108250222.html 2011年8月26日閲覧。 
  13. ^ リビア・フレンズ会合(新生リビア支援国際会議)”. 外務省. 2011年9月3日閲覧。
  14. ^ “新生リビア アフリカ諸国 承認に慎重”. 東京新聞. (2011年9月3日). http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2011090302000021.html 2011年9月3日閲覧。 
  15. ^ 国連事務総長主催リビア・ハイレベル会合の開催について”. 日本国外務省. 2012年5月27日閲覧。