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リリー・グラッドストーン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
リリー・グラッドストーン
Lily Gladstone
Lily Gladstone
2022年
生年月日 (1986-08-02) 1986年8月2日(38歳)
出生地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 モンタナ州カリスペル
職業 女優
活動期間 2012年 - 活動中
主な作品
ライフ・ゴーズ・オン 彼女たちの選択
ファースト・カウ
キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン
受賞
ニューヨーク映画批評家協会賞
主演女優賞
2023年キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン
ロサンゼルス映画批評家協会賞
助演女優賞
2016年ライフ・ゴーズ・オン 彼女たちの選択
ゴールデングローブ賞
主演女優賞(ドラマ部門)
2023年『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』
全米映画俳優組合賞
主演女優賞
2023年『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』
その他の賞
ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞
主演女優賞
2023年『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』
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リリー・グラッドストーン(Lily Gladstone, 1986年8月2日[1] - )は、アメリカ合衆国の女優。彼女は『ジミーとジョルジュ 心の欠片を探して』(2012年)で映画デビューした後、インディペンデント映画の『ライフ・ゴーズ・オン 彼女たちの選択』(2016年)と『ファースト・カウ』(2019年)でケリー・ライカートとコラボレーションした[2]。前者では牧場主を演じ、第32回インディペンデント・スピリット賞助演女優賞英語版にノミネートされた。

グラッドストーンはテレビではHBOの『Room 104』(2017年 - 2020年)、Showtimeの『ビリオンズ』(2019年 - 2020年)、FX英語版の『Reservation Dogs』(2022年)に出演した。2023年に彼女はマーティン・スコセッシ監督のドラマ映画『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』で主要な役柄を務めた。

生い立ちと教育

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モンタナ州ブラウニング英語版出身[3]のグラッドストーンはブラックフィート英語版ニミプーの血を引いており、ブラックフィート・ネイション英語版の居留地で育った[4]。彼女はイギリスの首相のウィリアム・グラッドストンの遠い親戚でもある[5]

シアトル郊外のマウントレイク・テラス高校英語版を卒業した彼女はモンタナ大学に進学し、2008年に演技・演出のBFAネイティブアメリカン学英語版のマイナーを得て卒業した。

キャリア

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グラッドストーンは『ジミーとジョルジュ 心の欠片を探して』(2012年)で映画デビューした。その後彼女は『Winter in the Blood』(2012年)、『バスターの壊れた心英語版』(2016年)に出演し、さらにケリー・ライカートの映画『ライフ・ゴーズ・オン 彼女たちの選択』の牧場主役でブレイクする。この役でグラッドストーンはロサンゼルス映画批評家協会賞助演女優賞ボストン映画批評家協会賞助演女優賞英語版を受賞した[6][7]。彼女はまたインディペンデント・スピリット賞助演女優賞英語版ゴッサム・インディペンデント映画賞ブレイクスルー俳優賞英語版にノミネートされた[8][9]

グラッドストーンは2017年にオレゴン・シェイクスピア・フェスティバル英語版の劇団に所属し、2020年にはイェール・レパートリー・シアター英語版メアリー・キャスリン・ネイゲル英語版作品『Manahatta』に主演した[10]

彼女はライカートの2019年の映画『ファースト・カウ』に端役で出演した[2]。2023年、マーティン・スコセッシ監督、レオナルド・ディカプリオロバート・デ・ニーロら出演の長編映画『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』の主演としてキャスティングされた[11][12]。本作でのグラッドストーンの演技は高く評価され、ゴールデン・グローブ賞主演女優賞(ドラマ部門)全米映画俳優組合賞主演女優賞を受賞。どちらもネイティブ・アメリカンの俳優として史上初の受賞であった。また、第96回アカデミー賞では主演女優賞にノミネートされ、こちらもネイティブ・アメリカンとして史上初の快挙であった[13]

人物

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ジェンダー代名詞はsheとtheyの両方を通称する。2023年には「ほとんどの先住民の言語、ブラックフットを含むほとんどの先住民の言語には、固有の性別の代名詞が無い。heもsheも無く、theyだけ…私の代名詞の使用は、自分自身のためにいくらかジェンダーを脱植民地化する手段です。」と説明している[14][15][16]。グラッドストーンは自身を中性("middle-gendered")およびLGBTQコミュニティの一員として認識している[17][18]

フィルモグラフィ

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映画

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日本語題
原題
役名 備考
2012 ジミーとジョルジュ 心の欠片を探して
Jimmy P: Psychotherapy of a Plains Indian
Sunshine First Raise
2013 Winter in the Blood Marlene
2016 ライフ・ゴーズ・オン 彼女たちの選択
Certain Women
牧場主
バスターの壊れた心英語版
Buster's Mal Heart
Morning Shift Concierge
2017 Walking Out Lila
2019 First Cow Chief Factor's Wife
2022 The Unknown Country[19] Tana 兼共同脚本[20]
The Last Manhunt Maria
2023 Fancy Dance Jax
キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン
Killers of the Flower Moon
モリー・バークハート

テレビ

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日本語題
原題
役名 備考
2017 Scalped Carol Red Crow パイロット版
2017 Crash Course Host 計15話出演
2017-2020 Room 104 911 Operator / Abby 計2話出演
2019-2023 ビリオンズ
Billions
ロクサーヌ 計6話出演
2021 トゥカ&バーティー
Tuca & Bertie
Hawk Mechanic (声) 第2シーズン第1話「Bird Mechanics」
2022-2023 Reservation Dogs Hokti 計2話出演
TBA Under the Bridge Cam Bentland 製作中

受賞とノミネート

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部門 候補作品 結果 参照
2016 ボストン映画批評家協会賞 助演女優賞英語版 ライフ・ゴーズ・オン 彼女たちの選択 受賞 [6]
アンサンブル・キャスト賞 ノミネート [注釈 1]
シカゴ映画批評家協会賞 助演女優賞英語版 ノミネート [21]
有望俳優賞 ノミネート
フロリダ映画批評家協会賞 助演女優賞英語版 ノミネート
ジョージア映画批評家協会賞英語版 ブレイクスルー賞 ライフ・ゴーズ・オン 彼女たちの選択』 / 『バスターの壊れた心英語版 ノミネート
ゴッサム・インディペンデント賞 ブレイクスルー俳優賞英語版 ライフ・ゴーズ・オン 彼女たちの選択 ノミネート [9]
インディアナ映画ジャーナリスト協会賞 助演女優賞 ノミネート
インディワイア批評家投票英語版 受賞
ロンドン映画批評家協会賞 助演女優賞英語版 ノミネート
ロサンゼルス映画批評家協会賞 助演女優賞 受賞 [7]
オンライン映画批評家協会賞 助演女優賞英語版 ノミネート
サンディエゴ映画批評家協会賞 助演女優賞英語版 ノミネート
ブレイクスルー・アーティスト賞 受賞
サンフランシスコ・ベイエリア映画批評家協会賞 助演女優賞英語版 ノミネート
シアトル映画批評家協会賞英語版 助演女優賞 次点[注釈 2]
セントルイス映画批評家協会賞 助演女優賞英語版 ノミネート
ヴィレッジ・ヴォイス映画投票英語版 助演女優賞 受賞
女性映画批評家協会賞英語版 見えない女性賞 ノミネート
演技の勇気賞 ノミネート
2017 セントラル・オハイオ映画批評家協会賞 助演女優賞 受賞
クロトゥルーディス独立映画協会賞 受賞
インディペンデント・スピリット賞 助演女優賞英語版 ノミネート [8]
国際シネフィル協会賞英語版 助演女優賞 受賞
全米映画批評家協会賞 助演女優賞英語版 ノミネート
オンライン映画&テレビジョン協会賞 ブレイクスルー女性演技賞 ノミネート

脚注

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参考文献

[編集]
  1. ^ Family Search”. FamilySearch. 16 May 2014閲覧。
  2. ^ a b Lily Gladstone on Kelly Reichardt and her love of linguistics”. Seventh Row (25 July 2020). 28 December 2021閲覧。
  3. ^ Lily Gladstone's Beautiful Future”. www.makeitmissoula.com. 2019年9月1日閲覧。
  4. ^ Staying true to her heritage: 'Winter in the Blood' star Lily Gladstone talks about filmmaking, bucking Hollywood stereotypes”. 5 October 2016閲覧。
  5. ^ Lily Gladstone: 'I lived in the reservations until I was 11'”. The Guardian (12 February 2017). 28 December 2021閲覧。
  6. ^ a b Shanley, Patrick (December 11, 2016). “'La La Land' Named Best Picture by Boston Society of Film Critics”. The Hollywood Reporter. Prometheus Global Media. 2 October 2020閲覧。
  7. ^ a b 42nd Annual Los Angeles Film Critics Association Awards”. Los Angeles Film Critics Association. December 21, 2016時点のオリジナルよりアーカイブ。2 October 2020閲覧。
  8. ^ a b Warren, Matt (November 22, 2016). “2017 Film Independent Spirit Awards Nominations Announced!”. Independent Spirit Awards. Film Independent. 2 October 2020閲覧。
  9. ^ a b Cox, Gordon (October 20, 2016). “Gotham Awards Nominations 2016: 'Manchester By The Sea' Leads with Four”. Variety. Penske Business Media. 2 October 2020閲覧。
  10. ^ Manahatta: Lily Gladstone and Steven Flores”. YouTube (2020年2月10日). 2021年2月13日閲覧。
  11. ^ Martin Scorsese's 'Killers of the Flower Moon' Adds Lily Gladstone to Cast”. Seventh Row (11 February 2021). 28 December 2021閲覧。
  12. ^ Lang, Brett (2023年3月27日). “Martin Scorsese's 'Killers of the Flower Moon' With Leonardo DiCaprio Gets October Release Date” (英語). Variety. 2023年3月27日閲覧。
  13. ^ Guglielmi, Jodi (2024年1月23日). “Lily Gladstone Makes Oscars History as First Native American Best Actress Nominee” (英語). Rolling Stone. 2024年12月15日閲覧。
  14. ^ Andersson, Eric (December 31, 2023). “Lily Gladstone on Why She Uses She/They Pronouns: A Way of 'Decolonizing Gender for Myself' (Exclusive)”. People. https://people.com/why-lily-gladstone-uses-both-she-and-they-pronouns-exclusive-8419312. 
  15. ^ Stenzel, Wesley (January 1, 2024). “'Killers of the Flower Moon' star Lily Gladstone says using she/they pronouns is 'a way of decolonizing gender'”. Entertainment Weekly. https://ew.com/lily-gladstone-she-they-pronouns-decolonizing-gender-8421144 January 18, 2024閲覧。. 
  16. ^ Parkel, Inga (January 2, 2024). “Killers of the Flower Moon star embraces she/they pronouns to 'decolonise gender'”. The Independent. https://www.independent.co.uk/arts-entertainment/films/news/killers-of-the-flower-moon-lily-gladstone-pronouns-b2472275.html 18 January 2024閲覧。 
  17. ^ Hale, Nardos (January 9, 2024). “"I'm not fully this either": Lily Gladstone discusses pronoun inclusivity”. Salon. https://www.salon.com/2024/01/09/lily-gladstone-pronouns-gender-nonbinary/ February 26, 2024閲覧。 
  18. ^ Pride Guide: 15 LGBTQ+ Filmmakers and Artists on the Rise in 2023”. A.frame. Academy of Motion Pictures Arts and Sciences (June 16, 2023). February 26, 2024閲覧。
  19. ^ Music Box Boards SXSW Road Trip Drama ‘The Unknown Country’ Starring ‘Killers Of The Flower Moon’ Actress Lily Gladstone
  20. ^ O'Malley, Sheila (28 July 2023). “The Unknown Country”. Roger Ebert. 11 August 2023閲覧。
  21. ^ The 2016 Chicago Film Critics Association Award Nominees” (December 11, 2016). February 3, 2017時点のオリジナルよりアーカイブ。December 12, 2016閲覧。

外部リンク

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