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久美かおり

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

久美 かおり(くみ かおり、本名・深町陽子、1948年2月4日[1] - )は、日本の元歌手、元女優渡辺プロダクションに1967年から1970年まで所属していた。 「くちづけが怖い」で、第10回日本レコード大賞・新人賞(女性)を受賞。ザ・タイガースの主演映画全て(3作)でヒロイン役を務めたことでも知られる。

経歴・人物

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東京都渋谷区出身。東洋音楽大学付属高等学校(現在の東京音楽大学付属高等学校)2年生の時、ジャズシンガーを志し、マーサ三宅大橋巨泉の元夫人)に師事する。ホテルニューオータニなどでジャズを歌っていたところ平尾昌晃に認められたことがきっかけで、渡辺プロダクションに所属する。

東海林修に師事しながら、渡辺プロダクションが経営していたミュージック・スポット「メイツ」で活動。1967年12月に公開された植木等主演の映画『日本一の男の中の男』に白鳥英美子平山みきとともに「メイツガールズ」として出演する。

1968年2月、映画『ザ・タイガース 世界はボクらを待っている』のヒロイン・シルビイ役に抜擢され、注目される。またこの頃、『題名のない音楽会』(NETテレビ)に出演したり、映画『100発100中 黄金の眼』の主題歌やレナウンコマーシャルソングを歌った。

同年7月に日本コロムビアから『くちづけが怖い』でレコードデビューし、梢みわ、浅尾千亜紀と共に次世代の「ナベプロ3人娘」として当時期待された。同年12月には第10回日本レコード大賞・新人賞(女性部門)を受賞した際、『くちづけが怖い』の歌唱披露時に思わず感極まり涙をこらえ、特に1番目の歌詞が殆ど歌えなくなるシーンがあった。

しかし、1969年7月公開の映画『ザ・タイガース ハーイ!ロンドン』の撮影を最後に芸能活動を休業し、翌1970年3月に芸能界を引退した。その後はニッポン放送でアシスタント・ディレクターとして月曜日から金曜日まで生番組『カメ・カメ・ポップス』を担当(週刊平凡 1970年12月24日号 21頁)。1973年に作曲家・編曲家の溝淵新一郎と結婚した。

引退後は表舞台に出ることはないが、1982年に一度だけ沢田研二のラジオ番組『NISSANミッドナイトステーション 夜は気ままに』(TBSラジオ)に出演しており、「芸能界一番の思い出は、ザ・タイガースと共に、映画『ザ・タイガース ハーイ!ロンドン』の撮影でイギリス・ロンドンへ行ったこと」だと明かした。

2000年12月に、シングル盤A・B面曲を全て収録したCD『星のプリンス』が発売。

2007年10月には、ヒロイン役で出演したザ・タイガース主演映画全3作がDVDビデオソフトとして発売され、6枚組DVD-BOX『東宝GSエイジコレクション』の特典ディスクにメッセージ文を寄せている。

エピソード

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  • 映画『ザ・タイガース 世界はボクらを待っている』のヒロイン役公募(オーディション)に合格してデビューしたと誤解されていることが少なくない。
  • デビュー直後は、ザ・タイガースのファンによる嫉妬・嫌がらせが強かったが、やがて「憧れのお姉さん」として応援するファンが多くなった(当時「メイツ」で開催されたファンを招いた誕生パーティーの写真を見ると、写っているのはティーンエージャーとみられる女性がほとんどである)。
  • 引退理由について、ザ・タイガースのファンからによる嫉妬・嫌がらせが続いたからだと語られていることが多いが、引退後の『週刊セブンティーン』(1970年9月15日号)に掲載されたインタビューによると、自分自身が希望する芸能活動の方向性が所属事務所側の考えと違ったことが引退理由である(嫉妬・嫌がらせについては、一切語られていない)。
  • TBSラジオ『サタケミキオと宅間孝行』(2007年5月13日放送)にゲスト出演した笑福亭鶴瓶が高校生時代、ファンだった事を明かしている。
  • 2022年の阪神タイガース春季キャンプで投手の伊藤将司がチームの全体挨拶にて体を横たわせて「ころげたついでに久美かおり」と一言つぶやいて大爆笑をかっさらった、と報道された。
  • ディスコグラフィー

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    シングル

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    ※ すべて日本コロムビアより発売

    発売日 規格 規格品番 タイトル 作詞 作曲 編曲
    1968年6月15日 EP P-22 A くちづけが怖い[2] なかにし礼 東海林修
    B 夜明けの海
    1968年9月1日 EP P-34 A 今日から私は なかにし礼 東海林修
    B 草の鏡
    1968年11月 EP

    コンパクト盤

    JSS-89 A1 くちづけが怖い なかにし礼 東海林修
    A2 夜明けの海
    B1 今日から私は
    B2 草の鏡
    1969年2月1日 EP P-50[3] A 愛の小鳥 大橋一枝 村井邦彦
    B 愛のディンガリン 山上路夫 東海林修
    1969年3月 EP

    コンパクト盤

    ASS-421 A1 くちづけが怖い なかにし礼 東海林修
    A2 今日から私は
    B1 愛の小鳥 大橋一枝 村井邦彦
    B2 愛のディンガリン 山上路夫 東海林修
    1969年8月1日 EP P-67 A 髪がゆれている[4] 山上路夫 東海林修
    B 小さな鳩

    アルバム

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    発売日 レーベル 規格 規格品番 アルバム 備考
    2000年12月5日 Parade Records CD SPW-10007 星のプリンス
    No. タイトル 作詞 作曲 編曲 備考
    1 星のプリンス 橋本淳 すぎやまこういち
    2 くちづけが怖い なかにし礼 東海林修
    3 夜明けの海 なかにし礼 東海林修
    4 今日から私は なかにし礼 東海林修
    5 草の鏡 なかにし礼 東海林修
    6 愛のディンガリン 山上路夫 東海林修
    7 愛の小鳥 大橋一枝 村井邦彦
    8 小さな鳩 山上路夫 村井邦彦
    9 髪がゆれている(デュエット) 山上路夫 村井邦彦
    10 髪がゆれている(二重唱バージョン 山上路夫 村井邦彦
    11 ワンサカ娘 小林亜星
    12 ゴールデンアイ(モノラル)[5] 谷川俊太郎 佐藤勝 ボーナス・トラック
    2014年4月16日 Solid Records CD CDSOL-1562 2014年盤のみボーナス・トラック入

    出演

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    映画

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    脚注

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    1. ^ 『日本映画俳優全集女優編』(1980年、キネマ旬報社)2694P
    2. ^ 第10回(1968年)日本レコード大賞新人賞受賞
    3. ^ 第10回(1968年)日本レコード大賞新人賞受賞記念発売
    4. ^ 映画「ザ・タイガース ハーイ!ロンドン」挿入歌
    5. ^ 1968年公開の東宝映画「100発100中 賞金の眼」挿入歌

    外部リンク

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