二式単座水上偵察機
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二式単座水上偵察機(にしきたんざすいじょうていさつき)は、大日本帝国海軍の水上偵察機。設計はドイツのハインケル社が、製造は愛知時計電機航空機部(のちの愛知航空機)が行った。ハインケル社での社内名称は「HD-26」。
概要
[編集]ハインケル社と愛知の技術提携によって二式複座水上偵察機(HD-25)と共にドイツから輸入された機体で、後に主流となるカタパルト射出ではなく、艦艇上の滑走台から自力滑走によって発進する機体である。機体は木製骨組みに合板および羽布張りの、双フロートを持つ単座複葉機で、基本的には二式複座水偵の縮小型だった。ハインケル社では本機を水上戦闘機としていたが、日本海軍では水上偵察機として扱われている。
1926年(大正15年)に1機がハインケル社から輸入され、同年中に愛知によってもう1機が国内生産された。輸入機と国産機ではエンジンが異なり、輸入機はイスパノ・スイザ製水冷300馬力エンジンを、国産機はブリストル ジュピター6(最大520馬力)を装備していた。
二式単座水偵は戦艦「長門」や重巡洋艦「古鷹」、軽巡洋艦「長良」に艦載されたが、カタパルトの実用化によって試験運用のみに終わり、量産化はなされなかった。
諸元(輸入機)
[編集]- 全長:8.3 m
- 全幅:11.8 m
- 全高:3.6 m
- 主翼面積:37.8 m2
- 自重:1,146 kg
- 全備重量:1,526 kg
- エンジン:イスパノ・スイザ 水冷V型8気筒(公称300馬力) × 1
- 最大速度:183.4 km/h
- 実用上昇限度:7,200 m
- 航続時間:5時間
- 武装:7.7mm機銃 × 1
- 乗員:1名
参考文献
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