五稜郭機関区
五稜郭機関区 | |
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基本情報 | |
鉄道事業者 | 日本貨物鉄道(JR貨物) |
帰属組織 | 北海道支社 |
所属略号 | 五 |
車両基地概要 | |
敷地面積 | 46,383 m2 |
配置両数 | |
電気機関車 | 20両 |
内燃機関車 | 40両 |
合計 | 60両 |
備考 |
2021年3月現在のデータ 敷地面積は有価証券報告書の値[1] |
五稜郭機関区(ごりょうかくきかんく)は、北海道函館市昭和4丁目 43-1にある日本貨物鉄道(JR貨物)の車両基地および乗務員基地である。
概要
[編集]函館本線五稜郭駅(函館貨物駅)構内の北端に位置し、JR貨物発足当初からのディーゼル機関車基地であるDL基地と、北海道旅客鉄道(JR北海道)函館運輸所青函派出所(←青函運転区)から移管された、EL基地からなる。付近にはかつて、五稜郭操車場があったため、函館本線の上下線に挟まれる形で設置されている[2]。このほか、乗務員のみの配置区として室蘭派出がある[2]。
DL基地
[編集]敷地面積22887m2、最大長391.0m、最大幅86.7m。検修庫3棟(1~4・6番線)と留置線8線を有し、うち1~4番線に給油設備を設ける。以前は転車台が設置されていたが、EH800形導入に伴う1号車庫新設に当たって撤去されている。構内は基本的に非電化であるが、1号車庫内のみEH800の定置試験を行うため電化されている[2]。
EL基地
[編集]敷地面積31192m2、最大長4125m、最大幅450m(入出庫線を含む)。電留線6線と検修線4線、中引上線、下り引上線、機回り線、車輪旋盤線(在姿旋盤装置)からなる。すべての転轍機は電動化されており、EL庫に隣接する信号扱い所から操作される[2]。
構内は交流20kV50Hzで電化されているが、北海道新幹線との共用区間を走行するEH800形を配置するため、検修4番線は庫内で新幹線と同様の交流25kV50Hzの通電が可能なよう2017年に改修が行われている[2]。また検修庫と一部の電留線には新幹線区間で使用する漏洩同軸ケーブル(LCX)無線の試験用に地上装置を設けている[2]。
なお、1989年(平成元年)のED79形の同区配置から、2016年(平成28年)3月26日の青函派出所移管まで、同区配置の電気機関車は青函派出所に検査・留置を委託する体制としていた[2]。
歴史
[編集]- 1943年(昭和18年)4月25日 - 国鉄 函館機関区 五稜郭操車場給炭水所 開設[3][4]。
- 1944年(昭和19年)
- 1968年(昭和43年)10月 - 五稜郭操車場の入換用9600形の置換用にDE10形が配置される。
- 1969年(昭和44年)
- 1973年(昭和48年)3月 - 全ての蒸気機関車運用廃止により無煙化完了。
- 1987年(昭和62年)4月1日 - 国鉄分割民営化に伴い、JR貨物の管轄となる。旅客関係の機関車はJR北海道 函館運転所(現・函館運輸所)に転属した。
- 1988年(昭和63年)3月13日 - 海峡線開通に伴い、津軽海峡線区間の貨物列車運転業務を開始(JR北海道所属ED79形0番台・100番台を使用し、JR貨物(当区及び青森機関区)の運転士が乗務)。
- 1989年(平成元年) - ED79形50番台を新製配置。
- ただし、留置はJR北海道青函運転区(→函館運輸所青函派出所)を使用[2]。検査も同区へ委託。
- 1999年(平成11年)4月1日 - ディーゼル機関車全機が鷲別機関区へ転出し、電気機関車のみの配置となる[2]。
- 函館地区で折り返すディーゼル機関車への給油・仕業検査は引き続き実施。
- 2013年(平成25年)11月 - EH800形導入に伴う、青函派出所を含む構内のリニューアル工事を実施し、同月完了[2]。
- DL基地の転車台を撤去し1号車庫を新設。青函派出所(→EL基地)留置線の隣に在姿旋盤装置を設置。
- 2014年(平成26年)8月30日 - 鷲別機関区の廃止に伴い[6]、入れ替え用を除く道内の貨物用ディーゼル機関車全機が転入[2]。また室蘭総合鉄道部廃止に伴い、乗務員基地の室蘭派出を設置(室蘭総合鉄道部運転課を引き継ぐ)。
- 2016年(平成28年)3月26日 - 同日のダイヤ改正でJR北海道函館運輸所青函派出所が廃止され、同所の施設および検査設備を本区へ移管[2]。
所属車両の車体に記される略号
[編集]- 「五」「貨」 - 五稜郭機関区を意味する「五」と、日本貨物鉄道を意味する「貨」から構成される。
黒地の「五」の札は左側、白地の「貨」の札は右側に差される。
所属車両
[編集]2021年3月現在。
電気機関車
[編集]ディーゼル機関車
[編集]- DF200形
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- 42両(901・1-12・51-55・57-63・102-104・108-115・117-119・121号機)が所属。
- 定期運用範囲は五稜郭 - 札幌貨物ターミナル駅[7]・北旭川駅[8]・富良野駅[8]・北見駅[8]・釧路貨物駅[9]間。
- なお、56号機は事故により廃車となった。また、101・105-107・116・120・122・123号機は、愛知機関区に転属の上で200番台へと改番された。
過去の所属車両
[編集]電気機関車
[編集]- 2015年(平成27年)3月1日当時、9両(51 - 55, 57 - 60号機)が所属。同年3月14日改正時の定期運用範囲は東青森 - 五稜郭駅間[10]。
- 貨物列車のほか、客車列車の快速「海峡」(函館 - 青森駅間)を代走牽引したことがある[11]。
ディーゼル機関車
[編集]- 2015年3月1日当時、5両(1089, 1150, 1152, 1162, 1165号機)が所属。但し、鷲別機関区廃止と同時に定期運用が消滅していた[10]。
- このほか、1999年4月1日まで同区所属機が存在した。
脚注
[編集]- ^ 第35期有価証券報告書 35頁 (PDF) - 日本貨物鉄道
- ^ a b c d e f g h i j k l 松沼猛/久保田敦 (2017-08-01). “津軽海峡をまたぐEH800と道内幹線物流を担うDF200の基地 五稜郭”. 鉄道ジャーナル (鉄道ジャーナル社) No.610.
- ^ 『鉄道ピクトリアル』2002年12月号(NO.725)、電気車研究会、38頁
- ^ 「遥」道南鉄道100年史 JR北海道 函館支社 2003年発行では1942年(昭和17年)4月に五稜郭機関車駐泊所 設置となっている。
- ^ 『蒸気機関車』1971年7月号(NO.14)、キネマ旬報社、51頁
- ^ “登別・鷲別72年最終便 JR貨物の整備拠点機関区、五稜郭に集約へ”. 北海道新聞. (2014年8月31日). オリジナルの2014年9月1日時点におけるアーカイブ。 2021年3月13日閲覧。
- ^ 室蘭線(長万部-沼ノ端)・千歳線経由
- ^ a b c 室蘭線(長万部-岩見沢)経由
- ^ 室蘭線(長万部-追分)・石勝線(追分-上落合信号場)経由
- ^ a b 「2015貨物時刻表」 公益社団法人鉄道貨物協会発行
- ^ 「鉄道ファン」2016年2月号(通巻658号) 交友社発行 36頁
関連項目
[編集]座標: 北緯41度48分41.6秒 東経140度43分52秒 / 北緯41.811556度 東経140.73111度