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京王デヤ901・902形電車

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京王デヤ901形電車から転送)
京王デヤ901・902形電車
線路検測中のデヤ901
(2017年2月3日 武蔵野台駅
基本情報
製造所 総合車両製作所[1]
主要諸元
編成 2
軌間 1,372[2][3] mm
電気方式 直流1,500 V
設計最高速度 120[4] km/h
起動加速度 3.3[5] km/h/s
減速度(常用) 4.0[5] km/h/s
車両定員 8[6]
全長 20,000[2][3] mm
車体長 19,500[2][3] mm
全幅 2,845[2][3] mm
車体幅 2,768[2][3] mm
全高 4,016.5[2][3] mm
車体 ステンレス[7]
主電動機 かご形三相誘導電動機[4]
主電動機出力 170 kW[4]
駆動方式 WN平行カルダン駆動
歯車比 85:14 = 6.07[4]
制御装置 VVVFインバータ制御
IGBT素子[4][7]
制動装置 回生ブレーキ併用全電気指令式空気ブレーキ[4]
保安装置 京王ATC[4]
備考 製造時のデータ
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京王デヤ901・902形電車(けいおうでや901・902がたでんしゃ)は、2015年平成27年)にデヤ901形、デヤ902形各1両が製造された京王電鉄の事業用電車である[4]クヤ900形電車チキ290形貨車の牽引にあたっていたデワ600形の置換用として導入され、9000系をベースに営業用車両で実績のある機器が採用されている[4][7][8]

概要

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1977年昭和52年)に製造された6000系から2004年(平成16年)に改造されたデワ600形は、改造以来クヤ900形電車チキ290形貨車の牽引用として使用されてきた[9]が、母体となった6000系が2011年(平成23年)に全廃され、交換部品の調達が困難となったこと、京王で唯一の直流電動機使用車両となり、故障のリスクが高くなってきたこと、京王最後の普通鋼製車体で老朽化が進んでいることから、9000系をベースとしたステンレス製車体、VVVFインバータ制御の新製車両で置き換えることとなった[4]。デヤ901が新宿向き、デヤ902が京王八王子向きの片運転台式制御電動車で、全電動車の2両編成だが、1両単独で走行できるようすべての機器がそれぞれに搭載された[7]降雪時に除雪作業を行うため先頭台車には排雪板が設けられている[10]

車体

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車体は9000系をベースとしたステンレス製全長20メートル、各側面に4箇所両開きの扉が設けられている[7]

前面は、旅客車両との識別と、夜間の視認性向上のため黄色に塗装され、側面にはクヤ900形との一体感を出すため帯状のラッピングが貼られている[7]。床下に搭載できなかったブレーキ制御装置、空気タンク、蓄電池などが車内に搭載された[11]

中間連結面部分には各車両8名分の座席が設置されている[7]。座席部分以外はすべて固定窓で、カーテンが設置された[11]。旅客車同様に三菱電機製CU711D冷房装置 (58.14 kW) が屋根上に搭載されたが、暖房装置運転室にのみの設置とされた[4][10]

運転室は9000系とほぼ同様の構造である[10]

主要機器

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主制御装置・主電動機

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IGBTを用いたVVVFインバータ制御が採用され、1つの主制御装置で電動車2両1ユニット、4個の主電動機を制御するが、2個ずつ解放可能な2群構成とされた日立製作所製VFI-HR2415Kが採用された[7]

主電動機は出力170 kW・定格電圧1,100 V・電流115 Aのかご形三相誘導電動機、日立製EFO-K60が採用され、歯車比は85:14である[4]。制動装置は回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキが採用された[4]

台車

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TS-1017台車

9000系と同一の総合車両製作所製軸梁式軸箱支持ボルスタレス空気ばねのTS-1017台車(固定軸距2,200 mm、車輪経860 mm)が採用された[4][2][3]が、先頭台車には排雪板が取り付けられたため、形式がTS-1017Aに変更されている[10]

集電装置

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東洋電機製造製PT-7110-Fシングルアームパンタグラフが各車両の京王八王子方に搭載された[4][7]。デヤ902のパンタグラフは架線への追従性を考慮し、反転して取り付けられている[5]

PT-7110パンタグラフ

補助電源装置・空気圧縮機

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出力170 kVA東芝製INV153-G0静止形インバータ (SIV)、毎分吐出容量1,067リットル (L/min) の三菱電機製スクロール式電動空気圧縮機MBU1100Y-4が各車両に搭載された[4]

編成・運用

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新宿
竣工時期
形式 デヤ901 デヤ902
区分 Mc1 Mc2
車両番号 901 902 2015年9月
搭載機器 CON・PT
SIV・CP・PT
CON・PT
SIV・CP・PT
 

デヤ901とデヤ902の間に、検測用のクヤ900形を2両目に、地下駅への電気設備の輸送に使用される運搬車サヤ912形を3両目に挟んで、4両編成で運用される[5]。降雪時に除雪列車として運転される予定となっている[10]

 
新宿
形式 デヤ901 クヤ900 サヤ912 デヤ902
車両番号 901 911 912 902

脚注

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出典

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参考文献

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  • 鉄道ピクトリアル』通巻767号「鉄道車両年鑑2005年版」(2005年10月・電気車研究会)
    • 京王電鉄 車両電気部車両課 宮葉 浩委「デワ600形電動貨車」 pp. 130-131
  • 鉄道ファン』通巻657号(2016年1月・交友社
    • 「CAR INFO 京王電鉄デヤ901形・デヤ902形」 pp. 56-58
    • 「付図 京王電鉄デヤ901形」 pp. 200
    • 「付図 京王電鉄デヤ902形」 pp. 201
  • 『鉄道ピクトリアル』通巻923号「鉄道車両年鑑2016年版」(2016年10月・電気車研究会)
    • 岸上 明彦「2015年度民鉄車両動向」 pp. 93-123
    • 京王電鉄(株)鉄道事業本部車両電気部車両計画改良担当 奥 雅希「京王電鉄 デヤ901形・デヤ902形」 pp. 137-138
    • 「民鉄車両諸元表」 pp. 193-198
    • 「車両データ 2015年度民鉄車両」 pp. 215-227

外部リンク

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