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京王9000系電車

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京王9000系電車
京王9000系電車9701編成
(2021年11月 長沼駅
基本情報
運用者 京王電鉄
製造所 日本車輌製造
東急車輛製造[1][2]
製造年 2000年 - 2009年
製造数 28編成264両(8両×8編成、10両×20編成)[2]
投入先 京王線都営新宿線直通)
主要諸元
編成 8・10両編成[3]
軌間 1,372 mm[4]馬車軌間
電気方式 直流1,500 V[4]
最高運転速度 110 km/h[6][7]
設計最高速度 120 km/h[4]
起動加速度 2.5 km/h/s(登場時)
3.3 km/h/s(現在)[4]
減速度(常用) 4.0 km/h/s[4]
減速度(非常) 4.5 km/h/s[4]
車両定員 141名(先頭車)
152名(中間車)[4]
全長 20,000 mm[5]
車体長 19,500 mm[5]
全幅 2,845 mm[5]
車体幅 2,768 mm[5]
全高 4,017 mm(パンタグラフなし)
4,100 mm(パンタグラフ付)[5]
車体 ステンレス鋼[10]
主電動機 かご形三相誘導電動機[4]
主電動機出力 170 kW[4][7]
駆動方式 WN平行カルダン駆動[4]
歯車比 85:14 = 6.07[4][7]
制御方式 VVVFインバータ制御
IGBT素子[4][7]
制動装置 回生ブレーキ併用全電気指令式空気ブレーキ[4][7]
保安装置 京王形ATS[4]
京王ATC[8]
D-ATC(JR型) 10両編成のみ[9]
2001年度
テンプレートを表示

京王9000系電車(けいおう9000けいでんしゃ)は、2000年平成12年)から[1] 2009年(平成21年)にかけて264両が製造された[2]京王電鉄京王線[注釈 1]用の通勤形電車である。6000系の代替を目的に、メンテナンス・ランニング・製造のコスト低減、環境への配慮、バリアフリーを盛り込んで設計された[10]。2001年(平成13年)にグッドデザイン賞を受賞している[11][12][13]

本稿では京王線上で東側を「新宿寄り」、西側を「京王八王子寄り」と表現する。編成単位で表記する必要がある場合は新宿寄り先頭車の車両番号で代表し、9701編成の様に表現する[注釈 2]。京王では京王八王子寄りを1号車として車両に号車番号を表示している[14]が、本稿では各種文献にならい新宿寄りを左側として編成表を表記し[15][3][16]、文中に「2両目」と記述されている場合は新宿寄りから2両目であることを示す。

概要

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6000系の代替をおよび次世代車両として都営地下鉄新宿線(以下、新宿線)への乗り入れも想定、バリアフリー、メンテナンス・ランニングコストの削減、環境への配慮を盛り込んで設計された[10]7000系8000系に続いてステンレス車体が採用されたが[17]、ビードなしの車体となっている[2][注釈 3]。社名を「京王電鉄」に変更してから初めての新規系列となった。

6000系が経年の高い車両から順次廃車されていくにあたり、8両編成から先に廃車が進行し、2両編成が残ることが想定されたため[18]、6000系・7000系と併結運転が可能なシステムが9000系に搭載され[10][11]、8両編成8本が製造された[2]。当初は2両編成を京王八王子寄りに連結して新宿線に乗り入れる構想だった[4]が、当時VVVFインバータ制御車は新宿線のアナログ式自動列車制御装置 (ATC) による誘導障害が懸念されたことから同線に乗り入れられなかったため、8両編成には新宿線乗り入れ対応の装備は設けられなかった[19][20]2005年(平成17年)に新宿線のATCが更新[21]され、VVVF車の乗り入れが可能となったことから、同年より新宿線乗り入れ対応の10両編成20本が製造され、6000系新宿線乗り入れ編成を順次置き換えている[22]。10両編成では2002年12月に地下鉄火災対策に関する基準が見直された[注釈 4](以下、新火災対策基準とする)ことなどを考慮した設計変更が行われ、8両編成とは内外観の細部が異なる[9][23]

外観

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7000系・8000系に続いてステンレス車体、20 m両開き4扉、扉間に窓2枚の基本レイアウトが採用された[17][24][5]。ビードがなく、側扉部に縦線が見える日本車輌製造(以下、日車)の『日車ブロック工法[注釈 5]が採用され[22][19]、車体強度向上、軽量化のため戸袋窓が廃止された[17]。側窓は8000系と同様2枚をひと組にしたサッシュレスの1枚下降窓となったが、軽量化のため一部窓が固定式とされた[17][26]。新宿線乗り入れのため、地下鉄乗り入れ車両の構造規定[注釈 6]に従い、前面は貫通構造とされ[17]、幅610 mmの開き戸が中央に設けられた[27]

初代5000系のイメージを残した形状となり、傾斜をつけた側面まで回り込む曲面ガラスが採用された[10]。前面は一見平面的に見えるが、上面からみたときに半径10,000 mmの曲面で構成されており[26]、工作の容易化のため乗務員扉部分までの前頭部がアイボリー塗装の普通鋼製とされ[10][17]スカートも同色に塗装された[27]。正側面腰部にはイメージカラーである京王レッドと京王ブルーの帯が巻かれた[22]が、8000系とは趣の異なるデザインとされた[10]。8000系で窓上に貼られていた京王レッドの帯は9000系では採用されていない[22]。8両編成では幌を用いて編成間を貫通することが想定されていた[9]ため幌を取り付ける台座が先頭部に設けられているが、10両編成にはこの台座がなく[19]、正面下部アンチクライマの形状が若干異なる[26]。8両編成では車体下部に傾斜が設けられていたが、10両編成では直線状とされているほか、客用ドア窓支持方式も両者で異なる[9]。車椅子スペースに隣接するドアには車椅子での乗降を考慮した傾斜が設けられた[17][27]。8両編成の両車端には固定式の妻窓が設けられた[17]が、10両編成では廃止されている[22]。8000系に続いて車外スピーカーが設置された[26]

内装

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車端部4人掛け、扉間7人掛けの京王線用20 m車としては標準的な配置が採用された[5][17]が、1人当たり座席寸法は8000系よりも10 mm拡大され450 mmとなっている[17]。座席は片持ち式のバケット式が採用され[17]、色は8000系よりやや濃いローズピンクとなった[28]。7人掛け部分には3人と4人に仕切る握り棒が設けられている[17]ほか、一部の座席の裏には非常脱出時に用いる階段が取り付けられている[24]。出入口脇には袖仕切り板を設け、立客の背もたれと座客の保護の機能を持たせている[24]が、8両編成と10両編成では袖仕切りの形状が異なり[29]、10両編成のうち9736編成以降の15本では握り棒が緩やかな曲線状に変更されている[29]。明るさと清楚さを出すため壁と天井は白色系とされた[17]。妻部は乗務員室後部を含み8両編成ではグレーの木目模様だが[17]、10両編成では他の壁と同色とされた[2][29]。床は茶系のツートンカラーで、中央部が薄く、座席付近が濃くなっている[17]。天井は冷房ダクトと横流ファンを埋め込んだ平天井で、8000系よりも天井高さが25 mm高い2,270 mmとなった[17]。8両編成の天井はFRP[17]だが、10両編成では新火災対策基準対応のため塗装アルミ材が採用されている[9]。8両編成では2・4・6両目の京王八王子寄りに貫通路を仕切る引き戸(貫通扉)が設けられている[2]が、10両編成では京王八王子寄り先頭車をのぞきすべての車両へ設置された[9]

バリアフリー対応として、8両編成の2両目と7両目[17]、10両編成の2・4・6・9両目の車端部1箇所に車椅子スペースが設けられた[9]ほか、車端4人がけ部のつり手・荷棚・座席をそれぞれ50 mm・100 mm・10 mm低くしている[17]。車椅子スペースに隣接するドアの靴擦り部には傾斜が設けられ、車椅子での乗降容易化が図られている[17]。京王で初めてドアチャイムと旅客案内装置が設けられ[28]、8両編成全編成と2006年製までの10両編成5本にはLED式旅客案内装置が客用ドア上に1両に4箇所設置された[2]が、2007年以降製造の10両編成15本はLCD式車内案内表示器がすべての客用ドアの上に設けられている[2]

乗務員室

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運転席からの視認性向上のため京王で初めて高乗務員室が採用され、従来車より乗務員室位置が約200 mm高くなっている[24]。乗務員室はグレー系に塗装され、8000系のデジタル式速度計に変えて7000系以前と同様機械式の速度計が採用された[24]。従来車同様ワンハンドルマスコンが採用され[24]たが、ハンドル本体は8000系よりも大型化された[30]。力行2段目で定速制御を行うことができる[31]。乗務員の支援、行先・種別表示、検修時の支援などを目的としたモニタ装置が乗務員室上部に設置された[24]。8両編成の京王八王子寄り先頭車は2両編成を連結して幌で貫通することが想定されていたため可動式の仕切りが設置されているが[4]、その他の先頭車には仕切りがない[9]。8両編成には6000系・7000系と併結するための伝送変換器が設けられた[24]。10両編成には新宿線用ATCが設置され[9]、一部の10両編成は京王ATCが設置された[8]。京王ATCは後に全車に設置されている[32]

主要機器

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ここでは製造時の機器構成について述べる。

主制御装置、主電動機

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定格3,300 V・1,200 AIGBTを用いたVVVFインバータ制御が採用され、1つの主制御装置で電動車2両1ユニット、8個の主電動機を制御するが、4個ずつ解放可能な2群構成とされた[24] 日立製作所(以下、日立)製[2]VFI-HR-2820が採用され、デハ9000形に搭載された[33]。10両編成の9100番台はユニットを組まない単独M車として使用される[34]ため、1群のみ搭載のVFI-HR-1420が搭載されている[7]。京王線用車両として初めてIGBT素子を使用した制御装置を採用した[24][注釈 7]

主電動機は従来車より高出力の出力170 kW(定格電圧1,100 V、電流115 A)のかご形三相誘導電動機[4][36]、日立製[2]HS-33534-02RB[33]および日立製EFK-K60が採用された[7][37]

駆動装置は京王従来車と同様WN駆動方式が採用され、歯車比は85:14である[4]

制動装置

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制動装置は電気指令式 ナブコ製HRDA-1[注釈 8]が8000系に続いて採用された[4]。電動車と非電動車各1両を1組として回生ブレーキを優先する制御が採用された[24]。9000系では全車両にブレーキコントロールユニットが搭載され、車両ごとに独立してブレーキ信号を受信している[24]。踏面ブレーキは8000系最終製造車と同じユニット式の片押しブレーキが採用されている[24]

台車

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TS-1017台車

台車は8000系最終製造車と同一の東急車輛製造(以下、東急)製[2]軸梁式軸箱支持ボルスタレス空気ばねのTS-1017動力台車、TS-1018付随台車(いずれも固定軸距2,200 mm、車輪径860 mm)が採用された[38][4][39]。台車枠の横梁は空気ばねの補助空気室を兼ねている[4]

集電装置

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PT-7110パンタグラフ

パンタグラフ東洋電機製造[注釈 9]PT-7110シングルアーム式[40]がデハ9000形全車と、8両編成の9100番台を除くデハ9050形に搭載された[10][36][9]

補助電源装置

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補助電源装置は8両編成のうち9706編成までの8本は出力170 kVA静止形インバータ (SIV)[4]が、9707編成・9708編成は空調装置能力増強のため[23]210 kVAのSIV[2]が、10両編成には出力250 kVAのSIV[2]がそれぞれデハ9050形に搭載された[10][7]

空気圧縮機

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空気圧縮機は毎分吐出容量1,600リットルのスクリュー式電動空気圧縮機ドイツクノールブレムゼ[41](クノールブレムゼ鉄道システムジャパン[41])SL-22がデハ9050形に搭載された[33][4]

冷房装置

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冷房装置は9706編成までの8両編成には屋上集中式48.84 kW (42,000 kcal/h) の冷房装置が各車に1台[4]、9707編成・9708編成と10両編成には屋上集中式58.14 kW (50,000 kcal/h) のものが同様に各車に1台搭載された[23]

形式構成

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9000系は以下の形式で構成される。各形式とも同一編成中で下2桁は同番号または同番号+50となっている[15]。10両編成は下2桁が30 / 80から附番されている[9]。「デ」は電動車を、「ク」は制御車を、「サ」は付随車を、「ハ」は普通座席車を指す略号であり、形式名の前のカタカナ2文字はこれらを組み合わせたものである。

デハ9000形

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主制御装置、パンタグラフを搭載する中間電動車である[38]。パンタグラフは京王八王子寄りに1基が搭載されている[10]。編成位置により番号の百の位が異なっている[3]。8両編成の2両目に9000番台(デハ9001 - デハ9008)、6両目に9100番台(デハ9101 - デハ9108)、10両編成の2両目・5両目・8両目にそれぞれ9000番台(デハ9031 - デハ9049、デハ9030)・9100番台(デハ9131 - デハ9149、デハ9130)・9200番台(デハ9231 - デハ9249、デハ9230)が組み込まれている[3]。10両編成の9100番台以外はデハ9050形とユニットを組み[3]、デハ9000形に搭載された主制御装置[24]で2両1ユニット、8個の主電動機を制御する[38]が、10両編成の9100番台は単独で使用され、1両分4個の主電動機を制御し、主制御装置容量も他車とは異なる[9]。2000年から2009年にかけて合計76両が製造された[22][3]

デハ9050形

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デハ9000形とユニットを組み、電動空気圧縮機、補助電源装置を搭載する中間電動車である[38]。百の位はユニットを組むデハ9000形と同一[3]で、2000年から2009年に56両が製造された[22][3]。8両編成の3両目に9000番台(デハ9051 - デハ9058)、7両目に9100番台(デハ9151 - デハ9158)、10両編成の3両目・9両目にそれぞれ9000番台(デハ9081 - デハ9099、デハ9080)・9200番台(デハ9281 - デハ9299、デハ9280)が組み込まれている[3]。10両編成用の9100番台は存在しない[3]。8両編成の9100番台以外には京王八王子寄りにパンタグラフ1基が搭載されている[38][9]

サハ9500形

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付随車[42]である。8両編成と10両編成の4両目に組み込まれ[3]、2000年から2009年にサハ9501 - サハ9508、サハ9531 - サハ9549、サハ9530の28両が製造された[22][3]

サハ9550形

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付随車[42]である。8両編成の5両目に9500番台の車両、10両編成の6両目に9500番台、7両目に9600番台の車両が組み込まれ[3]、2000年から2009年にサハ9551 - サハ9558、サハ9581 - サハ9599、サハ9580、サハ9681 - サハ9699、サハ9680の48両が製造された[22][3]

クハ9700形

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新宿寄り制御車である[38]。2000年から2004年(平成16年)に8両編成用クハ9701 - クハ9708が、2005年から2009年に10両編成用クハ9731 - クハ9749、クハ9730の28両が製造された[22][3]

クハ9750形

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京王八王子寄り制御車である[38]。2000年から2004年に8両編成用クハ9751 - クハ9758が、2005年から2009年に10両編成用クハ9781 - クハ9799、クハ9780の28両が製造された[22][3]。8両編成用は京王八王子寄りに連結した2両編成と幌で貫通できるよう運転室が仕切れる構造となっている[4]

新製時のバリエーション

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ここでは製造時のバリエーションについて述べ、後年の改造は後述する。

8両編成

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最初に製造されたグループである。2001年1月24日に営業運転を開始した[43][44]。6000系の代替として新宿線乗り入れも考慮した設計が採用されている[10]。2000年に2編成[45] [46]、2001年に3編成[1]、2002年から2004年にかけて毎年各1編成[47][48][49]の合計8編成64両が製造され、番号末尾奇数が日車製、偶数が東急製である[1][47][48][49]。9707編成と9708編成では冷房出力が48.84 kWから58.14 kWに増強され[23]、SIVの容量が170 kVAから210 kVAに変更されている[2]

 
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形式 クハ9700 デハ9000 デハ9050 サハ9500 サハ9550 デハ9000 デハ9050 クハ9750
区分 Tc1 M1 M2 T1 T2 M1 M2 Tc2
車両番号[3] 9701
9702
9703
9704
9705
9706
9707
9708
9001
9002
9003
9004
9005
9006
9007
9008
9051
9052
9053
9054
9055
9056
9057
9058
9501
9502
9503
9504
9505
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9551
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9553
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9558
9101
9102
9103
9104
9105
9106
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9151
9152
9153
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9751
9752
9753
9754
9755
9756
9757
9758
2000年12月[1]
2000年12月[1]
2001年11月[1]
2001年11月[1]
2001年12月[1]
2002年10月[47]
2003年10月[48]
2004年6月[49]
搭載機器[10]   CON・PT SIV・CP・PT     CON・PT SIV・CP    
自重[4] 25.0 t 34.0 t 33.0 t 25.0 t 25.0 t 34.0 t 33.0 t 25.0 t
定員[33] 141 153 152 152 152 152 153 141
凡例
Tc …制御車、M …中間電動車、T…付随車、CON…制御装置、SIV…補助電源装置(静止形インバータ)、CP…電動空気圧縮機、PT…集電装置(京王八王子寄り)以下同じ。

10両編成

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前面の社名ロゴの貼付位置が他車と異なっていた頃の9730編成

8両編成に続いて2005年に2編成[50]、2006年と2007年に各3編成[51][52]、2008年と2009年に各6編成の合計20編成200両が日車で製造された[53][54]。車両番号末尾31 / 81から附番され、8両編成と区分されている[9]。新宿線乗り入れのため新宿線用ATC、列車無線などの装備が追加された[9]ほか、2008年製の9739編成から京王ATCが搭載された[8]。新火災対策基準に対応するため、各車両間への貫通扉設置、内装材の変更、天井材のFRPから塗装アルミに変更するなどの設計変更が行われた[9]。他編成と連結する運用を考慮する必要がないため、他形式と併結するための伝送変換器が設置されず[9]、正面貫通幌座も廃止された[34]。アンチクライマ形状が変更され[34]運行番号表示器が助手席側窓下部に設置された[9][55]ことが先頭部の8両編成との相違点である。

8両編成で灰色の木目模様だった妻部内装材は他の壁と同じ白色系に変更、座席端部袖仕切り板も大型のものに変更され[29]、車内車両番号表示がプレートからシールに変更されている[56]。サービス向上とコストダウンのため車椅子スペースを2両に1箇所に増設、全車両の両車端部全席を「おもいやりぞーん」としたほか、UVカットガラスの採用による側窓カーテンの廃止、客用扉窓の取付方法変更、客用扉内側化粧板の廃止(ステンレス無地)、台枠隅部傾斜廃止などが変更された[9][29]

補助電源装置は1台で5両に給電するため容量が250 kVAとなり、IGBTの1段分圧方式に変更されたものがデハ9050形に搭載された[23]。正側面の種別表示装置がフルカラーLEDに変更された[26][57]。2007年製造の9736編成以降では付随車に滑走防止装置が取り付けられたほか、側面種別・行先表示装置がやや大きくなり、全体がフルカラーLEDとなった[58]。車内案内表示器はLED式から液晶モニター(LCD)に変更され、すべてのドアの上に設置された[58]。座席部に設けられているつかみ棒は大きな曲線状のものとなり、貫通路幅拡大、吊手高さ変更などが行われた[58]。客用扉は先端部ならびに床面への黄色着色を行った[29]。乗務員支援装置はモニタ装置に代わり、日立製作所が開発した「ATI」(車両情報制御装置)シリーズの中から[59]、補機制御機能、検修支援機能などモニタ機能に特化した「ATI-M」と乗客情報サービス機能に特化した「ATI-S」を統合した[59]高機能形「ATI-M&S装置」を採用した[59]

当初乗入用編成は15編成と予定されたため[8]、末尾31 / 81から車両番号が付番されたが、19編成目で末尾49 / 99となったため20編成目は末尾30 / 80となった[60]。最終製造の9730編成は前面の「KEIO」ロゴが他編成と異なり前照灯ケースの下部に貼付されていた[2]が2019年の検査で他編成と同じ位置に移設された[61]

 
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形式 クハ9700 デハ9000 デハ9050 サハ9500 デハ9000 サハ9550 サハ9550 デハ9000 デハ9050 クハ9750
区分 Tc1 M1 M2 T1 M1 T2 T2 M1 M2 Tc2
車両番号[3] 9731
9732
9733
9734
9735
9736
9737
9738
9739
9740
9741
9742
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9744
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9748
9749
9730
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2006年1月[50]
2006年3月[50]
2006年12月[51]
2007年2月[51]
2007年2月[51]
2008年1月[52]
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2008年3月[52]
2008年4月[53]
2008年5月[53]
2008年6月[53]
2008年7月[53]
2008年9月[53]
2008年10月[53]
2009年3月[54]
2009年4月[54]
2009年5月[54]
2009年6月[54]
2009年7月[54]
2009年8月[54]
搭載機器[9]   CON・PT SIV・CP・PT   CON・PT     CON・PT SIV・CP・PT    
自重[4] 25.5 t 34.0 t 33.0 t 25.0 t 33.0 t 25.0 t 25.0 t 34.0 t 33.0 t 25.5 t
定員[7][37] 141 153 152 153 152 153 152 152 153 141

各種改造工事

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製造後、各種の改造工事が行われている。

表示装置フルカラーLED化

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2008年(平成20年)ごろから8両編成の正側面行先表示装置のフルカラーLED化が行われ、2009年(平成21年)6月に完了した[62][63]

ATC設置工事

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ATCが設置された運転台(クハ9752)

京王ATC非設置で製造された編成に対して、ATC装置の設置工事がATC運用開始に先立つ2008年1月から2010年4月にかけて行われている[64]

自動放送装置設置

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新宿駅 - 高尾山口駅間が外国人観光旅客の来訪の促進等による国際観光の振興に関する法律(外客旅行容易化法)の情報提供促進措置を講ずべき区間に指定され、英語での放送が求められたこと、放送品質の均一化を目的[65]2010年(平成22年)5月1日より一部の編成に自動放送が導入された[66]

台車交換

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サハ9680の台車

2013年(平成25年)2月に、サハ9680の台車がPQモニタリング台車 (SS180) に交換された[67][68][69]

前部標識灯LED化

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8000系に続いて2020年9月より0番台の前部標識灯のLED化が開始され、2024年2月11日の9745FのLED化をもって全編成の換装が完了した。[要出典]

運用

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都営新宿線乗り入れを除き、形式による運用の限定はないため、8両編成・10両編成とも他形式と共通に広く全線で運用される[14]。8両編成は7000系との併結が可能で、2両編成を連結した10両編成として運用されることもある[70][14]。10両編成は都営新宿線乗り入れ対応となっているため、新宿線乗り入れにも使用される[14]

ラッピング編成

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サンリオキャラクターフルラッピングトレイン(2021年11月 長沼駅)
    • その後、長期検査のため2024年8月27日をもって運行を休止している[73]

その他

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2020年4月20日に、高幡不動検車区で定期検査を受けていた編成のうち、3両目のデハ9000形と8両目のデハ9050形について、主電動機取付金具の熔接部に亀裂が発見されたことが京王電鉄より明らかにされた。亀裂の原因は不明であるが、同社はこれを受けて同一構造の台車を使用している京王線176両、井の頭線87両[注釈 10]に対して目視点検や探傷検査を実施し、異常がないことを確認した。同時に「本件を厳粛に受け止め、さらなる安全対策の徹底を図ってまいります」と陳謝し、今後当該車両の修理対応を車両メーカーと協議するとしている[74]

脚注

[編集]

注釈

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  1. ^ 新宿 - 京王八王子間の路線を指す場合もあるが、ここでは京王電鉄の1,372 mm軌間の路線の総称として用いる。
  2. ^ 鉄道ファン向けの雑誌記事などでは「編成」をFと略して9701Fなどと表現されることや、編成中一番番号が小さい車両で代表して9001Fなどと表記されることがあるが、京王電鉄が寄稿した記事(新車ガイド「京王電鉄9000系」「京王電鉄7000系 VVVFインバータ化改造」など)では新宿寄り先頭車で代表し、9701編成などと書かれているためこちらに合わせた。
  3. ^ ビードのない理由を京王も、車体製造者も明記していないが、JR東日本901系電車登場時の紹介記事には製造工程簡略化のためビードを廃止した旨の記述がある。
  4. ^ 国鉄技第125号 「鉄道に関する技術上の基準を定める省令等の解釈基準の一部改正について” (pdf). 国土交通省 (2004年12月27日). 2014年7月23日閲覧。」による。
  5. ^ 側扉部・窓部などの外板を含む構体をブロックごとに製造し、これらを結合して側構体を構成する工法で、側構体組み立て時のマテリアルハンドリングを容易にすることで組み立てコストの低減を狙っている[25]
  6. ^ 鉄道に関する技術上の基準を定める省令(平成13年12月25日国土交通省令第151号)第75条” (2001年12月25日). 2019年12月24日閲覧。 “2001年12月25日施行分”」に側面からの脱出が困難な区間を走行する列車は列車の最前部及び最後部から確実に脱出できる構造であることが規定されている。
  7. ^ 京王電鉄としては1997年(平成9年)に井の頭線1000系の一部にIGBT素子を使用した制御装置を採用している[35]
  8. ^ 本稿の参考文献に列挙した各記事では9000系用ブレーキ指令装置の製造者名が確認できないが、HRDA-1はナブコ技報からナブコ(2003年からナブテスコ)製であることが分かる。
  9. ^ 本稿の参考文献に列挙した各記事ではパンタグラフの製造者名が確認できないが、東洋電機技報には京王にパンタグラフを納入したとの記載がある。
  10. ^ この内訳は明らかにされていないが、東急製又は総合車両所製ボルスタレス動力台車を採用した8000系最終増備車、9000系全編成、5000系(2代目)全編成、並びに1000系全編成の電動車の両数と一致している。

出典

[編集]
  1. ^ a b c d e f g h i 『鉄道ピクトリアル』通巻734号p252
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p 『鉄道ダイヤ情報』通巻310号p15
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r 『鉄道ダイヤ情報』通巻310号p90
  4. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa 『鉄道ファン』通巻479号p73
  5. ^ a b c d e f g 『鉄道ファン』通巻479号付図
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  73. ^ [1]
  74. ^ 京王9000系で亀裂トラブル…モーター取付金具の溶接部に2か所

参考文献

[編集]

書籍

[編集]
  • 『京王電鉄のひみつ』PHP研究所、2012年。ISBN 9784569807157 
  • 村松功『JTBキャンブックス 京王電鉄 まるごと探見』JTBパブリッシング、2012年。ISBN 9784533085628 

雑誌記事

[編集]
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    • 佐藤 裕「21世紀を先取りした首都圏の新しい足 JR東日本 901系通勤型直流電車」 pp. 29-35
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    • 「付図 RF22457 京王電鉄 制御客車 形式 クハ9700(Tc1)」
  • 鉄道ピクトリアル』通巻708号「新車年鑑2001年版」(2001年10月・電気車研究会)
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  • 『鉄道ピクトリアル』通巻734号「特集 京王電鉄」(2003年7月・電気車研究会)
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    • 京王電鉄広報部「総説:京王電鉄」 pp. 10-16
    • 田中 健輔「輸送と運転 近年の動向」 pp. 23-32
    • 京王電鉄車両電気部車両課「車両総説」 pp. 42-49
    • 「京王電鉄 現有車両プロフィール」 pp. 212-239
    • 「京王電鉄 主要車歴表」 pp. 240-259
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  • 『鉄道ピクトリアル』通巻717号(2002年5月・電気車研究会
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  • 『ナブコ技報』通巻94号(2003年7月)(2003年7月・株式会社ナブコ)
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    • 日本車輛製造株式会社 鉄道車両本部技術総括部「車両メーカからみた鉄道車両の標準化について」 pp. 20-24
  • 『鉄道ピクトリアル』通巻753号「鉄道車両年鑑2004年版」(2004年10月・電気車研究会)
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    • 「各社別新造・改造・廃車一覧」 pp. 216-227
  • 『鉄道ピクトリアル』通巻767号「鉄道車両年鑑2005年版」(2005年10月・電気車研究会)
    • 「各社別新造・改造・廃車一覧」 pp. 214-229
  • 『鉄道ピクトリアル』通巻781号「鉄道車両年鑑2006年版」(2006年10月・電気車研究会)
    • 京王電鉄(株)車両電気部車両課「京王電鉄 9000系6次車」 pp. 150-151
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  • 『鉄道ピクトリアル』通巻795号「鉄道車両年鑑2007年版」(2007年10月・電気車研究会)
    • 「各社別新造・改造・廃車一覧」 pp. 222-235
  • とれいん』通巻397号「アイボリーの駿馬 京王線特集」(2008年1月・エリエイ プレス・アイゼンバーン)
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    • 藤田 吾朗「京王電鉄 現有車両プロフィール 2014」 pp. 231-259
  • 日本鉄道車輌工業会「鉄道車両工業」454号(2010年4月)新製品と新技術「京王電鉄株式会社殿納め9000系ATI-M&S装置」27-30P

外部リンク

[編集]