第83回東京優駿
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2016 日本ダービー レース映像 jraofficial(JRA公式YouTubeチャンネル)による動画 |
第83回東京優駿は、2016年5月29日に東京競馬場で施行された、競馬の競走である[1]。
出走馬の状況
[編集]皐月賞を人気薄ながら勝利したディーマジェスティをはじめ、同レース2着で、若駒ステークス、弥生賞を勝っていたマカヒキ、また3着になったきさらぎ賞勝ち馬のサトノダイヤモンドや前年の朝日杯フューチュリティーステークスを制したリオンディーズ、そのレースで2着のエアスピネルなどが出走を決めた。
またトライアル競走を勝った馬については、青葉賞勝ち馬ヴァンキッシュラン、プリンシパルステークス勝ち馬のアジュールローズがいる。これらの馬たちも出走を決めた。トライアル競走ではないが、京都新聞杯を勝ったスマートオーディンも出走した。
トライアル競走の結果
[編集]第76回皐月賞 GI
着順 | 競走馬名 | 性齢 | 騎手 | タイム | 着差 |
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1着 | ディーマジェスティ | 牡3 | 蛯名正義 | 1:57.9 | レースレコード |
2着 | マカヒキ | 牡3 | 川田将雅 | 1:58.1 | 1馬身1/4 |
3着 | サトノダイヤモンド | 牡3 | C.ルメール | 1:58.3 | 1馬身1/4 |
4着 | エアスピネル | 牡3 | 武豊 | 1:58.4 | ハナ |
5着 | リオンディーズ | 牡3 | M.デムーロ | 1:58.4 | 1/2馬身 |
※最後の直線でのリオンディーズのエアスピネル及びサトノダイヤモンドに対する進路妨害[注 1]により、リオンディーズは4位入線から5着に降着、エアスピネルは4着となった。
第23回青葉賞 GII
- 東京・芝2400mで施行。
- 2着以内に優先出走権が与えられる。
着順 | 競走馬名 | 性齢 | 騎手 | タイム | 着差 |
---|---|---|---|---|---|
1着 | ヴァンキッシュラン | 牡3 | 内田博幸 | 2:24.2 | |
2着 | レッドエルディスト | 牡3 | 四位洋文 | 2:24.4 | 1馬身1/4 |
3着 | レーヴァテイン | 牡3 | C.ルメール | 2:24.9 | 3馬身 |
プリンシパルステークス OP
- 東京・芝2000mで施行。
- 1着馬に優先出走権が与えられる。
着順 | 競走馬名 | 性齢 | 騎手 | タイム | 着差 |
---|---|---|---|---|---|
1着 | アジュールローズ | 牡3 | H.ボウマン | 1:59.2 | |
2着 | マイネルラフレシア | 牡3 | 柴田大知 | 1:59.4 | 1馬身1/4 |
3着 | ゼーヴィント | 牡3 | 石川裕紀人 | 1:59.5 | 3/4馬身 |
その他の主な前哨戦の結果
[編集]第21回NHKマイルカップ GI
- 東京・芝1600ⅿで施行。
着順 | 競走馬名 | 性齢 | 騎手 | タイム | 着差 |
---|---|---|---|---|---|
1着 | メジャーエンブレム | 牝3 | C.ルメール | 1:32.8 | |
2着 | ロードクエスト | 牡3 | 池添謙一 | 1:32.9 | 3/4馬身 |
3着 | レインボーライン | 牡3 | 福永祐一 | 1:32.9 | クビ |
第64回京都新聞杯 GII
- 京都・芝2200mで施行。
着順 | 競走馬名 | 性齢 | 騎手 | タイム | 着差 |
---|---|---|---|---|---|
1着 | スマートオーディン | 牡3 | 戸崎圭太 | 2:12.6 | |
2着 | アグネスフォルテ | 牡3 | 松山弘平 | 2:12.7 | 3/4馬身 |
3着 | ロイカバード | 牡3 | 池添謙一 | 2:12.9 | 1馬身1/2 |
出走馬と枠順
[編集]枠番 | 馬番 | 競走馬名 | 性齢 | 騎手 | オッズ | 人気 | 馬体重 |
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1 | 1 | ディーマジェスティ | 牡3 | 蛯名正義 | 3.5倍 | 1 | 472 |
2 | マイネルハニー | 牡3 | 柴田大知 | 175.1倍 | 14 | 464 | |
2 | 3 | マカヒキ | 牡3 | 川田将雅 | 4.0倍 | 3 | 502 |
4 | レインボーライン | 牡3 | 福永祐一 | 155.4倍 | 12 | 432 | |
3 | 5 | エアスピネル | 牡3 | 武豊 | 21.3倍 | 7 | 476 |
6 | アグネスフォルテ | 牡3 | 松山弘平 | 274.5倍 | 16 | 430 | |
4 | 7 | ロードクエスト | 牡3 | 岩田康誠 | 70.0倍 | 9 | 450 |
8 | サトノダイヤモンド | 牡3 | クリストフ・ルメール | 3.8倍 | 2 | 500 | |
5 | 9 | マウントロブソン | 牡3 | トミー・ベリー | 89.8倍 | 10 | 468 |
10 | スマートオーディン | 牡3 | 戸崎圭太 | 11.7倍 | 5 | 480 | |
6 | 11 | アジュールローズ | 牡3 | ヒュー・ボウマン | 159.4倍 | 13 | 492 |
12 | リオンディーズ | 牡3 | ミルコ・デムーロ | 5.5倍 | 4 | 496 | |
7 | 13 | レッドエルディスト | 牡3 | 四位洋文 | 57.8倍 | 8 | 504 |
14 | ヴァンキッシュラン | 牡3 | 内田博幸 | 16.6倍 | 6 | 496 | |
15 | イモータル | 牡3 | 石川裕紀人 | 268.6倍 | 15 | 514 | |
8 | 16 | ブレイブスマッシュ | 牡3 | 横山典弘 | 350.6倍 | 17 | 476 |
17 | プロフェット | 牡3 | 浜中俊 | 375.5倍 | 18 | 456 | |
18 | プロディガルサン | 牡3 | 田辺裕信 | 104.0倍 | 11 | 488 |
レース結果
[編集]レース内容
[編集]スタートは4番のレインボーラインと9番のマウントロブソンがスタートの出が良くなく、後方からの競馬に。一方で好スタートを切ったのは、マイネルハニー。エアスピネルもなかなかのスタートを切った。
先頭に立ったのはマイネルハニー。2番手にはアグネスフォルテがつけた。前走かかってしまったリオンディーズは前には行かず、後ろに下げた。人気のマカヒキ、サトノダイヤモンド、ディーマジェスティは中団あたりに位置をとった。
向正面では前から4・5番手にエアスピネル、中団やや前にサトノダイヤモンド、その内にマカヒキ、その後ろからディーマジェスティといった展開になった。 前半1000mはジャスト60秒で通過した。 第3コーナーにかけても、依然としてマイネルハニーが先頭のままレースは進んだ。
そして迎えた最後の直線。 マイネルハニーが前で粘るが、エアスピネルが早めにそれをかわし先頭に立った。その後ろにマカヒキ、並んでサトノダイヤモンドが位置し、大外から二冠を狙うディーマジェスティもやってきた。その頃マカヒキはエアスピネルが壁となり出てこられなくなってしまった。だがここでサトノダイヤモンドが外へ膨れたため、マカヒキは間から抜け出すことができ、サトノダイヤモンドに並びかけた。そして残り150mの地点で粘り続けるエアスピネルをサトノダイヤモンドとマカヒキ、その後ろにいたディーマジェスティが交わし、勝負は完全にマカヒキとサトノダイヤモンドの2頭の争いとなった。両者一歩も譲らない激しい叩き合いが続き、並んだままほぼ同時にゴールした。 ゴールしたあと、叩き合いを演じた両馬の騎手、川田将雅とクリストフ・ルメールが手をつないで健闘をたたえた。 そして、長い写真判定の末、マカヒキに軍配が上がった[1]。2頭の差はわずかに8cmだった[3]。
一方、二冠を目指したディーマジェスティは、前の2頭の後方で3着に敗れた[1]。
レース着順
[編集]着順 | 馬番 | 競走馬名 | タイム | 上がり3F | 着差 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 3 | マカヒキ | 2:24.0 | 33.3 | |
2 | 8 | サトノダイヤモンド | 2:24.0 | 33.4 | ハナ |
3 | 1 | ディーマジェスティ | 2:24.1 | 33.3 | 1/2馬身 |
4 | 5 | エアスピネル | 2:24.4 | 34.0 | 2馬身 |
5 | 12 | リオンディーズ | 2:24.5 | 33.2 | 1/2馬身 |
6 | 10 | スマートオーディン | 2:24.5 | 33.6 | ハナ |
7 | 9 | マウントロブソン | 2:24.6 | 33.5 | 1/2馬身 |
8 | 4 | レインボーライン | 2:24.7 | 33.7 | クビ |
9 | 13 | レッドエルディスト | 2:24.8 | 33.7 | 3/4馬身 |
10 | 18 | プロディガルサン | 2:24.9 | 34.7 | クビ |
11 | 7 | ロードクエスト | 2:25.0 | 34.2 | 3/4馬身 |
12 | 11 | アジュールローズ | 2:25.1 | 34.7 | 1/2馬身 |
13 | 14 | ヴァンキッシュラン | 2:25.4 | 34.7 | 1馬身3/4 |
14 | 6 | アグネスフォルテ | 2:25.4 | 35.4 | クビ |
15 | 15 | イモータル | 2:25.8 | 34.9 | 2馬身1/2 |
16 | 2 | マイネルハニー | 2:25.9 | 36.1 | クビ |
17 | 17 | プロフェット | 2:26.1 | 36.0 | 1馬身1/2 |
18 | 16 | ブレイブスマッシュ | 2:35.1 | 42.1 | 大差 |
データ
[編集]ハロンタイム | 12.6-11.1-11.9-12.1-12.3-12.9-13.1-11.8-12.0-11.6-11.0-11.6 |
1000m通過タイム | 60.0秒(マイネルハニー) |
上がり4ハロン | 46.2秒 |
上がり3ハロン | 34.2秒 |
優勝馬上がり3ハロン | 33.3秒(マカヒキ) |
上がり3ハロン最速 | 33.2秒(リオンディーズ) |
制裁
[編集]プロフェット騎乗の浜中俊は、第1コーナーで内側に斜行、過怠金30,000円 (被害馬:6番 アグネスフォルテ)
払戻
[編集]単勝 | 3 (3番人気) | 400円 |
複勝 | 3 (3番人気) | 130円 |
8 (2番人気) | 120円 | |
1 (1番人気) | 140円 | |
枠連 | 2-4 (2番人気) | 700円 |
馬連 | 3-8 (1番人気) | 700円 |
ワイド | 3-8 (1番人気) | 240円 |
1-3 (2番人気) | 280円 | |
1-8 (3番人気) | 310円 | |
馬単 | 3-8 (3番人気) | 1,420円 |
3連複 | 1-3-8 (1番人気) | 850円 |
3連単 | 3-8-1 (5番人気) | 4,600円 |
エピソード
[編集]競走にまつわるエピソード
[編集]- サトノダイヤモンドは、向正面で左後肢を落鉄するアクシデントに見舞われていた。
- 上位の3頭は全てディープインパクト産駒であった。
- 上位の5頭は全て皐月賞の上位5着である。
- 「第83回」東京優駿の勝ち馬の馬番は「3」、2着馬の馬番は「8」であった。
その他
[編集]- ベストターンドアウト賞はアジュールローズが選ばれた。
- 当日の来場者数は130,597人と発表された。
達成された記録
[編集]- このレースでマカヒキに騎乗し勝利した川田将雅は、クラシックの5競走(皐月賞・東京優駿・菊花賞・桜花賞・優駿牝馬)の史上8人目となる完全制覇を成し遂げた[3]。またGI勝利は2015年宝塚記念以来GI8勝目、重賞50勝目、中央通算964勝目。
- ディープインパクト産駒の東京優駿制覇は3頭目(ディープブリランテ・キズナ・マカヒキ)である。
関連項目
[編集]テレビ・ラジオ中継
[編集]本競走の実況担当者
- 日本放送協会(NHK):三浦拓実[4]
- ラジオNIKKEI:中野雷太
- フジテレビ:青嶋達也
- 解説:松本ヒロシ(競馬エイト・トラックマン)
- アール・エフ・ラジオ日本:細渕武揚[5]
- ニッポン放送:清水久嗣
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ エアスピネルの外側にはサトノダイヤモンドもおり、同馬も不利を受けたが、加害馬に先着したため降着には関係なかった。
出典
[編集]- ^ a b c 2016年日本ダービーの結果・払戻 netkeibaより 2016年11月11日閲覧。
- ^ 2016年皐月賞の結果・払戻 netkeibaより 2016年11月13日閲覧
- ^ a b “【日本ダービー】マカヒキ8センチ鼻差で世代頂点に!川田が泣いた”. スポーツニッポン. (2016年5月30日) 2017年3月1日閲覧。
- ^ 競馬「第83回日本ダービー」 - NHKクロニクル
- ^ 『競馬実況中継年末特番・平成ダービー伝説』 - ラジオ日本 2018年12月30日放送。