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きさらぎ賞

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
きさらぎ賞
第59回きさらぎ賞(2019年2月3日)
優勝馬:ダノンチェイサー
開催国 日本の旗 日本
主催者 日本中央競馬会
競馬場 京都競馬場
創設 1961年2月19日[1]
2024年の情報
距離 芝1800m
格付け GIII
賞金 1着賞金4100万円
出走条件 サラ系3歳(国際)(特指)
負担重量 馬齢
出典 [2][3]
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きさらぎ賞(きさらぎしょう)は、日本中央競馬会(JRA)京都競馬場で施行する中央競馬重賞競走GIII)である。

競走名の「きさらぎ(如月)」は、陰暦の2月を表す異称[4]

2023年までNHK名古屋放送局京都放送局)が寄贈賞を提供していたが[3]、NHKの寄贈賞が東京競馬場開催のGINHKマイルカップに一本化されるため、2024年(令和6年)から寄贈賞が無くなることになった。

JRAの重賞でレース名が平仮名なのは当競走とみやこステークスの2つのみである。

概要

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1961年に創設された、4歳(現3歳)馬限定の重賞競走[4]。1962年の第2回から2023年の第63回まで(NHK賞)の副称がつけられていた[1][注 1]

創設時は中京競馬場の砂1200mで施行。その後は砂1700mへの変更を経て[1]、1971年から1986年までは中京競馬場・芝1800mで施行していた[4]。1987年からは京都競馬場・芝2000mに変更され、1991年から京都競馬場・芝1800m(外回り)で行われている[4]

格付表記は2007年に日本がパートI国に昇格した際「JpnIII」に変更、2009年から国際格付の「GIII」に変更された[4]

外国産馬は1972年から出走可能になった。1996年には特別指定交流競走に指定され、地方競馬所属馬の出走が可能になったほか、2009年には国際競走に指定され外国馬の出走も可能になった[4]

先述の通り2023年まではNHK賞の副称がつけられていたが、テレビ番組のみ存在する中央競馬の中継番組における対象波である総合テレビBS1で中継したことは一度もない[注 2][注 3]

競走条件

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以下の内容は、2024年現在[2][3][5]のもの。

出走資格:サラ系3歳

  • JRA所属馬
  • 地方競馬所属馬(2頭まで)
  • 外国調教馬(優先出走)
  • 負担重量:馬齢重量(牡馬57キロ、牝馬2キロ減)

賞金

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2024年の1着賞金は4100万円で、以下2着1600万円、3着1000万円、4着620万円、5着410万円[2][3]

歴史

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  • 1961年 - 4歳(現3歳)の馬による重賞競走として創設、中京競馬場の砂1200mで施行[4]
  • 1962年 - この年以降、(NHK賞)の副称がつく[1]
  • 1972年 - 混合競走に指定[1]
  • 1984年 - グレード制導入によりGIII[注 4]に格付け。
  • 1996年 - 特別指定交流競走に指定され、地方競馬所属馬は2頭まで出走可能となる[1]
  • 2001年 - 馬齢表示の国際基準への変更に伴い、競走条件を「4歳」から「3歳」に変更。
  • 2007年 - 日本のパートI国昇格に伴い、格付表記をJpnIIIに変更[6]
  • 2009年[7]
    • 国際競走に変更され、外国調教馬は8頭まで出走可能となる。
    • 格付表記をGIII(国際格付)に変更。
  • 2015年 - 出走可能頭数を18頭に拡大。これに伴い外国調教馬は9頭まで出走可能となる[8]
  • 2021年
  • 2024年
    • 負担重量を馬齢重量に変更。
    • 正賞の「NHK賞」が外れる。

歴代優勝馬

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優勝馬の馬齢は、2000年以前も現行表記に揃えている。

コース種別を表記していない距離は、芝コースを表す。

回数 施行日 競馬場 距離 優勝馬 性齢 タイム 優勝騎手 管理調教師 馬主
第1回 1961年2月19日 中京 砂1200m スギヒメ 牝3 1:14.2 諏訪眞 諏訪佐市 小杉咲枝
第2回 1962年2月18日 中京 砂1200m ライジングマサル 牡3 1:14.7 吉永猛 渋川久作 小林策郎
第3回 1963年2月10日 中京 砂1200m アイスブルー 牡3 1:14.2 武邦彦 武輔彦 仙石襄(ジョー・エス)
第4回 1964年2月9日 中京 砂1200m フラミンゴ 牝3 1:13.2 吉永正人 松山吉三郎 中内佐光
第5回 1965年2月28日 中京 砂1700m ダイコーター 牡3 1:47.5 栗田勝 柴田不二男 橋元幸吉
第6回 1966年2月27日 中京 砂1700m タイシユウ 牡3 1:47.8 瀬戸口勉 上田武司 中山芳雄
第7回 1967年2月19日 中京 砂1700m シバフジ 牡3 1:48.7 四位満教 浅見国一 内芝伝一
第8回 1968年2月18日 中京 砂1700m マーチス 牡3 1:46.0 武邦彦 伊藤修司 大久保常吉
第9回 1969年2月16日 中京 砂1700m タカツバキ 牡3 1:46.7 田口光雄 松田由太郎 若林重造
第10回 1970年2月8日 京都 1600m タニノムーティエ 牡3 1:42.4 安田伊佐夫 島崎宏 谷水信夫
第11回 1971年2月21日 中京 1800m ヒカルイマイ 牡3 1:50.1 田島良保 谷八郎 岸根蔵之助
第12回 1972年2月20日 中京 1800m ヒデハヤテ 牡3 1:52.1 福永洋一 伊藤修司 伊藤英夫
第13回 1973年2月11日 中京 1800m クリオンワード 牡3 1:50.7 安田伊佐夫 栗田勝 樫山純三
第14回 1974年2月10日 中京 1800m キタノカチドキ 牡3 1:50.2 武邦彦 服部正利 初田豊
第15回 1975年2月9日 中京 1800m スリーフラム 牡3 1:51.4 稲部和久 諏訪佐市 永井商事(株)
第16回 1976年2月8日 中京 1800m スピリットスワプス 牡3 1:49.8 中野栄治 荒木静雄 ローヤル(株)
第17回 1977年2月13日 中京 1800m リュウキコウ 牡3 1:48.9 久保敏文 久保道雄 三好笑子
第18回 1978年2月12日 中京 1800m インターグシケン 牡3 1:52.1 武邦彦 日迫清 松岡正雄
第19回 1979年2月11日 中京 1800m ネーハイジェット 牡3 1:52.3 岩元市三 布施正 内海都一
第20回 1980年2月10日 中京 1800m ノトダイバー 牡3 1:50.1 加用正 北橋修二 (有)能登
第21回 1981年2月8日 中京 1800m リードワンダー 牡3 1:48.9 田島信行 服部正利 熊本芳雄
第22回 1982年2月14日 中京 1800m ワカテンザン 牡3 1:49.2 小谷内秀夫 戸山為夫 小塚美近
第23回 1983年2月13日 中京 1800m ニホンピロウイナー 牡3 1:50.1 武邦彦 服部正利 小林百太郎
第24回 1984年2月12日 中京 1800m ゴールドウェイ 牡3 1:49.4 田島良保 日迫良一 小林廣仲
第25回 1985年2月10日 中京 1800m イブキカネール 牡3 1:51.9 出口隆義 内藤繁春 (有)伊吹
第26回 1986年2月9日 中京 1800m フミノアプローズ 牡3 1:50.8 丸山勝秀 土門一美 谷二
第27回 1987年2月15日 京都 2000m トチノルーラー 牡3 2:04.6 蛯沢誠治 栗田博憲 早乙女光男
第28回 1988年2月14日 京都 2000m マイネルフリッセ 牡3 2:04.3 武豊 中村均 (株)サラブレッドクラブ・ラフィアン
第29回 1989年2月12日 京都 2000m ナイスナイスナイス 牡3 2:03.6 丸山勝秀 長浜博之 誓山正伸
第30回 1990年2月11日 阪神 2000m ハクタイセイ 牡3 2:04.1 須貝尚介 布施正 渡辺重夫
第31回 1991年2月10日 京都 1800m シンホリスキー 牡3 1:48.2 南井克巳 岩元市三 林幸雄
第32回 1992年2月16日 京都 1800m ヒシマサル 牡3 1:48.5 田島信行 佐山優 阿部雅一郎
第33回 1993年2月14日 京都 1800m ツジユートピアン 牡3 1:48.1 田原成貴 伊藤修司 辻俊夫
第34回 1994年2月6日 阪神 2000m サムソンビッグ 牡3 2:07.4 田所秀孝 鹿戸幸治 田中由子
第35回 1995年2月5日 京都 1800m スキーキャプテン 牡3 1:47.6 武豊 森秀行 (有)社台レースホース
第36回 1996年2月4日 京都 1800m ロイヤルタッチ 牡3 1:48.2 O.ペリエ 伊藤雄二 太田美實
第37回 1997年2月2日 京都 1800m ヒコーキグモ 牡3 1:49.1 松永幹夫 谷潔 小田切有一
第38回 1998年2月8日 京都 1800m スペシャルウィーク 牡3 1:51.3 武豊 白井寿昭 臼田浩義
第39回 1999年2月7日 京都 1800m ナリタトップロード 牡3 1:49.1 渡辺薫彦 沖芳夫 山路秀則
第40回 2000年2月13日 京都 1800m シルヴァコクピット 牡3 1:48.0 武豊 安田隆行 金子真人
第41回 2001年2月11日 京都 1800m アグネスゴールド 牡3 1:47.9 河内洋 長浜博之 渡辺孝男
第42回 2002年2月10日 京都 1800m メジロマイヤー 牡3 1:47.6 飯田祐史 田島良保 (有)メジロ牧場
第43回 2003年2月16日 京都 1800m ネオユニヴァース 牡3 1:49.6 福永祐一 瀬戸口勉 (有)社台レースホース
第44回 2004年2月15日 京都 1800m マイネルブルック 牡3 1:48.0 藤田伸二 田村康仁 (株)サラブレッドクラブ・ラフィアン
第45回 2005年2月13日 京都 1800m コンゴウリキシオー 牡3 1:48.5 藤田伸二 山内研二 金岡久夫
第46回 2006年2月12日 京都 1800m ドリームパスポート 牡3 1:47.4 安藤勝己 松田博資 ジョイ・レースホース(株)
第47回 2007年2月11日 京都 1800m アサクサキングス 牡3 1:48.8 武幸四郎 大久保龍志 田原慶子
第48回 2008年2月17日 京都 1800m レインボーペガサス 牡3 1:48.8 O.ペリエ 鮫島一歩 吉村敏治
第49回 2009年2月15日 京都 1800m リーチザクラウン 牡3 1:48.9 武豊 橋口弘次郎 臼田浩義
第50回 2010年2月14日 京都 1800m ネオヴァンドーム 牡3 1:48.6 M.デムーロ 藤原英昭 小林仁幸
第51回 2011年2月6日 京都 1800m トーセンラー 牡3 1:47.6 M.デムーロ 藤原英昭 島川隆哉
第52回 2012年2月5日 京都 1800m ワールドエース 牡3 1:47.0 小牧太 池江泰寿 (有)サンデーレーシング
第53回 2013年2月3日 京都 1800m タマモベストプレイ 牡3 1:48.9 和田竜二 南井克巳 タマモ(株)
第54回 2014年2月9日 京都 1800m トーセンスターダム 牡3 1:47.6 武豊 池江泰寿 島川隆哉
第55回 2015年2月8日 京都 1800m ルージュバック 牝3 1:48.6 戸崎圭太 大竹正博 (有)キャロットファーム
第56回 2016年2月7日 京都 1800m サトノダイヤモンド 牡3 1:46.9 C.ルメール 池江泰寿 里見治
第57回 2017年2月5日 京都 1800m アメリカズカップ 牡3 1:50.1 松若風馬 音無秀孝 谷掛龍夫
第58回 2018年2月4日 京都 1800m サトノフェイバー 牡3 1:48.8 古川吉洋 南井克巳 (株)サトミホースカンパニー
第59回 2019年2月3日 京都 1800m ダノンチェイサー 牡3 1:49.0 川田将雅 池江泰寿 (株)ダノックス
第60回 2020年2月9日 京都 1800m コルテジア 牡3 1:48.3 松山弘平 鈴木孝志 前田幸治
第61回 2021年2月7日 中京 2000m ラーゴム 牡3 2:01.0 北村友一 斉藤崇史 林正道
第62回 2022年2月6日 中京 2000m マテンロウレオ 牡3 2:00.5 横山典弘 昆貢 寺田千代乃
第63回 2023年2月5日 中京 2000m フリームファクシ 牡3 1:59.7 川田将雅 須貝尚介 金子真人ホールディングス(株)
第64回 2024年2月4日 京都 1800m ビザンチンドリーム 牡3 1:46.8 R.ピーヒュレク 坂口智康 吉田和美

参考文献

[編集]
  • 「きさらぎ賞(GIII)(NHK賞)」『中央競馬全重賞競走成績集【2歳・3歳編】』日本中央競馬会、2006年、1107-1159頁。 

脚注・出典

[編集]

注釈

[編集]
  1. ^ 公式の競馬番組表[3]や重賞競走一覧[2]では「きさらぎ賞(NHK賞)」と表記しているが、JRAのホームページでは(NHK賞)が省略されている場合もある。
  2. ^ NHKの地上波テレビ、BS、ラジオ全波で中継が無い競技大会でNHKから賞杯が贈られる例は、全国高校ラグビー大会でもNHK杯が贈られている。NHKは現在でも同大会を後援し、総合テレビでも1982年度(第62回)まで中継されていた。
  3. ^ 民放でも中央競馬の放送権がない局(放送を行わない局)でも賞杯の提供を行っている局がある。札幌競馬場で行われる北海道放送札幌テレビ放送(放送は関連会社のSTVラジオ。同局は函館競馬場でも)、北海道テレビ放送(同局も函館競馬場でも)、福島競馬場で行われる福島中央テレビ福島放送テレビユー福島東京競馬場で行われるテレビ山梨中京競馬場で行われるCBCテレビ(放送は関連会社のCBCラジオ)が該当する。詳しくは中央競馬の冠競走一覧を参照。
  4. ^ 当時の格付表記は、JRAの独自グレード。

出典

[編集]
  1. ^ a b c d e f 中央競馬全重賞競走成績集
  2. ^ a b c d 重賞競走一覧(レース別・関西)” (PDF). 日本中央競馬会. p. 4 (2024年). 2024年4月30日閲覧。
  3. ^ a b c d e 2024年第2回京都競馬番組” (PDF). 日本中央競馬会. 2024年4月30日閲覧。
  4. ^ a b c d e f g 歴史・コース:きさらぎ賞 今週の注目レース”. 日本中央競馬会. 2024年4月30日閲覧。
  5. ^ 中央競馬指定交流競走に出走する地方競馬所属馬の決定方法(2024年度春季競馬)” (PDF). 日本中央競馬会. 2022年1月28日閲覧。
  6. ^ 第2回 京都競馬成績集計表” (PDF). 日本中央競馬会. pp. 499-500 (2007年). 2016年2月1日閲覧。(索引番号:04071)
  7. ^ 第2回 京都競馬成績集計表” (PDF). 日本中央競馬会. pp. 493-494 (2009年). 2016年2月1日閲覧。(索引番号:04071)
  8. ^ 重賞競走一覧(レース別・関西)” (PDF). 日本中央競馬会. p. 4 (2015年). 2016年3月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年2月1日閲覧。
  9. ^ 令和3年度の重賞競走の主な変更点について”. 日本中央競馬会 (2020年10月19日). 2020年10月20日閲覧。
  10. ^ 令和5年開催日割” (PDF). 日本中央競馬会. 2022年10月17日閲覧。
  11. ^ 【!】1月16日(土曜)からの競馬場・ウインズ等の営業(無観客競馬・発売取りやめ) JRA”. 日本中央競馬会 (2021年1月14日). 2021年1月14日閲覧。

各回競走結果の出典

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外部リンク

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