京阪鋼索線
鋼索線 | |
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鋼索線(石清水八幡宮参道ケーブル)の客車 2号「こがね」(2020年1月26日撮影) | |
基本情報 | |
通称 | 石清水八幡宮参道ケーブル |
国 | 日本 |
所在地 | 京都府 |
起点 | ケーブル八幡宮口駅 |
終点 | ケーブル八幡宮山上駅 |
駅数 | 2駅 |
開業 | 1926年6月22日 |
廃止 | 1944年2月11日 |
再開 | 1955年12月3日 |
所有者 | 京阪電気鉄道 |
運営者 | 京阪電気鉄道 |
使用車両 | 鋼索客車 |
路線諸元 | |
路線距離 | 0.4 km |
軌間 | 1,067 mm |
線路数 | 単線 |
最大勾配 | 206 ‰ |
高低差 | 82 m |
最高速度 | 3.5 m/s |
停車場・施設・接続路線 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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鋼索線(こうさくせん)は、京都府八幡市のケーブル八幡宮口駅からケーブル八幡宮山上駅までを結ぶ京阪電気鉄道のケーブルカー。石清水八幡宮参道ケーブルと呼ばれている。男山の山上にある石清水八幡宮への足となっている。
2019年(令和元年)10月1日に、当線の八幡市駅をケーブル八幡宮口駅に、男山山上駅をケーブル八幡宮山上駅に、通称を男山ケーブルから石清水八幡宮参道ケーブルに変更した[1][2]。なお、京阪本線車内では「参道ケーブル」と案内されている。
短距離ながらトンネルが2箇所あり、京阪にはこの他に、山岳トンネルとしては京津線の逢坂山トンネルがある。また、途中に全長108.7 mの男山橋梁(トレッスル橋[3])があり、車両の行き違いはこの橋梁とトンネルに跨がる区間で行われる。
2001年(平成13年)に車両が更新され、2019年6月に車両のデザインが変更された[2]。
2007年4月以降、京阪の路線で唯一「ICOCA」や「PiTaPa」などの全国相互利用サービスに対応した交通系ICカードが使用できなかったが、2020年6月1日に導入された[4]。
路線データ
[編集]運行形態
[編集]通常時は30分間隔の運行で、所要時間は約3分。乗客がいる場合にのみ運行される不定期列車を含めると15分間隔である。例年、大晦日と石清水祭前夜[5][6]は、終夜運転が行われる[8]。正月の多客期は12.6 km/h、それ以外の閑散期は8 km/hの2速度で運転できるようになっており、正月三が日には速度を上げて約3分間隔の頻発運転が行われる。終発は通常18時45分発だが、正月三が日には20時00分まで繰り下がる。
運賃・乗車券の取り扱い
[編集]運賃は片道300円。
ケーブル八幡宮山上駅には改札は無いため、上り下り共に下のケーブル八幡宮口駅で切符の扱い、精算をする。
運賃の取り扱いは、次のようになっている。
- ケーブル八幡宮口駅から乗る場合
- 往復乗車券や企画乗車券は自動改札機に入れると出てくるが、片道乗車券を購入した場合は、その場で回収される。
- ケーブル八幡宮山上駅から乗る場合
- ケーブル八幡宮口駅で事前に往復乗車券を購入していた場合や企画乗車券は、そのまま乗車し、ケーブル八幡宮口駅降車後そのまま自動改札機に進み、出場。片道乗車の場合もそのまま乗車し、ケーブル八幡宮口駅降車後乗り越し精算機で片道運賃を支払い、出場証を受け取ってから自動改札機に進み、出場。
- ケーブル八幡宮口駅で鋼索線から京阪本線(石清水八幡宮駅)に乗り換える場合
- 鋼索線側の駅から出場後、京阪本線側の駅で別途乗車券を購入する必要がある(その逆は連絡乗車券の取り扱いあり)。
京阪線各駅からケーブル八幡宮山上駅までの乗車券を発売しているが、かつては大津線各駅でもケーブル八幡宮山上駅までの乗車券を発売していた。
歴史
[編集]1926年(大正15年)、男山索道によって開業した。男山鉄道に社名変更後、京阪電気鉄道の子会社となった。戦時中の1944年(昭和19年)に廃止され資材が供出されるが、戦後の1955年(昭和30年)に京阪電気鉄道直営で復活した。
男山索道の資本金は150万円と会社の規模に対して過大であり、建設費も他の鋼索鉄道と比べて割高であった。これは観光地などの有望な路線の免許を取得し、さらに自前で鉄道を建設して高値で転売するためであった。この会社の重役である野田儀一郎[9]はかつて才賀藤吉率いる才賀電機商会で支配人[10][11]をつとめていた人物であり、破綻後は独立してこのような商売をしていたと見られる。 京阪電気鉄道の太田光凞社長はそういう状況は把握しながらも未開業の路線の免許[12](大山崎 - 長尾間、1927年6月免許)を押さえられており競争線防止のために、そのままにしておくこともできず、やむをえず買い取ることになったという[13]。
- 1922年(大正11年)12月22日:鉄道免許状下付[14]
- 1923年(大正12年)1月17日:男山索道会社設立[14][15]
- 1926年(大正15年)6月22日:男山索道が八幡口 - 男山間を開業[16]。
- 1928年(昭和3年)5月28日:男山鉄道に社名変更。
- 1929年(昭和4年)8月31日:京阪電気鉄道の子会社となる[17]。
- 1944年(昭和19年)2月11日 - 資材供出のため不要不急線として廃止。男山鉄道解散[18]。
- 1955年(昭和30年)
- 1957年(昭和32年)1月1日:男山駅を八幡町駅に、八幡宮駅を男山山上駅に改称[21]。
- 1977年(昭和52年)11月1日:八幡町駅を八幡市駅に改称。
- 2001年(平成13年)
- 2012年(平成24年)
- 2016年(平成28年)4月29日:車内放送をリニューアルし、向谷実作曲のBGMが流れるようになる。それに合わせて、車内にBose製スピーカーを4台搭載[26]。
- 2019年(令和元年)
- 2020年(令和2年)6月1日:運賃を200円から300円に値上げ。ICカード「PiTaPa」導入[4]。
駅一覧
[編集]駅番号 | 駅名 | 営業キロ | 接続路線 |
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KH80 | ケーブル八幡宮口駅 | 0.0 | 京阪電気鉄道: 京阪本線(石清水八幡宮駅:KH26) |
KH81 | ケーブル八幡宮山上駅 | 0.4 |
輸送実績
[編集]年度 | 旅客輸送人員(千人) |
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1958 | 306 |
1963 | 427 |
1966 | 444 |
1970 | 555 |
1979 | 611 |
1990 | 510 |
2000 | 317 |
2015 | 320[4] |
2018 | 356[4] |
- 私鉄統計年報各年版、民鉄主要統計『年鑑世界の鉄道』1983年『年鑑日本の鉄道』1993.2003年
脚注
[編集]- ^ a b c “国宝・石清水八幡宮への参道となるケーブルカー 鋼索線の車両デザインを一新します 〜通称は「石清水八幡宮参道ケーブル」に変更〜” (PDF). 京阪電気鉄道株式会社・京阪ホールディングス株式会社 (2019年5月14日). 2019年5月14日閲覧。
- ^ a b c “京阪ケーブル、車両デザイン一新 石清水八幡宮”. 産経ニュース. (2019年6月18日) 2019年10月1日閲覧。
- ^ 余部鉄橋利活用検討会 第1回資料 (PDF) 34ページ目を参照。「大杉谷鉄橋」とも呼ばれる。
- ^ a b c d 『鋼索鉄道事業の旅客運賃改定認可について』(PDF)(プレスリリース)京阪電気鉄道広報部、2020年5月14日。オリジナルの2020年5月20日時点におけるアーカイブ 。2020年5月20日閲覧。
- ^ “男山ケーブル線”. 京阪電気鉄道. 2019年9月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年9月27日閲覧。 “石清水八幡宮の石清水祭開催に伴い、運転時間を延長します。期 間 2019年9月14日(土)・15(日)”
- ^ “石清水八幡宮参道ケーブル臨時運転”. 京阪電気鉄道. 2024年9月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年9月27日閲覧。
- ^ 『年末年始の列車運転について』(PDF)(プレスリリース)京阪電気鉄道広報部、2020年11月27日。オリジナルの2020年11月27日時点におけるアーカイブ 。2020年11月29日閲覧。
- ^ 2020年の大晦日は終夜運転を行わなかった[7]。
- ^ 『帝国銀行会社要録 : 附・職員録. 大正15年版』(国立国会図書館デジタルコレクション)
- ^ 『日本電業者一覧. 明治43年』(国立国会図書館デジタルコレクション)
- ^ 『人事興信録. 3版(明44.4刊)』(国立国会図書館デジタルコレクション)
- ^ 「鉄道免許状下付」『官報』1927年6月29日、「鉄道免許失効」『官報』1936年7月24日(国立国会図書館デジタルコレクション)
- ^ 小川功「京阪グループの系譜」『鉄道ピクトリアル』No.695 2000年12月号、112-113頁
- ^ a b 『地方鉄道及軌道一覧 昭和10年4月1日現在』(国立国会図書館デジタルコレクション)
- ^ 『日本全国諸会社役員録. 第32回』(国立国会図書館デジタルコレクション)
- ^ 「地方鉄道運輸開始」『官報』1926年6月29日(国立国会図書館デジタルコレクション)
- ^ 京阪電気鉄道株式会社経営統括室経営政策担当/編『京阪百年のあゆみ』2011年、285頁。
- ^ 京阪電気鉄道株式会社史料編纂委員会/編『鉄路五十年』1960年、350頁。
- ^ 京阪電気鉄道株式会社史料編纂委員会/編『鉄路五十年』1960年、751頁。
- ^ a b 京阪電気鉄道株式会社史料編纂委員会/編『鉄路五十年』1960年、351頁。
- ^ a b 京阪電気鉄道株式会社経営統括室経営政策担当/編『京阪百年のあゆみ』2011年、286頁。
- ^ 『男山ケーブルを全面更新します』(プレスリリース)京阪電気鉄道、2001年4月13日。オリジナルの2001年12月30日時点におけるアーカイブ 。2020年12月30日閲覧。
- ^ 京阪電気鉄道株式会社経営統括室経営政策担当/編『京阪百年のあゆみ』2011年、533頁。
- ^ 『男山ケーブル新車両デビュー』(プレスリリース)京阪電気鉄道、2001年6月22日。オリジナルの2001年12月30日時点におけるアーカイブ 。2020年12月30日閲覧。
- ^ 出典・『K PRESS』2012年10月号「くらしのなかの京阪」より、8月14日ののり面崩落事故のお詫びと9月1日より運転再開も掲載
- ^ 男山ケーブルの車内放送を平成28年4月29日(金・祝)にリニューアルします (PDF) - 京阪電気鉄道報道発表資料、2016年4月6日
- ^ 男山ケーブルを18年ぶりにリニューアルします (PDF) - 京阪電気鉄道、2019年3月19日
- ^ “石清水八幡宮発着の男山ケーブル改修 京阪電鉄”. 日本経済新聞. (2019年3月19日) 2019年10月1日閲覧。
- ^ “京阪電気鉄道「あかね」「こがね」新デザインのケーブルカー公開”. マイナビニュース. (2019年6月17日) 2019年10月1日閲覧。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 石清水八幡宮参道ケーブル - 京阪電気鉄道