内閣府特命担当大臣(防災担当)
日本 内閣府特命担当大臣 (防災担当) Minister of State for Disaster Management | |
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内閣府ロゴマーク | |
所属機関 | 内閣 |
担当機関 | 内閣府 (内閣府政策統括官(防災担当)・ 中央防災会議) |
任命 | 内閣総理大臣 (石破茂) |
前身 | 国土庁防災局長[1] |
創設 | 2003年9月22日 |
初代 | 井上喜一 |
通称 | 防災担当相 防災相 |
職務代行者 | 内閣府副大臣 |
ウェブサイト | 大臣・副大臣・大臣政務官 - 内閣府 |
内閣府特命担当大臣(防災担当)(ないかくふとくめいたんとうだいじん ぼうさいたんとう、英語: Minister of State for Disaster Management)は、日本の国務大臣。内閣府特命担当大臣の一つである。
概要
[編集]日本の内閣府に置かれる内閣府特命担当大臣の一つである。主として防災行政を所管する国務大臣である。具体的には、災害予防、災害応急対策、災害復旧、災害からの復興などにかかわる政策を所管する[2][3]。内閣府において防災行政を所管する組織としては、内閣府政策統括官(防災担当)配下の組織と、重要政策に関する会議である中央防災会議などが挙げられる[4][5]。防災担当大臣は、これらの組織を担当する。
内閣府特命担当大臣は、担当する諸課題により柔軟に設置できるため、政権により増減や変動があり、その役職名は必ずしも一致しないが、内閣府特命担当大臣(防災担当)は、内閣府設置法により必置とされている[2]。同様の例としては、内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策担当)、内閣府特命担当大臣(金融担当)、内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全担当)及び内閣府特命担当大臣(少子化対策担当)も、内閣府設置法により必置とされている[6][7][8][9]。
2001年の中央省庁再編により内閣府特命担当大臣が設置されて以降、歴代政権は一貫して防災行政を担当する特命担当大臣を設置していたが、必置ではなかった。2021年4月28日の災害対策基本法等の一部を改正する法律による内閣府設置法の改正により、同年5月20日以降は、必置となった[10]。
また、防災担当大臣に就任した者は、災害対策基本法に基づき、内閣府中央防災会議の委員に就任する[11]。内閣府中央防災会議の会長は内閣総理大臣であるが[12]、防災担当大臣も自らの所管事務について内閣府中央防災会議に諮問することができる[3]。この場合、内閣府中央防災会議は防災担当大臣に対して答申する[13]。
沿革
[編集]中央省庁等改革基本法に基づく中央省庁再編により、2001年1月6日に内閣府が設置された[14][15]。それにともない、国土庁防災局などが所管していた防災行政は、内閣府に移管されることになった[16]。また、同時に、特命担当大臣の制度が設けられた。同日付で第2次森改造内閣(中央省庁再編後)が発足し、危機管理担当大臣として入閣していた衆議院議員の伊吹文明が「防災担当大臣」に任命された[17]。以降、防災行政を担当する特命担当大臣として、「防災担当大臣」の職が継続して設置された[18][19]。
2003年9月22日に発足した第1次小泉第2次改造内閣では、「内閣府特命担当大臣(防災担当)」と呼称が変更され、衆議院議員の井上喜一が任命された[20]。それ以来、「内閣府特命担当大臣(防災担当)」の職が継続して設置されている[21]。
名称
[編集]任命・補職は3段階で行われており、まず「国務大臣に任命する」[22]との官記が出され、次いで当該の国務大臣に対して「内閣府特命担当大臣を命ずる」[22]との辞令が出され、さらに当該の内閣府特命担当大臣に対して「防災を担当させる」[22]と命ぜられる。これらの辞令は『官報』に掲載されるため[22]、その記載に基づき「内閣府特命担当大臣(防災担当)」[23]と表記される。また、かつて2001年1月から2003年9月までは「防災担当大臣」と呼称されていた[17][18][19]。なお、災害対策基本法では「内閣府設置法第九条第一項に規定する特命担当大臣」[3]のうち「同項の規定により命を受けて同法第四条第一項第七号又は第八号に掲げる事項に関する事務及びこれに関連する同条第三項に規定する事務を掌理するもの」[3]と規定されている。略称は、「防災担当大臣」「防災担当相」「防災大臣」「防災相」である。英語での呼称については「Minister of State for Disaster Management」[24][25]とされている。
歴代大臣
[編集]代 | 氏名 | 内閣 | 就任日 | 退任日 | 党派 | 備考 | ||
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防災担当大臣 | ||||||||
1 | 伊吹文明 | 第2次森改造内閣 (中央省庁再編後) |
2001年1月6日 | 2001年4月26日 | 自由民主党 | |||
2 | 村井仁 | 第1次小泉内閣 | 2001年4月26日 | 2002年9月30日 | ||||
3 | 鴻池祥肇 | 第1次改造内閣 | 2002年9月30日 | 2003年9月22日 | ||||
内閣府特命担当大臣(防災担当) | ||||||||
1 | 井上喜一 | 第2次改造内閣 | 2003年9月22日 | 2003年11月19日 | 保守新党 | |||
2 | 第2次小泉内閣 | 2003年11月19日 | 2004年9月27日 | 再任 | ||||
3 | 村田吉隆 | 改造内閣 | 2004年9月27日 | 2005年9月21日 | 自由民主党 | |||
4 | 第3次小泉内閣 | 2005年9月21日 | 2005年10月31日 | 再任 | ||||
5 | 沓掛哲男 | 改造内閣 | 2005年10月31日 | 2006年9月26日 | ||||
6 | 溝手顕正 | 第1次安倍内閣 | 2006年9月26日 | 2007年8月27日 | ||||
7 | 泉信也 | 改造内閣 | 2007年8月27日 | 2007年9月26日 | ||||
8 | 福田康夫内閣 | 2007年9月26日 | 2008年8月2日 | 再任 | ||||
9 | 林幹雄 | 改造内閣 | 2008年8月2日 | 2008年9月24日 | ||||
10 | 佐藤勉 | 麻生内閣 | 2008年9月24日 | 2009年7月2日 | ||||
11 | 林幹雄 | 2009年7月2日 | 2009年9月16日 | |||||
12 | 前原誠司 | 鳩山由紀夫内閣 | 2009年9月16日 | 2010年1月12日 | 民主党 | |||
13 | 中井洽 | 2010年1月12日 | 2010年6月8日 | |||||
14 | 菅直人内閣 | 2010年6月8日 | 2010年9月17日 | 再任 | ||||
15 | 松本龍 | 第1次改造内閣 | 2010年9月17日 | 2011年7月5日 | ||||
第2次改造内閣 | 留任 | |||||||
16 | 平野達男 | 2011年7月5日 | 2011年9月2日 | |||||
17 | 野田内閣 | 2011年9月2日 | 2012年2月10日 | 再任 | ||||
第1次改造内閣 | 留任 | |||||||
18 | 中川正春 | 2012年2月10日 | 2012年10月1日 | |||||
第2次改造内閣 | 留任 | |||||||
19 | 下地幹郎 | 第3次改造内閣 | 2012年10月1日 | 2012年12月26日 | 国民新党 | |||
20 | 古屋圭司 | 第2次安倍内閣 | 2012年12月26日 | 2014年9月3日 | 自由民主党 | |||
21 | 山谷えり子 | 改造内閣 | 2014年9月3日 | 2014年12月24日 | ||||
22 | 第3次安倍内閣 | 2014年12月24日 | 2015年10月7日 | 再任 | ||||
23 | 河野太郎 | 第1次改造内閣 | 2015年10月7日 | 2016年8月3日 | ||||
24 | 松本純 | 第2次改造内閣 | 2016年8月3日 | 2017年8月3日 | ||||
25 | 小此木八郎 | 第3次改造内閣 | 2017年8月3日 | 2017年11月1日 | ||||
26 | 第4次安倍内閣 | 2017年11月1日 | 2018年10月2日 | 再任 | ||||
27 | 山本順三 | 第1次改造内閣 | 2018年10月2日 | 2019年9月11日 | ||||
28 | 武田良太 | 第2次改造内閣 | 2019年9月11日 | 2020年9月16日 | ||||
29 | 小此木八郎 | 菅義偉内閣 | 2020年9月16日 | 2021年6月25日 | ||||
30 | 棚橋泰文 | 2021年6月25日 | 2021年10月4日 | |||||
31 | 二之湯智 | 第1次岸田内閣 | 2021年10月4日 | 2021年11月10日 | ||||
32 | 第2次岸田内閣 | 2021年11月10日 | 2022年8月10日 | 再任 | ||||
33 | 谷公一 | 第1次改造内閣 | 2022年8月10日 | 2023年9月13日 | ||||
34 | 松村祥史 | 第2次改造内閣 | 2023年9月13日 | 2024年10月1日 | ||||
35 | 坂井学 | 第1次石破内閣 | 2024年10月1日 | 2024年11月11日 | ||||
36 | 第2次石破内閣 | 2024年11月11日 | 現職 | 再任 |
- 特命担当大臣は複数名を任命することがあるため、通常は代数の表記は行わない。ただし、本表ではわかりやすさに配慮し、代数の欄を便宜上設けた。
- 辞令のある再任は就任日を記載し、辞令のない留任は就任日を記載しない。
- 党派の欄は、就任時、または、内閣発足時の所属政党を記載した。
- 第1次小泉第1次改造内閣までは「防災担当大臣」と呼称されており、役職名の表記に差異はあるが、法的には同質であり、便宜上記載した。
脚注
[編集]- ^ 一般職の国家公務員に充てられる職位。
- ^ a b 内閣府設置法第9条の2。
- ^ a b c d 災害対策基本法第11条第2項第5号。
- ^ 「内閣府防災担当の組織」『内閣府防災担当の組織‐内閣府防災情報のページ』内閣府政策統括官(防災担当)。
- ^ 「中央防災会議――組織図」『中央防災会議 組織図(平成13年1月6日~)‐内閣府防災情報のページ』内閣府政策統括官(防災担当)、2001年1月6日。
- ^ 内閣府設置法第10条。
- ^ 内閣府設置法第11条。
- ^ 内閣府設置法第11条の2。
- ^ 内閣府設置法第11条の3。
- ^ [内閣府]災害対策基本法等の一部を改正する法律が成立 | 障害保健福祉研究情報システム(DINF)
- ^ 災害対策基本法第12条第5項第1号。
- ^ 災害対策基本法第12条第2項。
- ^ 災害対策基本法第11条第3項。
- ^ 内閣府設置法附則第1条。
- ^ 中央省庁等改革関係法施行法第2条。
- ^ 内閣府設置法第4条第18号、第19号
- ^ a b 「第2次森内閣改造内閣――平成13年1月6日中央省庁再編後」『第2次森 内閣改造内閣』内閣官房内閣広報室。
- ^ a b 「第87代第1次小泉内閣――平成13年4月26日成立」『第1次小泉内閣』内閣官房内閣広報室。
- ^ a b 「第1次小泉内閣第1次改造内閣――平成14年9月30日改造」『第1次改造内閣』内閣官房内閣広報室。
- ^ 「第1次小泉内閣第2次改造内閣――平成15年9月22日改造」『第2次改造内閣』内閣官房内閣広報室。
- ^ 「平成以降の内閣閣僚名簿」『平成以降の内閣閣僚名簿』内閣官房内閣広報室。
- ^ a b c d 「人事異動」『官報』5592号、国立印刷局、2011年7月7日、8面。
- ^ 内閣府被災者生活支援チーム事務局『6/3(金)副大臣会見参考資料』2011年6月3日、3頁。
- ^ 『部局課名・官職名英訳名称一覧――Names of Government Organizations and Positions』。
- ^ "Ministers", List of Ministers, Senior Vice-Ministers and Parliamentary Secretaries, Cabinet Office.
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 内閣府ホームページ - 内閣府の公式サイト
- 大臣・副大臣・大臣政務官 - 内閣府 - 内閣府特命担当大臣らを紹介する内閣府のページ
- 内閣府防災情報のページ - 内閣府政策統括官(防災担当)の公式ウェブサイト
- 中央防災会議‐内閣府防災情報のページ - 内閣府中央防災会議を紹介する内閣府政策統括官(防災担当)のページ