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利用者:㭍月例祭/競馬/サイヤーライン/2

サイヤーライン記事について、包括的な見直しとガイドラインを提案します。

現状の問題点[編集]

私は特定の人を個別に批難するつもりはありません。現状ではガイドラインもなにもないのであり、ウィキペディアの基本ルールを守ればいいのです。

  • (1)手続き上の問題
    • 既に先行議論および個別ページで指摘したとおりです。現状の記事には、適切な手続きを経ていなかったり、Wikipedia:即時削除の方針#全般6に該当(コピー&ペーストによって作成された、またはリダイレクトなどが上書きされ記事となったページで、ペースト後に意味のある加筆が行われていないもの)しているものが多数ある。ソックパペットによる初版がいちど白紙化・リダイレクト化され、後に議論を経ずに復帰されたものが多数ある。
  • (2)内容面の問題
    • (2-1)概要節がない
      • (1)を経た記事に多いのですが、概要や説明がなく、馬名の羅列と謎の4桁の数字しかないものが多いです。典型的なのはブルーピーター系。(もちろん皆さんは馬名の後ろの数字が生年であることは常識でしょうが、)ここは百科事典です。たとえばエクリプス系は、冒頭の定義文があり、歴史節があり、(概要節はあって無いようなものですが)系統の概略図があります。それから細かい系統図です。系統は、節を設けていくつかに分けられています。エクリプス系の説明文が非の打ち所がないとは言いませんが、多くの記事は、ブルーピーター系のように、そもそも読むに値する事がなにも書かれていません。
      • 概要節には次のようなものが望ましいと考えています。いい例:マッチェム系セントサイモン系パーソロン系…その父系の特徴や影響、沿革などをまとめてある。 わるい例:オーム系ダンジグ系…大したことが書いていない、◯の子は◯◯、その子は◯◯◯、◯◯◯、◯◯◯がいる、など、父系図を見ればわかるようなことしか書いていない。
    • (2-2)採録基準が不明
      • いちおう、申し訳程度には、一番下に「種牡馬入りしたもの」と書かれています。しかし、これが「種牡馬入りしたもの全て」ではないことは明らかであると同時に、種牡馬として実際に産駒がいるのかどうかも不明です。もちろん競走成績や種牡馬成績も一切書かれていないので、ただ馬名を羅列してあるのに等しいです。多くの百科事典の読み手にとって読むに値する状態とは言えないと思います。 ←方針文書より「または過去に存在したあらゆる事象のカタログ・名鑑・人名録ではありません」
      • いくつかの系統では、採録されている馬は青リンクが多くなっており、リンクをたどることで詳細な情報を得ることが可能です。一方で、そうしたリンクがほぼ皆無、ヘタすると系統の祖の記事すらない、なんてのも少なくありません。(例)ペティション系
    • (2-3)出典が無い
      • 「◯◯系」自体への出典もないし、(2-2)で上げたような採録馬への出典も示されていません。個人的には、ここに書かれているのがデタラメな文字列だとは思っていないし、たぶんどこかのサイトとか本から転記したんだろうな、とは思いますが、多すぎて検証する気にもなりません。日本馬、輸入馬、青リンクがあるとか、相当なラインをつなげている馬などはともかく、一代限りのドイツのG2馬とか、南米の重賞勝馬とかを、単に名前だけ連ねていくことに果たしてどれだけ百科事典として必要性があるのか、疑問に思います。
    • (2-4)加筆が少ない
      • サイヤーラインの記事へ最近の加筆()をみると、(2-2)で指摘したような「謎の馬名の羅列」がひたすら追加されるものが少なくありません。出処は知りませんし、こうした加筆の価値がゼロであるとは言いませんが、なんの説明もない馬名をひたすら追加していくことが「有意義な加筆」と言ってよいかどうか、私は「言えない」と思います。
    • (2-5)リンク元がない
      • その記事の重要性を客観的/機械的に測る一つの指標として、リンク元を見るという方法があります。つまり、どのぐらいの数の記事が、ノーザンダンサー系へのリンクを設けているかを数えることで、ノーザンダンサー系の重要度の指標になるということです。
      • たとえばヒンドスタン系へのリンク一覧を見てください。130ほどのリンクが有りますが、◯◯系とか✕号族と書かれたリンクは全て、Template:競走馬系統からのリンクです。新しく◯◯系の記事をつくってテンプレを貼るだけで、130ほどのリンク元ができるわけです。要するに循環参照しているだけです。では、ヒンドスタン系へのリンクから、このテンプレートによるものを除去するとどうなるかというと、有意なリンクは1件(ヒンドスタン自身)になります。(索引にない記事一覧、と、過去の新着記事、あと私のメモ帳だけです。)父であるボワルセルやセントサイモンからのリンクすら無いし、直子のシンザンやウメノチカラ、ダイコーター、ミホシンザンやマイシンザンからさえリンクされていません。全く誰にも必要とされていないということがわかります。こうした状況が、多くのサイヤーライン記事で起きています。
      • この原因は2つ考えられます。新たな「系」を作っても、子側の競走馬の記事を修正していない、つまり「系」記事を作った人が子側の記事を責任持ってメンテしていないということです。もう一つの原因は、「ヒンドスタン系」がオーソライズされていないので、ヒンドスタンの子孫の記事の執筆者がもっと一般に知られた上位の「ボワルセル系」へリンクするということです。このことは、「ヒンドスタン系」が競馬記事執筆者にとってさえ常識的では想定しない「系」であることを示しているでしょう。
      • テンプレートを除くと、リンクの使われ方は、2パターンあります。ちゃんと数えたわけではないですが、97%ぐらいのものは、競走馬の個別記事の血統表に書いてある父系です。3%ぐらいで、「ノーザンダンサー系はリボー系と相性がよく…」のように、記事の本文の中にリンクがあるものもあります。逆に言えば、血統表があれば少なくとも父系はリンクされるはずであり、それすら無いというのはその「◯◯系」の記事の存在価値が疑わしいです。
  • (3)表現方法に関する課題
    • これはあえて「問題」ではなく「課題」とし、先送りします。
    • 現在のサイアーライン記事は、画面での見かけ上の大きさ(行数)と情報量が見合いません。要するに1頭1行でどんどん改行していくからです。画面で言うと何画面分にもなる文字列に、青リンクもゼロ、解説や説明もゼロ、というのばかりです。正直、百科事典の本文としては強く違和感を覚えます。せいぜい巻末資料、図表のレベルです。
    • この表記スタイルは、まあこの世界ではある程度普及している方法ですし、ほかにいい方法があるかというと、現時点ではちょっと思い浮かばないのですが、課題としては指摘しておきます。

そもそも「◯◯系」とは[編集]

  • 皆さんには釈迦に説法になりますが、どこかに「国際サイアーライン公認委員会」みたいのがあって、公認してくれるとかいうことではないので、正式にあるとかないとかいう話ではない。
  • 「◯◯系」という概念は移ろうものである。1900年ごろには「ガロピン系」とか言っていたかもしれないが、今ではそんなカテゴリーは誰も使わない。ベンドア系、サイリーン系、ファラリス系、といったカテゴリーも、現代の競走馬を分類する場面では普通は用いないだろう。一方、18世紀の競走馬の話をしようとしたら、リボー系やミスタープロスペクター系といった概念が登場しないのは当たり前である。たとえば「ネアルコ系」を詳説しようと思えばモスボローやダンテ、カリムなどの系統についても触れるだろうし、もちろんナスルーラやニアークティック、ロイヤルチャージャーについてはかなりのボリュームを割くことになるだろう。一方、別の文脈では、「ネアルコ系」と言ったら、ネアルコの子孫から、ナスルーラ、ニアークティック、ロイヤルチャージャー、ダンテ、モスボローなどを差し引いた残りの部分を意味するような文脈もあるだろう。日本ではテスコボーイ系やノーザンテースト系と言うだろうが、ドイツに行けばビルカーハン系やオルテルロ系、アカテナンゴ系やティシノ系があるかもしれない。
  • このように、色々な人が色々な文脈で「◯◯系」という表現を使います。しかし、これらを文献に見出したからといって、これが出典だ、検証可能性だと言って、「◯◯系」を単独記事化することに対しては、私は一定のガイドラインを設けることを提案します。

◯◯系を単独項目とする出典の資格について[編集]

  • Wikipedia:特筆性より
    • 「記載しようとしている話題についてその情報源が直接的かつ詳細に述べ」ていること。
  • 新しく「◯◯系」を作成するには、単にその表現がどこかの文献に見当たるというだけではなく、その「◯◯系」が広くオーソライズされていることを示す必要がある。(そうでなければ、いくらでも乱立できてしまう。)
  • たとえば、次のようなものは出典として不適切である。
  • (A)「サイレントエクセルの父はアサティス系のウイングアローで」という表現を「アサティス系」の出典だとして、「アサティス系」を単独記事化するような場合。
    • この「アサティス系」は、「ウィングアローの父系はアサティスを経てきていますよ」という程度のことしか意味していない。<アサティス系>という父系全体を主題的に、“直接的かつ詳細に”述べているものではない。この場合の「系」は、「◯の流れをくむ」という意味の接尾語程度でしかない。
  • (B)『ミスタープロスペクター事典』という本が市販されています。同書では、ミスタープロスペクター産駒の種牡馬を1頭1頭取り上げ、さらにその産駒を紹介する形式をとっています。その結果、各ページの見出しにはダミスター系、テューター系、リズム系、エブロス系…と片っ端から◯◯系と表現されています。これを根拠に◯◯系を個別記事化するのは不適切だと私は考えます。
そもそも同書は「ミスタープロスペクター系」に絞って取り上げているのであり、サラブレッド全体を大系的に取り上げているのではありません。サイヤーライン記事を整理するにあたっては、サラブレッド全体を見通した上で大系に分類するのでなければ、結局どんどん細分化してしまうだけです。
もちろん、ミスタープロスペクター系の各個別の競走馬記事の出典として供するぶんには何の問題もありません。あくまでもこうしたものを根拠に「◯◯系」を単独記事化することに反対するだけです。
  • これを念頭に「◯◯系」についての「出典」を具体的に検証する。

出典の検証作業[編集]

条件[編集]

出版されている文献に「◯◯系」が登場するかどうかを検証する。

原則として下記のような基準で検証した。

  1. 現実のサラブレッドの血統に関するものであること。つまり、ゲームの本とかはダメ。
  2. 出典は、サラブレッドの血統を大系的に説明しようとする文脈のみを採用する。
  3. 基本的に「◯◯系」と記述されているものをカウントする。
  4. 原語が日本語ではない文献については、文献の説明を参照。
  • 3については、固有名詞的に「ファイントップ系」という表現以外で、たとえば「ファイントップを祖とする父系」とか「ファイントップに行き着く系統」とかいうのはカウントした。
  • 個々の文献の表現としては、たとえば、「サッカーボーイ、ディクタス、サンシー、トピオなどの系統」のように、明らかに「ファイントップ系」を念頭に置いたような表現はままみられるのだが、これはカウントしていない。本件の主旨として「◯◯系」の「◯◯」を明確にしようとするものであるので、この表現ではどの馬を「一族の長」と見做すかが判別できないためである。
  • 文献の表現上、目次の見出しに用いられているとか、太字になっているとかのように、「◯◯系」として一括りにしていることを想起させる表現はままあるが、「系」「系統」などの語がない限り、これらはカウントしていない。単なる特筆的な産駒についての記述と、一連の「系統」を説明しようとしているのかの区別が難しいからである。

検証に利用した具体的な文献[編集]

  • (A) 『競馬 サラブレッドの生産および英国競馬小史』 デニス・クレイグ著、マイルズ・ネービア改訂、佐藤正人訳、中央競馬ピーアール・センター刊、1986
    • これは1949年に英国人のデニス・クレイグが著したもので、イギリスの視点で書かれている。出版当時イギリスで高い評価を受け、競馬に関するクラシックな出版物としてみなされている。出版時期からして当然、1940年台までのことしか書かれていないが、1982年にウェザビー商会の血統コンサルタントであるマイルズ・ネービアが追記して改訂版を出し、1986年に日本語版が出ている。
    • 「有名なサラブレッド:父系および1流の種牡馬」という章で約110ページを費やして3大父祖から1940年代までの競走馬を系統立てて説明している。さらにそれ以降の競走馬について、ミルリーフあたりまでの時代の競走馬を約14ページをかけて系統的に説明している。巻末には各系統の樹形図もある。
    • 原語は英語だが、◯◯Line、Line of◯◯が「◯◯の牡系系統」と訳されており、基本的にはこれをカウントした。一部にはoffshoot(◯◯を通る分枝)という表現もあり、これもカウントした。
    • イギリスが基準になっており、イギリス馬やイギリスで活躍した馬が系統の基準にされていることが多い。たとえばテディはフライングフォックス系、といった具合である。
    • 時代的に、改訂版ではすでにニジンスキーやザミンストレルが種牡馬入りした時期であるが、ニアークティックやノーザンダンサーは独立した系とされていない。
  • (B)『競馬百科』 日本中央競馬会著、株式会社みんと刊、1976
    • 第4章で約30ページをかけて3大父祖から最新の(1970年台だが)系統までを説明している。
  • (C)『名馬の血統』 山野浩一著、明文社刊、1982
    • 1970年の初版版から何度か版を重ねるたびにボリュームが増えており、ここでは3大父祖から現在の父系までを総ざらいしている1982年版を採用した。
  • (D)『The Blood-Horse STALLION REGISTER FOR 1995』 The Blood-Horse社、アメリカ、英文、1995
    • 1995年のアメリカの種牡馬全書である。巻尾に系統表があり、ここで大文字・太字で表されているものをカウントした。
    • 本書はあくまでも「1995年にアメリカで繋養されている現役種牡馬」を網羅したもので、系統表もそれらを表したものである。したがって1995年時点で途絶えているような系統や、アメリカに種牡馬が存在しない系統は記載されていない。日本で繋養されている種牡馬もちょっぴり乗っており、たとえばメジロティターンやキリパワーも(わずか2行の短い記載だが)出ている。しかしこれらの在外種牡馬は系統表には反映されていない。
    • 特徴的なのは、ボールドルーラー系がナスルーラ系から独立して、完全に一つの父系のように扱われていることである。
  • (E)『サラブレッド血統年鑑’98』 中央公論社刊、1997
    • 厳密にはこれは書籍というよりはWindows用のソフトであるが、取り扱い本が付属しており、その中で、全サラブレッドを78の系統に分類していることを、系統表を用いて説明してある。
  • (F)『世界の種牡馬2013』 加藤栄著、東邦出版刊、2011
    • 巻頭で約10ページをかけて、世界の主な父系を解説している。
    • 基本的に本書は「現役種牡馬」についての本であるので、現存しない系統については触れていない。あくまでも「現役種牡馬」の分類であるため、たとえば「セントサイモン系」や「ハイペリオン系」のような系統分けも前面には出てこない(過去にあった系統、のような扱いでの言及はある)。一方、「ホーリーブル系」とか「カドージェネルー系」のような、他書では見られないような先端的な類型化を行っている。
  • (G)『馬券に活かす!系統別血統ガイド』 エンターブレインムック、2010
  • (H)『競馬血統クロニクル』 エンターブレインムック、2012


以上の8冊をもとに◯◯系の洗い出しを行った。日本、英国、アメリカの文献をあたったこと、1949年から2013年までの文献をあたったことで、それなりには多角的な検証ができたつもりである。できれば2005年頃の文献をあたれればちょうどよかったが、手元に無かった。

ガイドライン案[編集]

  • (1)適切な出典を用いること。
    • (1-1)一般的な出典に関する条件をクリアしていること。
    • (1-2)現実のサラブレッドの血統に関するものであること。つまり、ゲームの本とかはダメ。
    • (1-3)サラブレッドの血統全体を大系的に説明したものであること。つまり、一部や1頭の馬の説明ではダメ。
  • (2)複数の出典に記載があるかどうかを確認する。
  • (3)検証した出典において半数以上(50%以上)の出典で確認できたものを独立項目として許容する。
  • (4)出典は追加できる。
  • (4-1)出典を追加した結果、「半数以上の出典で確認できたもの」に変動がある場合、適切な手続きを経たうえで項目の分割・統合を行なうことができる。
    • たとえば8件の出典を検証した結果4件確認できた項目があったとして、さらに2つの出典を検証した結果そこには記載がなかった場合、4/10(40%)となって「半数以上」を下回ることになる。この場合は、合議の上で統合をすることができる。
    • 逆に3/8しか確認できなかった系統があって、さらに2つの追加出典で確認できた場合は、5/10となり半数以上を満たすので、合議によって分割し、独立系統とすることができる。

ガイドラインに沿った実際の検証結果[編集]

上であげた8件の出典について検証した。 詳細な結果はこちらを参照。

8件の出典で半数以上登場したサイヤーラインは次の通り。


これによると、現在の約95系統から61系統に減ります。 現在単独記事化されていて、統合により消えるのは下記の通り。 詳細は検証ページにゆずるが、これらの記事は出典が少ないこと意外に、複数の問題があるケースがほとんどである。

※あくまでも「単独記事」の基準に満たないというだけであり、出典が1しかないからといって、ハイフライヤー系という概念自体を否定するものではない。

  • ※例外
    • フライングチルダーズ系 - 出典はゼロだが、サラブレッド意外の品種の祖であり、サラブレッドの大系だけで判断できないため。
  • (1)基本的にこの形で整理統合を行う。
  • (2)各記事では、適宜、節を設けて子系統について詳述する。
  • (3)各記事には、概要節や出典を整備する。
  • (4)採録基準については今回は先送りする。


過半数とした場合[編集]

出典数を過半数とすると、下記の通り36系統となる。