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協力産業

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
協力産業有限会社
種類 有限会社
本社所在地 日本の旗 日本
857-3101
長崎県西海市崎戸町蠣浦郷1261番地1
設立 1942年2月17日
業種 海運業
法人番号 9310002013299
事業内容 和洋菓子の製造販売
喫茶・レストランの経営
代表者 代表取締役 伊達光一
資本金 300万円
発行済株式総数 3,000株
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協力産業有限会社(きょうりょくさんぎょう)は、長崎県西海市に本社のある会社である。かつて九州本土の西海町[注 1]大島大島町)、蛎浦島崎戸町)を連絡する定期航路を運航していた。1999年(平成11年)、大島大橋の開通によって航路は廃止され、2024年(令和6年)現在は主として和洋菓子の製造販売、喫茶・レストランの経営を行っており、定期航路からは撤退している。本項では主にかつて運航されていた定期航路について解説する。

概要

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1950年代までは個人事業の渡海船と同様の各航路一日1 - 2往復程度の運航であったが、1963年(昭和38年)、太田和 - 馬込(大島)にフェリー「まごめ丸」が就航し、1974年(昭和49年)には大島で大島造船所が操業を開始したことから輸送量が急増、1980年代には早朝から深夜まで大型両頭フェリーによる一日30往復の運航に至った。一方、島内の集落を巡航する旧来の航路は1975年までに他事業者を含め全廃され、航路としては太田和 - 馬込に集約された形となった[注 2]。 1999年11月11日、大島大橋の開通によって九州本土と寺島、大島が陸路で結ばれ、航路は廃止された。代替公共交通機関としてさいかい交通が路線バスを運行している。

航路

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廃止時点の航路

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  • 太田和 - 馬込
航路距離4.5km、九州本土と大島を結ぶ最短航路として、最後まで運航されたフェリー航路。
旅客船時代の1959年(昭和34年)時点で一日11往復[1]、翌年には一日15往復[2][3][4]となった後、フェリー就航後は
1966年(昭和41年) - 一日12往復[5]
1968年(昭和43年) - 一日15往復[6][7][8][9][10]
1972年(昭和47年) - 一日24往復[11][12]
1981年(昭和56年) - 一日27往復[13]
1982年(昭和57年) - 一日29往復[14]
1986年(昭和61年) - 一日30往復[15]
1996年(平成8年) - 一日30.5往復[16]
と増便が続いた。

過去の航路

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すべて旅客船による運航である。

  • 面高 - 崎戸 - 七ツ釜 - 馬込[17]
寄港地 - 七ツ釜、中浦、柳、阿房下、間瀬、阿房下、天久保、黒口、太田和、馬込、間瀬、阿房下、蛎ノ浦
航路距離15浬、一日1往復、他に太田和 - 阿房下間一日1往復。
  • 面高 - 天久保 - 黒口 - 馬込 - 間瀬 - 阿房下 - 蛎浦 - 崎戸[1]
航路距離33.0km、一日1往復、6月16日 - 12月31日2往復。
  • 天久保 - 黒口 - 馬込 - 間瀬 - 阿房下 - 蛎浦[5][18]
航路距離28.5km、一日1往復。
1973年 - 1975年に廃止。
  • 七ツ釜 - 中浦 - 柳 - 阿房下 - 間瀬 - 馬込[1]
航路距離16.7km、一日1往復。
  • 七釜 - 中浦 - 柳 - 阿房下 - 間瀬[5][18]
航路距離19.1km、月間15航海。
1973年 - 1975年に廃止。

船舶

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旅客船

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1936年9月進水、木造、用船。
19.84総トン、焼玉機関、機関出力40ps、航海速力6ノット、旅客定員51名。
1928年1月進水、木造。
36.01総トン、焼玉機関、機関出力63ps、航海速力7ノット、旅客定員55名。
1948年9月進水、木造、用船。
12.57総トン、焼玉機関、機関出力30ps、航海速力7ノット、旅客定員39名。
8.91総トン。
  • 太田和丸[1]
1938年10月進水、木造。
23.52総トン、焼玉機関、機関出力30ps、航海速力6.5ノット、旅客定員64名。
1950年2月進水、木造、用船。
4.5総トン、焼玉機関、機関出力8ps、航海速力4ノット、旅客定員28名。
1956年8月進水、木造、用船。
18.77総トン、ディーゼル、機関出力30ps、航海速力6.5ノット、旅客定員36名。
  • 第二西海丸[2]
1940年3月進水、木造、用船。
15.22総トン、焼玉機関、機関出力30ps、航海速力7ノット、旅客定員30名。
  • 第三佐世保丸[5]
1949年4月進水、木造。
31.91総トン、焼玉機関、機関出力50ps、航海速力7.5ノット、旅客定員80名。
1957年7月進水、木造、個人船主所有・用船。
25.07総トン、焼玉機関、機関出力40ps、航海速力8ノット、旅客定員40名。
1966年5月進水、木造、個人船主所有・用船。
5トン未満、ディーゼル1基、機関出力12ps、旅客定員13名。

フェリー

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1963年6月竣工、東和造船建造、特定船舶整備公団共有。
77.38総トン、ディーゼル1基、機関出力90ps、航海速力7.81ノット、旅客定員95名、大型バス1台。
初のカーフェリー、引退後、天草商船に売船。
1966年5月竣工、東和造船建造、特定船舶整備公団共有。
81.93総トン、ディーゼル1基、機関出力120ps、航海速力9.01ノット、旅客定員93名、大型バス1台・乗用車2台。
引退後、三光汽船に売船。
  • 第三まごめ丸[21]
1970年6月竣工、東和造船建造、船舶整備公団共有。
155.65総トン、登録長29.70m、型幅7.00m、型深さ2.60m、ディーゼル1基、機関出力360ps、航海速力9.50ノット、旅客定員150名、大型トラック4台。
引退後、雌雄島海運に売船。
  • 第五まごめ丸[22]
1973年5月竣工、備南船舶工業建造、船舶整備公団共有。
199.52総トン、登録長36.10m、型幅9.50m、型深さ2.80m、ディーゼル1基、機関出力600ps、航海速力10.9ノット、旅客定員250名、12tトラック2台・8tトラック2台。
  • 第八まごめ丸[23]
1963年6月竣工、三菱重工業下関造船所建造、もと関九フェリー「フェリー干珠」。
330.83総トン、全長54.31m、型幅9.00m、型深さ3.20m、ディーゼル2基、機関出力1,100ps、航海速力12.5ノット、旅客定員350名、平均航送台数20.9台。
  • 第十一まごめ丸[23]
1965年12月竣工、神田造船所建造、もと三洋汽船「水島丸」。
449.65総トン、全長44.50m、型幅11.50m、型深さ3.60m、ディーゼル2基、機関出力1,700ps、航海速力13.5ノット、旅客定員350名、大型バス6台または大型トラック10台。
  • 第十三まごめ丸[23]
1978年7月竣工、若松造船建造、船舶整備公団共有。
198.64総トン、全長42.10m、型幅9.00m、型深さ2.89m、ディーゼル2基、機関出力940ps、航海速力11.5ノット、旅客定員184名(平水245名)、乗用車20台または大型バス5台。
  • 第十五まごめ丸[23]
1982年4月竣工、向井造船所建造、船舶整備公団共有、両頭船。
456.78総トン、全長54.50m、型幅11.50m、型深さ3.50m、ディーゼル2基、機関出力1,400ps、航海速力10.67ノット、旅客定員400名。
  • 第十八まごめ丸[24]
1987年12月竣工、林兼船渠建造、船舶整備公団共有、両頭船。
485総トン、全長46.65m、型幅13.50m、型深さ3.50m、ディーゼル2基、機関出力1,400ps、航海速力10.50ノット、旅客定員400名、8tトラック9台。

脚注

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  1. ^ 各自治体とも現在は西海市。
  2. ^ この他、西海沿岸商船による佐世保 - 大島(馬込)航路があり、高速船航路として2024年現在も運航されている。

出典

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  1. ^ a b c d e 『旅客定期不定期航路事業現況表』,日本旅客船協会,[1959]. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/2493516 (参照 2024-04-07)
  2. ^ a b c 『旅客定期・不定期航路事業現況表』,日本旅客船協会,[1960]. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/2524318 (参照 2024-04-07)
  3. ^ 『旅客定期不定期航路事業現況表』昭和35年8月1日現在,運輸省海運局定期船課,[1961]. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/2494226 (参照 2024-06-25)
  4. ^ 『旅客定期不定期航路事業現況表』,運輸省海運局定期船課,[1962]. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/2513296 (参照 2024-06-25)
  5. ^ a b c d e f 『旅客定期不定期・自動車航送貨物定期航路事業現況表』昭和41年8月1日現在,運輸省海運局定期船課,[1967]. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/2531329 (参照 2024-04-07)
  6. ^ 『旅客定期・不定期自動車航送貨物定期航路事業現況表』昭和43年8月1日現在,運輸省海運局定期船課,[1968]. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/2523860 (参照 2024-04-08)
  7. ^ 『旅客定期・不定期自動車航送貨物定期航路事業現況表』昭和44年8月1日現在,運輸省海運局定期船課,[1969]. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/2523859 (参照 2024-04-08)
  8. ^ a b 『旅客定期・不定期自動車航送貨物定期航路事業現況表』昭和46年4月1日現在,運輸省海運局定期船課,[1971]. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12065734 (参照 2024-04-07)
  9. ^ 『旅客定期・不定期自動車航送貨物定期航路事業現況表』昭和47年4月1日現在,運輸省海運局定期船課,[1973]. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12065577 (参照 2024-04-07)
  10. ^ 『旅客定期・不定期自動車航送貨物定期航路事業現況表』昭和51年4月1日現在,運輸省海運局定期船課,[1976]. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12061801 (参照 2024-04-07)
  11. ^ 運輸省海運局 編『旅客定期・不定期自動車航送貨物定期航路事業現況表』昭和52年4月1日現在,運輸省海運局定期船課,[1977]. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12065822 (参照 2024-04-08)
  12. ^ 『旅客定期・不定期自動車航送貨物定期航路事業現況表』昭和55年4月1日現在,運輸省海運局定期船課,[1980]. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12065572 (参照 2024-04-08)
  13. ^ 『旅客定期・不定期自動車航送貨物定期航路事業現況表』昭和56年4月1日現在,運輸省海運局定期船課,[1981]. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12065733 (参照 2024-04-08)
  14. ^ 『旅客定期・不定期自動車航送貨物定期航路事業現況表』昭和57年4月1日現在,運輸省海運局定期船課,[1982]. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12121864 (参照 2024-04-08)
  15. ^ 全国フェリー・旅客船ガイド 1987年上期号 P.294 (日刊海事通信社 1986)
  16. ^ 全国フェリー・旅客船ガイド 1996年下期号 P.346 (日刊海事通信社 1996)
  17. ^ a b c d e 『旅客定期航路事業現况表』,日本定期船協会,[1955]. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1694423 (参照 2024-04-07)
  18. ^ a b 『旅客定期・不定期自動車航送貨物定期航路事業現況表』昭和47年4月1日現在,運輸省海運局定期船課,[1973]. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/12065577 (参照 2024-06-25)
  19. ^ 『旅客船 : 機関誌』(54),日本旅客船協会,1963-10. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/2810937 (参照 2024-04-07)
  20. ^ 『旅客船 : 機関誌』(68),日本旅客船協会,1966-07. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/2810951 (参照 2024-04-07)
  21. ^ 『旅客船 : 機関誌』(87),日本旅客船協会,1970-08. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/2810970 (参照 2024-04-07)
  22. ^ 『旅客船 : 機関誌』(102),日本旅客船協会,1973-08. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/2810985 (参照 2024-04-07)
  23. ^ a b c d 『日本船舶明細書 1983』日本海運集会所、1983年。 
  24. ^ 『日本船舶明細書 1996』日本海運集会所、1996年。 

関連項目

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  • 西海沿岸商船 - 大島を含む長崎 - 佐世保の沿岸航路を運営する同業他社。
  • 崎戸商船 - 蛎浦島に寄港する佐世保 - 上五島航路を運営する同業他社。
  • さいかい交通 - 各島内及び九州本土を連絡する公共交通機関。

外部リンク

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