博物館船
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博物館船(英語: museum ship)、あるいは記念艦(英語: memorial ship)は、現存する古い船舶のうち、教育および記念物としての目的で博物館に保存され一般に公開されている船である。そのうちのいくつかは、青少年のトレーニングや船員募集の目的に使用されているが、博物館船のうち、そもそも水上で保存されているものが少なく、通常の航海や移動が可能なものは極少数である[1][2]。
世界各国には数百隻の博物館船があり、しばしば海事博物館の展示物となっており、あるいはそれ自体が海事博物館となっているものもある。
主な博物館船一覧
[編集]日本
[編集]地域 | 都市 | 船名(艦名) | 船について | 備考 |
---|---|---|---|---|
北海道 | 江差町 | 開陽丸[† 1] | 幕末の軍艦 | 復元。開陽丸記念館にて公開(内見可能)。 |
函館市 | くろしおII号[† 1] | 潜水探測機 | 福島町青函トンネル記念館にて公開(内見不可)。 | |
摩周丸 | 青函連絡船 | 博物館船として公開(内見可能)。 | ||
青森県 | 青森市 | 八甲田丸 | ||
宮城県 | 石巻市 | サン・ファン・バウティスタ号 | 慶長遣欧使節船 | 復元中。2024年度にリニューアルオープン予定。 |
第十六利丸[† 1] | 捕鯨船 | ホエールタウンおしかにて公開(内見可能)。 | ||
茨城県 | ひたちなか市 | 常陽丸[† 1] | 教育実習船 | ひたちなか市漁港中央公園に展示されていたが、撤去された。 |
東京都 | 品川区 | 宗谷 | 巡視船、南極観測船 | 船の科学館にて公開(内見可能)。船籍あり(所有は海上保安庁)。 |
羊蹄丸 | 青函連絡船 | 船の科学館にて公開されていたが、 老朽化のため2011年9月30日に展示終了。その後解体された。 | ||
マリンエース[† 1] | 半没水型双胴実験船 | 船の科学館にて公開されていたが、2024年の本館解体時に撤去済。 | ||
たんかい[† 1] | 潜水艇 | 船の科学館にて公開されていたが、2024年の本館解体と共に解体。 | ||
江東区 | 明治丸[† 1] | お召し船、練習船 | 東京海洋大学越中島キャンパスにて公開(内見中止)。 | |
第五福龍丸[† 1] | マグロ漁船 | 都立 第五福竜丸展示館にて公開(内見不可)。 | ||
港区 | 雲鷹丸[† 1] | 水産練習船 | 東京海洋大学品川キャンパスにて公開(内見不可)。 | |
第一芝浦丸[† 1] | 引き船 | 東京港管理事務所前にて公開(内見不可)。 | ||
神奈川県 | 横浜市 | 氷川丸 | 貨客船 | 博物館船として公開(内見可能)。 |
日本丸 | 練習船 | 日本丸メモリアルパークにて公開(内見可能)。 | ||
船名なし[† 1] | 工作船 | 九州南西海域工作船事件の際に、東シナ海で自爆・沈没し後に引き上げられた北朝鮮の工作船。海上保安資料館 横浜館で展示されている。 | ||
横須賀市 | 三笠[† 1] | 戦艦 | 博物館船として公開(内見可能)。世界三大記念艦のひとつ。所有は防衛省。現存する唯一の前弩級戦艦。 | |
静岡県 | 沼津市 | スカンジナビア | クリッパーバウ型客船 | 2006年9月2日、スウェーデンへの曳航中、和歌山県潮岬沖約3kmの海底72mに沈没した。 |
静岡市 | 東海大学丸II世[† 1] | 海洋調査実習船 | 2016年12月に解体された。 | |
愛知県 | 名古屋市 | ふじ | 南極観測船 | 名古屋港ガーデンふ頭にて公開(内見可能)。 |
碧南市 | きぬかぜ CL71[† 1] | 巡視艇 | 碧南市青少年海の科学館にて公開。 | |
三重県 | 鳥羽市 | 白鯨号[† 1] | 潜水調査船 | 海の博物館にて公開(内見不可)。 |
ぶらじる丸 | 貨客船 | 1996年1月に閉館。その後中国へ曳航された。 | ||
和歌山県 | 太地町 | 第一京丸[† 1] | 捕鯨船 | くじら浜公園にて公開(内見不可)。 |
兵庫県 | 神戸市 | ヤマトⅠ[† 1] | 超電導電磁推進船 | 神戸海洋博物館で野外展示されていたが、2016年11月に撤去された。 |
疾風[† 1] | テクノスーパーライナー | 神戸海洋博物館で野外展示されていたが、2016年11月に撤去された。 | ||
富山県 | 射水市 | 海王丸 | 練習船 | みなとオアシス海王丸パークにて公開(内見可能)。 |
広島県 | 尾道市 | こじま PL-21 | 練習巡視艇 | 向島町マリンユースセンターに展示されていたが、2003年に撤去された。 |
呉市 | あきしお[† 1] | 潜水艦 | 海上自衛隊呉史料館にて公開(内見可能)。 | |
しんかい[† 1] | 潜水調査船 | 呉市海事歴史科学館にて公開(内見不可)。 | ||
江田島市 | 特殊潜航艇甲型(甲標的甲型)[† 1] | 特殊潜航艇 | 教育参考館にて留置(内見不可)。 | |
海龍[† 1] | 特殊潜航艇 | 第1術科学校にて留置(内見不可)。 | ||
熊本県 | 天草市 | ろっこう PS-35 | 巡視艇 | 浜田海岸えびす公園にて展示されていたが、2002年に撤去された。 |
愛媛県 | 今治市 | 葉山丸[† 1] | 採集船 | 大三島海事博物館にて公開(内見不可)。 |
香川県 | 琴平町 | あらかぜ CL14 | 巡視艇 | 琴平海洋博物館にて公開(内見不可)。 |
はまゆう | 巡視艇 | 琴平海洋博物館にて展示されていたが、撤去された。 | ||
長崎県 | 長崎市 | 大雪丸 | 青函連絡船 | 2005年12月20日「ホテルシップヴィクトリア」の営業終了。その後中国へ曳航された。 |
アジア
[編集]国 | 地域 | 都市 | 船名(艦名) | 船について | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
中国 | 広東省 | 深圳市 | ミンスク | ソ連海軍の航空母艦 | ミンスク・ワールドにて公開されたが、2016年に現地で撤去確認。 |
江西省 | 九江市 | 九江 | 江滬I型(053H型)フリゲート | 2018年6月12日に退役後、改装を受けて九江軍事文化テーマパーク(中国語: 九江军事文化主题乐园)で展示されている。 | |
台湾 | 台南市安平区 | 德陽 | ギアリング級駆逐艦 | もとはアメリカ海軍の駆逐艦だったが、台湾に供与された。 | |
北朝鮮 | 平壌直轄市 | プエブロ | アメリカ海軍の情報収集艦 | プエブロ号事件で北朝鮮に拿捕され、その後は祖国解放戦争勝利記念館の敷地内に係留・公開されている。 | |
タイ | サムットプラーカーン県 | メクロン | メクロン級スループ | 戦前の日本製水上戦闘艦で唯一現存。 | |
トルコ | コジャエリ県 | イズミット | エヴァソール | ギアリング級駆逐艦 | |
メルスィン県 | メルスィン | ヌスレット | 機雷敷設艦 |
アメリカ大陸
[編集]国 | 地域 | 都市 | 船名(艦名) | 船について | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
アメリカ | ニューヨーク州 | ニューヨーク | イントレピッド | アメリカ海軍 エセックス級航空母艦 | イントレピッド海上航空宇宙博物館として公開。 |
バッファロー | ザ・サリヴァンズ | フレッチャー級駆逐艦 | アメリカ合衆国国定歴史建造物およびアメリカ合衆国国家歴史登録財。 | ||
カリフォルニア州 | サンディエゴ | ミッドウェイ | ミッドウェイ級航空母艦 | 博物館船として公開。 | |
アラメダ | ホーネット | エセックス級航空母艦 | |||
ロサンゼルス | アイオワ | アイオワ級戦艦 | |||
ロングビーチ | クイーン・メリー | 大型客船 | |||
コネチカット州 | グロトン | ノーチラス | アメリカ海軍。 世界初の原子力潜水艦 | ||
マサチューセッツ州 | クインシー | セーラム | デモイン級重巡洋艦 | ||
ボストン | カッシン・ヤング | フレッチャー級駆逐艦 | |||
コンスティチューション | 1797年進水のフリゲート | 世界三大記念艦のひとつ。
記念艦として公開されているが、アメリカ海軍の現役艦である。 | |||
フォールリバー | マサチューセッツ | サウスダコタ級戦艦 | バトルシップ・コーヴで展示中。 | ||
アラバマ州 | モービル | アラバマ | サウスダコタ級戦艦 | アメリカ合衆国国定歴史建造物に指定。 | |
テキサス州 | ヒューストン | テキサス | ニューヨーク級戦艦 | ||
コーパスクリスティ | レキシントン | エセックス級航空母艦 | |||
ルイジアナ州 | バトンルージュ | キッド | フレッチャー級駆逐艦 | ||
サウスカロライナ州 | マウントプレザント | ヨークタウン | エセックス級航空母艦 | ||
バージニア州 | ノーフォーク | ウィスコンシン | アイオワ級戦艦 | ||
ハワイ州 | パールシティ | ミズーリ | アイオワ級戦艦 | ||
ノースカロライナ州 | ウィルミントン | ノースカロライナ | ノースカロライナ級戦艦 | ||
ニュージャージー州 | カムデン | ニュージャージー | アイオワ級戦艦 | ||
カナダ | オンタリオ州 | トロント | ハイダ | トライバル級駆逐艦 | イギリス海軍、オーストラリア海軍、カナダ海軍において運用された全27隻のトライバル級駆逐艦で唯一現存している。 |
チリ | コンセプシオン県 | タルカワノ | ワスカル | 装甲艦 | ペルーからの鹵獲艦。 |
ヨーロッパ
[編集]国 | 地域 | 都市 | 船名(艦名) | 船について | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
イギリス | イングランド | ロンドン | ベルファスト | エディンバラ級軽巡洋艦 | |
ポーツマス | ヴィクトリー[† 1] | 1等戦列艦 | 1778年就役。世界三大記念艦のひとつ。 | ||
グリニッジ | カティーサーク | ティークリッパー | 現存する唯一のティークリッパー | ||
北アイルランド | ベルファスト | カロライン | カロライン級軽巡洋艦 | 第一次世界大戦においてユトランド沖海戦に参加。 | |
エストニア | ハリュ県 | タリン | レンビット[† 1] | カレフ級潜水艦 | |
デンマーク | 中央ユラン地域 | エーベルトフト | ユラン | 木造蒸気フリゲート | 現存する唯一の木造蒸気フリゲート。 |
ドイツ | シュレスヴィヒ =ホルシュタイン州 |
キール | U-995[† 1] | ドイツ海軍の潜水艦 (Uボート) |
|
ポーランド | ポモージェ県 | グディニャ | ブリスカヴィカ | グロム級駆逐艦 | |
ロシア | レニングラード州 | サンクト ペテルブルク |
アヴローラ | ヂアーナ級防護巡洋艦 | バルチック艦隊の生き残り。日本海海戦に参戦。 |
クラスノダール地方 | ノヴォロシースク | ミハイル・クトゥーゾフ | スヴェルドロフ級軽巡洋艦 | ||
ギリシャ | アテネ | チャレット | フレッチャー級駆逐艦 | 日本陸軍が国際法に違反して病院船「橘丸」(東海汽船、1,772トン)で部隊・武器を輸送した橘丸事件で臨検を実施した。1959年から1991年までギリシャ海軍駆逐艦ヴェロスとして就役。 |
オセアニア
[編集]国 | 地域 | 都市 | 船名(艦名) | 船について | 備考 |
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オーストラリア | ニューサウスウェールズ州 | シドニー | ヴァンパイア | オーストラリア海軍の駆逐艦 | |
オンズロウ | オーストラリア海軍の潜水艦 | ||||
ホルブルーク | オトウェイ | ||||
西オーストラリア州 | パース | オヴェンス |
表註
脚注
[編集]- ^ Activities of the Historic Naval Ships Association Archived 2007年8月8日, at the Wayback Machine. (the international Historic Naval Ships Association website)
- ^ The World's Third Largest Fleet (the international Historic Naval Ships Association website)
参考文献
[編集]- 『船舶の保存と修復』東京文化財研究所〈未来につなぐ人類の技〉、2002年7月。ISBN 4882331527。 NCID BA58056729 。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- Historic Naval Ship Visitors' Guide (from the international Historic Naval Ships Association website)