国鉄ソ60形貨車
国鉄ソ60形貨車 | |
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国鉄ソ60形、ソ68 1988年10月9日、高崎操駅 | |
基本情報 | |
車種 | 事業用車(操重車) |
運用者 | 日本国有鉄道 |
所有者 | 日本国有鉄道 |
製造所 | 日本車輌製造 |
製造年 | 1972年(昭和47年) - 1975年(昭和50年) |
製造数 | 14両 |
消滅 | 1987年(昭和62年) |
常備駅 | 大宮操車場、新鶴見操車場、他 |
主要諸元 | |
車体色 | 黄1号 |
軌間 | 1,067 mm |
全長 | 12,800 mm |
全幅 | 2,710 mm |
全高 | 4,070 mm |
荷重 | 2.5* t |
自重 | 35.3 t - 36.0 t |
換算両数 | 3.5 |
台車 | ニ軸ボギー台車 |
台車中心間距離 | 7,600 mm |
最高速度 | 75 km/h |
備考 | *最大吊上荷重 |
国鉄ソ60形貨車(こくてつソ60がたかしゃ)は、かつて日本国有鉄道(国鉄)に在籍した、レール積降用操重車(事業用貨車)である。
概要
[編集]本形式は、老朽化と能力不足が目立ってきたソ50形の代替として、1972年(昭和47年)から1975年(昭和50年)にかけて、日本車輌製造で14両(ソ60 - ソ73)が製造されたレール積降用操重車である。
一見、保線用モーターカー然としたスタイルで、台枠上に前位から機関室、運転室、旋回フレームが置かれる。機関室にはディーゼルエンジン(日野DK10A形、153PS/1800rpm)と液体式変速機、逆転機、交流発電機が収納されている。ディーゼルエンジンは、走行用、作業用いずれの状況でも動力源として使用されるが、走行時は液体式、作業時には電気式として制御が行われる。
クレーンのブームは水平に伸縮して左右に24.5°振ることができるのみである。扱い荷重は2.5tで、長さ25mの定尺レール3本を一度に取り扱うことができる。下回りは2軸ボギー台車(バーバー式と呼ばれるもので、国鉄形式は付与されていない)を2基装備し、後位側の台車はディーゼルエンジンからの動力を得る動台車となっており、30km/hで自走可能である。また機関車による牽引回送時の最高速度は、75km/hである。
使用時は、本形式2両を背中あわせにし、その間に長物車2両が挿入される。その際、貨車に制御回路の引き通しを設けることで、総括制御により走行や、クレーンによる荷役作業が可能である。
配置
[編集]1980年(昭和55年)時点の配置は次のとおりで、各地の大操車場に2両ずつ配置されて巡回使用されたが、1987年(昭和62年)の国鉄分割民営化までに全車が廃車された。なお、廃車になった車両の一部は、クレーンを撤去の上、車籍の無い工事用モーターカーに改造された。
- ソ60, ソ61 - 大宮操車場(東京北鉄道管理局)
- ソ62, ソ63 - 新鶴見操車場(東京南鉄道管理局)
- ソ64, ソ65 - 郡山駅(仙台鉄道管理局)
- ソ66, ソ67 - 稲沢駅(名古屋鉄道管理局)
- ソ68, ソ69 - 高崎操車場(高崎鉄道管理局)
- ソ70, ソ71 - 岡山操車場(岡山鉄道管理局)
- ソ72, ソ73 - 吹田操車場(大阪鉄道管理局)
参考文献
[編集]- 村井健三(国鉄車両設計事務所)「レール積みおろし用―ソ60形式―」 鉄道ファン 1972年4月号(No.132)
- 埴岡寿一「われら影武者軍団 国鉄の事業用車2 貨車編」 鉄道ファン 1980年7月号(No.231)
- 貨車技術発達史編纂委員会「日本の貨車-技術発達史-」2009年 社団法人日本鉄道車輌工業会