コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

在日イギリス人

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
在日英国人から転送)
在日イギリス人、イギリス系日本人
British people In Japan
イギリスの旗日本の旗
総人口
19,909人
(2023年12月末現在)[1][2]
居住地域
東京神奈川大阪千葉 他、日本各地
言語
イギリス英語日本語香港語
宗教
キリスト教仏教

在日イギリス人(ざいにちイギリスじん、英語: British people In Japan)は、日本に一定期間在住するイギリス国籍の人である。日本に帰化したイギリス人、およびその子孫のことはイギリス系日本人と言う。

概要

[編集]

人数

[編集]

日本の法務省の在留外国人統計によると、2023年12月末現在で日本にいる中長期在留者・特別永住者のイギリス人は1万9909人(194国中19位)である。そのうち永住しているイギリス人やその家族は6,880 人であり、それ以外のイギリス人が13,029人である[3]。この他に、公表される在留外国人数に含まれていない、在留資格「外交」・「公用」の者や90日以下の短期滞在者がいる[4]
人数は在日アメリカ人の3分の1程度であるが、ヨーロッパ諸国出身者の中では在日イギリス人が最も多い。

年代

[編集]

2023年12月末時点で中長期在留者・特別永住者である在日イギリス人の男女比は74対26であり、圧倒的に男性が多い。年代別に見ると30代(4365人)が最も多く、次いで40代(4079人)が多い。年代別の構成比率について在留外国人全体の平均と比べると、40代(25%)は10%ポイント、30代(26%)は3%ポイントそれぞれ高いのに対して、10代(2%)は3%ポイント、20代(14%)は16%ポイントそれぞれ低く、幼児も少ない[5]

在留資格

[編集]

在日イギリス人(1万6568人、2021年6月末時点)の約6割(57%)は就労制限のない在留資格「永住者」(6332人、資格別内訳中1位)、「永住者の配偶者等」(76人)、「定住者」(188人)及び「日本人の配偶者等」(2779人、同3位)のほか特別永住者(90人)である[3]。制限のある在留資格としては「技術・人文知識・国際業務」(3281人、資格別内訳中2位)及び「教育」(1168人、同4位)が特に多く、以下「家族滞在」(797人、同5位)、「特定活動」(350人、同6位)、「教授」(330人、同7位)、「留学」(307人、同8位)と続く[3]

在日外国人全体との比較から見ると、「教育」(人数前述、194国中3位)、「教授」(同5位)、「ワーキング・ホリデー」(Working Holiday Visa[6][7]、69人[注釈 1]、同9位)、「興行」(49人、同9位)、「法律・会計業務」(19人、同2位)及び「高度専門職」(1号イ~2号の計243人、同8位)も多い[3]。在日外国人全体に占める在日イギリス人の割合は0.6パーセントに過ぎないが、「法律・会計業務」(14%)と「教育」(10%)の各資格における在日イギリス人の割合は高い[3]

職種

[編集]

2021年10月末時点の在日イギリス人の労働者人口は、1万1917人(2021年6月末時点の在留数との比率およそ72%)であった(なお失業率については不詳)。産業別の内訳は「教育、学習支援業」(全産業計における構成比47.8%)が最も多く、そのほか「情報通信業」(同6.8%)、「卸売業、小売業」(同6.1%)、「製造業」(同3.5%)、「宿泊業、飲食サービス業」(同2.3%)や「サービス業(他に分類されないもの)」(同9.2%)などであった[8]

2019年7月1日時点でJETプログラム(「語学指導等を行う外国青年招致事業」)に参加、在日していたイギリス人は560人(57か国中2位)であり、内訳は外国語指導助手(528人)・国際交流員(32人)であった(なおスポーツ国際交流員は0人)[9]。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の世界的流行 (2019年-)が生じたために、入国が規制されて2020年での新規招致は行われなかった[注釈 2](そのため2020年7月時点の参加者集計は行われていない)。

地域

[編集]

2023年12月末時点で在日イギリス人の居住地域は関東地方(55%)、近畿地方(15%)、中部地方(10%)が多い[11]

在留資格別(5位まで)
順位 在留資格 人数
1 永住者 6,880
2 技術・人文知識・国際業務 3,350
3 日本人の配偶者 3,037
4 教育 1,549
5 特定活動 1,164
6 留学 1,100
7 家族滞在 930
都道府県別(6位まで)
順位 都道府県 人数
1 東京 7,266
2 神奈川 1,791
3 大阪 1,227
4 北海道 1113
5 千葉 967
6 兵庫 754
7 埼玉 717

家族

[編集]

2015年時点で在日イギリス人の家族の同伴率(4%)は在日外国人全体の平均(6%)より低い[12]。日本人の配偶者のイギリス人は16%で在日外国人全体の平均(7%)より高く、2506人(8位)居る[12]

香港系イギリス人

[編集]

香港はかつてイギリスの植民地であったことから、中国への返還後も住民はイギリス国民 (海外)(略称:BN(O))のパスポートを保有しており、イギリス人として日本に入国・滞在することが可能である。統計上はイギリス人に含まれており、非BN(O)のイギリス人との区別はされていない。

歴史

[編集]

2000年代

[編集]

2006年の在日イギリス人は1万7804人だった[12]。2000年に日本人男性と国際結婚したイギリス人女性は76人、イギリス人男性と結婚した日本人女性は249人だった[13]

2010年代

[編集]

2010年にイギリスから海外に移民した人は470万人(8位)に及ぶ。最も多い移住先はオーストラリア(120万人)であり、太平洋まで進出するイギリス人は意外と多い[14]。同年、イギリスの海外出稼ぎ労働者は全世界から本国に74億ドル(15位)を送金した[15]。2010年の在日イギリス人は1万6044人であり、2015年は1万5197人だった[12]

著名な在日イギリス人・イギリス系日本人、およびその子孫

[編集]

在日イギリス人

[編集]

イギリス系日本人

[編集]

香港系イギリス人

アグネス・チャン

脚注

[編集]

注釈

[編集]
  1. ^ 在留資格「特定活動」の中に含まれる。
  2. ^ 11月・12月に例外的に入国が認められたオーストラリア、ニュージーランド、シンガポール、韓国及びブラジルの5か国からの参加者(計134人)のみ新規に招致された[10]

出典

[編集]
  1. ^ 【在留外国人統計(旧登録外国人統計)統計表】
  2. ^ 令和5年末現在における在留外国人数について
  3. ^ a b c d e [1]
  4. ^ 令和3年6月末現在における在留外国人数について』(プレスリリース)出入国在留管理庁、2021年10月15日。オリジナルの2022年4月2日時点におけるアーカイブhttps://warp.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/12213418/www.moj.go.jp/isa/publications/press/13_00017.html2022年5月27日閲覧 注記を参照。
  5. ^ [2]
  6. ^ Working Holiday Visa”. Embassy of Japan in the UK. 2020年7月27日閲覧。
  7. ^ イギリス人はワーキング・ホリデー査証。両国間で制度が異なる。”. Youth Mobility Scheme概要. 2020年7月27日閲覧。
  8. ^ 「外国人雇用状況」の届出状況表一覧(令和3年10月末現在)』(PDF)(プレスリリース)厚生労働省、2022年1月28日。オリジナルの2022年4月7日時点におけるアーカイブhttps://warp.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/12251586/www.mhlw.go.jp/content/11655000/000887555.pdf2022年6月5日閲覧 「別表7 国籍別・産業別外国人労働者数」を参照。
  9. ^ JETプログラム参加者数”. 自治体国際化協会 (2019年8月2日). 2021年7月21日時点のオリジナルよりアーカイブ2022年6月5日閲覧。
  10. ^ “令和2年度JETプログラムの経緯” (PDF). 令和2年度事業報告書. 自治体国際化協会. (2021). pp. 29-30. http://www.clair.or.jp/j/clair/docs/01_R2jigyouhoukokusho.pdf 2022年6月5日閲覧。 
  11. ^ [3]
  12. ^ a b c d 在留外国人統計(旧登録外国人統計)”. 法務省 統計局 (2015年). 2015年11月14日閲覧。
  13. ^ 第2表 夫妻の国籍別にみた婚姻件数の年次推移”. 厚生労働省 (2009年). 2015年11月25日閲覧。
  14. ^ Migration and Remittances Factbook 2011”. 世界銀行 (2010年). 2015年11月29日閲覧。
  15. ^ Migration and Remittances Factbook 2011”. 世界銀行 (2010年). 2015年11月29日閲覧。

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]