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地理空間学会

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
地理空間学会
Japan Association on Geographical Space
地理空間学会本部(筑波大学総合研究棟A)
略称 JAGS
種類 学会
法的地位 日本学術会議協力学術研究団体(2013 - )
目的 地理学および地理教育を研究し、その発展と普及を図ること
本部 305-8572
茨城県つくば市天王台一丁目1番地1 筑波大学大学院生命環境科学研究科地球環境科学専攻内(筑波大学筑波キャンパス
座標 北緯36度6分40.4秒 東経140度6分10.7秒 / 北緯36.111222度 東経140.102972度 / 36.111222; 140.102972
貢献地域 地理学
会員数
276人(2012年6月20日現在)[1]
公用語 日本語
会長 内山幸久
主要機関 常任委員会、庶務委員会、会計委員会、集会委員会、編集委員会
予算 1,423,208円(2011年度)[2]
ウェブサイト jags.ne.jp ウィキデータを編集
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地理空間学会(ちりくうかんがっかい、英語: Japan Association on Geographical Space、JAGS)は、地理学地理教育に関する日本学会。事務局を筑波大学大学院生命環境科学研究科地球環境科学専攻に設置する[3]

地理空間」とは、1970年代フランスで地理学の中核的な概念となった用語であり[4]、多様で広範な地理学的研究を包含し、同時に名称に先進性があることから、学会名および会誌名に採用された[5]

会員

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地理空間学会会則第4条1項の規定により、一般会員・大学院生会員・学生会員の3種類の会員制度が設けられている[6][7]。いずれの会員も、会誌配布とすべての事業参加が可能[6]

会員数
2008 227[8]
2010 237
2012 276

運営組織

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役員

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地理空間学会会則第6条1項の規定により、以下の役員が置かれている[6]

  • 会長:1名。
  • 会計監査:2名。
  • 常任委員:5名前後。
  • 評議員:30名前後。
2012 - 2013年度役員[9]

歴代会長

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会長 在任期間 就任時の所属
初代 菅野峰明 2008-2010 埼玉大学[10]
2代 白坂蕃 2010-2012 帝京大学[11]
3代 内山幸久 2012-現在 立正大学[12]

委員会

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庶務委員会、会計委員会、集会委員会、編集委員会と、各委員会の委員長および常任委員長で構成される常任委員会がある[6]。学会事務局は常任委員長に直属する[6]

学術大会

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大会は年1回、春季に開催される[7]。例年、開催月は6月である[13][14][11][2][15]。会場は2008年・2009年・2011年は筑波大学筑波キャンパス[13][14][2]、2010年は神奈川大学[11]、2012年は筑波大学文京校舎であった[15]。第1回大会は口頭発表のみであったが[13]、第2回大会以降ポスター発表が導入された[14]

大会1日目が発表および懇親会、2日目が会場周辺の巡検となっている[13][14][11][2][15]

機関誌「地理空間」

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地理空間 
学術分野 地理学
査読 あり
言語 日本語(一部英語)
編集者 地理空間学会
詳細
出版社 地理空間学会
出版国 日本の旗 日本
出版歴 2008年[7] - 現在
出版間隔 年2回[7]
オープンアクセス なし
分類
ISSN 1882-9872
外部リンク
プロジェクト:出版Portal:書物
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『地理空間』(ちりくうかん)は、地理空間学会の機関誌。英文誌名は会則第3条2項ではJournal of Geographical Spaceとなっている[6]が、雑誌表紙にはGEOGRAPHICAL SPACEと表記されている[16]。2008年(平成20年)創刊で、年2回刊行する[7]。投稿可能なページ数に制限はない[17]

投稿原稿は、論説・調査報告・展望・研究ノート・フォーラム・資料・書評の7種類である[18]。2012年までに刊行された『地理空間』掲載論文は、論説12本、調査報告6本、展望3本、研究ノート6本、フォーラム3本、資料2本、書評26本と創刊記念論文3本である[16]。掲載論文はほとんどが日本語であるが、英語論文も2巻の1号と2号にそれぞれ1本ずつ掲載されている[16]

創刊当初の投稿料は1ページ3,000円であったが、すぐに12ページまで無料で13ページ目以降は1ページ10,000円に改定された[17]。さらに2010年から、13ページ目から16ページ目まで1ページ10,000円、17ページ目以降は1ページ5,000円に変更となった[11]

『地理空間』掲載論文の全文はオンラインで公開されていなかった[3]が、『地理空間』掲載から半年経過した場合、インターネット上で公開されることが2013年の第6回地理空間学会総会で提案・承認された[19]

歴史

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筑波大学およびその前身である東京教育大学東京文理科大学東京高等師範学校(東京高師)に事務局を置く地理学会は、1924年(大正13年)創立の「東京高師地理学会」があった[20]。東京高師地理学会は1930年(昭和5年)に「大塚地理学会」へ改称、地誌学派を形成した田中啓爾1947年(昭和22年)まで会長として学会を率いた[21]。発足当初は東京高師の同窓会的な組織であったが、『東京高師地理学会会報』6冊、『大塚地理学会会報』7冊、『大塚地理学会論文集』6冊と季刊誌『地理』を戦前に刊行し、田中の門弟に論文発表の場を提供した[22]。その後、『大塚地理学会論文集 : 田中啓爾先生記念』を1950年(昭和25年)に刊行して以降、出版活動は停止[23]、学会も消滅した。

本学会は前述の大塚地理学会と連続性は有しないが、設立総会において「地理空間学会の設立がここ大塚茗渓会館で開催されたことは,本学会が茗渓の伝統を受け継いで発展していこうという意気込みを表したもの」と、伝統を引き継ぐ学会であるとの認識が明示された[10]

2008年(平成20年)3月28日に81名が出席した学会設立総会にて会則と役員を決定し、正式に「地理空間学会」が発足した[24]。同年、第1回例会を5月10日に、6月21日22日に第1回大会を開催した[25]

2013年(平成25年)9月、日本学術会議協力学術研究団体に指定された[26]

脚注

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  1. ^ 地理空間学会(2012):59ページ
  2. ^ a b c d 地理空間学会事務局(2011):ページ番号なし
  3. ^ a b 野間ほか 編著(2012):233, 235ページ
  4. ^ 手塚(2008):72 - 73ページ
  5. ^ 田林(2008):巻頭、ページ番号なし
  6. ^ a b c d e f 地理空間学会"地理空間学会/地理空間学会会則"(2013年1月21日閲覧。)
  7. ^ a b c d e 野間ほか 編著(2012):235ページ
  8. ^ 地理空間学会事務局(2008):2ページ
  9. ^ 地理空間学会"地理空間学会/地理空間学会役員(2012~2013年度)"(2013年1月21日閲覧。)
  10. ^ a b 菅野(2008):71ページ
  11. ^ a b c d e 地理空間学会事務局(2010):ページ番号なし
  12. ^ 立正大学"立正大学 教員情報/内山 幸久"(2013年1月21日閲覧。)
  13. ^ a b c d 地理空間学会事務局(2008):1ページ
  14. ^ a b c d 地理空間学会事務局(2009.9):1 - 2ページ
  15. ^ a b c 地理空間学会事務局(2012.6):ページ番号なし
  16. ^ a b c 『地理空間』1巻1,2号、2巻1,2号、3巻1,2号、4巻1,2号、5巻1号による。
  17. ^ a b 地理空間学会事務局(2009.3):2ページ
  18. ^ 地理空間学会"地理空間学会/投稿規程"(2013年1月21日閲覧。)
  19. ^ 地理空間学会 編(2013):181ページ
  20. ^ 岡田(2002):2 - 3ページ
  21. ^ 岡田(2002):3, 43ページ
  22. ^ 岡田(2002):3, 42 - 43ページ
  23. ^ 国立国会図書館"「大塚地理学会」に一致する資料"国立国会図書館サーチ検索結果(2013年1月21日閲覧。)
  24. ^ 地理空間学会(2008):81ページ
  25. ^ 地理空間学会事務局(2008):1, 2ページ
  26. ^ 地理空間学会 編(2013):183ページ

参考文献

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  • 岡田俊裕『地理学史 人物と論争』古今書院、2002年9月1日、227p. ISBN 4-7722-5066-2
  • 菅野峰明(2008)"会長総会挨拶"地理空間(地理空間学会)1(1):71-72.
  • 田林明(2008)"創刊にあたって"地理空間(地理空間学会)1(1):巻頭(ページ番号なし)
  • 地理空間学会(2008)"学会記事"地理空間(地理空間学会)1(1):81.
  • 地理空間学会(2012)"学会記事"地理空間(地理空間学会)5(1):58-59.
  • 地理空間学会 編『地理空間Vol.6-2』地理空間学会、2013年12月20日、184p. ISSN 1882-9872
  • 地理空間学会事務局『地理空間学会ニューズレターNo.2』2008年7月9日、地理空間学会、4p.
  • 地理空間学会事務局『地理空間学会ニューズレターNo.3』2009年3月9日、地理空間学会、4p.
  • 地理空間学会事務局『地理空間学会ニューズレターNo.5』2009年9月26日、地理空間学会、6p.
  • 地理空間学会事務局『地理空間学会ニューズレターNo.8』2010年10月7日、地理空間学会
  • 地理空間学会事務局『地理空間学会ニューズレターNo.11』2011年10月3日、地理空間学会
  • 地理空間学会事務局『地理空間学会ニューズレターNo.12』2012年2月8日、地理空間学会
  • 手塚章(2008)"地理空間について"地理空間(地理空間学会)1(1):72-74.
  • 野間晴雄香川貴志土平博河角龍典小原丈明 編著『ジオ・パルNEO 地理学・地域調査便利帖』海青社、2012年3月31日、262p. ISBN 978-4-86099-265-1

関連項目

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外部リンク

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