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塩化ニトロシル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
塩化ニトロシル
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識別情報
CAS登録番号 2696-92-6
E番号 E919 (その他)
特性
化学式 NOCl
モル質量 65.46 g/mol
外観 黄色気体、赤色液体
密度 1.417g/cm3、液体 @-12℃
2.99g/L、気体
融点

-59.6℃

沸点

-6.4℃

への溶解度 分解
構造
分子の形 sp2 at N
双極子モーメント 1.90D
危険性
安全データシート(外部リンク) ICSC 1580
主な危険性 毒性が大きい
経口摂取での危険性 不明。
呼吸器への危険性 咳。 咽頭痛。 息苦しさ。 息切れ。
への危険性 充血。 痛み。 熱傷。
皮膚への危険性 発赤。 痛み。 皮膚熱傷。
NFPA 704
0
3
1
W
関連する物質
関連物質 次亜硝酸 (ニトロシル)
フッ化ニトロシル
臭化ニトロシル
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

塩化ニトロシル(えんかニトロシル、nitrosyl chloride)は、化学式 NOCl の無機化合物である。広く一般に、王水の分解によって生成する。ハロゲン化ニトロシルは他にフッ化ニトロシル臭化ニトロシルが知られている。

性質

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黄赤色の気体で、強い酸化力を持ち、塩酸や硝酸に溶かしても反応しない白金も、NOClによって酸化されて塩化金や塩化白金が生じる。塩素化・ニトロ化・酸化反応を起こす。ただしタンタル、イリジウムは酸に対しての耐性が極めて高いため、塩素化できない(イリジウムは粉末にすればわずかに反応する)。

構造

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化学式はNOClであるが、構造を考慮するとONClと書いた方が適している。NとOの結合は二重結合でその結合距離は1.16 Å、NとClの結合は単結合でその結合距離は1.69 Åである。また、O-N-Clの結合角は113°である[1]

合成

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NOClは活性炭のもとで一酸化窒素塩素を作用させて発生させる。または、硫酸水素ニトロシル塩酸から合成することもできる。

また、塩酸と硝酸の反応によっても合成できる[2]

反応

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  • ハロゲン化合物アクセプターと反応してニトロシルカチオン [NO]+ を与える。
  • 水と反応して塩化水素を放出する。
  • 100℃まで熱すると塩素と一酸化窒素に分解する。
  • アルケンに付加させるとα-クロロオキシムを与える。

脚注

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  1. ^ Holleman, A. F.; Wiberg, E. "Inorganic Chemistry" Academic Press: San Diego, 2001. ISBN 0-12-352651-5.
  2. ^ L. J. Beckham, W. A. Fessler, M. A. Kise (1951). “Nitrosyl Chloride”. Chemical Reviews 48: 319–396. doi:10.1021/cr60151a001. 

外部リンク

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