塩化ニトロシル
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塩化ニトロシル | |
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塩化ニトロシル | |
別称 オキシ塩化窒素 塩化ニトロソニウム | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 2696-92-6 |
E番号 | E919 (その他) |
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特性 | |
化学式 | NOCl |
モル質量 | 65.46 g/mol |
外観 | 黄色気体、赤色液体 |
密度 | 1.417g/cm3、液体 @-12℃ 2.99g/L、気体 |
融点 |
-59.6℃ |
沸点 |
-6.4℃ |
水への溶解度 | 分解 |
構造 | |
分子の形 | sp2 at N |
双極子モーメント | 1.90D |
危険性 | |
安全データシート(外部リンク) | ICSC 1580 |
主な危険性 | 毒性が大きい |
経口摂取での危険性 | 不明。 |
呼吸器への危険性 | 咳。 咽頭痛。 息苦しさ。 息切れ。 |
眼への危険性 | 充血。 痛み。 熱傷。 |
皮膚への危険性 | 発赤。 痛み。 皮膚熱傷。 |
NFPA 704 | |
関連する物質 | |
関連物質 | 次亜硝酸 (ニトロシル) フッ化ニトロシル 臭化ニトロシル |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
塩化ニトロシル(えんかニトロシル、nitrosyl chloride)は、化学式 NOCl の無機化合物である。広く一般に、王水の分解によって生成する。ハロゲン化ニトロシルは他にフッ化ニトロシル、臭化ニトロシルが知られている。
性質
[編集]黄赤色の気体で、強い酸化力を持ち、塩酸や硝酸に溶かしても反応しない金や白金も、NOClによって酸化されて塩化金や塩化白金が生じる。塩素化・ニトロ化・酸化反応を起こす。ただしタンタル、イリジウムは酸に対しての耐性が極めて高いため、塩素化できない(イリジウムは粉末にすればわずかに反応する)。
構造
[編集]化学式はNOClであるが、構造を考慮するとONClと書いた方が適している。NとOの結合は二重結合でその結合距離は1.16 Å、NとClの結合は単結合でその結合距離は1.69 Åである。また、O-N-Clの結合角は113°である[1]。
合成
[編集]NOClは活性炭のもとで一酸化窒素と塩素を作用させて発生させる。または、硫酸水素ニトロシルと塩酸から合成することもできる。
また、塩酸と硝酸の反応によっても合成できる[2]。
反応
[編集]- ハロゲン化合物アクセプターと反応してニトロシルカチオン [NO]+ を与える。
- 水と反応して塩化水素を放出する。
- 100℃まで熱すると塩素と一酸化窒素に分解する。
- アルケンに付加させるとα-クロロオキシムを与える。
脚注
[編集]- ^ Holleman, A. F.; Wiberg, E. "Inorganic Chemistry" Academic Press: San Diego, 2001. ISBN 0-12-352651-5.
- ^ L. J. Beckham, W. A. Fessler, M. A. Kise (1951). “Nitrosyl Chloride”. Chemical Reviews 48: 319–396. doi:10.1021/cr60151a001.
外部リンク
[編集]- 国際化学物質安全性カード 塩化ニトロシル (ICSC:1580) 日本語版(国立医薬品食品衛生研究所による), 英語版