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塩化白金(IV)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
塩化白金(IV)
識別情報
CAS登録番号 13454-96-1
特性
化学式 PtCl4
モル質量 336.89 g/mol
外観 茶色粉末
密度 4.303 g/cm3, 固体
融点

370 ℃(分解)

沸点

分解

塩酸への溶解度 H2PtCl6に変化
関連する物質
関連物質 塩化白金(II)
ヘキサクロロ白金酸
ヘキサクロロ白金酸カリウム
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

塩化白金(IV)(えんかはっきん よん、platinum(IV) chloride)は、化学式が PtCl4 と表される白金塩化物である。白金の酸化数は+4で、茶色の粉末である。他の白金(IV)錯体と同じように、塩化白金(IV)は八面体構造である。これは配位子である塩素原子の半分が他の白金原子に架橋し、ポリマーを形成するためである。この構造のために、塩酸によってこの架橋構造を破壊すれば、塩化白金(IV)は容易く溶け、ヘキサクロロ白金酸 (H2PtCl6) を生じる。cis-PtCl4L2ルイス塩基配位子が配位した錯体もいくつか知られているが、ほとんどは白金(II)化合物の酸化によって得られている。

塩化白金(IV)は主に、金属白金を王水に溶解させてヘキサクロロ白金酸を調製する過程において発生している。ヘキサクロロ白金酸を加熱すると塩化白金(IV)が発生するが、塩素を失い塩化白金(II)が得られる。

白金については、他のハロゲン化物 (PtFPtBr4PtI4) も知られている。

引用

[編集]

Cotton, S. A. Chemistry of Precious Metals, Chapman and Hall (London): 1997. ISBN 0-7514-0413-6.