大津栄一郎
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大津 栄一郎(おおつ えいいちろう、1931年2月18日[1] - 2013年1月17日[2])は、アメリカ文学者、翻訳家。明治学院大学名誉教授であった。
経歴
[編集]長崎県島原市生まれ[1]。東京大学教養学部卒、同英文科大学院修了、東海大学助教授、明治学院大学教授を務め、ウラジーミル・ナボコフ、ヘンリー・ジェイムズなどを翻訳、研究した。晩年になって日本語に関心を深め『古事記』の現代語訳を刊行した。
ナボコフの『賜物』の翻訳については翻訳家の若島正から『翻訳の世界』誌の「改訳したい小説ベスト10」で多数の誤訳を指摘されたため、「若島正氏に反論する」を同誌に寄稿し反駁した。これに対する若島正の反論は『乱視読者の冒険 - 奇妙キテレツ現代文学ランドク講座』におさめられている。[3]
著書
[編集]翻訳
[編集]- 『咲けよ、美しきばら』(H・E・ベイツ、音羽書房) 1967
- 『賜物』(ウラジーミル・ナボコフ、白水社、新しい世界の文学) 1967、のち福武文庫
- 『絶望』(ウラジーミル・ナボコフ、白水社、新しい世界の文学) 1969
- 『氷結の国』(ギルバート・フェルプス、筑摩書房、世界ロマン文庫)1970
- 『恐怖城の秘密』(ロバート・アーサー、日本パブリッシング、ヒッチコックと少年探偵トリオミステリーシリーズ) 1971
- 『父たち』(ハーバート・ゴールド、白水社、新しい世界の文学) 1973
- 『乳房になった男』(フィリップ・ロス、集英社) 1974、のち文庫
- 『作家と党派 アメリカにおける文学的ラディカリズムの歴史』(J・B・ギルバート、研究社出版) 1974
- 『男としての我が人生』(フィリップ・ロス、集英社、現代の世界文学)1978
- 『ナボコフ自伝 記憶よ、語れ』(ウラジーミル・ナボコフ、晶文社) 1979
- 『オー・ヘンリー傑作選』(オー・ヘンリー、岩波文庫) 1979
- 『カサマシマ公爵夫人』(ヘンリー・ジェイムズ、集英社、世界文学全集) 1981
- 『ヘンリー・ジェイムズ短篇集』(ヘンリー・ジェイムズ、岩波文庫) 1985
- 『アメリカの家庭生活』(ジョン・アップダイク、講談社) 1985
- 『ニューヨークのユダヤ人たち ある文学の回想 1940 - 60』(アルフレッド・ケイジン、筒井正明共訳、岩波書店) 1987
- 『友だちの友だち』(ヘンリー・ジェイムズ、林節雄共訳、国書刊行会、バベルの図書館) 1989
- 『クリスマス・ソング』(ベイツ、福武文庫) 1990
- 『フォークナー全集 3 蚊』(フォークナー、冨山房) 1991
- 『20世紀アメリカ短篇選』(岩波文庫) 1999
- 『サキ傑作選』(サキ、ハルキ文庫) 1999
- 『ビアス短篇集』(アンブローズ・ビアス、岩波文庫) 2000
- 『古事記』全3巻(きんのくわがた社) 2007
脚注
[編集]- ^ a b 日外アソシエーツ 1985, 111頁.
- ^ 大津栄一郎氏死去(明治学院大名誉教授・英語英文学) 時事ドットコム - archive.today(2013年4月26日アーカイブ分)
- ^ 秋草俊一郎 (2019). “日本人はナボコフをどう読んできたか――『ロリータ』を中心に”. 言語文化 36号: 3-22.
参考文献
[編集]- 日外アソシエーツ 編『現代翻訳者事典』日外アソシエーツ、1985年。ISBN 4816905294。